2025年に新アニメ化!伝説のオカルト漫画『地獄先生ぬ~べ~』の魅力をネタバレ紹介

更新:2026.5.5

『地獄先生ぬ~べ~』は「週刊少年ジャンプ」で連載されていた少年漫画です。霊能力教師の通称「ぬ~べ~」が、特殊な力を持つ手で生徒たちを守るオカルトアクション。 妖怪や悪霊はもちろん、都市伝説に怪談話、甘酸っぱいラブストーリーにお色気……バラエティ豊かな内容が本作の魅力です。この記事ではそれら『地獄先生ぬ~べ~』の魅力について、主要キャラクターのエピソードを交えてご紹介していきます。

小説も漫画も映画も基本雑食な、しがない物書き。温故知新で古典作品にもよく触れるようにしています。
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3行でわかる記事の内容

  • 伝説のオカルト漫画『地獄先生ぬ~べ~』新アニメ発表
  • 普段はだらしない霊能力教師が子供を守るために奮戦するアクションコメディー
  • 原作漫画の魅力をキャラクターのエピソードで紹介

漫画『地獄先生ぬ~べ~』はこんな作品

『地獄先生ぬ~べ~』は原作:真倉翔、作画・岡野剛のオカルトアクション漫画です。架空の都市の小学校を舞台に、妖怪・悪霊に効果のある「鬼の手」を持つ霊能力教師・鵺野鳴介(ぬえのめいすけ)、通称「ぬ~べ~」の活躍が描かれます。

本作は1993年から1999年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載されて、単行本は全31巻、文庫版は全20巻が発売されています。シリーズの累計発行部数2,900万部(2024年8月現在)。

90年代の「週刊少年ジャンプ」の部数が落ち込んだ時期、いわゆる「暗黒期」を支えた看板作品の1つです。はお約束である友情・努力・勝利に加えて、学校の怪談や妖怪、都市伝説からお色気まで多彩な内容を盛り込んだお話が読者にウケました。

作品としては1996年のアニメ化を皮切りに、OVA・アニメ映画、ゲームなど複数のメディアミックスが展開。時間は少し経過しますが、2014年には実写ドラマ化もされました。アニメは何度も再放送されている関係で、当時はおろか今でも幅広い世代から高い人気と知名度を誇っています。

そんな『地獄先生ぬ~べ~』は2023年に連載30周年を迎え、2024年7月に新作アニメ化が発表されました。新アニメは分割2クール構成で、第1クールが2025年7月2日から9月24日まで、第2クールが2026年1月7日から3月25日まで、テレビ朝日系『IMAnimation W』枠ほかで放送。制作はスタジオKAIです。

連載から30年経った『地獄先生ぬ~べ~』。本作がどうしてこれほど愛されているのか、主要人物にまつわる印象的なエピソードをピックアップし、その魅力についてご紹介していきます。新アニメでどこまで映像化されるかは今のところ不明ですが、「もし実現したら……」という希望を込めて、注目していただきたいお話を厳選しました。

かつての読者は新アニメに向けたおさらいとして、未読・未見の方は作品の理解に役立てていただければ幸いです。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』は生徒のために死力を尽くす霊能力教師の漫画!

童守小学校5年3組には「ぬ~べ~」の愛称で知られる教師、鵺野鳴介がいました。自称・霊能力者の彼は学校内の怪談、幽霊騒ぎを解決して児童を安心させようとしますが、成功したところを誰も見たことがないのでインチキと思われていました。

そんな時、季節外れの転校生・立野広がクラスにやってきます。広は一見すると明るいスポーツ少年でしたが、実は厄介な妖怪に取り憑かれており、それが原因で何度も暴力沙汰を起こしてきました。

ぬ~べ~は広の問題に気づき、霊能力で妖怪を看破した上で退治することに成功。普段はほとんど一般人と大差ないのですが、児童や大切な人に危害が及んだ時、真の実力を発揮するのがぬ~べ~という教師だったのです。

ぬ~べ~はさまざまな事件や出来事を通じて活躍し、5年3組の児童たちに信頼され、頼られるようになります。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』はこんな話!

