【第9回】つぶやきシローのつぶやき読書/攻撃性がすごい本

【第9回】つぶやきシローのつぶやき読書/攻撃性がすごい本

更新:2021.11.28

小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。しかしどうやら、読書に対してはかなりの抵抗があるらしい。彼に「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。 第9回は、誰しも多かれ少なかれ当てはまるであろうことが書いてある本を読んでもらいました。

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男子が何かすると、女子って、すぐ先生にチクるよね。

タレントさんとかが、結婚や妊娠の報告をよくブログで発表するんだけど、

「私事ですみませんが、このたび・・・」

って、ずーっと私事だろ!
今までも、ずっと。
これ食べました、ここ行きました、この人と会いました、ずっと私事を勝手に発表してるよね。

なのに、こういう時だけ殊勝な態度で、下からいくことで世間に祝福してほしいのかな。

後よく言われてるのが、不倫とかしちゃって謝罪会見なるものの時、

「このたびは、お騒がせして申し訳ございません」

こっちが、勝手に面白がって騒いでるだけだから。
本当はこっち側が、騒いじゃってごめんねって言わなくちゃならない。

だから、そんな謝りはいらない。
冒頭で頭を下げて「お騒がせして申し訳ありません」なんて言うと、逆に嫌味言ってるのかなって取る人もいるよ。こんなことで騒ぎやがって、今後のタレント活動に響くじゃねーかって思ってるんでしょ本当はって思われちゃうよ。

タイトル「他人を攻撃せずにはいられない人」

著者
片田珠美
出版日
2013-11-15

怖いな~、タイトルを見て、まずママ友が頭に浮かんだ。

これは精神科医の女性が書いた本。タイトルにある「他人を攻撃」というのは、暴力による攻撃ではなく、陰湿に相手を痛めつけ精神的にダメージを負わせる方の攻撃。

ま、オープニングであんなこと書いた僕が言うのもなんだけど、この本の攻撃性すごいね。
嫌なことや嫌な人がいっぱい書いてあるの。
この攻撃に耐えながら読み進めるのはしんどかった。人って、人の嫌なところばかり知りたくないんだね。気が滅入っちゃう。

けれど、目を背けられないんだよね。自分も多かれ少なかれ当てはまる所があるから。

攻撃する側の人間と攻撃される側の人間の、それぞれの特徴を解説している本。
人を攻撃する人間は直らない。だからうまくかわす術を身に着けましょうという。

人間は、いつからでもどこからでも、どちら側にも属する性質を持っていると思う。
人は人を傷つけたり傷つけられたりして生活しているんだね。

たとえば会社では、ごぞんじ「上司からの攻撃」ね。
みんなの前で怒鳴りつけたり、いくらいい契約をとってきても、「あんだけ会社の経費を使ったら利益にはならないぞ」とか言われて、全然褒めてくれないと、仕事への意欲を失うよね。

とにかくケチをつける。
目をつむりながら説教すんだよね。
なんだろ、悟りを開いているつもりでいるのかな。

会議でも、部下が一生懸命プレゼンしているのに、無表情で何も言わず見ているだけ。これも部下を攻撃しているよね。部下としては上司の顔色は気にするに決まってるじゃない、それを知っていてだもんね。

いい企画だと「実は俺も前からそれには目をつけてたんだけどね、黙ったけど」って、後から乗っかってくるんだよね。ホントか?って思う。
「手柄を横取り攻撃」だよね。

「俺は、こんな会社いつでも辞めてやるけどね」って、ずーっと言ってるけど全然辞めない。
自分に自信がない。無いからそういうことを言う。
言われた部下も、「どうしていいか分からない攻撃」だよね。

「ちょっとさ~、パソコンが勝手に!」って、あんたが操作したんだろ。パソコンは勝手に動かないよ。「かまってちゃん攻撃」ね。

急に後ろから肩をもんでくる、「~選手攻撃」。

「ま、俺も敵多いけどね」って、だろうね。

仕事のできる部下に嫉妬して攻撃をする上司もいるけれど、仕事のできない部下を、さらに攻撃して使い物にならなくする上司もいる。
「お前のためを思って…」この言葉はウソだね。
そこに愛はないね。自分を正当化し、スカッとしたいだけ。ただのイジメ。

あと、女性タレント同士の褒め合いね。
A「舞台見ました、素敵でした」
B「あなたの雑誌の表紙見たわよ、超きれい」
A「これ、素敵なお洋服ですね」
B「あ、その靴海外で流行のブランドじゃない」
A「Bさんみたいに、いつでも若くいたいです」
B「あなたのお肌も若くてピチピチじゃない」

もう攻撃し合っているよね。

あと「贈り物攻撃」ね。
ここでは、スーパーの試食を例に出している。
ウインナーを「タダだからどうぞ」って手渡されて食べちゃうと、贈り物を受け取った負い目を感じて、何かお返ししなければいけない気になるんだって。試食コーナーってのは、その人間心理をうまくついてるんだね。

確かに贈り物もらっても、本当に欲しいものだったらいいけど、だいたいそうじゃないから困るよね~。心理的負担が大きすぎる。それが高価なものだったら、ずっとその人に頭あがらないじゃん。
貰わなきゃよかったって思うようになるよね。
タダより高いものはないね。

著者もいくら精神科医だとはいえ執筆大変だったろうな。今こうして書いている僕がぐったりだもん。あえて人を攻撃する文章を書くのって疲れるね。ここまで読んでくれた人も、大丈夫?もし嫌な気分にでもなったら、気分転換のために、ドカ食いしたり旅行に行ったりってことになるのかな。最後まで読んでもらってなんだけど、そしたらタダより高いものはないね。


連載第1回を読みたい方はコチラ。

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この記事が含まれる特集

  • つぶやき読書

    お笑い芸人のつぶやきシローさん。小説家としてもデビューをしています。しかし、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」など、読書に対してかなりの抵抗があるらしい。「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。隔週金曜日更新!

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