トム・クランシーのおすすめ作品5選!国家同士の争いに目が離せない!

更新:2017.3.5

トム・クランシーは軍事、政治、テクノロジーをテーマとして書く小説家です。ゲームをプロデュースしていたこともあり、多くの有名シリーズを輩出しています。トム・クランシーの凄さがわかるおすすめ小説を紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

軍事に詳しく社会情勢を読む力も持つ作家、トム・クランシー

「ジャック・ライアン」、「レインボー・シックス」、「ネットフォース」など多くのシリーズ小説を輩出したトム・クランシー。軍事、政治、テクノロジーなどエンターテイメント性の高い要素を盛り込み、一躍ベストセラー作家となりました。

そんなトム・クランシーが生まれたのは1947年のメリーランド州ボルチモアです。成人してからクランシーは地元のボルチモアで保険代理店を経営していました。その傍らで『レッド・オクトーバーを追え!』を書きあげ、小説家としてデビューします。そのデビュー作が政治関係者の中で話題になり、売れっ子作家としての華々しい第1歩を踏み出しています。

また、トム・クランシーはゲームも手掛けていました。2002年に発売された『ゴーストリコン』には2008年にロシアがグルジアを侵攻するという内容が描かれており、実際2008年にロシアがグルジアを攻撃し、ファンを驚かせています。

亡命者が携えてきたのは最新鋭の潜水艦

トム・クランシーは保険代理店を経営しながら、9年がかりで『レッド・オクトーバーを追え』を執筆しました。社会情勢が詳しく書かれており、関係筋の人たちから大絶賛を受けヒット作になり、映画化もされています。

ソ連のマルコ・ラミウスは体制に嫌気がさし、最新鋭の潜水艦レッド・オクトーバーを手土産にアメリカへ亡命しようとします。しかしその亡命を察知したソ連の工作員たちがレッド・オクトーバーを追うのでした。CIAの分析官ジャック・ライアンはラミウスの無言の亡命に気がつき、ソナーに反応しないレッド・オクトーバーを追い始めます。

著者
トム・クランシー
出版日

本作はトム・クランシーの処女作にして出世作です。最新テクノロジーを巡る緊迫した状況を描き、テクノスリラーのジャンルを確立しました。最新鋭の潜水艦や海空の兵器たちなど、軍事に関与するすべてが登場します。リアルな軍の様子を物語で読むことができるのです。

分析官が現場に出てアクションを繰り広げるというエンターテイメント性の高い内容であり、トム・クランシーの処女作やジャンルの確立という点以外からもおすすめできる作品です。またロシアとアメリカが持てる知識を活かしてお互いを探り合う、熱い情報戦も見どころのひとつとなっています。

テロの脅威と家族に忍び寄る危機

『愛国者のゲーム』は「ジャック・ライアン」シリーズの2作目として書かれていますが、時代設定は処女作の『レッド・オクトーバーを追え!』よりも前の話が書かれています。ジャック・ライアンがCIAに入局するきっかけとなった物語です。ハリソン・フォード主演で映画化されました。

海軍兵学校の教官だった頃、休暇を利用してイギリスに来てたジャック・ライアン。そこでたまたまIRAが英国皇太子夫妻を誘拐する現場に遭遇してしまいます。決死の覚悟で皇太子夫婦を救ったライアンでしたが、報復を誓うIRAのテロの手がアメリカに伸び、ライアンの家族にも危険が忍び寄るのでした。

著者
トム・クランシー
出版日

物語の主軸に絡んでくるのはIRA(アイルランド共和軍)というテロ組織です。IRAはアイルランドを統一して本国イギリスからの独立を目論むテロ組織で、その目的はイスラム国と重なります。当時のアイルランドとイギリスとの軋轢や、アイルランド系移民からの資金提供のおかげでテロの対象外になっているアメリカなどの情勢が良くわかる内容です。

そんなテロが起こらない前提になっているアメリカで、大掛かりなテロが仕掛けられます。その魔の手は一般市民であるライアンの家族にまで及ぶのです。9・11以降、テロの恐怖と脅威に晒されてきたアメリカ。そんなアメリカで、突然日常を恐怖で切り裂くテロの様子が描かれています。

静観できない中国の横暴

トム・クランシーは2012年に『米中開戦』を発表し、アメリカと中国の間にある摩擦を警告しました。中国に対するアメリカの動きが注目される中で、中国の脅威は小説の中だけの話だけではないかもしれません。本作ではトム・クランシーの作品に度々登場するジャック・ライアンが、なんと大統領になっています。

