『魔法少女特殊戦あすか』が無料!鬱ファンタジー漫画の見所全巻ネタバレ紹介

更新:2021.12.9

魔法少女とミリタリーが融合した異色の漫画『魔法少女特殊戦あすか』。魔法少女が登場するのに、中身は硬派で鬱屈としたファンタジーで、彼女たちが抱える心の傷が読者に刺さります。 ここではそんなアニメ化も決まった人気作を、全巻ネタバレ解説していきましょう。スマホの漫画アプリで無料で読むことができるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

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『魔法少女特殊戦あすか』が無料で読める!道具としての魔法少女たちの戦いを全巻ネタバレ紹介!【アニメ化】

『魔法少女特殊戦あすか』の原作は、テレビアニメ「ベルセルク」シリーズの構成などで知られる深見真、作画は『低俗霊 MONOPHOBIA』などで有名な刻夜セイゴが担当しています。

魔法少女とミリタリーを掛け合わせたアクション漫画で、2015年から「月刊ビッグガンガン」で連載が始まりました。

2019年1月にアニメ化決定!

声優などの詳しい情報はTVアニメ『魔法少女特殊戦あすか』公式サイトへ!

軍事設定協力として『萌えよ!戦車学校』の田村尚也が参加するなど、非常にリアルな軍事考証がされているのも特徴です。

魔法少女の可愛い面ではなく、ミリタリーで凄惨なバトルシーンを前面に押し出し、時にはグロテスクな暴力シーンも描かれます。「魔法少女」と銘打ってはいますが、シリアスな内容に重きが置かれた異色の作品です。

魔法少女に変身して戦う少女たちは、みな一様に心にトラウマを抱えています。そんな彼女たちが心の中で葛藤をくり返しながら、人類の敵となる謎の生物「地冥界(ディスアス)」と戦うのです。

地冥界は魔物ですが、見た目はぬいぐるみのような愛らしいもの。しかしそんな姿で平然と殺戮をおこなうので、そのギャップが読者に恐ろしさを与えます。本作は、そんな地冥界に両親を殺された少女あすかの、生きるための戦いを描いていきます。

著者
["深見 真", "刻夜 セイゴ", "田村 尚也"]
出版日
2015-10-24
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『魔法少女特殊戦あすか』は人の心の闇を写す【あらすじ】

『魔法少女特殊戦あすか』は人の心の闇を写す【あらすじ】
出典:『魔法少女特殊戦あすか』1巻

4年前、突如として侵攻してきた地冥界(ディスアス)という謎の生物から、人類を救った「伝説の5人(マジカル・ファイブ)」と呼ばれる魔法少女たち。

そのひとりである大鳥居あすかは、地冥界に両親を殺されていました。地冥界たちは瞬間移動ができるうえ電子機器に対して完全にステルス化できる能力を持っており、人間の技術だけではそれを食い止めることができません。

そこで、人類と同じく地冥界から侵攻を受けていた別次元の妖精「精霊環境条約機構」が、人類に助力することを申し出ました。彼らは人間の少女たちに「魔法少女」に変身して地冥界と戦う力を与えたのです。彼女たちは死力を尽くして戦い、やがて人類は救われました。

戦いから3年後、魔法少女たちはそれぞれの日常に戻っていました。しかしある事件が起こり、再び戦地に身を投じていくことになります。

あすかは運命に翻弄されながら、もう1度「魔法少女」として生きる道を選ぶのです。

まじかるミリタリーアクション開幕!【1巻ネタバレ注意】

まじかるミリタリーアクション開幕!【1巻ネタバレ注意】
出典:『魔法少女特殊戦あすか』1巻

 

3年前、地冥界から人類を守った5人の魔法少女「伝説の5人(マジカル・ファイブ)」。多くの犠牲を出した地冥界との戦いは一応の終息を見せ、彼女たちも日常へと戻りました。

5人のうちのひとり、「ラプチャー☆あすか」こと大鳥居あすかも、ごく普通の学生生活を送っています。ただ、いつの間にか世間で、魔法少女の存在が「怖いもの」として忌み嫌われていることに心を痛めていました。

あすかは3年前の戦いで、両親を地冥界に殺されています。地冥界の魔物は両親を拉致し、身体のパーツを切り落として彼女に少しずつ送り返してくるという残虐な行動をとってきました。最終的に両親の首が届けられた時、あすかは地冥界の魔物を皆殺しにすると決意したのです。