『地獄先生ぬ~べ~』は学校あるいは学校行事が舞台の1話で完結する短編連作形式作品です。そのため作品全体の主人公はぬ~べ~ですが、エピソードによって主軸となるキャラクターが変わります。

たいていのお話は5年3組の児童の視点で語られ、なんらかの事情でオカルト現象に巻き込まれたところを、ぬ~べ~に救われる……というのが基本的な流れ。

普段のぬ~べ~は万年金欠でスケベでだらしない大人ですが、子供が危険な目に遭って、シリアスモードに入った時にはとても頼りになります。

「日本で唯一の霊能力教師」と言うだけあって、ぬ~べ~の幽霊や妖怪に関する知識は非常に豊富。霊感能力で異変を察知したり、幽体離脱や降霊術も可能ですが、除霊の際の主力になるのは代名詞である「鬼の手」です。

鬼の手は実体ではなく霊体なので、ほぼすべてのオカルト現象に介入可能。高位の鬼を封じた副産物で攻撃力が非常に高く、封印(解放度)の度合いで強さを調節でき、ぬ~べ~本人の力量を超える格上相手でも致命傷を負わせられます。

ただし実は封印の性質上、手だけでなく鬼の本体は今も健在。そのため、限度を超えた場合には鬼本体が復活する危険も……。

通常はぬ~べ~の左手に封印されており、現世の存在ではないことから、手首から先は透明にしか見えません。常に黒い手袋を着用しているのは、日常生活で透明な手を不審に思われないようにするため。

ちなみにぬ~べ~が封印解除する際に唱える呪文「宇宙天地與我力量降伏群魔迎来曙光」はアニメオリジナル。原作漫画では「白衣観音経」という実際にあるお経を唱えています。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』の魅力

『地獄先生ぬ~べ~』は「週刊少年ジャンプ」で連載されていたアクションコメディなので、戦闘描写やキャラクター同士の友情関係などが目立ちましたが、それだけではなかったのが面白いところ。

まずメインとなるオカルト要素が多種多様でした。幽霊・妖怪はもちろんのこと、怪奇現象にフォーカスと当てた学校の怪談や都市伝説、荒唐無稽なギャグから背筋の凍る本格ホラー……それらに加えて、メッセージ性の強い寓話的な話、ラブストーリーなど角度を変えたエピソードもあります。

アクション寄りの作風なので鬼の手を使った戦闘が目立つ一方、ただ倒すだけでなく和解や共存、逆に人間側の方が悪かったというオチがあって本当にバラエティ豊か。さまざまな要素が読者を飽きさせないように織り込まれていて、幅広い層に刺さるのが本作の魅力です。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:立野広

『地獄先生ぬ~べ~』は立野広の転校から話が始まって、途中途中での活躍が目立つことから、広はもう1人の主人公とも言えるキャラクターです。悪霊の影響で暴行事件を起こして転校してきたため、当初は自暴自棄になっていましたが、ぬ~べ~のおかげで本来の明るさを取り戻しました。

広は運動神経抜群のサッカー少年で、優れた身体能力と正義感の強さから、ぬ~べ~やクラスメイトの窮地を救う活躍をすることもあります。その反面、勉強は苦手でクラスでもワーストに入るおバカキャラ。

そんな広がメインのエピソードでも、特に感動的なのが第45話「前世の記憶」です。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

広は幼少期に母親が病死し、父親と2人暮らし。いつものように朝登校しようとすると、見知らぬ幼稚園児の少女が、自分は広の母親だと名乗って話しかけてきました。あまりにも突拍子のない主張ですが、少女はとてもしつこく広につきまとい、学校にまでやってきて世話を焼きたがります。

困り果てたぬ~べ~が事情を聞き、記憶を探ったところ真実だと判明。世の中には嘘か誠か、輪廻転生――生まれ変わりによって前世の記憶を引き継いでいる、というケースがあります。このエピソードの少女がその典型で、広の母親の生まれ変わりだったのです。

ようやく認めてもらえた少女は大喜びし、1日かけて親子らしい交流を図ります。3歳で死別したせいでなかなか素直にれない広でしたが……前世の記憶を持ち続けることは今世での幸せにならないという配慮から、ぬ~べ~によって少女の記憶が消されることに。

