絵本/児童書

「ハリー・ポッター」シリーズの魅力とは。登場人物、魔法と呪文、寮など徹底解説!

更新:2020.12.2 作成:2020.3.24

世界規模の人気を誇る「ハリー・ポッター」シリーズ。児童文学の枠を超え、すべての年代の人々を魅了している名作です。この記事では、シリーズの主な登場人物や魔法、個性的な寮など魅力をたっぷりと解説。またスピンオフ映画「ファンタスティックビースト」も紹介していきます。

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「ハリー・ポッター」シリーズとは。作者や時代設定、映画化など概要を紹介

世界中の老若男女から愛される「ハリー・ポッター」シリーズ。イギリスの作家J・K・ローリングの作品です。イギリスでは1997年に、日本では1999年に第1巻の『ハリー・ポッターと賢者の石』が刊行されました。当時はまだ無名作家だったJ・K・ローリングですが、瞬く間にベストセラーとなります。

物語の舞台は、普通の人間が暮らす世界と、魔法使いが暮らす「魔法界」の2つが存在している1990年代のイギリス。主人公のハリー・ポッターが、ホグワーツ魔法魔術学校で出会う仲間たちとの冒険や、敵対する勢力との戦いなどが描かれています。

「ハリー・ポッター」シリーズは全8巻。J・K・ローリングは当初7つの物語を構想していたそうですが、本編から19年後を描いた8つ目の物語『ハリー・ポッターと呪いの子』を2016年に発表。これは舞台の脚本を書籍化したもので、作者は8巻をシリーズの最終巻としています。

  • 第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』
  • 第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
  • 第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
  • 第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
  • 第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
  • 第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
  • 第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』
  • 第8巻『ハリー・ポッターと呪いの子』

2001年には第1巻の『ハリー・ポッターと賢者の石』が映画化され、大ヒット。アカデミー賞にも3部門にノミネートされました。続編も次々と映画化し、シリーズ累計の興行収入は世界歴代3位を記録しています。

また2016年にはスピンオフ映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」が公開。全5作の予定で、J・K・ローリングが脚本を務めています。

「ハリー・ポッター」シリーズの主な登場人物を紹介!

シリーズが根強い人気を得ている理由のひとつに、いきいきと描かれた登場人物たちの存在があるでしょう。たくさんの個性的なキャラクターが出てきますが、ここでは主要メンバーを紹介していきます。


まずはメインの3人です。第1巻では11歳で、物語とともに成長していきます。

ハリー・ポッター

シリーズの主人公。正義感が強く、友達思いの優しい少年です。赤ちゃんの時に、闇の帝王ヴォルデモートに襲われて両親を失っています。唯一生き残ったことから「選ばれし者」と呼ばれ、魔法界では有名人。

クセのある髪の毛と丸いメガネ、母親譲りのグリーンアイが特徴です。おでこには、当時受けた稲妻の形をした傷跡があります。

ロン・ウィーズリー

赤毛で顔にそばかすのある、愛嬌のある顔をしたハリーの親友。ウィーズリー家の6男で、優秀な兄たちに引け目を感じながら学校生活を送っています。

ハリーに対しても劣等感を抱いていて、時には衝突することもありますが、ともに敵と戦う際は勇敢な一面もみせてくれます。

ハーマイオニー・グレンジャー

非魔法族であるマグル出身ですが、知識が豊富で学年一の才女です。

生真面目で融通のきかない性格をしているため、当初はハリーやロンとそりが合いませんでしたが、トロールに襲われているところを助けられてから親友になりました。


ハリーたちが通うホグワーツ魔法魔術学校の教員たちも魅力的です。なかでも物語に大きく関わる先生を紹介しましょう。

アルバス・ダンブルドア

ホグワーツ魔法魔術学校の校長です。白髪で長いひげをたくわえ、半月型のメガネをかけています。

穏やかな性格で生徒たちからの信頼は厚く、ハリーのことも裏で支えてくれる存在。20世紀でもっとも偉大な魔法使いといわれていて、あらゆる魔法使いから尊敬されています。

ミネルバ・マクゴナガル

ひっつめ髪と四角いメガネをかけた初老の女性教師。変身術を担当していて、よく黒猫に変身して校内を見回っています。当初はハリーたちが所属するグリフィンドールの寮監でした。ハリーがもっている才能に気づき、影で保護者のような役割を果たす人物です。

生徒に対しては非常に厳格ですが、その分公平で、愛情深く接します。ダンブルドア校長からも信頼されていて、後にホグワーツの校長として学校を管理することになります。

セブルス・スネイプ

長い黒髪に土気色の肌、大きな鉤鼻という風貌。厳しく偉そうにしているため、生徒たちからも恐れられています。当初はスリザリンの寮監で、魔法薬学を教えていました。物語の途中からは闇の魔術に対する防衛術を担当しています。

