さよ
子どもの頃から図書館が大好きで、本が好きです。小学生のときに『赤毛のアン』を読んで、活字の力に衝撃を受けました。文字だけで、彩り豊かなわくわくする世界が、まるでそこにあるかのように創ることが出来ると知ったからです。それからしばらくは、海外の児童文学をたくさん読みました。特に気に入ったのは、ムーミンの作者のトーベ・ヤンソンです。彼女は挿絵も素晴らしいですが、文章も魅力的です。孤独や不安といった陰の部分まで、ありのままに描き、どこか北欧フィンランドの厳しい寒さや長い冬を感じさせます。今、大好きなのは、イタリアのエッセイを書く内田洋子さんです。彼女のわかりやすく歯切れのよい文章には、なぜか凛とした緊張感とじんわりとした温かさが同居します。教師をしていらっしゃる瀬尾まいこさんも素敵です。どこかのんびりとしていて、でも、えっと思わせる意外な設定。そしていつの間にかその設定にひきこまれてしまいます。私にとって本とは、最終的に心を温かくしてくれるものだと思いますし、どうしても、そのような本に惹かれてしまいます。