100兆円手に入れられたら、どんなに幸せなことか……。『アイシールド21』の稲垣理一郎×池上遼一という最強コンビが、新作『トリリオンゲーム』でその夢を叶えます!面白いと話題のこの作品は、ある青年2人が起業して世界長者になる物語。この記事では、『トリリオンゲーム』のあらすじ、魅力をネタバレありで最新話まで紹介します。
ほんの一握りの大富豪たちが名を連ねる「世界長者番付」。毎年発表されていますが、上位を争う大企業の創業者たちの金額は何百、何千億ドルと桁違いです。まさに『トリリオンゲーム』に登場する青年コンビも、現実にいればこのランキング入りを果たすことになります。ぜひ、彼らとともに大金持ちの世界を楽しんでみてください。
2人の主人公・ハルとガクは中学時代からの友人です。ワガママでずる賢いハルと地味で無類のパソコン好きのガク。彼らが目指したのは、世界有数のIT企業・ドラゴンバンクに就職すること。しかしガクは不採用の結果を受け取り、ハルも内定を辞退しました。
つまらない日常を変えるため、ドラゴンバンクを前に100兆円手に入れることを堂々と誓うハル。ガクと一緒にゼロから起業し、やがては世界長者番付Top10入りするまでになります。それまでの軌跡を辿った、ハルとガクの起業物語が今幕を開けます。
連載開始から話題の『トリリオンゲーム』。その理由の1つとして、超豪華な作者陣が挙げられます。原作者は『Dr.STONE』『アイシールド21』の稲垣理一郎。作画は『サンクチュアリ』の池上遼一。この最強タッグで描くストーリーは、予想をはるかに上回る展開でハマってしまいます。
また、登場キャラのやり取りも面白いのがこの作品の特徴。主人公のハルとガク、まったく違う性格の2人の会話はいつも笑わせてくれます。
『トリリオンゲーム』は彼らが起こす波瀾万丈の起業ストーリー。作者陣のファンの方だけではなく、冒険心を味わいたい、ワクワクしたい方にもおすすめです。
『トリリオンゲーム』を読む上で、登場キャラの個性を押さえておくのも大事です。簡単に紹介します。
喋り上手で交友関係も広く、楽観的な性格。また、頭の回転がとても速くて計算高い人物。ドラゴンバンクに内定をもらいますが、突然辞退してガクと起業することに。
幼い頃からパソコンが好きで、ドラゴンバンクの新卒選考を受けるも不合格になります。口数が少なく、ハルとは違って大人しい性格。トップのエンジニアやハッカーと並ぶ、優れたパソコン技術を持っています。
世界有数のIT企業・ドラゴンバンクの令嬢。新卒選考のときにハルとガクに出会い、彼らの起業の際も何かと関わってくる存在。華やかでいつも堂々としているお嬢様です。
いかがでしょうか。少しは人物像を把握できましたか?次にストーリーのあらすじや見所を紹介していきます。
ある青年が高層ビルの屋上から東京の街を眺めていました。彼はガクといい、最強バディのハルとともに世界長者番付でTOP10入りを果たします。ガクはそれまでの過去を回想していました。
ガクとハルが出会ったのは中学生のとき。ヤンキーに追われていたガクは、ハルに助けられます。この出来事をきっかけに親友になり、2人が大学生になって就活中に転機が訪れました。世界有数のIT企業・ドラゴンバンクとの出会いです。ガクは最終面接に落ち、ハルは受かって入社することに。しかし、ハルは突然内定を辞退し、ガクの前で100兆円手に入れることを宣言します。
ハルとガク2人の起業物語が幕を開ける1巻。何と言っても読者をハラハラさせるハルの無茶ぶりが見所です。立ちはだかる試練に対して、予想不可能な方法で乗り越える姿に注目してみてください。
- 著者
- ["稲垣 理一郎", "池上 遼一"]
- 出版日
出資を募るため、セキュリティ・チャンピオンシップ決勝大会に進んだハルとガク。会場に着いて周りを見渡すものの、いかにも強そうなハッカーたちばかりです。観客として来場した祁答院(けどういん)という男性は、ハルとガクに目を付けていました。桐姫も注目するなか、いよいよ決勝戦が幕を開けます。
ハルとガクの会社の運命が決まるドキドキの8話です。会場に神主の恰好をして来たハルを見て、意味不明に感じた方もいたはず。実は、この衣装にはハルのある企てがありました。一体、どのような秘策を見せてくれるのでしょうか?
