漫画『幼馴染とはラブコメにならない』は「マガジンポケット」で連載中の作品です。ヒロイン全員が幼馴染という驚きの設定で、「幼馴染は負けヒロイン」というイメージに真っ向から挑む異色のラブコメ。 2026年1月5日からTVアニメが始まる本作について、原作漫画の基本情報やおすすめエピソードから、作品の魅力についてご紹介していきます。

『幼馴染とはラブコメにならない』は講談社のWebコミック配信サイト&アプリの「マガジンポケット(マガポケ)」にて、2022年3月から連載中の漫画です。公式略称は「幼ラブ」。既刊は18巻で、最新巻の第19巻は2026年2月9日に発売予定です。
本作は幼馴染みをテーマにした両片思いの多角関係ラブコメ。複数の幼馴染みヒロインが登場するのですが、主人公とそれぞれのヒロインの間で起こるお約束的ラブコメ展開のドキドキと、それに反して関係がなかなか進展しないじれったさが癖になる作品です。
タイトル通りラブコメなのにラブコメが成立しない、くっつきそうでくっつかない関係性が非常に人気で、2023年には「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門にノミネートされたほど。
そんな漫画『幼馴染とはラブコメにならない』は2025年4月にTVアニメ化が発表され、まもなく2026年1月より放送開始予定となっています。
主人公の界世之介(さかいよのすけ)、通称「えーゆー」には悩みがありました。彼には同い年で幼馴染みの女の子がいて、高校生になった現在も昔から変わらない距離感で接してくるのです。思春期男子ゆえに戸惑いとともに異性として意識する一方、昔から知る相手だからこそ心理的なストッパーが働いて、一歩を踏み出すことが出来ないのでした。
それでも相手が1人なら、時間が解決してくれたかも知れません。1番の問題は幼馴染みが1人ではないことでした。家が隣同士の女の子、疎遠になってしまったクラスメイト、1つ年下で兄と慕う後輩、男勝りな運動部エース……などなど、同じような距離感の幼馴染みが何人もいるのです。
人数が多いせいでつかず離れずの微妙な関係から抜け出すのが難しく、あからさまにラブコメ的なシチュエーションが訪れても、えーゆーは無意識に逆張りしてドツボにハマっていくのでした。
そして実は、幼馴染みの女の子たちにも全員えーゆーと同じ悩みがあって……。
本作のレギュラー登場人物はかなり極端で、主人公とヒロインで占められていると言っても過言ではありません。
主人公は「えーゆー」こと界世之介です。そこそこ勉強が出来る、生真面目な性格の高校1年生。年齢相応にヒロインたちを異性として意識していますが、幼馴染みの距離感と真面目さが祟って、チャンスがあっても上手く活かせません。タイトルに反して、良くも悪くもラブコメ漫画の主人公体質です。
1人目のヒロインは水萌汐(みなもしお)、通称「しお」。肩くらいの長さの髪と抜群のスタイルが特徴的な美少女です。幼少期からえーゆーとは隣同士な正統派の幼馴染み。密かにえーゆーのことが好きで自分を意識するようアプローチしていますが、距離が近すぎるせいで空回り気味。
2人目のヒロインは火威灯(ひおどしあかり)、通称「あかり」です。派手な外見とキツめな言動が目立つギャル系の美少女。汐と同じくらい付き合いの長い幼馴染みですが、いつごろからか素直になれなくなり、好きなのにえーゆーへの当たりが強くなってしまいました。いわゆる毒舌系ツンデレ。
3人目のヒロインは月見るなです。ツインテールがトレードマークな明るい妹系美少女、通称「るなこ」。えーゆーの家に居候することになり、年齢が1つ下なこともあって、彼のことを「お兄ちゃん」と呼んで慕っています。年下とはいえ汐に匹敵するほどのスタイルの持ち主。
