小説家としてもデビューをしているつぶやきシロー。ホンシェルジュの編集部が記事連載のオファーを出し、意気揚々と打ち合わせに行くと、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」という衝撃的な言葉が返ってきた……。どうやら読書に対してかなりの抵抗があるらしい。 こうなったら、おもしろい本と出会ってもらい、どうにかして読書の楽しさを知ってもらうしかない。 半強制的に本を読まされたつぶやきシローが、包み隠さず感想をつぶやいていく連載です。
今回から、ホンシェルジュにお邪魔させてもらうことになりました、つぶやきシローです。よろしくお願いします。
先月ですかね、スタッフの方との顔合わせがありまして。ホンシェルジュに対するお熱は十分伝わったのですが、僕はなんせ本を読むのが異常に遅いし、書く文章が拙く読みにくいことを自覚しているので、この仕事を断ろうと思っていました。
でも、こうして書いているんだよね。
2人のスタッフの方とお会いしたんだけど、話も盛り上がったし、積極的なプレゼンだったし、是非書いてもらいたいという熱意に断り切れませんでした。
2人ともいい人だったので、最後の方は断わるどころか連帯保証人になってもいいとさえ思ってしまいました。
先にこの本に出合っていれば、断れたのに…
タイトル「できる大人は、男も女も断り上手」
- 著者
- 伊藤 由美
- 出版日
- 2017-07-20
この連載は、僕が気になった本を紹介していく、
というもの。第一回ということで、最初の本は大事だね、なんて言いながら、読んでみたい本や気になった本を打合せでいくつかあげました。
そうして後日、十数冊の本が事務所に届いたのですが、あれ?僕が言った本が一冊もない!
たしかに打ち合わせのときには、「ちゃんと好みで選んでほしいから」というので性格や好みなどを色々聞かれたけれど、直接気になる本も伝えたのに!
僕がたのんだ本プラスαじゃなくて?
何のための打合せだったんだろう?
ま、僕の性格を考えた上でのチョイスだとはおもうんだけど、まずは本人の読みたい本から始めるのが普通じゃないの?
まずい、グイグイ系だ! 苦手だ!
やっぱこの仕事断わっておけばよかった。
早く、この『できる大人は、男も女も断わり上手』って本を読んで、うまく断らなければ!
ちょうどいい具合に入っていた、この「断り方」の本。銀座のママ(いとうまい子さん似)が書いた新書。ママは、「断ることを恐れちゃいけないよ」と言います。
それは分かる!んだけど、相手のことを思うと我慢しちゃうのが日本人だよね。自分でも、どこまでお人好しなんだって思う時もあるよね。
例えば、嫌な上司との飲み会。
苦痛だよね。
「今日は堅苦しいのは抜きにして無礼講だから」って言うけど、嘘だもんね。本当に無礼講したら終わるもんね。
上司のダジャレに愛想笑いをし、自分のおしぼりを使われ、あげく、「1人三千円でいいよ」って言われると、おごりじゃないんかい! あー来なきゃよかった、断ることを恐れなければ良かった!って思うよね。
ママは、「ハッキリ断れる人の方が信用される」と言います。
うん、信用されるかもしれないけど、嫌われるよね。ま、言い方によるけど。
っていうか、だいたいが言い方だと思う。
相手を慮る言い方でなくて、飾り気なしのストレートな発言は、言葉以上に感情が見えるから相手を怒らせることが多いんだろうな。
やっぱり、「カドを立てない断り方」も書いてある。
中でも、親しい人ほど嘘はダメ。リスクが大きすぎるとママは言います。
そう思ってるよ、そう思ってるけど嘘ついて、後ですごく気まずくなるんだよね。
だからって、馬鹿正直に言って傷つけちゃってもね。親しい人だからこそ、親しき中にも礼儀ありだと思う。
そう思って読んでいたら、「ビジネスシーンの断り方」って項目があったよ。「行きたくない飲み会の断り方」だって!なんだ、書いてあるじゃん。
どれどれ、「ウチのカミさんを口実にする」だって?
普通―。
もう一個ある、「体調がすぐれないと言う」
ふ、ふ、ふ、普通―。
これでのりきれる?
でも意外と、作りすぎた言い訳より、シンプルなのがいいのかも。
最後に気になったのは、「恋のアプローチを断る」。
これはママの得意分野でしょと思ったら、20ページもない。やっぱ企業秘密なのかな。
告白を断る理由は「心に決めた人がいる」が鉄板なんだって。
確かによく聞くよね。これを言われたら、「誰?誰?」なんて突き詰めないで、さらっと引くのがいい男なんだろうね。
出たての女性タレントが、「今は恋愛より仕事が楽しくて」って、これもよく聞くけど、鉄板の断り文句なんだろうね。
ま、僕は断わる側じゃないから関係ないんだけどね。
いや~、さすが銀座のママ。
わかりやすい例題も入れながら、読みやすかったです。カンのいい人なら目次で全てわかっちゃうくらい親切な書き方でした。
ただ一つ残念だったのが、「ホンシェルジュの断り方」の項目がなかったこと。
つまり、断れないので、当分の間連載をやっていきたいと思います。
もしかしたら、ときどき文体も少し変わるかもしれません。少しね。
そんな器用じゃないから。
二週間に一回くらいのペースで続ける予定かな?
これからよろしくお願いします。
つぶやき読書
お笑い芸人のつぶやきシローさん。小説家としてもデビューをしています。しかし、「本を1冊読むのに数ヶ月かかることもある」など、読書に対してかなりの抵抗があるらしい。「おもしろい本と出会って読書の楽しさを知ってほしい」と考えたホンシェルジュ編集部は、半強制的に何冊かの本を渡しました。さて、つぶやきシローは何を思うのか。包み隠さず感想をつぶやいてもらう連載です。隔週金曜日更新!