はじめまして。こぶしファクトリーの広瀬彩海です。今回から連載を組ませていただくということで、とても緊張しています。ですが、高校生の視点で色々な本を紹介していけたら、と思いますので温かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
今回はこの時期だからこそ読みたい、なぜか温かみを感じさせてくれるミステリー小説を3冊選ばせていただきました。ぱっと思い浮かんだ中から、映画化、ドラマ化されたものをチョイスさせていただきましたので、原作との違いも楽しんでいただけるのではないかと思います。恋愛、家族愛、友情など、人間の絆の温かさは無限大だと感じさせてくれる本です。秋、冬はこの本をベッドの中で読んで寒さを忘れるのもアリかもしれません。
ただ……まさかの展開に逆に背筋が凍ってしまうことも……。
愛とは自分で決められるものか。
究極の愛は罪の共有。さまざまな人物が現れては“N”のために犯した罪を告白してゆく……。それぞれの物語に嘘や偽り、すれ違いが潜んでいて、そのバラバラだった物語が一つの大きな物語となって、一つの大きな真実となって……。
愛する人を守るためにここまでしていいものか。そして、私はここまでできるのか。いろいろなことを考えさせられました。あの日、私がああしていれば、こうはならなかったのかもしれない。そんな苦悩や、これで良かった、やっと解放された……と安堵する気持ちが入りまじり、美しく切ない愛を繊細に表現している小説です。
あなたにとって究極の愛とは、そして何より究極の愛の定義とは?
近未来科学と純粋な心
数年前に私のマネージャーさんがプレゼントしてくださった本です。これは近い将来、現実に起こってしまうかもしれないお話。神楽龍平はDNA捜査のデータを管理する主任解析員。そんな中で起こった猟奇的連続殺人事件。
ミステリーの醍醐味は「大どんでん返し」ですが、この小説はどんでん返しどころか想像もつきません。そして、読み終えた後は胸の中のモヤモヤが解けると同時に主人公の気持ちを思い胸が苦しくなり、美しい愛の形に感動させられます。何度読んでも涙なしでは読むことのできない、切なく温かい物語です。