漫画『甘々と稲妻』の見所を最新10巻まで全巻ネタバレ紹介!

更新:2021.11.27

父と娘が料理を通して絆を深める漫画『甘々と稲妻』!今回は、父子を取り巻く心優しい人々とのやりとりにほっこりとしながら、家族や友人との繋がりの大切さに感動できる作品の見どころと魅力についてご紹介いたします。

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漫画『甘々と稲妻』最新10巻までの見所を全巻ネタバレ紹介!面白い!

著者
雨隠 ギド
出版日
2013-09-06

父親と幼い娘、そして周囲を取り巻くたくさんの人々が「料理」を通して繋がり、絆を深めていく様子を描いたグルメドラマ漫画『甘々と稲妻』。家族にまつわる暖かくも切ない事情や、思春期の子供たちの友情などが描かれ、感動を呼ぶ物語となっています。

この記事では全巻の見どころと魅力についてご紹介いたします。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。

漫画『甘々と稲妻』の優しくて美味しい関係【あらすじ】

漫画『甘々と稲妻』の優しくて美味しい関係【あらすじ】
出典:『甘々と稲妻』1巻

最愛の妻を亡くして以来、男手一つで娘つむぎを育てていた犬塚公平(いぬづかこうへい)は、つむぎが喜ぶ顔を見るため、たまたま知り合った教え子の飯田小鳥(いいだことり)とともに料理を勉強しはじめます。

料理することの楽しさと、誰かと一緒に食べるご飯の美味しさを描く、食育コメディの幕開けです。 


雨隠ギドのおすすめ作品を紹介した<雨隠ギドのおすすめ漫画5選!『甘々と稲妻』からBL、百合まで>もぜひご覧ください。

初めての料理は「炊きたてご飯」【1巻ネタバレ注意】

病気の妻を亡くして早半年。シングルファザーとなった高校教師の犬塚はなんとか仕事と育児を両立していましたが、食事だけはどうしても作れず、いつもコンビニの弁当に頼っていました。

ある日の夜、帰宅した犬塚はテレビに噛り付くつむぎを見つけます。彼女が食い入るように見ていたのは料理番組。お腹を鳴らしたつむぎは犬塚を振り返ると、ポツリとこう言ったのでした。

「おとさん ママにこれつくってって おてがみして」(『甘々と稲妻』1巻から引用)

著者
雨隠 ギド
出版日
2013-09-06

あまりに切ない要望に居ても立っても居られなくなった犬塚は、「つむぎに美味しいご飯を食べさせるため」にある場所へと向かっていました。それは以前、つむぎと二人で行った花見の席で出会った少女飯田小鳥が教えてくれた料理店です。

そこで待ち受けていたのは、犬塚が勤務する高校の制服を身にまとった少女でした。なんと、飯田は犬塚の教え子だったのです。

料理経験などほとんどない飯田が二人のために作り始めたのは「白いご飯」。それも土鍋で炊くご飯です。ぎこちない手つきで米を研ぎ、震えながら水を測る様子に不安を覚えますが、なんとかホカホカのご飯が炊き上がります。

こうして三人は、やっと夕食にありつくことができました。それはおかずも何もない、ご飯だけという質素な食事でしたが、犬塚はこの日、暖かいご飯を頬張ったつむぎの、忘れることのない顔を見ることとなるのでした。

出典:『甘々と稲妻』1巻

ただ炊いただけのご飯を、目を輝かせながら夢中で食べる娘の姿を見て、さまざまな感情が膨れ上がってしまった犬塚は目に涙を浮かべます。そして、これからは自分がきちんと台所に立ち、愛する娘に美味しいご飯を食べ支えてあげようと心に決めたのです。

さらに一部始終を見ていた飯田も、意を決したように犬塚に向き直ると「私と一緒にご飯をつくって食べませんか?」と犬塚親子に提案します。こうして不思議な組み合わせの三人は、美味しい料理を一緒に食べるために協力することとなったのでした。

つむぎの笑顔を目の当たりにした犬塚の胸にこみ上げた嬉しさや切なさを考えると、つい涙しそうになってしまいます。ご飯の他にも、犬塚による初めての料理「豚汁」や、つむぎの大好きな「煮込みハンバーグ」。さらにたくさんのおかずを詰めた「お弁当」など、それぞれの愛情がこもった料理が満載の1巻となっています。