4人目のヒロインは日向春(ひなたはる)、通称「ハル」です。ショートカットで褐色肌、スポーティな体育会系美少女。えーゆーたちとは高校生になってから再会するのですが、幼少期の印象から男の子だと思われていました。
5人目のヒロインは木暮梢(こぐれこずえ)、通称「こず姉」。10歳年上のえーゆーのはとこで、のちにえーゆーたちのクラスの副担任となる国語教師です。通称「こず姉」。最年長ながらズボラなため、自室はすぐ汚部屋と化します。要するに残念な美人。
6人目のヒロインはオリアナ・マリーゴールドです。小学3年生の時に一時的にクラスに転入してきたアメリカ人の美少女。帰国後もずっとえーゆーに片想いし続けてきたため、高校生になって留学してからは積極的に行動します。
このように登場するのはほぼヒロインで、脇役のキャラクターはいません。
本作の魅力はやはり、幼馴染みにスポットを当てた多角関係にあります。
当初は主人公1人に対して、幼馴染みが2人というありがちな三角関係のラブコメでした。ところが、話が進むごとに幼馴染み属性のヒロインが増えていった結果、最新の状況では1対6のあり得ない状況に。
ヒロインが多数というだけならハーレムモノで珍しくありませんが、全員幼馴染みなのがポイントです。昔から知っているからこそ、相手が好きで時にはいい雰囲気にもなるのに、昔からの関係が足を引っ張って足を踏み出せない。本心はピュアな片想いなのに、みんな素直になれないせいで、じれったいラブコメ展開を楽しめます。
基本的にコメディタッチですが、ヒロインたちのえーゆーへの想いは本物です。初々しいアプローチと駆け引きがある一方、あるヒロインの1人が恋心を優先して抜け駆けの形になる時には、後ろめたさを感じる心理描写がしっかり描かれます。
また一部キャラクターにはややシリアスな背景があって、コメディ以外の部分とラブコメの配分が絶妙。読んでいてまったく飽きさせない構成になっていて、20巻近く続いているのも納得します。
あと忘れてはいけないのがお色気要素。ラッキースケベと言えばラブコメとは切っても切れないシチュエーションですが、もちろん本作にもあります。パンモロくらいは当たり前、ちょっと危ないボディタッチや入浴シーンなど多彩。
このように漫画『幼馴染とはラブコメにならない』はくっつきそうでくうつかない王道のラブコメでありつつ、全員幼馴染みの多角関係という異色の設定が、様々な見所に繋がっている非常に魅力的な作品です。
えーゆーが掃除当番なのを利用して待ち伏せし、体育倉庫でハプニングに見舞われるというラブコメでありがちなイベントを狙ったしお。ところが彼女は不覚にも眠ってしまい、気付かないうちに閉じ込められて本当にピンチになってしまいます。
助かるあてのない1人ぼっち。状況は違えど、しおは小さいころにも同じように1人ぼっちになって、そんな時に救ってくれたのが彼女の「英雄」でした。そして今回ピンチに駆けつけてくれたのも、もちろん英雄――えーゆーです。いなくなったことに気付いた彼が、しおの行動を予想して探し当ててくれました。
普段、表向きには友達感覚で接する2人ですが、この場面ではタイトルに反して完全にラブコメ(そもそもラブコメにならないという体裁でラブコメする作品ですが)。ヒロインのピンチを救ったえーゆーはヒーローそのもの。いつもの鈍感さはどこへやら、頼れる姿を見せてくれます。しおも妙な気負いが抜けてかなり魅力的に。
正統派幼馴染みのしおとえーゆーがどうラブコメになるのか、あるいはどうしてラブコメにならないのか、本作らしさの詰まったエピソードです。
- 著者
- 三簾 真也
- 出版日
4人で海水浴を堪能したえーゆーたち。ところが帰る間際、えーゆーとあかりが口喧嘩して、帰りのバスを逃すという大ピンチに見舞われます。
