5分でわかる電気業界!電機と電力の違い、業界で取り扱う製品や今後の課題を解説!

更新:2021.12.4

電気にまつわる業界ということで「電気業界」と検索すると、「電機」や「電力」などさまざまな業界があることが分かります。少し混乱してしまった方向けに「電気の業界」の内訳と、なかでも「電機業界」について簡単に解説していきます。電力業界や電機業界は今どちらも変わりつつあるので、このタイミングで概要を知っておくとよいかもしれません。業界がどう細分化しているのかを改めて確認してみましょう。

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電気業界、電力業界、電機業界の違い

「電気業界」「電機業界」「電力業界」。一言で「でんき」と言ったときに人が思い浮かべるものはそれぞれ違います。まずはそれぞれの業界がどのような範囲を扱うのかを確認しておきましょう。

発電して電力を売るのは「電力業界」

日常会話で「電気」と言うと、電力そのものや電灯のことを指すことが多いでしょう。この意味での電気を作って販売しているのは「電力業界」です。東京電力・関西電力といった大手のほか、最近では「新電力」と呼ばれる小売業や、再生可能エネルギーを活用した小規模発電業者なども増えてきています。

配線工事などは「建設業界」もしくは「電気工事業界」

電気にまつわる工事を請け負う会社もあります。国家資格としては「電気工事士」などがあります。業界としては建設業界に大別されることが多いようですが、「電気工事業界」という細かい区分に分かれることもあります。

参考:FUNDBOOK

電気を使う機器を作るのが「電機業界」

電気を使って動く機器を作るのが「電機業界」です。「電気機器業界」と言うこともあります。家電やOA機器などの身近なものから、工業用の大きな設備まで様々なものが含まれます。

電機業界ってどんなところ?

上記で紹介した「電気にまつわる業界」のうち、本記事では「電機業界」をおもに紹介していきます。電機業界には複数のメーカーがありますが、それぞれに得意とする分野が異なります。

家電

炊飯器や冷蔵庫といった調理家電をはじめ、日常的に使う家電の多くを国産メーカーに頼っている家庭は珍しくありません。一方でアジア地域の家電メーカーの人気が高まっていますし、ロボット掃除機などのIoT分野では北米・ヨーロッパの資本力があるメーカーの存在感も目立ちます。

日本の家電は高品質なことで長く知られており、国際的にも人気のある商品を生み出してきました。一方、業績が低迷したシャープが台湾の鴻海傘下になったのも記憶に新しいところです。最近では大手のひとつであるパナソニックの業績悪化も報じられるなど、業界全体が大きな変革期を迎えつつあります。

参考:ダイヤモンド・オンラインITmediaビジネスオンライン

OA機器

OAとはオフィスオートメーション(Office Automation)の略で、簡単にまとめると「Officeで使う電化製品」のことです。パソコン、プリンタなどが代表的です。ただしこれらのものは現代においては家庭でもよく使われるので、家電製品との境目は曖昧になりつつあります。

パソコンやスマートフォンの必要性は今後も続くものの、プリンタやFAXのような紙を使う機器の需要は減少の一途を辿っています。ペーパーレス化は世界的な動きです。また、社会情勢の変化により企業オフィスの縮小・撤退傾向も目立ってきました。これらのことから、今後数年のうちに大幅な業態転換を迫られる企業もあるかもしれません。

重電

発電機・変圧器などの大型の電気機器のことを「重電」と呼びます。常に一定の需要が見込まれる産業ですが、日本国内は今後人口減少などにより業界全体の縮小が予想されています。そのためもあり、アジア地域などへの技術販売を精力的におこなっています。

時計

時計業界が家電とは別に数えられることを意外に思う人もいるかもしれません。業界トップはカシオ・シチズン・セイコーなどです。どれも有名な企業ではありますが、言われてみると時計や計算機以外で名前を聞くことが少ないメーカーです。

最近までの時計メーカーはインバウンド需要に支えられてきた面が強くありました。今後海外旅行客が減っていくと予想されるなかで変化がありそうです。一方、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスへの進出には期待できそうです。

半導体

スマートフォンやパソコンにも欠かせない部品である半導体。タイミングごとの増減はあるものの、確実に世界的な需要のある分野です。半導体を使ったデバイスをどのように開発していくのかや、世界中にあるライバル企業との競争にどう臨むのかが重要です。

参考:業界動向サーチ

家電といえば松下幸之助

著者
松下 幸之助
出版日

業績悪化との報もあるパナソニック。もともとは日本の家電業界を牽引する存在だっただけに、今後の動向が気になるところです。

現・パナソニックを起業し、一代にして日本のトップメーカーにまで押し上げたのが創業者の松下幸之助です。経営のバイブルと呼ばれる『道をひらく』など、多数の著作が残されています。家電業界に関心のある人は一度目を通しておくのがおすすめです。

SHARPの名称はシャープペンシルから

著者
[]
出版日

鴻海傘下になったシャープの名称は「シャープペンシル」から来ています。シャープペンシル自体は18世紀ごろから歴史のある文具ですが、シャープは金属製のシャープペンシルを新たに開発しました。

安定した品質を誇る日本の家電メーカーは、古くからさまざまな技術を身につけていました。一見文具と電機は遠いものに見えるかもしれませんが、意外と近いところでつながっているのかもしれません。

「関係ないかな?」と思われるようなものでも一応見ておくとヒントが転がっていそうです。メーカー系の企業を志望する場合は視野を広く持っておくことも大切です。

これまでとこれからについて考える

著者
佐藤文昭
出版日

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という書籍が大ヒットしたほど、高度経済成長期における日本の競争力は非常に注目されていました。電機業界もその頃に大きく成長した業界です。そのため現代においても、技術力・競争力などにプライドを持って働いている人は少なくありません。

一方で日本のメーカーが厳しい現状に置かれていることもまた否定できません。そのような「これまでとこれから」を冷静に考えたい人には『日本の電機産業 失敗の教訓』がおすすめです。

若い世代から見ると「どうしてこんなことがうまくいかないの?」と不思議に思うような状態がなぜ起こっているのかなど、歴史的経緯から日本の電機産業について知ることができます。

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「電気」にまつわる業界の種類と、なかでも電機業界について解説しました。一度世界的なシェアを誇っただけにこれからに課題が大きい電機業界、どのような働き方をしていくのかもじっくりと考える必要があるかもしれません。ぜひ書籍を活用して情報収集をしてみてください。

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