宝物は、ママがくれた大切な通園バッグ【2巻ネタバレ注意】

飯田と一緒に料理をはじめてからというもの、少し難易度の高いお菓子や煮込み料理にも挑戦できるようになった犬塚。仕事と育児もうまく両立できるようになったある日、彼はつむぎの保育園の授業参観にきていました。

保護者として参加するほとんどの人はお母さんで、男性は犬塚以外には見えません。そんな彼は周囲のママたちの会話を聞き、つむぎだけがボロボロの古い通園バッグを使っていることに気がつきました。

家に帰った犬塚はつむぎに、新しいバッグを作ろうと提案しますが、つむぎは首を横に振ります。「ママのがいい」。つむぎにとってそのボロボロのバッグは、ママが最後にくれたプレゼントだったのです。

著者
雨隠 ギド
出版日
2014-03-07

つむぎが亡くなった母親のことを今でも大切に思ってくれていたことに、幸せと誇りを感じた犬塚は、新しいバッグを作るために高めていたやる気を「料理にぶつけよう!」ということで、再び飯田の元を訪れます。

この日のつむぎのオーダーは「イカと芋を煮たやつ」。渋いチョイスですがつむぎの好物です。新鮮なイカの初めての手触りにゾクゾクしたり、形の整わない芋の皮むきに苦戦したりしながら、今回もなんとか美味しそうな煮物を完成させることができました。

格段に上がっている犬塚たちの料理のスキルを感じられ、さらに犬塚家の失われることのない家族愛が垣間見えたこのエピソード。心温まる2巻をぜひお見逃しなく。

大人しか食べられない特別な「パン粥」【3巻ネタバレ注意】

犬塚が持ち帰りの仕事を片付けていた最中、眠ったはずのつむぎが起きてきてしまいました。犬塚が忙しいと気になってしまう、つむぎは案外繊細な女の子なのです。

目を爛々とさせ、寝付く様子を見せなくなってしまったつむぎのために、犬塚は夜食用の「パン粥」を作ることにします。ただし、このパン粥は「特別忙しい日に、大人しか食べられない」一品。つむぎも大人っぽく、お利口に待っていないと食べることができません。

約束通りテーブルにちょこんと座って大人しく待っていたつむぎの前には、出来立てホカホカの美味しそうなパン粥が用意されたのでした。

著者
雨隠 ギド
出版日
2014-09-05

しかしつむぎは食べる前に、犬塚を気遣って「おさけのみます?」「たばこもいいの?大人ですし、いいですよ?」と、まだ大人ごっこを続けています。仕事中は飲めないし、タバコももうやめたからいいと犬塚が遠慮すると、つむぎは得意げにこう言うのでした。

「あっ いいですいいです わかったす おとなだからさっした」「つむぎのほーがすきなんでしょ⁉ だからだ!」(『甘々と稲妻』3巻から引用)

その後、やっとパン粥を頬張り始めたつむぎはたちまち笑顔になり、それを見ながら犬塚は、幸せを感じつつも、父として切ない気持ちも抱えていたのでした。

「ほんとに あっという間に 大人になっちゃうんだろうなあ…」(『甘々と稲妻』3巻から引用)

娘から父へのストレートな愛情表現というのは、いったいいつまで続いてくれるのでしょうか。世の中のお父さんたちは一生続くことを望んでいるかもしれませんが、女の子が素直な時期というのは案外突然に終わってしまうものです。犬塚もまた、父親としてのそんな定めを察したのかもしれません。言葉にも料理にも父子の愛が滲む3巻です。

仲直りのお好み焼き【4巻ネタバレ注意】

つむぎは普段はとてもよい子ですが、まだまだ幼稚園児。そんなに毎日よい子でばかりはいられません。やりたがったり、遊びたがったりしては失敗し、周囲に迷惑をかけてしまうことだってあります。ある夜も、二人で訪れたお好み焼き屋さんでつむぎがお店のものを汚す失敗をし、犬塚に怒られてしまったばかりでした。

それいらいギクシャクしてしまっていた犬塚親子を仲直りさせるため、お料理メンバーはみんなで「お好み焼き」を作ることにしました。犬塚は野菜の準備、飯田は山芋のすりおろしとそれぞれ役割分担しながら作業を進めていたなか、食器がぶつかる音が室内に響きます。遊んでいたつむぎがキャベツの入ったボールをひっくり返してしまったのです。

