可愛く明るいヒロインもいいけれど、ちょっと病んでいるヒロインも魅力的。今回は、そんなヤンデレヒロインが登場するラノベ5作品を、ランキング形式でご紹介します。
舞台は、房総半島にある高校。そこに通う男女が「神隠し」の少女をメインとして動き出します。いつのまにか怪異に塗れる学校。「魔女」と呼ばれる存在は一体なんなのか。ラノベでは珍しい、本格的なホラーが楽しめます。
- 著者
- 甲田 学人
- 出版日
病みヒロインは、木戸野亜紀。亜紀は幼い頃に受けたいじめがトラウマになっている少女です。このトラウマからひっこみ思案な性格になるかと思いきや、いじめを克服するためにプライドの高い少女になります。上から目線で相手を見ることで、自己を安定させようとするのです。
通常「神隠し」とは、誰かが突如として行方不明になることをいいます。本作では、人間が異世界へ連れて行かれてしまうこと、そして、人間を異世界へ連れて行ってしまう者のことを「神隠し」と呼んでいます。「神隠し」されてしまった人間は、「神隠し」になってしまうともいわれているのです。
そんな不思議な世界を舞台とした物語は、深夜にページを開くと、思わずゾクッと背筋が寒くなることでしょう。
舞台は、現代社会。ネットゲームが大好きな主人公は、ゲームのオフ会で実際に仲間たちと会うことになります。主人公西村英騎は、ゲームの中でアコと呼ばれている少女と結婚します。そのアコは、引きこもり少女玉置亜子。彼女も英騎と同じ学校の生徒だったのです。
しかし残念なことに、亜子はリアルとゲームの区別がつかない少女。仲間たちはそんな亜子の更生を図るため、学校でネトゲができる環境を整えますが……。
- 著者
- 石神一威
- 出版日
- 2015-03-07
スタイルも良く、容姿も整った美少女である亜子は、人とコミュニケーションを取ることが苦手なために、引きこもりがち。しかしゲームで知り合った仲間たちが作ってくれた「現代通信電子遊戯部(ネトゲ部)」のおかげで、その性格も少しずつ改善していくのです。
とはいえ、まだまだ問題は山積。ネトゲの世界とリアル世界の区別がつかない亜子に、仲間たちはどう対処していくのでしょうか? リアル世界でも、英騎の嫁でありたいと望む亜子。その願いは叶うのでしょうか? ちょっと残念なヤンデレヒロインの成長から目が離せなくなる作品です。
物語の舞台は、科学とオカルトと偶然によって発明された「試験召喚システム」が使用されている世界。ここでは試験結果によって厳しくクラスがわけられます。最低のクラスには最低の設備、最高のクラスには最高の設備が与えられるのでした。
- 著者
- ["井上 堅二", "ファミ通文庫編集部", "葉賀 ユイ"]
- 出版日
そんなシステムの中でも学力がトップクラスの少女が、ヤンデレヒロイン霧島翔子。翔子は、成績優秀で記憶力も抜群。一度学んだことはしっかり記憶できる彼女は、実は最低クラスに振り分けられている坂本雄二を、昔から一途に想い続けていました。勝手に雄二のお嫁さんになるとまで決めてしまっている翔子。そんな夢から覚めない翔子は、ささやかなものから犯罪的で大胆なアプローチまで、とにかくあらゆる手段を使って、雄二に結婚を迫っていき……。
はたして翔子の想いは雄二に届き、お嫁さんにしてもらうことができるのでしょうか? ドタバタラブコメディをお楽しみください。
物語の舞台は、小学生の兄妹の誘拐殺人事件が起こっている田舎。登場する主人公と、ヤンデレヒロインは8年前に起こった誘拐事件の被害者でした。二人の中には幼い頃に誘拐された心の傷がしっかりと残っていたのでした。
- 著者
- 入間 人間
- 出版日
主人公「嘘つきみーくん」は、その名前の通りに嘘をつくことが当たり前のようになっています。自分の名前にもトラウマを抱えているため、作中でもその名前は「××」と表記されるなど、ちょっと変わった表現が使われています。
「みーくん」が大切に思っているのが、ヤンデレヒロインの「壊れたまーちゃん」こと御園マユです。マユは誘拐事件のトラウマで精神が壊れていました。さらに平衡感覚や遠近感覚もなく、暗闇を極端に怖がります。暗闇の中で目覚めれば発狂してしまい、大切なみーくんを認識することすらできないのです。そんな「まーちゃん」が大切に思う「みーくん」、実は本物の「みーくん」ではないようで……。複雑な人間関係と、辛い過去が交差するミステリー風味のラノベをお楽しみください。
ストーリーの舞台は、21世紀初頭の田舎町。本作では、そこで巻き起こる主人公・阿良々木暦と、少女たちの「怪異」の物語が描かれます。
主人公暦は、出会った吸血鬼を助けてしまったがために、自分までも吸血鬼もどきの人間となります。そんな暦たちの暮らす田舎町の霊的なエネルギーを乱し、さまざまな怪異現象を引き起こす「怪異の王」。暦はこの怪異を解決しながら、少しずつ成長する姿が描かれます。
- 著者
- 西尾 維新
- 出版日
- 2006-11-01
本作に登場するヤンデレヒロインは、戦場ヶ原ひたぎです。成績優秀で、教科書の内容はすべて覚えているという驚異の記憶力の持ち主でもあります。しかしながらかなりの毒舌家でツンデレ。暦からは「デレないので、ツンデレというよりツンドラ」(『物語』より引用)と言われるほど。そんなデレないヤンデレヒロインひたぎは、暦に惹かれていきます。しかしデレないのでなかなか素直になれない、ひたぎ。怪異に立ち向かいながら、ひだきは暦に思いを伝えることができるのでしょうか? 恋愛が成就したとき、ひだきは果たしてデレるのでしょうか? ミステリーの中にも、恋愛要素がたっぷり入った物語をお楽しみください。
今回ご紹介してきたのは、ちょっと病んでいるヒロインたち。ヒロインそれぞれの病み方があります。魅力的なヒロインとストーリー展開で、あっという間に物語に引き込まれてしまいますよ。