著者
["深見 真", "刻夜 セイゴ", "田村 尚也"]
出版日
2015-10-24

ある日、あすかの保護者的存在である飯塚が、彼女の元を訪れます。陸上総隊の特殊作戦群のなかに、魔法戦に特化した小規模部隊「M班」が新設されることになり、飯塚はその班長を任されたそう。あすかもそこへ参加するように誘われましたが、当時の彼女は「私はもう戦わない」と決めていました。

そんななか、護送中のテロリストであるキム・カンスが、何者かの助力によって脱走を図ります。彼は一般市民を無差別に殺害し、機動隊にも攻撃を仕掛けます。友人の羽田紗綾子が巻き込まれたため助けに来たあすかによって確保され、公安部に引き渡されました。

その騒乱の最中、あすかは運命の声を聞きます。

「死んだ者の分まで生きろ」
「戦え」(『魔法少女特殊戦あすか』1巻より引用)

過去のトラウマを抱えながら、再び戦いに身を投じていくあすか。そして裏で動きはじめる黒い影。後半では、ナース風の衣装に身を包んだ魔法少女「ウォーナース☆くるみ」や、米軍に身を置く「ジャストコーズ☆ミア」も登場し、あすか以外の魔法少女も見ることができます。

一見、ただのぬいぐるみや着ぐるみにしか見えない地冥界の魔物たちは、人体をバラバラにしたり、切断した首を弄んだりするなど、非常に残虐な方法で人類を侵略していきます。その魔物たちと戦う魔法少女たちが、必殺技などに頼るのではなく、あくまで軍事的に、自分の身体能力を使って立ち回っていくのが見どころでしょう。

さらに「バベル旅団」という謎の組織の名前もちらりと出てきて、今後の新しい戦いに向けて物語が動きはじめる1巻です。

 

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本格化する戦い【2巻ネタバレ注意】

先のキム・カンス事件の報復として、外事警察のエースを父に持つあすかの友人・希美が拉致されてしまいました。希美の父親の牧野は救出を要望しますが、公安は動かないと判断してしまいます。

一方の捕らえられた希美は、ロシアの双子の魔術傭兵「料理人(ポーヴァル)」と「番人(ストロージ)」によって、手酷い拷問を受けていました。そこへあすかとくるみが助けに現れるのです。

「全ては女王様のため」と語る敵の少女、アビゲイル。彼女が希美の片腕を切り落としたため、怒ったあすかは攻撃を仕掛けますが、アビゲイルは「料理人」と「番人」を差し向けてきました。この双子は、格闘技と死霊の力を使った「死霊(ズロイ・ドゥーフ)システマ」の使い手だということがわかります。

さらにアビゲイルは、くるみと戦う際に魔法少女「ピックシザーズ☆アビー」に変身。くるみは彼女が使役する2体の魔物に襲われてしまいました……。

著者
["深見 真", "刻夜 セイゴ"]
出版日
2016-03-25

また本巻では、バベル旅団に殺されたと思しき被害者が言い残した、謎の言葉が提示されます。

「魔法少女が獲物」
「もっとひどい戦争……」(『魔法少女特殊戦あすか』2巻より引用)

今の時点でその意味はまったく不明ですが、何かもっと不吉なことが起こる伏線でもあるようです。魔法少女と魔物との戦いに隠れ、日本の警察庁の幹部たちも打算的な動きを見せます。

また、彼らの持つ資料から、あすかが3年前の戦いで戦闘ストレス反応PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、魔法少女を引退していることがわかりました。彼女の内側でどのような感情が動いているのかも、今後の物語の鍵となりそうです。

しだいに激化していく戦いと、次々に現れる強敵たち。敵側にも魔法少女がいることがわかり、緊張感を高めていきます。捕らえられた希美が受ける拷問のシーンも、熱した火ばさみで肉を焼いたり、精霊の力を使って無慈悲な水責めをおこなうなど非常に生々しい描写で、思わず目を背けてしまいたくなるかもしれません。

また、武力で魔力に対抗する戦いのスペシャリスト、「M班」の活躍にも注目です。

謎の組織「バベル旅団」が動き出す【3巻ネタバレ注意】

アビゲイルとの戦いで敵の指を切り落としたあすか。さらなる攻撃を加えようとした時、魔力のキューブが周辺一帯を包み、なんと新たな魔法少女が現れました。仮面で顔を隠したその魔法少女は、「M班」が撃った銃弾を人差し指1本で消滅させてしまいます。

あすかは出現した魔法少女を見て「あいつを知っている」と直感で悟りますが、いったいどこで出会っていたのか、誰なのかは思い出せません。彼女には一切の攻撃が無効で、アビゲイルを連れてそのまま逃亡されてしまいました。

