Netflixで話題のドラマ『金魚妻』の原作者・黒澤Rが手掛ける『復讐の未亡人』。『金魚妻』でも大胆な演技を披露した松本若菜を主演に迎え、2022年現在放送中のドラマも好調です。漫画もドラマも何かと話題の『復讐の未亡人』のあらすじやみどころを紹介します。
2022年現在、放送中のテレビドラマが話題の『復讐の未亡人』。原作は黒澤Rの人気同名漫画です。もともとは「アクションピザッツSP」にて連載していましたが、WEBコミック「毒りんごcomic」にて続編開始。電子書籍配信サービス「めちゃコミック」でも先行配信され、ランキング1位に輝いたこともあります。
篠原涼子主演でメディアでも多く取り上げられたNetflixのオリジナル作品である『金魚妻』も黒澤R原作の同名漫画です。黒澤R作品といえば、エロティックな要素を多分に含みつつ、女性の禁断の愛や復讐、自由や自立といったテーマを美麗な絵柄で過激に表現しています。
今回取り上げる『復讐の未亡人』もまさに黒澤Rの真骨頂ともいうべき作品。会社を苦に自殺してしまった最愛の夫のため、そこまで追い詰めた上司や同僚たちに復讐する未亡人を描いています。
主演を務めるのは『金魚妻』にも出演した松本若菜。2022年春ドラマ『やんごとなき一族』での好演も記憶に新しい松本が、過激に夫の復讐に燃える妻を演じています。
『やんごとなき一族』ではその吹っ切れた演技で「松本劇場」と言わしめていましたが、本作では「松本ワールド」と、さらにグレードアップした大胆さも注目ポイント。妖艶な「濡れ場」を披露しています。
コミックスは既刊9巻まで。ドラマでは、この9巻までを原作としています。9巻以降の連載は、配信にて現在も続いています。
この記事では、『復讐の未亡人』の原作漫画を紹介。チェックしておきたいポイントを解説していきます。
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
- 2017-01-19
主人公・美月の夫、鈴木優吾はIT関連の会社に勤務。人のよい優吾は自分の仕事だけなく、上司や同僚からの仕事を押し付けられ、激務をこなす毎日を送っていました。
美月はそんな優吾の心配をしていましたが、ある朝、とうとう自らの命を絶ってしまいます。夫は会社に殺された......。愛する夫がなぜ死ぬほどまでに追い詰められたのか、その死の真相を探るため、美月は「蜜」という別人になりすまし、優吾が務めていた会社へ潜入するのでした。
蜜自身も優秀なプログラマーであり、すぐに会社の人間とも親しくなっていきます。その一方、優吾の弟・陽史と協力し、時には自らの美貌をも武器に、夫を死に追いやった上司や同僚に復讐していきます。相手にできる限りの苦痛を味合わせるという蜜の復讐は、過激に進んでいくのでした。
本作のみどころは、ズバリその復讐。直接殺すことなく肉体的にも精神的にも追い詰めていく物語に読者は目が離せなくなります。「復讐は気持ちが良い」という蜜のセリフにあるように、楽しんでいるかのような復讐は実に恐ろしい......。味方にするのはいいですが、絶対に敵にしてはいけない人物ですね。
- 著者
- 黒澤 R
- 出版日
ここからはネタバレを含みますので、漫画を未読の方はご注意ください。
夫・優吾を自殺に追いやった会社の面々に復讐を果たした蜜。その後、優吾の後輩で唯一の味方だった斎藤真言に真実を告げ、会社を去ろうとします。そんな蜜を抱き締める斎藤。彼は全てを知った上で、蜜と共に生きたいと告げるのでした。
そして、結ばれる2人。新たな生活を始めるため新居で一緒に暮らすことになります。蜜は斎藤との子どもを妊娠していました。
平穏な生活を送る蜜でしたが、時折、昔の記憶がフラッシュバックしてきます。それは、決して幸せな記憶ではありませんでした。
壮絶な幼少期を送ってきた蜜。どんなに幸せな生活を送っても、過去から逃れられない蜜の宿命のようなものが感じられます。平穏な暮らしであればある程、蜜の危うさを感じてしまう。この物語の不思議な魅力のひとつです。
- 著者
- 黒澤 R
- 出版日
蜜と斎藤が暮らす新居のマンション。隣の坂本和代は癖の強い一人暮らしの老婆で、優しく接する蜜を気に入ったため、何かと面倒を持ち込んできます。
ある日、それとは別の問題が舞い込むことに。同じマンションの非常階段から飛び降りた少女を蜜は斎藤とともに助けます。
この少女の名は凛。彼女には、余程の事情があると察した蜜と斎藤が匿うことに。凛は蜜に心を許し、これまでの事情を話すのでした。
凛の養父は、母や幼い弟に暴力を振るっていたのです。そのことで幼い弟が自殺してしまいます。そして凛には暴力だけなく、性的虐待も受けていた痕が。
そんな凛に手を差し伸べる蜜。凛の境遇を蜜は放ってはおけないのでしょう。凛と蜜が出会ったのは運命。ここから新たな復讐が始まります。
幼い子どもたちが自殺に追い込まれるという衝撃の展開。物語の闇が一層深くなっていきます。この物語に救いはあるのか。先の展開が気になりますが、どこかやるせない気持ちにもなってしまいますね。
