ひとりのときにこっそり読みたくなる、気持ちを浄化してくれる本
広瀬彩海です。読書の秋ですが、すっかり冬のように寒くて本を読むときも毛布必須の時期がやってきました。今回のテーマは定期的に読みたくなる「気持ちを浄化してくれる本」です。

いつもは基本的にミステリー中心に読む私ですが、この3冊はふとした瞬間に読みたくなって、本棚から引っ張り出してきてしまいます。ひとりのときにこっそり読みたくなる、声に出して読みたくなる、そんな魅力的なワードがたくさん詰まっています。ふと気持ちがモヤモヤしたとき、ひとりになりたくなったときに、ぜひ読んでみてください。

そして、私の所属するグループ、こぶしファクトリーのライブツアーが始まりました。「こぶしファクトリー ライブツアー 2015 ~The First Ring!~」。是非、チェックして頂けると嬉しいです。ちゃっかり宣伝してしまいすみません(笑)。では、最後までお付き合い願います。

秘密は自分の中でだけ真実である

著者
三浦 しをん
出版日
2011-02-26
ポラリス=北極星。北極星は1年を通して動くことのない星。北極星を中心として他の星は休むことなく回り続ける……。この本のキーワードとも言える「秘密」。

知り合いの中の誰かが言っていた、「秘密は自分の中でだけ真実である。自分の中では真実なんだ。嘘さえつかなければそれは他人にとって嘘でも本当でもない」という言葉を思い出しました。

実をいうと、この本はただただ表紙の絵と題名に魅力を感じて手に取りました。そして、買ってから「あ、これ恋愛小説だ」と(笑)。ですが、ひとつひとつの物語を読んでいくと、なんだか一風変わったストーリーだな、と感じました。私のまったく知らない世界に迷い込んだような感覚。

ですが、何故か感動して、恋愛に限らず、家族や友人をもっともっと愛したい。近くに感じたい、と思わさせてくれる本です。

ただただ可愛い。ただただ“色”が愛おしい

著者
Leo Lionni
出版日
1995-08-24
ただただ可愛い。ただただ“色”が愛おしい。小学校の教科書に載っていた、懐かしの「スイミー」の著者の絵本で、「あおくんときいろちゃん」という題材で日本でも親しまれているこの物語。

中学校を卒業するときに担任の先生から、「日本語の本も出ているけど、英語の原文のままの方が想像も膨らむから」と、英語版を頂きました。とにかく可愛くて思わず笑みがこぼれました。

色に命を吹き込んで動かす。そこにプラスして家族愛や友情など、人間味を持たせるだけで何故こんなに可愛くなるのかと……。そして、Little BlueとLittle Yellowの純粋でストレートに気持ちをぶつける姿に心が洗われます。

「あおくんときいろちゃん」も読ませて頂きましたが、日本語でも柔らかさ、可愛らしさが伝わってきて気持ちが温まります。誰でも読めるようなやさしい英語が使われているので、この文を読んで英語版も手に取ってみようと思ってくださる方が1人でもいれば幸いです。

このメッセージに気付きたい、わかっているのに、気付けない

著者
ノーマ コーネット マレック
出版日
2007-06-26
最後のことなんて、そのときにならなきゃわからない。だから人生は楽しいのかもしれないけれど、わからなかったことによって、後悔してしまうこともたくさんある。失った後に気づいてからじゃ意味がないことだってある。この本に載っている詩は、2001年9月11日、同時多発テロをきっかけに世界中へと広まっていった有名な詩です。知ってる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

私は当時2歳になったばかりで、そのときはもちろん同時多発テロのことも、この詩の存在も知りませんでした。小学校2年生のときに父からこの本を貸してもらい、小学生ながらに涙した記憶があります。それからは定期的に読んで、自分が今どれだけ幸せであるのかを思い出させてもらっています。

両親に怒られ、心がモヤモヤするときに読むと、私のことを思っての言葉だと、自分の考えていたことがどれだけ小さかったか気づかせてくれます。感情をコントロールすることは難しいことなのかもしれませんが、大切な人がどれだけ自分を思ってくれているのか、今日が最後の日になるとしたら、今自分は何をすべきか……。頭の片隅にでも置いておきたい詩です。

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