意地っ張りなつむぎは怒られてもすぐに反省しません。そんな彼女にいつも手を焼く犬塚は、つむぎにある話をしはじめるのでした。

著者
雨隠 ギド
出版日
2015-03-06

「つむぎ 怒られるのキライか?」「お父さんも怒るの キライなんだよ」「でも今のは つむぎも悪いことしたなーって わかってるよね」「つむぎがいっけないことしちゃったら つむぎもお父さんも苦手なことだけど がんばって叱ります!」「でも… この前のお好み焼き屋さんでは お父さんも上手に叱れなかったから それはごめんなさい…」(『甘々と稲妻』4巻から引用) 

この犬塚らしい諭し方で、つむぎは父の気持ちをしっかりと理解することができました。もし子供が悪いことをしてしまっても頭ごなしに叱るのではなく、目を見てきちんと「悪いことをしたから叱っている」「悪いことに対して叱っている」ということを伝えなくてはならないのです。

ただの「育児」だけでなく、親と子供としての人間関係の大切さに気づかせてくれるエピソードとなっています。

つむぎのお誕生日会大作戦【5巻ネタバレ注意】

保育園のお友達のゆうかちゃんの誕生日会に招かれたつむぎは、可愛いドレスに身を包んで登場したゆうかちゃんに見とれてしまいました。ドレスは女の子の憧れの衣装です。近々誕生日を迎えるつむぎも、ゆうかちゃんのようにドレスが着たいと犬塚に相談します。

ここは父親の腕の見せ所。娘が生まれた大切な日を素敵なものにするために、ドレス、ご馳走、お友達を集めるために奔走します。はたして、つむぎの誕生日会は成功するのでしょうか?

著者
雨隠 ギド
出版日
2015-09-07

ここでの犬塚の頑張りには目を見張るものがあります。招待客を集めるのに走り回るのはもちろん、つむぎのドレスは手作りします。料理だけでなく裁縫もできるようになっただなんて、犬塚の家事能力は上がる一方です。

つむぎのドレスを作る際、彼女の背を測った犬塚は思わず驚いてしまいました。去年より6cmも身長が伸びていたのです。男手一つでつむぎを育てる犬塚にとって、愛娘の成長はなによりの喜びです。さらに「誕生日会を成功させなければ」という使命感に燃えながら、着々と準備を進めていくのでした。

真っ白なドレスを身にまとい、髪も丁寧に結われたつむぎの姿は、まるで小さな花嫁のよう。 

「おとさん ありがとーございましたっ」 
「こちらこそ 大きく育ってくれてありがとうっ!」(『甘々と稲妻』5巻から引用)

ウエディングドレスを彷彿とさせる衣装に身を包んだ娘とのやりとりから、いつか訪れるであろう娘との別れを想像して勝手に切なくなる犬塚は、かなりの親バカかもしれません。

つむぎ、「お別れ」を知る【6巻ネタバレ注意】

ある雨の日、犬塚家に予期せぬ来客が現れました。それは黒猫。どこかの家で飼われていた猫が家の中に上がり込んでしまったのです。突然の可愛いお客さんにつむぎは大興奮。犬塚は猫を外に出そうとするも、豪雨の中に猫を放つのは心が痛み、さらにつむぎの説得もあって、飼い主が見つかるまで一時的に預かることにしました。

それからというもの、つむぎは猫に夢中になります。餌を食べていても、眠っていても、トイレをしていても猫の後をついて回ります。はじめのうちはつむぎを警戒していた猫も、しだいにつむぎに甘えるようになり、どんどん仲良くなっていきました。

しかし、お別れの日はやはり訪れてしまうのでした。猫の本当の飼い主が見つかったのです。

著者
雨隠 ギド
出版日
2016-03-07

犬塚家でずいぶん自由に過ごしていた猫は、棚の上に飛び乗った際にいくつかのDVDを床に落としました。そのDVDは、まだ赤ちゃんのつむぎと、生前の母親が一緒に食事をしてる様子を写したものです。画面の中で微笑む母に、つむぎは夢中になります。そして、その時食べていた離乳食を食べてみたいと犬塚にねだったのでした。