怪しい言動が多く、ヴォルデモートの部下を装っていましたが、実はハリーの母親とは幼馴染。ハリーの気づかぬところでずっと彼を支えていた人物です。

ルビウス・ハグリッド

魔法使いの父と巨人の母をもつ半巨人。もじゃもじゃのひげと長い髪で、見た目は威圧感があるものの、優しい性格で情にもろく、多くの生徒たちから慕われています。

普段はホグワーツの森番をしていて、物語の途中からは魔法生物飼育学の授業も担当していました。

赤ちゃんの時に、ヴォルデモートに襲われて生き残ったハリーを親戚のダーズリー家まで送り、その後成長したハリーを魔法界に連れてきた重要人物です。


続いて、魔法を使って悪事をはたらいている闇の魔法使いを紹介します。魔法の腕前もあり、悪役ながら読者からの人気も高いです。

ヴォルデモート

本名はトム・マールヴォロ・リドルです。マグル出身の父親を憎み、同じ名前でいたくないため、自ら「ヴォルデモート」と名乗るようになりました。

闇の生物を従えて魔法界に暗黒時代を招いた、魔法界史上最強の闇の魔法使い。その名を口に出すことすら恐れられているので「例のあの人」「闇の帝王」などと呼ばれています。

差別的で冷酷、自分以外の者は信頼していません。もとはダンブルドアの教え子で、学生の時から闇の魔法に興味がありました。不死の存在といわれていますが、肉体はハリーの両親を襲った際に受けた呪文によって失っています。

ベラトリックス・レストレンジ

黒髪で美しい容姿をした女性。ヴォルデモートの配下にあり、彼の思想に心酔している「死喰い人」の一員です。ヴォルデモートから闇の魔術を習い、その実力はかなりのもの。快楽殺人を何度もしてきたサディストでもあります。ヴォルデモートが力を失ってからも彼を追い求め、肉体復活のために行動しています。

バーテミウス・クラウチ・ジュニア

ホグワーツにいた時は成績優秀な学生でした。しかし父親との関係がうまくいかず、自身と境遇が似ているからかヴォルデモートに傾倒していき、「死喰い人」となりました。

ヴォルデモートに深い忠誠心を抱いていて、肉体復活のために、ハリーをヴォルデモートのもとに連れていくという重要な任務を果たしました。


では、「ハリー・ポッター」シリーズの世界観に欠かせないキャラクターを紹介していきます。

ドビー

屋敷しもべ妖精という魔法生物。小さな子どもくらいの身長で、細長い手足と大きな目玉、コウモリの羽のように垂れ下がった耳が特徴です。個性的な見た目と独特のしゃべり方で、大人気となりました。

もともとはハリーの同級生のマルフォイの家でこき使われていましたが、ハリーのことを非常に尊敬していて、屋敷しもべ妖精としてではなく、大切な友人として彼を支えてくれる重要なキャラクターです。

ヘドウィグ

ハリーの相棒を務めるシロフクロウです。ホグワーツ魔法魔術学校への入学祝い兼誕生日祝いとして、ハグリッドがプレゼントしてくれました。

ホグワーツにはフクロウを飼っている寮生がたくさんいて、毎朝学校に郵便や小包を届けに来てくれるのです。ロンもフクロウを相棒にしています。

「ハリー・ポッター」シリーズで知っておきたい魔法と呪文

「ハリー・ポッター」シリーズに登場する魔法は、攻撃的な魔法ばかりではなく、普段の生活で使いたくなるような身近なものもたくさんあります。ここでは、物語において大きな存在感を放つ呪文をいくつか紹介します。

ウィンガーディアム・レヴィオーサ:「浮遊せよ」

1年生の初めての「呪文学」の授業で習う浮遊術。小さな羽を浮かせることが課題でしたが、発音が難しいためロンが悪戦苦闘。もちろん一発で成功したハーマイオニーにつっこまれていました。

しかし、後にトロールと戦うことになった際は、見事成功しトロールを気絶させています。ハリーたち3人の友情のきっかけになった呪文でもあります。

エクスペクト・パトローナム:「守護霊よ来たれ」

守護霊を出現させる呪文。難易度が高く、呪文を唱える者の精神状態に影響されて守護霊の形状も変化します。ハリーはディメンター(吸魂鬼)から身を守れるようにと、闇の魔術に対する防衛術の先生であるルーピンから教わりました。ちなみにハリーの守護霊は、父親と同じ雄ジカです。

エクスペリアームス:「武器よ去れ」

相手の持っている武器や杖を吹き飛ばす呪文。ハリーが得意としていて、代名詞のひとつになっています。映画版でももっとも多く登場した魔法で、ヴォルデモートと対決した時にも使いました。

アバダ・ケダブラ:「息絶えよ」

一瞬で相手の命を奪う、死の呪い。緑色の閃光が出るのが特徴です。反対呪文が存在しないので、この呪文を防ぐのは、自身の命を犠牲にして愛する者を守る「犠牲の印」のみ。技術がない者が唱えても一切効果を発揮しない、レベルの高い呪文です。

「ハリー・ポッター」シリーズではホグワーツの寮も面白い!