死んでも前世を覚え続けていた母の願いはただ1つ、我が子の心配だけ。少女は同じ母としての立場で、今世での自身の母の思いを汲み、大人しく忘れることを決断します。

記憶消去前後の少女の言動があまりにも切なく、最後に思いの丈をぶちまける広の姿とあわせてとても涙を誘いました。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:稲葉郷子

稲葉郷子は本作のヒロインで、明るい髪色のツインテールが特徴的。『地獄先生ぬ~べ~NEO』にも登場する主要キャラクターです。

常識のある優等生的な少女ですが、勝ち気な性格や思い込みの激しさでトラブルに巻き込まれることも。手先が壊滅的に悪い一方、理系科目が得意で運動もできる活発な女子。腕力はスポーツ少年の広以上です。

親友の細川美樹とはスタイル面で比較されがちで、ちょっとしたコンプレックスになっています。

ぬ~べ~とは教師生徒の関係になる以前からの知り合い。物語序盤、霊能関係でぬ~べ~がまだ生徒の信頼を得ていない時期も、郷子だけは唯一彼を信じていました。実は前世でもぬ~べ~と浅からぬ縁があって、それについて描かれるのが第193話「あなたに会えてよかった」です。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

5年3組ではもっとも付き合いが長く、気安い間柄ということもあって、だらしないぬ~べ~を何かと気遣う郷子。彼女はある日、広に対する恋心とは違った不思議な感情に気付いて戸惑ってしまいます。

そんな時、知人である霊能女子中学生・葉月いずなが彼女と美樹の元を訪れ、前世に遡れる怪しい術「輪廻回帰」の実験に付き合ってくれないかと頼んできました。

気が進まないながらも実験台になった郷子。ところがいずなの不手際で、前世に魂が戻ったまま帰ってこられなくなります。そこへ現れたぬ~べ~は、輪廻回帰で現世での郷子との縁を辿って、救出に向かいました。

2人が再開したのは平安時代。郷子とぬ~べ~はとある豪族の姫と従者で、身分違いの恋人でした……。当時姫である郷子を守れなかった従者の無念が、ぬ~べ~と郷子の縁を堅く結びつけ、見守らせるきっかけとなっていたのです。

単純な色恋とはまったく違うぬ~べ~と郷子の絆、信頼関係が描かれた名エピソードです。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:細川美樹

細川美樹は金髪のショートボブがトレードマークの少女。5年3組の児童の1人で稲葉郷子とは親友同士です。

年齢には不相応のスタイルの良さが自慢で、お喋り好きで話が上手いものの、欲張りで目立ちたがり、調子に乗ってすぐ問題を起こすトラブルメーカー。黙っていれば美少女なのですが、優等生気質な郷子とは何から何まで正反対なキャラクターとなっています。

美樹は厄介な一面が目立つ反面、とても情に厚く友達思い。また意外にも責任感は強くて、誰かを助けるために奔走する姿が描かれることもあります。美樹のそんな様子を窺えるのが、第114話「幸福のケサランパサラン」です。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

時期はクリスマス。5年3組でパーティを開いていると、1番張り切っている美樹の元へ丸い毛玉か綿毛のようなものが飛んできました。それこそがケサランパサラン。入手出来た者は願いが叶う、と言われている不思議な生物です。

実際に美樹が使ってみると力は本物で、願いを1つ叶えるとケサランパサランは消えることが判明。ケサランパサランにはおしろいと一緒に容器に入れておくと増殖する性質があり、あらかじめぬ~べ~から聞いて知っていた美樹は、増やして儲けようと企みました。

おしろい大量購入を目論んで向かった先は童守30ビル。有名人のショーを見にやってきたぬ~べ~たちと鉢合わせしますが、美樹は彼らに構わずおしろいを買いに走りました。

一方、エレベーターで上に向かったぬ~べ~たちですが……突如ビルが爆発炎上する事故が発生し、巻き込まれてしまいます。美樹はぬ~べ~たちの危機に気付くと、手持ちのケサランパサラン助けようとしますが、願いが大きすぎてすべてのケサランパサランが消えてしまいました。

