漫画『フジケン』に見る王道の青春。喧嘩と下ネタこそ思春期だ!

更新:2021.12.22

「週刊少年チャンピオン」に2002年まで連載されていた不良ギャグ漫画『フジケン』。王道の青春を感じさせる懐かしの名作不良ギャグ漫画です。そんな本作の魅力を余すことなくご紹介します!

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『フジケン』は笑える不良漫画!

著者
小沢 としお
出版日

開始1pめから人を殴る音で始まり、見開きでヒットの瞬間を迫力満点に描く『フジケン』。そんな序盤から真面目な不良漫画かと思いきや、本作はギャグも最高に面白い作品です。

主人公の富士山健作、通称フジケンたちがしていることは、喧嘩をするか下ネタを言っているか。特に下ネタは最高にくだらなく、読んでいると学生時代のバカな勢いを思い出させられます。

しかし喧嘩シーンもおざなりになっておらず、手に汗握るもの。拳がぶつかり合い、血しぶきが飛ぶ様子にはハラハラさせられます。

笑えて、スリルがあってと、飽きさせない展開の本作。1998年から2002年まで「週刊少年チャンピオン」に連載されており、当時連載中に読んでいた人には懐かしく、そうでない人も名作不良漫画の良さを味わえる作品です。

喧嘩シーンが迫力満点!だけど……

著者
小沢 としお
出版日


中学時代から名をはせるほどの喧嘩の名手であるフジケン。彼はそれほどの強さを持ちながらも、今まで彼のせいで周囲に頭を下げ続けてきた母親の姿が忘れられず、喧嘩はもうやめようとしています。

しかし相棒の豊樹が、紋二という男たちに顔が変わるほどボコボコにされたのを見て、彼らのもとへと向かうのです。そして紋二の連れの優二をまずは一発で仕留めます。そしてそこから紋二との一騎打ちが始まります。

ふたりの喧嘩シーンは迫力満点。フジケンは紋二の鼻を折り、紋二はフジケンを地面に這いつくばらせます。あたりに響く鈍い音。お互い互角で、しびれを切らした文字は必殺技であるメガトンパンチをくらわせようとします。

しかし大振りな動作の一瞬の隙をついたフジケンは紋二のふところに入りこみ、下から強烈な一発をお見舞いするのです。その場に倒れこむ紋二。

かっこいいなフジケン……と思っていると、翌日何と喧嘩をしたふたりが仲直りするきっかけはAV。

「洋ピンってさ…わびさびが無ぇじゃねぇか…」

フジケンの言葉を聞いた紋二はそれまで富士山と呼んでいたにも関わらず、満面の笑みでこう言うのです。

「わかってんじゃねぇか……フジケン!」

……熱い友情が芽生えた瞬間です。それまでかっこよかっただけに残念さが際立ちます。物語の始まりを飾る迷シーンです。

フジケンがバカすぎww

著者
小沢 としお
出版日


喧嘩最強のフジケンですが、普段はどうしようもないアホ。とにかく下ネタを連発して、はしゃいでいます。ちなみに作品初登場時のセリフはこれ。

「豊樹〜〜〜っ!!
ちょっと来い!!ちょっとこれ見とけ〜!!

凄ぇ〜んだよこの女のビーチク!!」

主人公の第一声がこれとは……。しかもその後も何度もビーチクを連発し、狂ったように笑い続けます。アホすぎです。

またある時はモテない八つ当たりで美人を連れた冴えない男の頭をわしづかみ。「どー見てもお前はこっち側だろ……」と泣きながら男のパンツを脱がせてケツに蹴りを入れます。見知らぬ相手にめちゃくちゃすぎです。

そしてなぜそんな男と一緒にいるのかと美人の彼女に聞き、「だってマー君…超〜〜おっき〜〜し……」と言われて再起不能に。自分が草野球ならマー君はメジャーリーグなのか……と落ち込みます。どうやらフジケンは小さいようです。

こんな情緒不安定さは思春期男子ならでは。下ネタなどのバカなことで笑い続け、それでいて繊細。学生時代のセンチメンタルさが思い出されます。

『フジケン』で青春カムバック!

著者
小沢 としお
出版日


青春の「あの頃」を思い出させてくれる『フジケン』。過去の少年誌連載中にリアルタイムで見ていた時の思い出と、誰しも経験がある青春時代、二重の意味で懐かしい作品です。

ぜひ作品で青春の尖った様子とアホさをご覧ください!気軽に読める不良ギャグ漫画にハマること間違いなしです。

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