知らなかったが沢山!の海外エッセイマンガ 6選

更新:2021.12.14

旅行にいこう!しかも海外だ!と思い立つも、金もなく、有給もとれず、治安も不安、言語力も・・・とフライトする前にセルフ税関でストップしてしまう。そんなときには海外エッセイ漫画。それぞれの作者の「面白いことを絶対に逃さない」細かな感受性フィルターに裏ごしされた珠玉のエピソードが盛りだくさんです。

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海外エッセイといえば、まずはこの1冊 『トルコで私も考えた』

著者
高橋 由佳利
出版日
2012-08-17

トルコ料理は世界3大美食の1つ。しかしフランス料理や中国料理に比べて、トルコ料理を食べられるレストラン数は圧倒的に少ないのが現状です。このため、具体的な料理名は日本ではあまり知られていません。どっこい、この『トルコで私も考えた』に描かれているトルコ料理は、たしかにむちゃくちゃおいしそう・・。

「イマム・バユルドゥ」という、坊さんがぶっ倒れるほど美味いという意味のナス料理、パンのことをエクメクというが、もうトルコ人は「エクメク」というだけでうれしそうにしている様子などはメシテロの走り。食べたいと思ったが最後、数少ないトルコ料理屋をGoogle検索してしまう危険なシリーズ。もちろんご飯だけでなく、ラマダン(断食)や、結婚式の様子、恋愛事情もしっかり描かれています。日本で暮らし始めた後の様子も秀逸。

とうとうここまで来たのか!『ダーリンは外国人 まるっとベルリン3年め』

著者
["小栗 左多里", "トニー・ラズロ"]
出版日
2016-01-22

貫地谷しほり主演で映画にもなった作品。「あれ?国際結婚エッセイin日本のエッセイマンガでしょ?」と思っていたら、お子さんも生まれ、最新刊ではベルリン3年目でした。

ストレス解消に車を壊すレク(本当にハンマーとかでバンバン叩く)、しょっちゅう工事やストで止まる電車(3ヶ月半も主要路線の一部が不通)、週末で開かれるマクルト(市場)で日本のパンを売るお店を取材(アンコは意外にも人気!)など、こちらも知らないが沢山。
 

4コマで描かれるかわいい『とつげきドイツぐらし!』

著者
白乃 雪
出版日
2016-08-31

さてドイツをもう一つ。ドイツというと、とかくキッチリ!かっちり!というイメージだったのですが、まったくもって逆のゆるゆるなドイツが見られます。

役所の住民登録で書類が足りないと言われたけど「電話でOKと言われた」旨を話したらスルッと通ったり、会計前のコーラを飲んじゃう人がいたり、お店でプレゼント包装を頼んだら意外に手作り感が満載だったり…。ちょっとかわいいあたたかいドイツが見られます。

リアルな筆致で他の追随を許さない『インドな日々』

著者
流水 りんこ
出版日

バックパッカーという言葉では生ぬるく、15年にわたりインドに通いつめた「インドのプロ」ともいえる作者が濃いエピソードをこれでもかと詰め込んだシリーズ。

描かれているのが少し前のインドなので今とはちょっと違うかもしれませんが、それでもガンジス川に死体が流れているのが普通の風景にはやっぱり度肝を抜かれます。これがほんとのディープインパクト、他国をごぼう抜き、圧倒的な異文化ギャップゴールです。絵がまたデフォルメされていなくて写実的なのがまた・・・。

寒い大地のあったかごはん『おいしいロシア』

著者
シベリカ子
出版日
2016-09-07

おそロシアではありません。おもロシアです。タイトルどおり、沢山のロシア料理が描かれています。ボルシチ、ピロシキ、ビーフストロガノフといった、よく知られているロシア料理だけでなく、ガルプツィ(ロシア版ロールキャベツ)、トヴァローク(カッテージチーズのようなもの)、じゃがいも、にんじん、ハムあんどを細かく切ってマヨネーズであえたオリヴィエサラダ、ビーツを使った赤いサラダ・ヴィネグレート、毛皮を着たニシンというカラーリングがグラデーションのケーキのようなサラダ、きゅうりの香りのする春の名物魚コーリュシカ(和名は「キュウリウオ」)などなど、色とりどりの豊かさ。併せて紹介されるロシア文化もなんともほのぼのしており、寒さを忘れます。

レシピもついているので、自分で真似してつくるのにもお役立ち。

自由にもほどがある『フランスはと日記』

著者
藤田 里奈
出版日
2016-07-12

おしゃれな国だと思ったらとんだ自由さです。寒空の中でバスを待っていたらバスがこなかったり(でもチケットは売ってる)、スリにあったけど即座にとりかえしたり…。おじいちゃんに「今夜シャンパンでもどうだい」と手を握られながらささやかれるのはイメージ通りですね。しかしエピソードがいちいちぶっとんでるので、フランスが、というよりか作者がハプニングひきよせ体質なのかもしれません。
 

Travel is fatal to prejudice, bigotry, and narrow-mindedness, and many of our people need it solely on these accounts. 
「旅は、先入観や頑固な偏見、視野の狭さをぶち壊してくれる。」 
「Mark Twain(マーク・トウェイン)」(『トム・ソーヤの冒険』著者)

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