『だから私はメイクする』ドラマの原作をネタバレ紹介!メイクと自分を好きになれる漫画

更新:2021.11.26

テレビドラマ化し、2020年10月から放送が決定している『だから私はメイクする』。メイクを題材にした原作漫画は、さまざまな女性の生き方や価値観に共感でき、新しい発見も得られる作品です。メイクが好きな人はもちろん、苦手意識を持つ人にもぜひ読んでほしい、そんな本作のあらすじや魅力をネタバレありでご紹介します。

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『だから私はメイクする』が2020年10月ドラマ化!共感を呼ぶ原作漫画をネタバレ紹介!

 

さまざまな女性のメイクに関する悲喜こもごもをオムニバス形式で描いた『だから私はメイクする』。

メイクをすることで感じる楽しさや煩わしさ、さまざまな感情が描かれた作品です。その姿に多くの女性が共感し、人気を呼んでいます。

原案は同人サークル劇団雌猫が発行した『だから私はメイクする-悪友たちの美意識調査-』という書籍。1人ひとりの美意識やメイクに対するスタンスなど、匿名のエッセイを集めたものです。

この書籍にはTBSアナウンサー宇垣美里のインタビューが収録されており、彼女がコミカライズである本作もオススメとして紹介したことも話題となりました。

そして、本作を原作とした実写ドラマの放送が2020年10月7日より、テレビ東京他でスタート。主人公となる凄腕BA(ビューティーアドバイザー)熊谷すみれを演じるのは、美容家としても著名な神崎恵です。

 

 

ドラマ化に伴い、本作の続編となる『だから私はメイクする2』の連載が、10月8日発売の『フィール・ヤング』11月号からスタートするので、こちらもぜひチェックしてみてください。

この記事では、そんな注目作品『だから私はメイクする』のあらすじネタバレや魅力、ドラマの見どころなどをご紹介していきます。

本作の放送・配信についての詳しい情報は、【ドラマパラビ】だから私はメイクする|テレビ東京の公式サイトでご確認いただけます。

 

美容研究家の神崎恵が主演!キャスト・登場人物紹介

 

主人公 ・熊谷すみれは、デパートの化粧品売り場に勤務する凄腕BA。さまざまな憂いを抱えた女性に、前向きになれるメイクのアドバイスをしてくれます。

彼女を演じる神崎恵は、女優業はじつに24年ぶりだそうです。美容研究家として多数の著書も執筆しており、まさに美容のスペシャリストとしてハマり役といえるでしょう。演じていて、熊谷のセリフと自分の言葉が重なっていると感じることも多いようです。

その他に、新人BA・近藤芽生役には実力派若手女優の志田彩良、先輩BA・山本織香役にNMB48の吉田朱里が出演することが発表されています。吉田は美容系YouTuberとしても活躍していますね。近藤と山本は原作には登場しないキャラクターなので、ドラマではどのような立ち回りをするのか注目です。

その他、島崎遥香や阿部純子、太田莉菜、片山友希、石川恋など、各話の主役を務める出演者も決定しています。

 

 

『だから私はメイクする』はメイクのイメージが変わる漫画!【あらすじ】

原作漫画『だから私はメイクする』のあらすじを紹介します。

あるデパートの化粧品売り場には、ブランドの垣根を超えてメイクのアドバイスをしてくれる凄腕BAがいると巷で評判になっています。そのBAこそが熊谷です。

本作にはメイクや生き方に関して悩みを抱える女性たちが登場。熊谷との出会いを通じて前向きになったり、自信を取り戻したりしていきます。

各エピソードで描かれる悩みやメイクへのスタンスはそれぞれ異なっていますが、根底にある「好きなことに正直でいたい、諦めたくない」という気持ちは作品全体に通じるものがあり、多くの読者が共感できるでしょう。

また、登場人物たちがそれぞれ違った価値観を持っているからこそ、新たな発見もあります。

特に「メイクはしなければいけないもの」「社会人としての礼儀」など、義務感を抱えて窮屈に思っている人は、「メイクってこんなに楽しいんだ!」と衝撃を受けるかもしれません。