本当の飼い主が猫を迎えにきた際、寂しさからある意地悪をしてしまい、それを深く後悔していたつむぎでしたが、いつか母親と食べたトウモロコシのパン粥の優しい甘さに慰められていきます。「おとさんは、つむぎが美味しいものを食べれば全部忘れると思っている」と、図星をつかれた犬塚は焦るなどしますが、そんなたわいないやりとりができるほど、つむぎが元気を取り戻したという証拠です。

今回ばかりはさすがの犬塚も、つむぎにかける言葉に迷ってしまいましたが、父の助けがなくても彼女は一人で立ち直ってみせたのです。つむぎのさらなる成長を感じられる6巻となっています。

ついに迎えた、感動の卒園式【7巻ネタバレ注意】

新たな春、つむぎたちが通う保育園も卒園のシーズンを迎えていました。料理に夢中になる前はとても小さかったつむぎも、すっかりお姉さんです、4月からは小学生という新しい生活が待っている園児たちは、ウキウキする気持ちを隠せずにいました。

さて、卒園シーズンといえば感動の演出が満載なわけで、保護者は子供達に持たせる最後のお弁当に手紙を添えるのが定例行事となっていました。つむぎ宛の手紙には何を書こうかと迷っていた犬塚も、いつもお弁当を残さず食べて帰ってきてくれたこと、すくすくと大きく育ってくれたことなど、素直な感謝の気持ちを綴ってお弁当に添えます。

著者
雨隠 ギド
出版日
2016-07-07

完食されて空っぽになったお弁当箱とともに、手紙の返事は犬塚へと届きました。簡潔でまっすぐなメッセージはつむぎらしい内容となっており、犬塚だけでなく読み手にまでじんときてしまいます。

そして、ピカピカのランドセルを背負うつむぎの姿には実に感慨深いものとなっています。いつの間にか受け答えもしっかりできるようになり、気持ちの表現も上手になったつむぎの成長ぶりは、まるで我が子のことのように嬉しいものです。

これからはじまるつむぎの小学校生活には、どんな出来事が待っているのか。新たなスタートを切った物語に注目です。

キラキラの小学校生活に、さっそく暗雲?【8巻ネタバレ注意】

新しい友達もでき、授業も楽しく、ちょっとかっこいい上級生にも出会い、つむぎの小学校生活はそれなりに充実したスタートを切りました。しかし、そんな日々にさっそく不安が訪れます。つむぎの同級生に、かつて猫を預かった際、意地悪をして怒らせてしまった女の子、なぎさがいたのです。

一目でつむぎのことを思い出した彼女は、あからさまにつむぎを避けたり、些細なことで先生に言いつけたりと、あきらかに敵意をむき出しにしています。つむぎは謝って仲直りしたいと考えますが、そんな彼女に犬塚がしたアドバイスは、なかなか厳しいものでした。

著者
雨隠 ギド
出版日
2017-01-06

「…うん ごめんなさいするのは いいと思う でもね もしかしたらなぎさちゃんは いいよって 言わないかもしれない それは覚えておこうね つむぎ…」(『甘々と稲妻』8巻から引用)

犬塚の言う通り、謝ることはとても大切ですが、それがすべてを解決してくれるかというと、そうとは言い切れないのです。つむぎはあの日なぎさから、大切なペットを奪うようなまねをしてしまったわけですから……。

果たしてつむぎとなぎさは、過去を水に流して友達になることができるのか。それとも、人間関係の難しさを覚えさせ、つむぎをまたひとつ大人にしてくれるのか。気になる真相はぜひ8巻で確かめてください。

つむぎ、はやくも思春期に突入?【9巻ネタバレ注意】

小学校には夏がやってきていました。朝顔の観察に、水遊びにと、どんどん夏らしい行事が増えていきます。

そんなつむぎの小学校でも、幼稚な言葉や冷やかしで相手をからかう男子に、それを見て呆れる女子という、どこにでもありがちな男子と女子の関係が出来上がっています。つむぎも、子供っぽい同級生よりも落ち着きがあってかっこいい6年生に憧れを持つなど、精神面でもどんどん成長していくのでした。

著者
雨隠 ギド
出版日
2017-07-07

9巻では、つむぎに目に見える大きな変化が現れました。表紙を見てもわかるとおり、長かった髪をばっさりと切ってしまったのです。つむぎにどんな心境の変化があったのか、その真相は実際に確かめていただきたいと思います。