希美は命を取り留めたものの、精神に大きなダメージを受けていました。あすかたちの姿を見て取り乱し、「魔法少女なんて見たくもない!」と大声で叫びます。くるみが魔法を使い、彼女の記憶をまとめて消すことでトラウマを癒しましたが、それを見たあすかは子供のころのことを思い出すのです。

幼いときの彼女は、テレビで見るような可愛くてかっこいい魔法少女になりたいと夢見ていました。しかしそれが現実になった今、そんな綺麗事は言えず、むしろ魔法少女として戦うことから逃れられなくなっていたのです。

そして彼女はついに、「M班」に入ることを決意しました。

著者
["深見 真", "刻夜 セイゴ"]
出版日
2016-07-25

一方で仮面の魔法少女は、スペインのバルセロナにいて、「バベル旅団」の幹部たちを招集しています。そこでの彼女は「旅団長(ブリガディア)」と呼ばれていて、「大量破壊少女(ガール・オブ・マス・デストラクション)」開発という、謎の計画を企てている様子です。一連の事件の黒幕は、彼女なのでしょうか。

その頃、米軍に身を置いている魔法少女のミアは、六本木で起きた変死事件の調査をしに来日していました。この事件は犯行現場に「最後に笑う者が最も良く笑う」という文字が残されていて、これはかつて活躍していた「伝説の5人」の合言葉なのです。

この事件に、5人のうちの誰かが加担しているのでしょうか……。

3巻では、謎の組織「バベル旅団」がその野望の片鱗を少しずつ覗かせはじめます。それと同時にあすか、くるみ、ミアが集結し、バラバラだった「伝説の5人」が徐々に顔を合わせます。あすかが「知っている」と感じた仮面の魔法少女の正体も気になるところです。

過去に苦しめられながらも戦場に引き戻されていくあすかですが、そんななかで「M班」が偽装拠点にしているメイド喫茶でのコミカルなやりとりは、欝々としたシーンが多い本作のなかで清涼剤的な存在となっています。

徐々に集結する「伝説の5人」【4巻ネタバレ注意】

臨海学校のため、沖縄にやってきたあすかたち。飯塚と「M班」のメンバーは、「異世界貿易会議」の警備のため、同じく陸上自衛隊の那覇駐屯地を訪れていました。魔法少女のメンバーであるミアタマラも集まり、あすかは久しぶりの再会を果たします。

同じ頃、那覇市では、バベル旅団幹部のギースレイラが動きを見せていました。ギースは、父親から暴力を受けている片足の少女、与那嶺ちさとを保護し、「魔法少女にならないか」と誘っています。そして「魔道部品」で造られた義足をちさとに与えました。

ちさとは魔法少女「ウィップラッシュ☆ちさと」に変身、空手の経験もあることから突出した才能を見せじめるのです。

著者
["深見真", "刻夜セイゴ"]
出版日
2017-04-25

「異世界貿易会議」当日、人間界と精霊界を繋ぐ「定期次元位相橋」から現れたのは、精霊環境条約機構のタビラ将軍と、その補佐妖精たちでした。

すると、バベル旅団が作戦を開始します。沖縄中のあちこちの基地や駐屯地に攻撃を仕掛け、市街地には冥獣を放ちました。彼らの狙いは、タビラ将軍なのでしょうか。

本作で気になるのは、くるみが時折覗かせる、あすかに対しての気持ちです。

「あすかさんが……とても傷つきやすいのを知っている」
「だから彼女が苦手そうなことは率先して引き受けた」
「あなたの為ならどんな事でもできるんですよ」(『魔法少女特殊戦あすか』4巻より引用)

あすかに対して、執着にも見える思いを寄せているくるみ。かつて虐められたていたところを助けてもらったことがきっかけのようですが、その時の恩だけではない感情を抱えているようなのです。少女たちの愛憎も、本作のアクセントになっています。

また、新しく登場した精霊側のキャラクター、タビラ将軍は、母性愛が強すぎる強烈な人物。しかし精霊界の勇将だけあって、戦闘能力はかなりのものです。彼女が精霊界から持ってきたという「マジックアイテム」が、今後の物語の鍵になりそうです。

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それぞれの思いが交錯する【5巻ネタバレ注意】

軍隊と協力してバベル旅団の攻撃を食い止める魔法少女たち。ミアは市街地へ、タマラは那覇駐屯地でそれぞれ奮闘します。しかし、ついに防衛ラインを突破されてしまいました。