著者
漫画:シバタヒカリ 原案:劇団雌猫
出版日
2020-03-06

【おすすめエピソードその1】あだ名が「美香さん」になった笑子(第1話)【ネタバレ注意】

高校生のときに、軽い気持ちでメイクを始めた笑子。初めてのアイプチに感動し、どんどんメイクに興味が湧いていきます。

もともと一度ハマるとのめり込んでしまう性格だった彼女は、大学生になって別人に見違えるほどメイクが上達していました。

メイクの濃さを叶美香の美貌に例えて、ついたあだ名は「美香さん」。化粧の前後での変わりようが理由で彼氏に振られても、笑子は気にしません。むしろ、別人レベルの容貌になれることに対して「私ってすごい」と感じ、さらにメイクが好きになるのです。

『だから私はメイクする』
『だから私はメイクする』

このエピソードでは、「なりたい自分になれる」というメイクの本質的な魅力や楽しさを描いています。笑子のメイクへの情熱には圧倒されますが、憧れの容姿に近づいていくのを楽しむ姿に、読者もワクワクした気持ちになれるでしょう。

さて、30歳になった笑子は婚活を始めるのですが、メイクの濃さから男性に敬遠され、なかなかうまくいきません。自信をなくしかけたある日、熊谷の噂を聞いて化粧品売り場に立ち寄ってみると……。

「なりたい自分」と「周りから求められる女性像」のギャップに思い悩むところも、多くの人が共感できるポイントでしょう。婚活のために今までとは違うメイクをするべきなのか、笑子が出した答えとは?後悔ない道を選んでいく彼女の姿を応援したくなるエピソードです。

【おすすめエピソードその2】男性の「アドバイス」にうんざりな亀山(第3話)【ネタバレ注意】

毎日会社に出勤するたびに、男性の同僚からメイクやファッションを品評され、プライベートの予定も詮索されることにうんざりな亀山。

仕事終わりに友達と会うためにオシャレしてきたのに、やたらと口を出してくる男性に、

「うるせ〜‼︎お前らのためにオシャレしてるんじゃねぇぇぇ〜‼︎」
(『だから私はメイクする』より引用)

と思う気持ちには、共感できる女性も多いのではないでしょうか。

そんなある日、亀山は同期の男性社員・吉成と退勤のタイミングかぶります。駅のトイレで別れた2人ですが、メイクを直した亀山がトイレを出ると、そこには服を着替えて美しくメイクをした吉成の姿が!なんと2人の目的地は同じ、熊谷が勤める化粧品売り場だったのです。

男性向け化粧品のCMも目にする機会が増えた昨今ですが、アイメイクやリップまでバッチリ整えた吉成の美しさには、亀山も読者も驚かずにはいられません。

その後彼の話を聞いて、「人は状況に応じてメイクをするかしないか自分で選べる」ということに気づかされます。メイクが好きで楽しんでいる吉成が、だからこそ会社ではメイクをしないという選択には「なるほど」と思わされるでしょう。

男性のメイク、そして「好きだからこそ、時にはメイクをしなくてもいい」という考えが新鮮で面白いエピソードです。

【おすすめエピソードその3】仕事と美容を両立させる北郷の秘密とは?(第4話)【ネタバレ注意】

仕事も身嗜みも、いつも完璧な北郷。日付が変わるまで取引先と飲んで翌朝7時に出社しても、まったく疲れが見えない彼女の輝きぶりは、同僚が「1日が48時間あるのでは?」と疑ってしまうほどです。第4話は、そんな北郷の仕事と美を両立させる秘訣に迫っていきます。

まず最初に彼女が明かした秘密は……金(カネ)!

かつて仕事で疲労困憊な北郷が熊谷に相談した際、薦められた商品は決して安くはないものでした。最初は北郷も値段に尻込みしましたが、熊谷の言葉で考えが変わったのです。

高額なメイク用品を使うことで、ズボラな性格の北郷でもスキンケアをささっと終わらせることができ、空いた時間を趣味の時間に回すことができると納得しました。

高額な化粧品や美容器具を使うことに、なんとなく抵抗を感じている読者もいるでしょう。しかし、自分のためにお金を使うことは、何も悪いことではありません。そして、ただお金を使えばいいということでもありません。