ハリーたちが通うホグワーツ魔法魔術学校は、全寮制です。創立者は4人の魔女と魔法使い。彼らの名前にちなんで4つの寮が作られ、生徒たちは入学の時に「組分け帽子」によって分けられます。

「組分け帽子」は、創立者の4人が魔法をかけて自分たちの人格をコピーした、意思のある帽子。帽子をかぶった者と対話をし、適正を見ながら生徒を各寮に組分けていきます。帽子が大声で行き先を叫ぶ寮決めのシーンは、物語のなかでも印象的でしょう。

では、ホグワーツの4つの寮の特徴を紹介していきます。

グリフィンドール

創設者はゴドリック・グリフィンドール。寮のシンボルはライオンで、テーマカラーは真紅と黄金です。

勇気と騎士道精神、大胆さ、気力などを重視しています。どんな困難に直面しても強い意志をもって立ち向かう心をもつ者が、グリフィンドールの寮生として選ばれます。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人もグリフィンドールです。

ハッフルパフ

創設者はヘルガ・ハッフルパフ。寮のシンボルはアナグマで、テーマカラーは黄色と黒です。

誠実さや勤勉さ、努力、忍耐などを重視しています。ヴォルデモートとの最終決戦では、他寮の生徒たちが逃げ出すなか、ハッフルパフの寮生たちは誰も逃げ出さずにハリーとともに戦いました。正義感の強さがうかがえるでしょう。

レイブンクロー

創設者はロウェナ・レイブンクロー。寮のシンボルはワシで、テーマカラーは青と銅です。

学力や知性を重視していて、組分け帽子はハーマイオニーを分ける時にグリフィンドールにするかレイブンクローにするか非常に悩んでいました。

スリザリン

創設者はサラザール・スリザリン。寮のシンボルは蛇で、テーマカラーは緑と銀です。

狡猾なイメージがありますが、野心や機智も重視していて、優秀な生徒が多数います。ハリーは当初スリザリンに組分けられそうになりましたが、彼自身が拒否をしたためグリフィンドールになりました。マグルを差別する純血主義者が多いのも特徴です。


ホグワーツでは毎年「寮対抗杯」というものがおこなわれています。

生徒たちの生活態度や「クィディッチ」というスポーツの大会など、さまざまな場面で寮ごとに加点・減点がされる制度です。1年でもっとも多く得点を稼いだ寮はトロフィーを受け取れます。

こうした寮対抗の競争は寮の個性がよくわかるほか、寮生同士の結束を高め、「ハリー・ポッター」シリーズの魅力のひとつだといえるでしょう。

『ハリー・ポッターと賢者の石』のあらすじと見どころを紹介

幼い頃に両親を亡くし、親戚のダーズリー家でまるで召使いのように扱われていたハリー・ポッター。11歳になる直前、ホグワーツ魔法魔術学校から手紙が届きます。

実は両親が優秀な魔法使いであることを知ったハリーは、ダーズリー家を出て、キングス・クロス駅の9と4分の3番線から特急電車に乗り、ホグワーツへと向かうのです。

ロンやハーマイオニーなど親しい友達もでき、楽しい日々を過ごしていたハリーですが、ホグワーツに隠された秘密に気づいてしまい……。

著者
J.K.ローリング
出版日
1999-12-01

「ハリー・ポッター」シリーズの第1巻。後の物語に続く伏線も多数散りばめられているので、シリーズでもっとも重要な巻といってもいいでしょう。

ダーズリー家にいたハリーは、両親は交通事故で死んだと聞かされていましたが、実は闇の帝王ヴォルデモートによって殺されていました。不思議な因縁に導かれ、ハリーはホグワーツに隠されている「賢者の石」をめぐり、ヴォルデモートと対峙します。ハリーとヴォルデモートの長きにわたる対決の幕開けです。

ハリーは箒に乗るのも優れていて、1年生から寮対抗のクィディッチの選手に抜擢されるなど活躍。人間界で不遇な扱いを受けていた時とはうってかわって、多くの仲間たちとともにたくましく成長していきます。

「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ「ファンタスティック・ビースト」シリーズとは

物語の舞台は、『ハリー・ポッターと賢者の石』からおよそ70年前。ホグワーツ出身の魔法動物学者、ニュート・スキャマンダーが主人公です。

ニュートは魔法で拡張したスーツケースの中にたくさんの魔法生物を入れていました。しかしある時、ひょんなことから、ジェイコブというマグルが持っていたスーツケースと入れ替わってしまい、ニューヨークの街に魔法生物が逃げ出してしまうのです。ここから、アメリカで魔法界と非魔法界の関係が脅かされるようになり……。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 映画オリジナル脚本版

2017年03月16日
J.K.ローリング
静山社

2016年に公開された映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」。「ハリー・ポッター」シリーズの作者 J・K・ローリングが脚本を務めています。

時系列では「ハリー・ポッター」シリーズよりも前の物語。これまで明らかにされなかったダンブルドアの過去など、興味深い内容も盛りだくさんです。全5作の予定なので、続編も楽しみに待ちましょう。