先にバスに乗ったしおとるなこは爆睡、スマホは圏外。頼るあてのない2人は、バスが行った道を歩いて行くことにしました。
日が暮れた山道。いつも強気なあかりですが、実は人一倍怖がり。ちょっとしたハプニングで腰を抜かして動けなくなった彼女を、えーゆーは半ば強引に背負って行きます。
普段は何かと反発してしまう2人。あかりの記憶ではその原因は中学生時代にえーゆーに突き放されたせいですが、それは思春期特有の照れ隠しでした。今のえーゆーの行動は昔と同じ優しい少年のまま――そう気付いたあかりは、改めて恋心を自覚します。
無事に山道を抜けた2人は、えーゆーの母親の手配で近場の宿に宿泊することになるのですが……。運命のいたずらか、なんと相部屋。動揺するえーゆーとは裏腹に、あかりはこれまでのツンが嘘のようにデレて、そのまま一夜を共にすることに。
素直になったあかりは完全なヒロイン。もどかしい2人の関係がこの一夜でどう変化するのか。あかり推しならずとも胸が熱くなる、必見のラブコメエピソードです。
- 著者
- 三簾 真也
- 出版日
ハルとの再会を祝して、ささやかなパーティを行うえーゆーたち。幼馴染み3人がお互い意識してることに気付いたハルは、彼らを応援しようとします。
しかし、体育会系らしいストレートかつ雑な言動のせいでことごとく裏目。特に幼少期のえーゆーとのうっかりキスを蒸し返したことが致命的で、しおとあかりを激しく動揺させてしまいました。
気まずい空気はるなこの帰宅で解消されたものの、さらなるハプニングが発生。はしゃいだハルが転倒し、事故で再びえーゆーとキスしてしまったのです。過去はノーカンと言い張る彼女も、成長した現在となると話は別。しおとあかりの手前、無関心を装っていたハルですが、皮肉にもこの日1番ヒロインらしい見せ場を自ら演出してしまいました。
注目のポイントはキス直後のハルの表情。がさつない振る舞いからは想像もつかない、ハッとさせられる女性らしい顔がとても魅力的です。ここまでしておいて「ラブコメにならない」と言い張るには無理がある破壊力と言えるでしょう。
恋のレースに強烈な一撃を加えたハルのギャップが光るエピソードです。ちなみにこの後、しおが触発されて暴走しますが、それはまた別のお話。
- 著者
- 三簾 真也
- 出版日
クリスマスイブに遊園地で遊んだ幼馴染み5人。あっという間に帰宅時間になりましたが、るなこはわざと帰りの電車を見送って、えーゆーと2人きりになります。1時間だけ恋人になって欲しい、というささやかなクリスマスのわがまま。
こうして強引ながらも甘いクリスマスデートが幕を開け、るなこもいつもと違った魅力が描かれます。普段はえーゆーを「お兄ちゃん」と呼ぶ彼女ですが、デート中は徹底して「世之介」と名前呼びするのが非常に新鮮。次々と恋人らしいイベントを重ねていく様子は、まさに王道ラブコメそのものです。
しかし、終盤でるなこはある事実に直面します。この本物の恋人同然のクリスマスデートが、えーゆーが自分を可愛い妹分として扱うからこそ成立しているという矛盾。一歩踏み出すには、彼との絆である「妹」の立場を捨てなければならない――。そんな葛藤が彼女の胸を締め付けます。
そしてデートを経て訪れる衝撃のラストシーン。普段の小動物のような愛くるしさとはかけ離れた、1人の女性としての情熱的な姿にドキッとさせられること間違いなしです。るなこの印象をガラッと変える珠玉のエピソードと言えるでしょう。
- 著者
- 三簾 真也
- 出版日
長く続くと当然気になってくるのが、「誰とくっつくのか?」というところ。全員が本命ヒロインなので、誰がえーゆーと結ばれるのか予想するのは難しいです。読者的には新展開、新エピソードから色々想像するのが楽しいのですが……かなりメタ読みになりますが、ヒロインレースの結末を描く前に、おそらくもう1人の幼馴染みが登場するのではないかと見ています。