それぞれのライフスタイルに応じて、自分に合ったものを選んでいくことが大切」という考えには、賛同できるのではないでしょうか。

また、このエピソードでは、ロボットアニメ好きな北郷が、自分の身体を巨大ロボット「北号」に見立てて気分を盛り上げている演出が面白い見どころの1つです。

宇宙戦艦の 艦長やロボットのパイロットになった北郷が脳内でくり広げる小芝居は、彼女のオタクな一面も垣間見ることができて楽しめます。

北郷の考え方や気分の上げ方には、「こういうのもアリだな」と思えるユニークさと潔さが感じられるでしょう。

『だから私はメイクする』の魅力:メイクを通して、自分のことも好きになれる

本作には、メイクが大好きで楽しんでいる人、うまくできなくて苦手意識がある人、メイクは好きだけど自分に自信が持てない人など、さまざまな女性が登場します。いろいろな考えの女性が登場するからこそ、それぞれに共感できるところもあれば、新しい視点も発見できるのです。

そして、共感する部分があるからこそ、メイクを通じて元気になっていく彼女たちの姿を見て、読者も自分のメイクや考えを肯定され、応援されているように感じられるでしょう。登場人物たちとともに、読者も自己肯定感や自信を高められる1冊です。

もともとメイクが好きな人は、「あるあるネタ」として楽しめる部分も多いでしょう。一方で、メイクに詳しくない人や苦手意識がある人でも、メイクに挑戦してみたくなるようなワクワクする描写がたっぷりなのでオススメです。

読み終わるころには、きっとメイクだけではなく、自分のことも好きになれますよ。

ドラマ『だから私はメイクする』では実際のメイクシーンや登場人物の心象風景に注目!

実写ドラマ化で気になるのは、やはり原作がどのように再現されるかですよね。

本作はメイクを題材にしているので、作中で使われている化粧品の実際の色合いなど、実写だからこそ分かる部分も多いでしょう。ドラマは西武池袋本店で撮影され、実在のコスメブランドも登場。視聴者自身のメイクの参考にできるのも嬉しいポイントです。

また、メイクや熊谷との出会いで変わっていく女性たちの表情にも注目です。彼女たちの表情は、もちろんメイクによる効果もありますが、明るい気持ちになれたからこそ、晴れやかに輝いていきます。女優たちがどんな演技でその変化を表現するのかは、重要な見どころです。

そして、女性たちの妄想シーンがどのように再現されるのかも気になるポイント。

先に紹介した第4話の北郷は自分がロボットや宇宙戦艦の乗組員になったイメージで気分を上げていますし、第2話に登場する川松は、自分で描いたネイルから応援しているアイドルが飛び出てくる妄想で自分を奮い立たせています。

これらのシーンは漫画ならではの演出でもあるので、実写ではどのように描かれるのか楽しみですね。

原案・劇団雌猫とは。女性やオタクのホンネを聞き出す同人サークル

本作の原案書籍を作り上げた劇団雌猫とは、もぐもぐ、ひらりさ、かん、ユッケの4人のオタク女子で構成された同人サークルです。

「インターネットで言えない話」をコンセプトに、オタク女子たちが胸のうちを告白した同人誌「悪友」、その書籍化となった『浪費図鑑―悪友たちのないしょ話―』が 20~30代の女性から共感を得て注目されました。

2020年6月に発売された『海外オタ女子事情』は、台湾やアメリカ、イギリス、イタリアなど、各国のオタク女子たちの生の声を知ることができる興味深い1冊です。

同人誌「悪友」シリーズは浪費や美意識のほかに、恋愛、東京、平成などさまざまなテーマが取り扱われており、彼女たちの今後の活動からも目が離せません。

著者
劇団雌猫
出版日
2017-08-08

漫画家・シバタヒカリとは。代表作は『おじさん、ドル活はじめました!』

シバタヒカリは2016年から『5分間のサムウェア』『チャンピオン伝説(仮)』などの読み切りを発表、『ナツメくんなんか好きじゃない』では素直になれない女子のラブコメディを描きました。

2020年の最新作『おじさん、ドル活はじめました』では、KPOPアイドルに魅せられた46歳のおじさんが、先輩ファンのギャルに導かれて応援活動を楽しんでいきます。おじさんが応援しているアイドルは、じつは『だから私はメイクする』にも登場しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

シバタが描く登場人物たちの宝石のように美しい瞳は、「目を輝かせる」という言葉がぴったり。好きなものを目の前にしたときの胸のときめきや喜びが画面から溢れ出てくるような描写が魅力的な作家です。

著者
シバタヒカリ
出版日

漫画ならではの演出も多く、実写化との表現の違いを見比べてみるのも面白いでしょう。ドラマとともに連載が始まる続編ではどんな女性が登場するのかも楽しみです。ぜひ本作と合わせて楽しんでください。

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