見た目だけでなく、性格や仕草でも「大人っぽさ」を演出したい年頃になったつむぎは、今回初めてコーヒーに挑戦します。ただ、結果はおそらくお察しの通り。その時の「騙された」とでも言いたげな暗い表情が秀逸で笑いを誘うものとなっていますので、注目してみてください。

さらに、父子の間でもある重要なやりとりが行われます、それは、犬塚の再婚に関する話題です。つむぎのためを思えば、おそらく母親はいたほうがよいでしょう。しかし犬塚はまだ、亡くなった妻以外の誰かを愛する自分のイメージなど到底浮かばないのです。そんな彼につむぎがかけた言葉とは……。気になる方は、ぜひ最新9巻を手にとってみてください。

つむぎと小鳥の成長【10巻ネタバレ注意】

10巻はつむぎと小鳥、それぞれに成長を感じられた展開があった内容でした。

まず序盤は小鳥の両親の離婚をめぐって、彼女の本音が明かされます。彼女は彼らが再婚しそうに見えることに対して複雑な思いになっていたのでした。

仲の良さそうなふたりを見ると、嬉しい気持ちと、こんなに簡単に仲直りできるような間柄であればなぜ離婚したのだという気持ちがないまぜになるのです。

小鳥は、かつてみんなで手作りした思い出のうどんを再びつくるという名目で父を呼び出し、その思いを打ち明けます。

それに対しての両親は真摯に答えます。その言葉はリアルなもの。そして小鳥は積年の思いを打ち明けられたことで、少し成長したように見えるのでした。

しかもこのあと、小鳥は公平への淡い思いに気づくそぶりも見せ……。恋心の成長の様子は手作りイクラの回でご覧ください。

亡くなった妻への思いと、小鳥が公平からするとまだ幼いことからすぐに恋愛展開にはならないでしょうが、ふたりの一進一退が今後気になりますね。

著者
雨隠 ギド
出版日
2018-01-05

そして10巻ではつむぎも成長を見せます。ある日の登校時、いつもお世話になっているお姉さんに抱きつかれますが、なぜか彼女の目は死んでいます。

家にいる時はぼーっとすることが増え、「どっかとおくに行っちゃいたい」とついにはトイレにこもってしまうのでした。そんな娘に公平は「一緒にとおくへ行こう!」と彼女を海に連れ出すことにします。

そこでつむぎが明かしたのは、毎朝彼女の「手を繋つなぐ係」になっているお姉さんのことでした。休み時間にまで自分のところにやってきて、他の友達と遊べなくなってしまうことが嫌で、ついつい彼女を見かけると逃げようとか隠れようとかしてしまう自分が嫌だ、と語るのです。それを聞いた公平は……。

ここで言った公平の言葉は、大人でもハッとさせられるものです。いい子でいなきゃ、と心まで縛ってしまっていたつむぎを、優しく、しかし確実に背筋を正すように勇気付けるのです。

ぜひそんなお父さんらしい優しさと厳しさを感じさせる言葉を作品でご覧ください。そのあとにふたりが食べる温かいおでんも、ふたりの絆、良い雰囲気を演出し、とても美味しそうです。

漫画『甘々と稲妻』11巻が待ちきれない!

著者
雨隠 ギド
出版日
2013-09-06

美味しいご飯と人々の関係を描いた名作料理漫画『甘々と稲妻』。公平とつむぎの絆、ふたりを料理で結ぶこととなった小鳥。彼らの関係が深まっていく様子に心が温まります。

本作の魅力は心の交流のあたたかさが身体的に感じられることではないでしょうか。言葉よりも、湯気の上がる食事を相手と囲む方が良いコミュニケーションになる場合があることを、誰しも経験したことがあると思います。
 

あの体感的な、表現しがたい気持ちの良さを本作は存分に表現しているように感じられるのです。その魅力をお伝えするために今回紹介させていただきましたが、やはりそれはご自身で作品を読んで発見していただくのが一番。ぜひ漫画本編でその魅力を確認してみてください。

いかがでしたか?食事を通して人々が感じる幸せ、寂しさ、暖かさに思わず涙してしまいそうなシーンが満載の物語となっています。気になった方はぜひこの機会に読んでみてください。


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