ヒロインたちの名前には“水”萌汐、“火”威灯、“月”見るな、“日”向春、“木”暮梢、オリアナ・マリー“ゴールド”……と、それぞれ曜日に関する言葉が名前に入っています。
偶然にしては規則性が感じられるので、意図的なネーミングと考えるべきでしょう。現時点のヒロイン6人に足りないのは土曜日。このまま行けば今後、名前に“土”の入った幼馴染みがきっと出てくるはずです。
幼馴染みヒロインは順当にくっつくラブコメ作品があまりないせいで、良くも悪くもネタにされがち。本作の場合はヒロイン全員が幼馴染み。積み重ねてきた関係がどう発展し、えーゆーが最後に誰を選んで、どんな結末を迎えるのか。今後の展開から目が離せません。
漫画『幼馴染とはラブコメにならない』は2025年4月3日、TVアニメ化が発表されました。放送開始日は2026年1月5日からで、放送局はテレビ東京系やAT-X、その他Amazonプライムビデオなどの各種サブスクサービスでも配信予定です。
アニメ制作を担当するのは手塚プロダクション。公開されたキャラデザインの完成度は非常に高く、原作そのままの魅力的な幼馴染ヒロインたちを映像でも堪能できるでしょう。
声優は界世之介役に浦尾岳大、水萌汐役に久住琳、火威灯役に芹澤優ら豪華陣がキャスティングされました。メインビジュアルに4人のヒロインが描かれているため、彼女たちが揃うまでの物語が描かれるのは確実。
アニメ版のOPは「可愛くてごめん」で有名なHoneyWorksが担当し、作品を華やかに彩ります。
放送期間は発表されていませんが、近年のアニメ化の傾向からおそらく1クールでしょう。1クールの映像化はおおむね漫画5巻分くらいですが、本作のテンポ感を考えると第6巻のクリスマス回まで描かれる可能性があります。
アニメ化となると気になるのはお色気要素。すでに規制解除版「プチドキver.」の放送が明言されているので、原作同様(あるいはそれ以上)のラッキースケベにも期待して良いでしょう。「プチドキver.」はAT-Xやdアニメストア、後に販売されるBD/DVDでしか視聴出来ないので注意してください。
PVの出来が素晴らしいので、アニメ『幼馴染とはラブコメにならない』は2026年の幕開けを飾る注目のラブコメ作品となりそうです。
本作を手掛けるのは、福井県出身の漫画家・三簾真也(みすしんや)です。詳しいプロフィールは非公開ですが、京都アートスクールや京都精華大学マンガ学部ストーリーマンガコースを卒業しています。
2011年、『ブリキヲ』が「ジャンプSQ.」主催の第21回「Supreme Comic大賞」準入選、2014年には『天女の夢』で第74回「新人コミック大賞」少年部門の大賞を受賞しました。そして2019年1月、「週刊少年サンデー」に初連載作品『水女神は今日も恋をするか?』が掲載されたことで商業デビュー。
- 著者
- 三簾 真也
- 出版日
その後、断続的に作品を発表して、2022年に「マガジンポケット」で『幼馴染とはラブコメにならない』の連載を開始。これがラブコメファンの心に刺さる長期連載ヒット作となり、現在に至ります。
連載作品はいずれもラブコメですが、投稿作品や読み切り作品にはファンタジーやホラー系も多いです。現在は魅力的なヒロインの描写や、明るいコメディタッチの作風が印象的ですが、実は幅広い表現の引き出しを持った漫画家。
漫画『幼馴染とはラブコメにならない』のヒロインレースはまだ終わりが見えませんが、今後も我々読者を楽しませてくれることは間違いありません。
漫画『幼馴染とはラブコメにならない』は現在も「マガジンポケット」で連載が続いています。基本無料で最新公開話まで読めるので、気になった方はまずそちらから作品に触れてみてはいかがでしょうか?