無駄遣いを悔いた彼女が、腹立ち紛れに買ったおしろいをぶちまけると――舞い上がったたくさんおおしろいに導かれるように、辺りを埋め尽くす量のケサランパサランが降ってきました。奇跡が起きてぬ~べ~たちは助かり、負傷した被害者の傷が治っていきます。

お金より友達の無事と幸せが大事だと気付いた美樹は、すべてのケサランパサランを町中に放ち、みんなにちょっとずつ幸福を分けました。

本当の幸福とは案外すぐ近くにある、そんな風に思える名エピソード。普段の美樹にはイライラさせられることがあるものの、こういう一面を見ると憎めなくなります。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:木村克也

木村克也は広らの友人で同じ5年3組のクラスメイトです。クラス中でもっとも身長が高く、長い髪と常に被っている帽子で目立っています。周囲が引くほどのシスコン。

性格は冷めており、当初は5年3組の雰囲気に馴染めず、どこか浮いた存在でした。そんな気質から非行行為、不良行為もしばしば。ただ、仲間との絆を築いてからは、友情に報いる男気を見せるようになります。

賑やかしでの活躍が多い克也ですが、主要人物にフィーチャーされると一風変わった印象を残すことが多いです。例えば第166話「巨大妖怪 乗越入道」では、子供のポジティブな成長を感じさせました。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

ぬ~べ~が休日に一息入れていると、公園で募金を呼びかける克也に偶然出会います。慈善活動をぬ~べ~感心されるのですが、声をかけられた克也は気まずそうな様子で逃げてしまいました。実は不良グループに目をつけられ、上納金を納めるために詐欺を手伝わされていたのです。

内心で後悔しつつ、報復が怖くて逃げる勇気も逆らう気力も湧かない克也。そんな彼の状況を察したぬ~べ~は、近頃話題になっている妖怪「乗越」の除霊をを利用しようと思いつきました。

遠くに見える時は小さいのに、近づくにつれて巨大化する乗越。人は得体の知れないものを本能的に恐れますが、乗越はそんな恐怖心を過剰に煽って、ちっぽけな本体を巨大な化け物と思い込ませる妖怪でした。

見せかけだけの格好、大声や乱暴な口調で脅かしてくる輩……。克也は不良グループの本質が乗越と同じだと気付くと、勇気を振り絞って不良の勧誘を拒絶、悪い関係を断ち切ることに成功します。

克也本人が内に秘めた勇気あってのことですが、彼の自主性と将来を考えた上で、あえて間接的に成長を促したぬ~べ~の教育者としての手腕も光るエピソードでした。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:栗田まこと

栗田まことは広や郷子らといつも行動する、主要5人グループの1人。5年3組ではもっとも小柄で低学年程度しかなく、情緒や精神年齢も幼い坊ちゃん刈りの少年です。「なのだ」の語尾で話すのが口癖。

非常に怖がりで臆病な一方、登場人物の中では1番純粋な心を持っており、子供にのみ見える穏やかな妖怪と交流を持つ様子が描かれます。

まことはビビリなのにここぞという場面で勇気を見せることが多々あり、同年代の少年読者から共感されやすかったことから、意外にも作中上位の人気を誇るキャラクターです。出演エピソードは大半が好評ですが、特に初期の第6話「河童と鉄棒」での活躍が作品の方向性とまこと人気の契機となりました。

著者
["真倉 翔", "岡野 剛"]
出版日

細かい動作は得意なものの、背が低いため体を大きく動かす運動は苦手なまこと。それでも努力家の彼は、鉄棒のテストに向けて放課後の学校で逆上がりの練習をしていたのですが……。いきなり不気味に笑う河童が現れて仰天してしまいます。

翌日の体育でまことは見たままを打ち明けて、鉄棒は河童の祟りがあるかも知れない、と警告しました。クラスメイト全員から鉄棒が出来ない言い訳と思われますが、ぬ~べ~だけは彼を信じて、調査に乗り出しました。

そんなぬ~べ~の誠意に報いるため、まことはあえて鉄棒に挑戦して先日の状況を再現し、河童の存在を証明しようとします。すると本当に河童は現れ、なぜか地中にまことを引きずり込み、連れ去ってしまいました。