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
もし夫が自殺に追い込まれたとしても、実際に復讐を果たすということは並大抵のことではありません。ましてや蜜のようなやり方で実行に移すことは、普通の人間なら不可能に近いのでは。人をそこまで復讐に駆り立てるには、よほどのことがない限り難しいでしょう。
蜜がそこまでの復讐を成し遂げることができたのは、彼女の過去が関係していました。
蜜を預かってくれた叔母やその息子である優吾、陽史は蜜にとって大事な人たち。一緒に暮らすうちに、優吾と蜜は深い関係になっていきました。一方、蜜の実母、養父、義理の兄弟は、蜜にとってつらい思い出しかない人たちです。
そして、事件は起こります。蜜のストーカーを使って、壮絶な復讐が行われるのでした。その復讐を手助けしたのが、蜜とよく似た母の妹である叔母。優吾の母です。
この蜜の経験を聞いた凛も、またひとつ復讐心に火が付くことに。凛だけなく、凛の周囲の子どもたちも何かしらの問題を抱えています。逆境に立ち向かい自ら行動する子どもたちの強さもまたこの物語の特徴のひとつです。
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
蜜や陽史の手助けもあり、凛は念願の義父への復讐を実行に移します。凛の復讐もようやく終えたかと思ったのも束の間、凛の母を捨て、次のターゲットとなってしまった凛の友達・萌愛の母が助けてしまい失敗に終わります。萌愛の母が丸め込まれてしまったことで、被害はますます広がっていくことに。
そしてまた新たな問題も出てきました。蜜が会社を去った後、やってきた山下。誰にでも意見をはっきり言うことのできる斎藤に憧れを抱きます。頼まれると断れない性格の山下は、はっきりしているだけでなく、いろいろ気遣うことができ優しい斎藤に惹かれていくのでした。
この新キャラ、山下は要注意人物として今後の物語に登場していきます。その過去の出来事も徐々に明らかに。ストーカーのように、斎藤の行動を調べていくうちに蜜の存在も気になっていく山下。
しかし、蜜は蜜でしっかり山下の存在を把握していきます。やはり蜜の方が一枚上手です。
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
蜜と優吾には実は子どもがいました。蜜が10代の頃、身籠った女の子です。その子に美花と名前をつけた蜜。叔母の家で、優吾や陽史と一緒に育てていました。しかし、ある時、誘拐されてしまいます。
その後ずっと美花を探し続けている蜜。探偵をしている陽史にも依頼しています。陽史にとっても可愛い姪です。
そのうちに、蜜が住むマンションに、美花と思われる女の子が住んでいることがわかります。一緒にいるサングラスの女性。この女性が誰なのかはわかっていませんが、鍵を握っていることは間違いなさそうです。
蜜に子どもがいたことは、また衝撃の事実ですが、その子が誘拐されていたとはさらに驚きの展開です。次から次に驚きの事実が出てくる本作。登場する人物がみな曲者ばかりです。復讐の連鎖もまだまだ終わりそうにありません!
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
現在放送中のドラマ『復讐の未亡人』は、松本若菜演じる蜜の大胆な演技が話題となっています。原作漫画ほどの露出は期待できませんが、漫画の世界観を損なわないように健闘しています。同じ黒澤R原作の『金魚妻』でも大胆な濡れ場に挑戦した松本若菜だからこそ、本作にも果敢にチャレンジしているようです。
漫画の蜜は男を狂わすほどの美貌の持ち主。松本もまたその美しさに加え、吹っ切れた演技がドラマのみどころのひとつです。
コミックスでは第1巻で、優吾の復讐は終了しています。第2巻以降は新たなキャラクターや復讐が加わっていきます。ドラマでもコミックスとして刊行されている第9巻までを原作としているので、原作をベースとした同じキャラクターが登場してきます。
まだドラマは始まったばかりですが、今後も漫画の面白さに負けないくらいの内容が期待できそうです。
- 著者
- 黒澤 R
- 出版日
- 著者
- 黒澤R
- 出版日
黒澤R原作の人気漫画『復讐の未亡人』。さまざまな復讐が出てきますが、毎回つい続きが気になる中毒性を持った作品です。また息を飲むような美麗な絵柄も魅力のひとつ。テレビドラマも話題の本作は、配信での連載がまだまだ続いています。
詳しくは「毒りんごcomic」の公式サイトをご覧ください。
ホンシェルジュ認定ライターの偏愛
長年ホンシェルジュを支える本好きライターたちが、「これについて書きたい!」と作品選定から企画・執筆した記事を集めました!
2022夏 アニメ・ドラマ化原作を特集!
2022夏季アニメ・ドラマ化した原作漫画・小説の紹介記事をまとめました