『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』恋愛音痴だけどリーダーシップがすごい!ギャップが可愛い主人公の魅力を紹介

更新:2023.3.6

『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』は転生前の知識を活かして異世界を生き抜く王道ストーリー。 この作品は主人公が登場人物たちの人生をどんどん変えていくほど、力強いリーダシップがあるにも関わらず、こと恋愛になると超奥手になってしまうというギャップが魅力です。 この記事ではそんな主人公の魅力を紹介していきます。

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あらすじ

アラサー喪女でナースの主人公は入浴中に事故で死んでしまい、「転生先でも医師になってみせますわ」という、ネット小説の世界に転生してしまいます。

元々のネット小説のストーリーは、医者だった女性が転生してリーゼリットという悪役令嬢に転生し、ギルベルトという王子と結婚して幸せな余生を過ごすという流れです。

引用:『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』1巻

一方で、死んでしまった主人公もネット小説と同じように、リーゼリットに転生し、ギルベルトと婚約することになりました。そして転生した世界で余生を送ろうとしていたのですが...。

ところが、リーゼリットはネット小説の中で「国で争いが起き、多くの負傷者が発生してしまうこと」を思い出します。その中で、婚約者のギルベルトも巻き込まれて大怪我を負ってしまうのです。

リーゼリットは「争いを止めることはできないけれど、前世で培ったナースの経験を使って、少しでも異世界の人々やギルベルトを救うことができるのではないか?」と考えます。

そしてリーゼリットは様々な人の協力を得ながら、看護知識を使って異世界を救おうと奮闘していくのです。

この記事ではそんな主人公の魅力について紹介していきます!

著者
["さと", "小田 すずか"]
出版日

主人公の行動力や度胸に憧れる

『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』の主人公は看護師で得た知識を、異世界の人々に伝えていくことで、未来で発生する戦争の被害を少しでも少なくしようと考えます。

当面の目標は病院の衛生環境を改善し、感染予防や疫病対策を行うこと。リーゼリットは同じようなことを実現したナイチンゲールをヒントに、看護知識の普及を進めていきます。

リーゼリットが最初に行ったのは、シーツの取り替えや毎日の入浴をすることで感染予防に繋がることを異世界の人々に伝えるため、企画書を作ります。

しかし、効果を証明するためには数字的な根拠が必要です。そのため、リーゼリットは統計学を学ぶことが重要であると考えます。

リーゼリットは自分の親の財力と人脈を存分に利用して、優秀な統計学者のレスターを家庭教師として雇うことに成功。

さらに、看護知識や技術を普及させるため、国王の後ろ盾を得ることが必要であると考え、リーゼリットは国王へ会いにいくのです。

ところが、そう簡単に後ろ盾を得られる相手ではありません。

国王は賢王と呼ばれる王様で、説得の仕方を誤ると殺される可能性もあります。

引用:『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』2巻

そんな威圧感と緊張感ある中で、物怖じせずに自分の考えを国王に主張し、見事協力を得ることができたのです。

目的のためなら親のお金やコネも使い、さらに国王までも説得してまう行動力と、なりふり構わず全力で取り組む姿に勇気をもらえることでしょう。

また立場が上の相手を納得させる話術や説得力にも憧れてしまいます。

登場人物たちを前向きに変えていくリーダシップ

主人公リーゼリットのもう一つの魅力は登場人物たちの気持ちを前向きに変えるリーダーシップです。

特にセドリックという登場人物はリーゼリットによって性格が大きく変わっていくキャラクターです。

セドリックは医者の息子で頭脳優秀なのですが、血を見ると倒れてしまうほど苦手なようで、手術をすることができません。

そのことからセドリックは父親から出来損ないな息子とされ、見放されていたのです。

セドリックは大量の医学本を暗記しているほど知識も豊富でありながら、出来損ないと言われ、どんなに努力しても認めてもらえないことに憤りを感じていました。

そんな中でリーゼリットはセドリックが内に秘めていた思いを偶然にも刺激してしまいます。

そしてセドリックは怒ってリーゼリットを押し倒してしまい、その瞬間を家族に見られてしまったことで勘当されてしまうのです。

リーゼリットは落ち込むセドリックに手を差し伸べ、自分の屋敷に住まわせて語学の家庭教師として雇うことに。

さらにリーゼリットはセドリックの豊富な知識や頭脳に目をつけ、総合医ではなく専門医となり、抗生物質や薬を作ることで人を助けることができると助言します。

引用:『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』1巻

リーゼリットのこの言葉によって、セドリックは手術ができなくても、薬を作ることで多くの命を救えることに気がつきます。

ネガティブだったセドリックは前向きになり、ペニシリンという抗生物質を作ることを目標に、リーゼリットを支えていく存在になっていくのです。

リーゼリットのリーダシップによって、登場人物の性格や気持ちまで変えていく姿を見ると、読者も元気をもらえることでしょう。

恋愛に疎いギャップが可愛い

リーゼリットと王子ギルベルトの恋愛模様にキュンキュンしてしまうのも作品の魅力。

恋愛経験がほとんどないリーゼリットとツンデレ王子のギルベルト。最初は恋愛感情でなく、お互いの利益のために婚約します。

しかし、お互いに少しずつ距離を縮めていき、恋愛感情を持つようになっていくのです。

特に、リーゼリットが目的のために強気でエネルギッシュに行動していく強気な態度とは裏腹に、ギルベルトのさりげない行動に驚きながらも照れてしまうギャップが可愛いと感じてしまいます。

例えば、ギルベルトが主人公に膝枕をお願いする場面。

ギルベルトは王子で忙しい身でありながらリーゼリットの家へ通い、看護知識の普及について、進捗を伺います。

リーゼリットはギルベルトが何度も家に来てくれることに対して、感謝の気持ちを伝えます。するとギルベルトは「ならば少しは労ってみろ」と言い、リーゼリットに膝枕をしてもらうのです。

引用:『悪役令嬢は夜告鳥をめざす』1巻

リーゼリットは前世も含めて人生初の膝枕に戸惑いながらも。ぎこちなく頭を撫でていくシーンには、普段の強気なイメージとは違う女性らしい一面に可愛さを感じてしまいます。

また、ギルベルトが自分の気持ちを素直に言わないところも、キュンすることも間違いなしです。

恋愛系経験がない者同士のちょっと噛み合わない関係性に、思わず応援したくなります。

ただ、ギルベルトは物語の途中でリーゼリットが自分ではなく、兄にふさわしい女性ではないか、と思い始めます。

ギルベルトはいずれはリーゼリットと兄が結婚するようになると考え、それまでは一緒にいようと決意するのです。

さらに、リーゼリットは統計学の家庭教師であるレスターやセドリックからも好意を持たれるようになり、ギルベルトのライバルがどんどん増えていきます。

少しずつリーゼリットとギルベルトの思いが徐々にすれ違うようになっていきますが、果たして二人はどのような結末を迎えるのでしょうか。

思わず続きが気になってしまいます。

まとめ

リーゼリットに転生した主人公は前世で看護として暮らしていたころの知識を活かし、異世界を救おうとします。その中で発揮されるリーゼリットの行動力やリーダーシップに引き込まれる作品となっていますので、ぜひ読んでみてください。

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