落ちぶれて妖怪に身をやつしたとはいえ、河童は元々水神。どうして子供を怖がらせるのか――ぬ~べ~が救出に向かうと、さらわれたはずのまことの口から真相が明らかになります。学校の鉄棒の真下には地下水脈に繋がった空間があり、戦時中の不発弾が残っていたのです。しかも地盤が脆くなっていて、いつ爆発してもおかしくない状態。

河童が鉄棒周辺に出没していたのは、危険な不発弾から子供を遠ざけるためでした。まことの勇気ある行動と、妖怪相手でも先入観を持たない純粋さに胸を打たれる名エピソードです。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:鵺野鳴介(ぬ~べ~)

ぬ~べ~こと鵺野鳴介は本作の主人公で、5年3組の担任教師です。生徒のことを第一に考える熱血教師。

日常生活ではお調子者でよくドジを踏みますが、それがかえって親近感に繋がっており、生徒からの人気は上々です。ルックスは悪くない好青年ながら、万年金欠なことに加えて何かにつけてオカルト話をするため、女性にはまったくモテません。

日本唯一の霊能力教師を自称するだけはあって、怪奇現象が起きた時にはとても頼りになります。特に生徒が巻き込まれた時に発揮する底力は驚異的。ただしぬ~べ~も完全無欠なわけではなく、先入観によって行動を間違い、余計に状況が悪くなるケースが時々あります。

そんなぬ~べ~が教師を志したきっかけは、彼の小学校時代の恩師にありました。第78話「時をかけるぬ~べ~」では恩師であり、ぬ~べ~にとってやり直したい過去でもある、美奈子先生との出来事が描かれます。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

虚空からぶら下がる巾着袋に似た妖怪「チャブクロ」に触れた者は、邪心があれば精気を吸われ、清浄な心があれば過去に戻って心残りをやり直せる――。いつもの噂話のノリで昼食中にそういった話をする美樹。その場では聞き流したぬ~べ~ですが、放課後になって本物のチャブクロに遭遇します。

咄嗟に手を伸ばした彼は、気がつくと小学生時代に戻っていました。当時ぬ~べ~は霊能力のせいで孤立しており、唯一そばにいてくれたのが同じ境遇で育った担任の美奈子先生。ヒーリング能力で霊障を治癒し、肉体的精神的な支えになってくれていました。

チャブクロの能力で、まるで映像を見るかのように過去を見つめ直すぬ~べ~。そこでついに、やり直したい瞬間が訪れます。ぬ~べ~に取り憑いた悪霊を除霊しようとした美奈子先生が、逆に取り殺されてしまう最悪の過去……。

ぬ~べ~は咄嗟に時を超えて鬼の手を呼び出し、悪霊を退治しようとします。ところが邪悪そのものの鬼の手を察知したチャブクロによって、寸前で現代へ戻されて過去のやり直しに失敗。

美奈子先生の死亡はぬ~べ~の原点でありトラウマですが、この事件があったからこそぬ~べ~は子供を救う教師を志し、実際に数多くのオカルト事件解決に繋がりました。つらい過去が未来への希望になっている、というメッセージ性を感じる名エピソードです。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:高橋律子

高橋律子は「リツコ先生」とも呼ばれるぬ~べ~の同僚で、5年2組の先生です。容姿端麗スタイル抜群の才女。ぬ~べ~の恩師である美奈子先生に瓜二つですが、性格は正反対で大人しく、とても怖がりであり怪談話などを振られると悲鳴を上げてしまうほどです。

ぬ~べ~が思いを寄せる本作のヒロインの1人。ただ前述した通りぬ~べ~とはあまり性質が噛み合わず、連載が進むごとに少しずつ打ち解けて好意を抱くようになりますが、強力な恋のライバルゆきめの出現によって作中で影が薄れてしまいました。

特別な能力を持たない一般人なため、ほとんどの場合は守られる側ですが、体調不良のぬ~べ~に代わって除霊に挑むエピソードがあります。それは第117話「律子先生、がんばる!」です。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