ギースとちさとが、駐屯地シェルター内にいるあすかとくるみの前に姿を現します。バベル旅団の狙いは、タビラ将軍が持ってきたという「マジックアイテム」。タビラ将軍は精霊界の将ですが、ギースにダメージを負わされてしまいました。

著者
["深見真", "刻夜セイゴ"]
出版日
2017-07-25

一方、ちさとと交戦するくるみは、相手の「サンドバッグになってもらう」という言葉に反応。かつて虐められモノ扱いされていた記憶を想い起こし、感情を爆発させるのです。そしてちさとの首筋に、注射器を突き立てました。

「私はもう……昔の私には戻らない」
「私は……魔法少女☆ウォーナースくるみ」(『魔法少女特殊戦あすか』5巻より引用)

また本巻のラストでは、行方不明だった「伝説の5人」の最後のひとり、「双頭竜(ショントウロン)ペイペイ」が登場。彼女はこれまでフリーの暗殺者として活動していたようです。まだほとんど素性がわからないので、これからどのように物語に絡んでくるのか注目です。

さらに、バベル旅団幹部のギースと、彼に才能を見出され行動をともにするちさとの間に、強い信頼関係が生まれているのも興味深いところ。戦いのなかで心を蝕まれていくあすから魔法少女たちと、絆を深める敵の対比が面白く、これがちさとと戦ったくるみのように、魔法少女たちの未来の力を引き出していくきっかけになっていくのでしょう。

さて、タビラ将軍が持ってきた「マジックアイテム」とはいったい何なのでしょうか。そしてそれを手に入れようとするバベル旅団の狙いとは。謎はまだまだ山積み、続巻にも期待が寄せられます。

くるみが大活躍?【6巻ネタバレ注意】

バベル旅団の幹部のひとり・ギースを倒すことができたものの、彼らの狙いはタビラ将軍ではなく、彼の持ってきていたアタッシュケースの中のマジックアイテムでした。

それが相手に渡ってしまったことで、ギースからは「旅団長の計画は大詰め」だという不穏な言葉を言われてしまいます。

さらに彼はちさとの母親の事故死はバベル旅団が計画的に引き起こしたものであることを打ち明け、幸せになってほしいと言い残して逝ってしまいます。

強そうな魔造部品の体の中から出てきた彼の本体は、痩せ細った上半身だけというものでした。あすかはそんな真の姿を見て、悲しげな視線を彼に向けます……。

著者
深見真
出版日
2017-11-25

そんなちさとは捕虜として捕らえられ、彼女の前にくるみが現れます。ここで気になるのはロシアンマフィアの魔術傭兵だったナーズィーニーが彼女の犬として躾けられていたこと。彼女が話そうとした時には一言で黙らせます。

そんなツッコミどころ満載の展開ですが、ちさとは生きる希望を見失い、それどころではありません。真実を知ってショックを受け、自分を殺してくれとくるみに言い続けます。

そんな彼女にくるみは「殺すわけないでしょ、ふざけんな」と一蹴。そして彼女をくるみならではの調教術で説き伏せようとして……。

ちなみにくるみのブラックな面は本編でもちさととの会話によって存分に発揮されますが、6巻ではおまけ漫画でもそれが楽しめるのでぜひ「マジカルスパンキング」をご自身の目でお確かめください。

沖縄編がひと段落し、束の間の安息を楽しむ魔法少女たちですが、このあとからウクライナ編が始まります。5巻で登場し、行方不明になっていた間の過去が明かされたペイペイの活躍も楽しみです。

くるみが大活躍、ちさとは魔法少女として戦力になるのか、ペイペイの過去など様々な見所のある6巻。詳しい内容は作品でご覧ください!

伝説の魔法少女たちがぶつかり合う!【7巻ネタバレ注意】

6巻でくるみに調教され、すっかり犬として定着したナーズィーニーですが、何と今回表紙ですよ……。それもそのはず、彼女は同じく元バベル旅団側だったちさととともにあすかたちの仲間入りを果たすのです。

ちさとは確固とした信念を持っているようで、魔法少女として戦うイメージがつきますが、ナーズィーニーはどうでしょうね。今後が楽しみです。

著者
["深見真", "刻夜セイゴ"]
出版日
2018-03-24

そんなお犬様の今後の活躍も気になりますが、7巻最大の見所はやはり、伝説の5人vs伝説の5人の展開でしょう。

ウクライナで戦っていたミアの前に立ちはだかった敵は、何とタマラとペイペイ。実はふたりは旅団と手を組み、あすかたちの敵となっていたのでした。

ミアは何とかふたりから逃げることに成功し、そのことをあすかたちに話しますが、彼女たちはにわかには信じられません。

そこであすかとくるみはタマラとペイペイを説得しようと彼女たちと会うのですが……。

旅団の汚い手で戦うことになったかつての戦友。彼女たちの絆はここで途切れてしまうのでしょうか?少しゆるめだった6巻に比べ、7巻はとにかく戦闘シーンが盛りだくさん。スピーディーな展開にどんどん引き込まれていきます。