物語は中国がアジアを支配しようとする動きを見せることが始まりです。ジャック・ライアン大統領は対応しようとしますが、そのための実行部隊であるザ・キャンパスが何者かの監視下にあることを知るのでした。アジアの覇権を目論む中国とそれに協力するサイバーテロ集団相手を相手に米国の激闘が始まったのです。

著者
["トム クランシー", "マーク グリーニー"]
出版日
2013-12-24

本作では決して他人事ではすまされない切迫した状況が出てきます。作中で中国は東シナ海に軍備を拡張し、香港や台湾を完全に手中に収めようと軍事展開してくるのです。隣国である日本にもいつその牙を向けられるかわかりません。

現実の世界でも2014年頃から中国が領有権確保のためサンゴ礁のある場所で勝手に埋め立てを行ない非難されました。そんな中国の侵略まがいな領有権拡大政策のように、現実でも危惧しなければならないできごとが連続しています。

テクノロジーにも詳しいトム・クランシーはサイバーテロリストたちとの情報戦を描いています。センターと名乗る謎の男は世界中に情報網を張り巡らし、監視や盗聴、ハッキングなどを繰り返していました。無人偵察機のコントロールを奪って米軍基地を攻撃させるほどの恐ろしい能力も持っています。そんな男が中国と協力しているのだから、米国にとっては脅威です。その脅威にジャック・ライアン率いる米軍が情報を駆使して本拠地を発見し、軍のすべてを投入して本拠地を叩く場面は目が離せません。

大統領選のさなかに狙われるアメリカ

『ライアンの代価』は再び大統領選に挑戦するジャック・ライアンに訪れる試練の時が書かれています。またジャック・ライアンの息子が登場し、テロに対応して活躍するのもファンにとっては嬉しい作品です。大統領選とテロ対策に奔走するジャック・ライアンの姿が描かれています。

大統領選で当選確実となったジャック・ライアンでしたが、ライバルのキールティ側がライアンの旧友であるジョン・クラークを陥れてジャック・ライアンの失脚を目論んでいました。一方でパキスタンからタジキスタンの原理主義者たちがテロを目論みパリ入りしたことがわかり……。

著者
["トム クランシー", "マーク グリーニー"]
出版日
2012-11-28

本作にはトム・クランシー作品に多く出演しているキャラクターたちが登場します。処女作『レッド・オクトーバーを追え!』から主人公を張ってきたジャック・ライアンは年を取り、現場から退場してもアメリカを支えようと懸命です。そんなジャック・ライアンの息子も父親の跡を追おうと頑張っています。『レインボー・シックス』からジョン・クラークが登場する場面も見所です。

テロと特殊部たちとの戦いが描かれており、緊迫したアクションシーンが度々出てくるので、スピード感のある作品になっています。トム・クランシーのシリーズ作中で経験を積んだベテランたちが不在の中、若者たちが世代を引き継ごうと奮闘する様子に惹かれます。

内部と外部から崩壊の危機にさらされる米国

『合衆国崩壊』でついにジャック・ライアンは大統領に上り詰めます。しかし世界はテロの脅威に晒されており、崩壊しかかった合衆国にも魔の手が……。大統領として初めて命令を出すジャック・ライアンの奮闘が描かれた作品です。

前作で国会議事堂が爆破され、政府機関の中枢が崩壊したため、ジャック・ライアンが臨時の大統領に着任するところが物語の始まりです。スキャンダルで退いた元副大統領はライアンを失脚させようと目論みます。一方でアメリカではエボラ熱が流行。これをバイオテロと判断したライアンは事態収束のため奔走するのでした。

著者
トム クランシー
出版日

本書には新興国イスラム連合という新たな国が誕生しています。これはイランが無政府状態のイラクを攻めて併合したもので、新興国イスラム連合共和国の名を掲げました。現実でもイラク戦争が起こり、政治的混乱が生じた中東で、地域の統治と派遣を巡ってイスラム国なるテロ集団が暗躍しています。そんな中東の混乱を10年以上も前にトム・クランシーは予見していました。

世界のあちこちで事件が起こり、それが1つに収束していくというお得意の手法を本書でも取っています。スキャンダル、テロ、家族の危機など、大統領になってもジャック・ライアンの苦難は絶えません。事態のすべてを終息させようと奔走するライアンの姿を見ることができます。

テロに次ぐテロで、緊迫したシーンが多く登場します。そんな危険に立ち向かう人々の姿が勇ましいです。テロリストの怖さも作品の面白さに華をそえます。最後まで手に汗握る展開で一気に読むことができるトム・クランシー作品です。

テクノスリラーのジャンルを確立したトム・クランシーはその詳しい軍事背景を基に、その時代の社会情勢を映しだします。また持てる情報から未来を導き出す先見の目も持っており、ファンを驚かし続けてきた作家です。