どうしても体育の帽子が見つからず、厳しい教師の叱責を苦にして自殺した子供の霊「赤白帽」。ぬ~べ~は生徒のためにも、成仏出来ない霊のためにもなんとかしようとするものの、重度の風邪が祟って思うように調子が出ません。

無理しすぎたぬ~べ~は倒れてしまいますが、リツコは彼の熱意を汲んで代わりに除霊を決意。とはいえ怖いものは怖いので、広たちに協力してもらうことに。

そしてリツコは宿直の見回り中に赤白帽と遭遇。生前の経験で赤白帽は正気を失っており、「帽子がない。怒られる」と取り乱した霊にリツコは襲われてしまいました。リツコは少年の様子に勇気を奮い立たせ、逃げることも怯えることもせず、優しく受け入れて諭し……そして真心だけで説得して成仏させることに成功します。

リツコの教師としてはもちろん、1人の人間として素晴らしい一面が描かれたエピソードでした。ただ立ち向かうだけでなく、思いやりも重要だと痛感させられます。

この他にもリツコが中心となる話はあります。例えば第215話からの中編エピソード。ある事情からリツコは外見がそっくりな美奈子と融合し、2つの人格が融合した律奈子(りなこ)となって、一時的に霊能力教師として戦う場面が出てきます。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:玉藻京介

玉藻京介は第11話「妖狐・跳梁跋扈」で初登場するキャラクター。長髪の美男子ですが、実は人間ではなく400歳を超える妖狐が変化した存在です。ぬ~べ~をライバル視しており、ほぼ互角の実力を持っています。

鉤爪状の刃がついた首刺又が武器。他に狐火や幻術、霊能力など能力の豊富さはぬ~べ~に勝るとも劣りません。

妖狐族の掟に従って災いを起こそうと暗躍しましたが、ぬ~べ~に阻止されたことで考え方が変化。彼の力の根源が「愛」だと考え、愛を理解、研究するために人間社会に溶け込んで生活するようになりました。

当初は教育実習生として童守小学校にやってきましたが、後に外科医となって、医者の立場から何度となくぬ~べ~や5年3組の生徒と関わりを持つようになります。

本質的に人外である玉藻は、台詞や態度こそ人間視点だと薄情なものばかりですが、結果的に人命救助に繋がるケースが少なくありません。また本人は利己的で合理主義を気取っているものの、自覚がないだけで人間性のある行動が徐々に増えていきます。その傾向が特にはっきり描かれるのが第183話「Dr.玉藻の憂鬱」です。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

ある日、玉藻の勤務する童守病院へ行って受診したぬ~べ~たちは、彼の小さな患者・雛子と出会います。彼女は玉藻にとても懐いており、人間性が芽生えてきたのかと思われましたが……雛子は脳の奥深くに悪霊が取り憑いており、外科的治療でも心霊的治療でも除去が困難。

玉藻は雛子を余命2ヶ月と診断すると、助からない命に興味はないと突き放しました。ところが本人は自分の身よりも、信頼する玉藻の悩みが解決することを願い、連日のように献身的に「願いの叶うカタツムリ」を探し続けます……。

それを知った玉藻は一念発起。ぬ~べ~を呼び出し、限りなく低い確率の除霊を行うとします。悪霊の抵抗もあって手術は困難を極めましたが、長時間の手術の末に摘出は成功し、雛子は一命を取り留めました。

玉藻の悩みとは人間の愛の理解であり、愛から力を得ること。ほとんど不可能なはずの手術を玉藻が意地で成し遂げたのは、愛以外の何者でもありません。無愛想に振る舞っても、どこか滲み出る人間くささが、単なるイケメンライバルに留まらない玉藻の魅力となっています。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:ゆきめ

ゆきめはぬ~べ~のフィアンセを自称する16歳の雪女です。水色のショートヘアと、本性を現した際のミニ浴衣のような着物が特徴。

雪女らしく、冷気を操る能力があります。集中して放出すれば物体を凍らせたり、雪や氷を生み出すことが可能。ぬ~べ~や玉藻ほどではないものの強い力を持っていますが、雪女の性質で普段から周囲を冷やし続ける欠点があります。

普通にしていれば人当たりのいい少女で、同じ妖怪でも玉藻とは違い、極めて人間に近い感情と社交性を持っています。ただ、とても嫉妬深いため、ぬ~べ~に近づく女性には冷徹に振る舞うことも。

