卒業する6年生に送るおすすめの本6選!読み聞かせにも使えるはなむけの言葉

更新:2021.11.29

卒業という門出を迎える子どもたちに手渡したい、おすすめの絵本を紹介します。子どもたちの成長を讃え、自信をもって新たな一歩を踏み出せるようなメッセージばかり。思いが溢れてしまいそうな時は、おめでとうの一言とともに、記憶に残る一冊を手渡してみませんか。

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小学生の卒業シーズンの定番!名作おすすめ本『たくさんのドア』

「あなたは どんなひとに なり いったい どこへ いくのだろう どうやって こたえを みつけて いくのだろう」(『たくさんのドア』より引用)

人生にはたくさんの可能性が秘められていること、道を拓くのは自分自身であることなど、旅立ちの不安から解き放ってくれる力強いメッセージが並びます。はなむけの言葉が並ぶ詩の絵本です。

著者
["アリスン・マギー", "ユ・テウン", "なかがわ ちひろ"]
出版日

アメリカで活躍する児童書作家のアリスン・マギー、絵本作家ユ・テウンの作品です。門出に欠かせない絵本として読者からの支持が多く、2018年に復刊しました。

翻訳を担当したなかがわちひろは、累計65万部を突破した『ちいさなあなたへ』でもアリスン・マギーとコンビを組んでおり、息はぴったり。心地よいリズムが胸に響くでしょう。また優しさにあふれる絵も心を和ませ、読者に希望を与えてくれます。

卒業を迎える子どもに贈るプレゼントにぴったり。読み返すたびに勇気をくれる作品です。

夢は終わらない!大人も勇気づけられるおすすめ絵本『夢はどうしてかなわないの?』

夢に向かう3人の子どもたちの前に、悪魔が立ちふさがります。その正体は、ショーキョク(消極)やザセツ(挫折)など。子どもたちはそれぞれに打ち勝ち、心の力を手に入れて成長していくのです。

「どりょくの道」を選び成長する彼らの未来とは?

著者
["大野 正人", "保行, 出口", "学, 中川"]
出版日

文筆家で絵本にも取り組む大野正人と、僧侶とイラストレーターの二足のわらじを履く中川学の作品です。2015年に刊行されました。

逆説的なタイトルが印象的。これから先の未来、「思い通りにならないのはなぜだろう」と悩むこともあるでしょう。本書に登場する3人の子どもたちも、抱いていた夢とは違った道を歩みます。この展開こそがまさに肝。彼らが見出していくのは、自分らしい生き方なのです。

小学校を卒業し、新たな一歩を踏み出す子どもたちに勇気を与えてくれる作品です。

ボブ・ディランの名曲が絵本に!『はじまりの日』

いつまでも好奇心や情熱を忘れることなく、成長し続ける人になってほしい。お父さんから息子へ向けた、メッセージブックです。熱い思いがびんびんと伝わります。

著者
["ボブ・ディラン", "ポール・ロジャース", "アーサー・ビナード"]
出版日

ミュージシャンでノーベル文学賞の受賞者といえば、ボブ・ディラン。本書は、彼の名曲「Forever Young」を絵本化したもので、2010年に刊行されました。イラストレーターのポール・ロジャースが絵を、日本で作詞家や絵本作家として活躍するアーサー・ビナードが翻訳を担当しています。

歌詞に絵が添えられた作品というよりは、歌詞をもとに作られた絵本というのが適切でしょう。楽曲に登場するモチーフやボブ・ディランに関わる人物などが描かれていきます。

アーサー・ビナードは「Forever Young」を『はじまりの日』と訳しました。日本を知り尽くした彼らしい翻訳は、前向きで気持ちのいいもの。気の利いた言葉は苦手というお父さん、本書をお子さんに手渡してみませんか?

卒業を迎え新しい一歩を踏み出す人へ。おすすめのメッセージ絵本『きみの行く道』

おめでとう。空からの声に祝福されるように、本書は始まります。今日は、君の旅立ちの日。大きな世界に向かって、見極めた道を迷うことなく進むのがよいでしょう。時には、ぶつかったりスランプが降りかかるかもしれないけど、そこは抜け出さないといけません。

さあ、大きなあの世界への一歩を踏み出すのです。

著者
ドクター・スース
出版日

アメリカの絵本作家で、現代のマザーグースとも称されるドクター・スースの作品です。2008年に刊行されました。

導かれるような語りが安心感を与えてくれます。リズムのある文は力強く、カラフルな絵はユニークで、重さを感じさせません。6年生であれば内容も十分理解できるはずです。

本書はなんと作者が86歳の時に発表したもの。人生の大先輩からのエールは、年齢を問わず読者の心を奮い立たせてくれるでしょう。

最高の贈り物とは?すべての人に語り掛けるおすすめの絵本『12の贈り物』

あなたが生まれた日。あなたがいつか必要とする日のために、12の贈り物が授けられました。

それらは「力」や「美しさ」や「勇気」など。これだけではありません。もうひとつの最高の贈り物、それは何でしょう?

著者
シャーリーン・コスタンゾ
出版日
2003-11-14

アメリカ各地で講演活動をおこなうシャーリーン・コスタンゾの作品で、2003年に刊行されました。翻訳と絵は、「ころわん」シリーズや『あのね、サンタのくにではね…』などでお馴染みの黒井健です。

本書は、作者が自分の子どもたちに贈ったもの。12の項目に分け、箇条書きも用いて、子どもでも理解しやすいよう工夫されています。あたたかみを感じる絵も読者を優しく包み込んでくれるでしょう。

人生の節目ごとに手に取りたい作品。読み聞かせにもおすすめです。

新たな一歩を踏み出す卒業生におすすめの絵本『あたまにつまった石ころが』

石の収集が好きだった父。ガソリンスタンドに勤めるようになってからも、変わらずに石を集めていました。やがて時代が進み、庶民でも自動車が買えるようになると、父は車の部品で儲け、ガソリンスタンドも盛況に。ところが大恐慌が起こって生活は一変し……。

時代に翻弄されながらも、好きなことを続けたひとりの父親のお話です。

著者
["キャロル・オーティス ハースト", "ジェイムズ スティーブンソン", "Carol Otis Hurst", "James Stevenson", "千葉 茂樹"]
出版日

アメリカのキャロル・オーティス・ハーストの作品で、2002年に刊行されました。教師や司書を経て創作活動を始め、児童書のワークショップなどにも取り組んでいる人物です。

娘の目から父親の生涯を描いた実話なのが特徴。環境が変わっても時代が移っても、そして周囲に理解されなくても、父親は自分が好きなことを手放しませんでした。決して頑固なわけではなく自然体で、石を集めることは父親そのものなのです。やがて、日雇い仕事の合間に博物館に通い始めた父親の人生は、思いもよらぬ方向に動き出します。

「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしはほかに知りません。」(『あたまにつまった石ころが』より引用)

自分の好きなことを大切にしていく姿を見ると、これからの人生が楽しみになるはず。新たな一歩を踏み出す卒業生にも勇気を与えてくれるでしょう。

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