セキュリティ・チャンピオンシップ決勝大会で、会場にある仕掛けをして回線不調を引き起こしたハル。その勢いで、ガクが敵たちのサーバーにどんどん潜り込もうとします。ところが桐姫が仕掛けた罠に引っ掛かってしまい、持ちポイントは0になり……。
順調だったハルとガクがピンチに追い込まれる9話。桐姫は彼ら以外のチームを使って、罠を仕掛けていました。意気消沈するガクに、ハルは耳元でボソボソと何かを呟きます。その瞬間にガクの表情が一変し、パソコンにしがみつくようにカタカタと打ち始めました。物語の後半には驚きの展開が待ち受けていますよ!
最後に『トリリオンゲーム』の魅力を紹介していきます。
『トリリオンゲーム』の魅力といえば、ハルとガクの最強コンビ!ハルはいつもハチャメチャな行動で適当な人間のように見えます。しかし頭のキレが半端ないぐらいよく、達者で誰とでも仲良くなれる才能の持ち主です。
一方、ガクはとても内向的で真面目な性格。パソコンの腕はピカイチで、キャラも驚くほどに変わります。この対照的な2人のやり取りが非常に面白いのです。無茶ぶりをするハルに対して、ツッコミを入れるガク。いざという時にガクを変貌させるハル。互いのよい面を引き出しながら、笑いを誘ってくれます。ハルとガクが2人で100兆円を手にする瞬間を見てみたいですね。
ストーリーの展開に大きく関わるハルの行動。彼はいつも適当なように見えて、その行動は成功へとつながっています。たとえば、第3話ではドラゴンバンクの令嬢・桐姫に投資をしてもらうために、200キロ以上のダンベルを持ち上げました。周囲を騒然とさせるほど、凄腕を見せたハル。しかし、そのダンベルのおもりは発泡スチロールでできたもので、事前に本物とすり替えていたのです。
また、第5話でもハルが大活躍します。起業の資金集めのため、ハッカー大会に参加するハルとガク。必死にハッカーの技術を習得するガクに対して、ハルはのん気に飲み会へ出かけます。ところが、この飲み会はハッカー仲間を増やすための人集めでした。
ハルの頭の良さは驚くほど。彼のくり広げる予想外の行動が、『トリリオンゲーム』の面白い展開に結びついているのではないでしょうか。
『トリリオンゲーム』は夢物語と現実の世界、両方の要素が詰まった漫画です。本当にふつうの青年らが1兆ドルを手にする夢物語でありながらも、起業のプロセスや現実を緻密に描いています。
100兆円を稼ぐことは不可能に近く、しかも、就活中の大学生が起業してそこまで到達するのも非常に難しいこと。しかし物語の始まりは長者番付Top10に入ったところから。夢が叶った現在から過去に遡って物語が展開されるので、読者は「起業が本当に成功する」という確証を持ちながらハラハラする展開を楽しむことができます。
この物語性には、作者・稲垣理一郎の取材力が活きています。リアルに描くことを惜しまない努力も感じます。世界有数IT企業の実名が登場して親近感が湧いたり、ハルとガクが汗水流して働く姿に起業の厳しさを思い知ったりします。
どこか日常にも通ずるところがあり、架空の世界を楽しめる『トリリオンゲーム』。夢とリアリティの絶妙なマッチを楽しんでみてください。
『トリリオンゲーム』は、小学館の「ビックコミックスペリオール」で連載中。コミック2巻も2021年夏頃に発売が決定し、ますます期待が高まっています。今後、ハルとガクが長者になるまでの道のりはどのように描かれるのでしょうか。
「ビックコミックスペリオール」の公式サイトでは1話の試し読みもできます。
ハルの思考回路、ガクの成長も想像しながら読むと、2倍楽しめるはずです。気になった方はぜひ、『トリリオンゲーム』を手に取ってご覧ください。
- 著者
- ["稲垣 理一郎", "池上 遼一"]
- 出版日