初登場時点から5年前、危険な雪女の子供として処分されそうになったゆきめは、間一髪のところをぬ~べ~に救われました。以来ゆきめはひたむきにぬ~べ~を想い続けており、一度は雪女の掟に従って、彼をさらって故郷に戻ろうとまでしました。結局連れ帰ることは断念しましたが、人間社会で添い遂げようと猛烈にアプローチをかけ続けています。

とはいえ、第49話「真夏の雪女」などでは積極的に押すだけではなく、いじらしさも描かれてヒロインとしての魅力が凄いです。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

同エピソードの時期は真夏。暑さにまいっているぬ~べ~の元へ冷凍便で何かが送られてくるのですが、中身はなんとゆきめでした。氷(?)になって自分で自分を送ってきたのです。

雪女の掟のせいで故郷に戻れないと語ると、押しかけ女房さながらにぬ~べ~との同棲生活を開始。あらゆるものが凍りつく雪女との生活はコメディタッチではありますが、価値観が近くても生活環境が違いすぎて、共存することの難しさが描かれます。

一晩過ごした結果、年齢差種族差を考えてあえて突き放すぬ~べ~。ゆきめは衝動的に飛び出して掟通りに男を連れ去ろうと考えますが、途中で火事の現場に遭遇してしまいます。

取り残された子供を見て咄嗟に飛び込みますが、現場は火の海。ただでさえ夏で弱っているのに、火事現場に踏み入ったのはほとんど自殺行為でした。

子供の元に辿り着いても、そこで立ち往生してしまったゆきめ。しかし死を覚悟した瞬間、ぬ~べ~が現れて九死に一生を得ます。

普段の破天荒なアプローチとは裏腹に、再び命を救われぬ~べ~に惚れ直すゆきめのシーンは非常にけなげで一途。最後はシリアスに見せかけたギャグオチになっていますが、同じ価値観なら人間と妖怪は歩み寄れるし、結ばれる未来もあるのではと思わされるエピソードです。

漫画『地獄先生ぬ~べ~』各キャラの名場面・エピソード:葉月いずな

葉月いずなは東北生まれの女子中学生、家出同然で上京してきたギャルです。当初占いでその日暮らしをしていましたが、後に童守中学校へ入学しました。スピンオフ漫画『霊媒師いずな』の主人公。

イタコの血筋で霊能力があり、主な能力は家に代々伝わる無数の霊獣「くだ狐」を使役することですが、口寄せや自然発火なども可能です。

彼女はとても上昇志向が強くて、霊能力で大儲けする野望があります。調子に乗った結果トラブルになるケースが多く、色々な点が美樹と似通っているせいか、劇中でも仲の良さそうな描写がちらほら。

そんな性質なので登場のたびになんらかの問題を起こすのですが、徐々に人間的な成長を遂げるのが見所です。第197話「激突!玉藻VS.いずな」ではスピンオフの主人公らしい片鱗が見えます。

著者
["岡野 剛", "真倉 翔"]
出版日

除霊で小遣い稼ぎをしていたいずな。未熟なせいで失敗し、怪我した彼女はたまたま通りがかったぬ~べ~に助けられ、釘を刺されてしまいます。やり場のない不満を覚えつつ、除霊で負った怪我のために童守病院へ向かうと、なぜか妖気を察知。いずなが出所を探ると、そこには目の見えない少年を心霊治療する玉藻がいました。

単に治療しているだけなら良かったものの、間の悪いことに玉藻が妖狐形態だったため、いずなは少年が呪われていると勘違いしてしまいます。彼女は正義感に突き動かされて、遙かに格上の玉藻に勝負を挑みました。

力の差は歴然。それでも捨て身の攻撃を繰り出すいずなの言動から、玉藻は彼女の誤解と少年を救いたいという思いを察知しました。玉藻は誤解を解くことも出来たはずですが、あえて負けた振りをしていずなに花を持たせます。

少女の成長を促す大人の対応。いずなに芽生えた正義の心と、玉藻が人間性を獲得しつつあるのがわかるエピソードです。

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