金美齢のおすすめ書籍5選!日本と台湾や、家族について語った作品たち

更新:2021.11.17

評論家として日本で活躍する金美齢。台湾で生まれ日本で長く暮らし、現在は日本人として生活しています。そんな金は、日本という国を常に思い、時に案じているのです。この記事では、彼女が日本人として生きるために大切なことや、祖国台湾について語った書籍、また家族や子育てに関するおすすめの作品を紹介していきます。

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金美齢とは。日本国籍を取得した台湾出身の評論家

 

1934年生まれ、台湾出身の金美齢(きん・びれい)。1959年に日本に留学し、早稲田大学の第一文学部で学びました。在学中に結婚をします。

日本に滞在中の1962年頃から台湾独立運動に参加をし、反政府活動家として夫とともにブラックリストに載ることに。台湾への帰国が叶わなくなり、事実上日本で亡命生活を送ることとなりました。1987年に台湾が民主化すると、ようやくブラックリストが解除。30年以上ぶりに帰国をし、その後は祖国で学校法人や日本語学校を開くなど、教育に関する熱心な取り組みをおこなっています。

2009年に日本に帰化。台湾や家族に関するさまざまな著作を発表し、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍。2017年には「旭日小綬章」を受賞するなど、幅広い活躍をしています。

 

金美齢が日本人として生きる理由『私は、なぜ日本国民となったのか』

著者
金 美齢
出版日
2010-02-01

 

台湾で生まれ育った金美齢ですが、先述したとおり2009年に日本に帰化し、日本人として暮らしています。どうして彼女は日本で、日本人として生きることを選んだのでしょうか。

本書にはその理由とともに、私たち日本人が忘れがちな「日本の素晴らしさ」を知ることができる一冊です。

祖国を離れざるを得ない状況に陥った金美齢だからこそ、伝えられることがあります。「誰にも流されることなく自分の意見を持つこと」「政治家やメディアの言いなりにならないこと」……。

日頃は、自国や自分のことを客観的に見ることはほとんどないでしょう。他国で生まれ育った金美齢の言葉は、説得力をもってまっすぐに読者の胸に刺さってきます。あらためて日本について考えるきっかけになる作品です。

 

日本人への愛に満ちた言葉『戦後日本人の忘れもの―金美齢の直言』

著者
金 美齢
出版日
2008-01-01

 

2000年に出版された『日本人に生まれて幸せですか』を改題・改訂した一冊。かつての日本人がもっていて、戦後の日本人がもっていない考え方や美徳について書かれています。

台湾で生まれ、日本で長い時を過ごした金美齢だからこそいえる、深い愛情に満ちた言葉が魅力です。彼女の日本に対する想いとともに、日本と台湾の情勢も知ることができます。

また両国をとりまくアジアのなかでもひときわ存在感を放っている中国との関係にも触れているので、日中関係や台中関係に関心がある方にもおすすめの作品です。

 

金美齢とともに日本を見つめなおす一冊『凛とした日本人』

著者
金 美齢
出版日
2015-05-02

 

2011年、東日本大震災という非常に大きな出来事が日本を襲いました。本書では、震災という困難な状況に立ち向かう日本人の「凛とした」姿を見つめています。

金美齢いわく、日本人は苦境に立たされてもそれを跳ね返す力があるとのこと。しかし普段は、その力が発揮できない環境にあるというのです。「凛とした日本人」であるために、私たちはどのような行動をとるべきなのか、どのような考え方をもつべきなのでしょうか。

政治やメディア、インターネット・コミュニケーションなど、さまざまな角度から日本を見つめ直す一冊です。

 

金美齢の子育て術『「鬼かあちゃん」のすすめ―鍛えてこそ子は伸びる』

著者
金 美齢
出版日

 

結婚後、そのまま日本で1男1女を育てあげた金美齢。本書では、自身の子育てを回顧しながら、教育について記しています。

金美齢は、「悪いこと」と「正しいこと」をしっかりと伝えることを心がけてきたそう。甘やかしすぎたり媚びることはせず、時には人前で我が子を叱ることも。かわいいからこそ、正しい人間として育ってほしいと考えているのです。また親たちが学校教育や教師に依存しすぎることへの批判も記しています。

なかには強烈な意見もありますが、子育てを経験した方にも、これから迎える方にも、ひとつの意見として参考になるでしょう。自身のエピソードをコミカルに振り返る場面も多く、読み物として楽しむこともできます。

 

金美齢が「家族」という共同体について語る『家族という名のクスリ』

著者
金 美齢
出版日
2016-03-05

 

下重暁子の『家族という病』や、上野千鶴子の『おひとりさまの老後』がベストセラーになるなど、家族というものに縛られずに生きるという考え方が少しずつ広まってきています。個人として自立することを是とする風潮があるなか、金美齢は本書で、その考え方に真っ向から立ち向かう姿勢を貫いているのです。

結婚をし、子どもを産み、家族という共同体を作ることはとても大切なことであるという考えのもと、自身や娘の経験を交えて「家族」の大切さを訴えます。

その内容はしごくまっとうで、納得感のあるもの。価値観が多様化する現代における、ひとつの意見として読んでおきたい一冊です。

 

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