予告では8巻でウクライナ編もひと段落することが書かれていますが、今後魔法少女たちのチームがどう変化していくのかが気になりますね。

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怒涛の展開で、まだまだスピード感が落ちない!【8巻ネタバレ注意】

かつての激戦を乗り越えた魔法少女たちが戦うことになってしまった7巻。8巻も引き続き彼女たちの戦いが描かれます。くるみが傷つけられたことに激昂したあすかは、もう迷わないと言うようにタマラとペイペイに立ち向かいます。

しかし、やはりかつての仲間に本気を出すことはなかなか難しく、それを相手に指摘されてしまいます。揺らぐあすがですが、それはペイペイも同じようで……。

著者
["深見真", "刻夜セイゴ"]
出版日
2018-07-25

8巻では、この戦いの他にもこれでもかと危機が訪れます。魔法生物兵器であるズメイが復活するのです。そしてペイペイが戦う理由だった少女が保護されるものの、タマラは姿を消してしまいます。さらにさらに、もしかすると鋭い読者の方は気になっていたかもしれないあの少女が、この戦いに巻き込まれようとしていました。

一難去って、また一難。どこまでも終わりが見えない戦いではありましたが、ここでズメイが登場したことで、物語が核心部に迫っていることも感じさせられます。

今回も、ボロボロになりながらも前に進む少女たちの姿が心を揺さぶってくる本作。それぞれの危機の様子は作品でご覧ください。

ナーズィニーがロシアで戦う!【9巻ネタバレ注意】

どんどん激しくなってくるバベル旅団との戦い。全世界に第2世代の魔法少女たちが拡散してはいますが、伝説の5人に匹敵するほどの力を持っている者はまだ出てません。

そのためにも、タマラが戻ってきてくれることが最終課題です。

そして今回分かったことは、ロシア軍参謀本部の一部が精神支配のような装置でタマラを洗脳しているということ。

そのために、かつてロシアンマフィアの所属だったナーズィニーが潜入捜査を行うことになるのですが……。

著者
深見 真
出版日
2018-12-25

9巻は、ナーズィニーの活躍がメイン。ファンの方には嬉しい内容となっています。順調に進んでいく捜査ですが、そこにはいくつかの危険が潜んでいました。

ナーズィニーの母親に関する情報、裏切り者としてバレるのではないかというスリルなどが見所となっています。

ちなみにナーズィニーは魔法傭兵。魔法少女たちとは異なる存在です。

魔法少女たちが「変身」によって何もないところから衣装や武器を具現化するのに対し、魔法傭兵は、高い魔力を持つ者がアイテムや精霊の力などを借りて能力を発揮します。魔法傭兵である彼女の戦い方にも注目です。

キャラクター紹介

・大鳥居あすか(CV:洲崎綾)

主人公で、伝説の魔法少女マジカル・ファイブのリーダー「ラプチャー☆あすか」。

ディスアスに両親を殺された上、残虐な仕打ちを受けていました。

・夢源くるみ(CV:関根明良)

あすかと共にディスアスに立ち向かった魔法少女「ウォーナース☆くるみ」。戦闘などにおいては主に防御力が高い。

・ミア・サイラス(CV:松井恵理子)

銃などの弾丸に魔力を込めて戦うアメリカ出身の魔法少女「ジャストコーズ☆ミア」。

・タマラ・ヴォルコワ(CV:M・A・O)

ロシア出身の魔法少女「フェーニクス(Феникс)☆タマラ」。

・ラウ・ペイペイ(CV:日笠陽子)

中国出身の魔法少女「双頭竜(ショントウロン)ペイペイ」。

・牧野希美(CV:高橋李依)

あすかと同じクラスで友人。一度アビゲイル達に誘拐され、酷い仕打ちを受けてしまいます。

・羽田紗綾子(CV:橋本ちなみ)

希美の幼馴染で、クラスも同じあすかの友人。

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思春期の少女たちが、それぞれにトラウマを抱えながら激しい戦いを生き抜く『魔法少女特殊戦あすか』は、鬱ファンタジーながら彼女たちの心の成長も垣間見せてくれます。まだまだ目が離せないストーリー、新刊の発売が待ち遠しいですね。

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