漫画『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』は戦隊ヒーローが異世界に転生し、冒険者となって仲間や人々を守るために戦うファンタジー作品です。戦隊愛溢れる描写が特撮ファンに大好評で、異世界モノとして見ても完成度が高くて燃える意欲作となっています。 2025年1月からTVアニメ化が予定されている本作について、原作漫画のあらすじや設定を解説しつつ、独自性の強い魅力についてご紹介していきます。

漫画『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』(以下、「戦隊レッド」)は「月間少年ガンガン」で2020年から連載されている異世界ファンタジー漫画です。作者は中吉虎吉(なかよしこよし)。既刊11巻で、最新の第11巻は2026年3月12日に発売されました。
命の危機に瀕した主人公が気がつけば異世界に転生していて、冒険者となる――と、出だしはもはやお馴染みの異世界転生モノですが、本作は主人公がただ者じゃありません。なんとその正体は悪の秘密結社に敢然と立ち向かった正義の変身ヒーロー! 絶妙に子供向けなデザインのヒーローが、魔物や強力な魔法使いをなぎ倒していくのが非常に痛快です。
本作は主人公が常識外れの強さと特撮のお約束で戦うという、「なろう系」の異世界フォーマットに戦隊ヒーローを組み合わせた異色作なのです。
元々は2019年に発表された読み切り短編漫画でしが、好評を受けて正式連載化されたという経緯があります。
戦隊ヒーローのパロディ、異世界モノのパロディどちらの面でも非常に秀逸。特に戦隊ヒーローネタが異常なまでにディープかつ愛のあるいじり方で、SNSを中心に特撮ファンからは「ニチアサ系異世界転生」と大絶賛されています。
出版社側でも戦隊ヒーローファンや特撮ファンをかなり意識しているらしく、コミックス第2巻発売の際には、稲田徹がナレーションを行うPVが制作されました。稲田徹と言えば戦隊ヒーローにゆかりのある声優で、見る人が見ればPVが某特捜戦隊の地獄の番犬っぽい演技になっているのがわかります。
このように盛り上がりを見せる「戦隊レッド」ですが、2024年8月にTVアニメ化が発表されました。スタッフに特撮関係者を起用するなど「完全にわかってる人選」がSNSで話題を呼び、アニメは2025年1月12日から3月30日にかけて全12話が放送されました。これを機に、原作漫画「戦隊レッド」にも大いに注目が集まっています。
秘密結社ゼツエンダーとの最後の決戦に向かったキズナレッドこと浅垣灯悟(あさがきとうご)。彼は絆を結んだ仲間の犠牲を避けるべく、無謀にも単身で恐るべき首領・絶縁王に挑み、壮絶な最期を遂げました。
勝利を確信した灯悟は仲間たちに地球の未来を託して、静かに舞台を去る――はずが、いつの間にか彼は見知らぬ大地に1人放り出されていました。そこは魔王の一軍が暗躍し、剣と魔法で戦う異世界でした。
異世界でも人助けが使命だと考えた灯悟は、同じく魔法で人々を救おうとするイドラ・アーヴォルンの理念に(一方的に)共感します。人知れず世界の闇と戦うテルティナ、ロゥジーとの出会いによって決意をより固め、彼はキズナレッドとして冒険者となって今日も人々のために悪と戦う! 頑張れ浅垣灯悟! 負けるなキズナレッド!
主人公は地球生まれの浅垣灯悟です。猪突猛進と言えるほどまっすぐな性格の正義漢で、絆を何よりも重んじる暑苦しい青年。後述する理由から「レッド」を自称し、赤色の装備が目立ちます。別世界から来たせいか魔力がゼロで、異世界の住人にとってはあり得ない珍しい体質です。
その正体は絆装甲(バンソウプレート)を使って変身する、「絆創(ばんそう)戦隊キズナファイブ」の一員キズナレッド。赤で統一された全身スーツに身を包み、肉弾戦で戦います。身体能力と攻撃力が異常に高い上に、数々のサポートメカや必殺武器、奥の手の巨大ロボを召喚出来るという色々と規格外のキャラクター。
ヒロインはイドラ・アーヴォルン。魔道の名門出身で非常に強力な魔法を使える大魔道士です。本来は貴族相当の身分ですが、先代当主の父が魔導士の最高位「王家の杖」を巡る戦いに敗れ、没落しました。イドラは一族と父親の名誉を回復し、権力を私的利用する現「王家の杖」を失脚させ、再び人々の幸福のために魔法の研究をしようと努力しています。
イドラの作中でのポジションは主にツッコミ。レッドには常に振り回されつつ、その人柄に少しずつ惹かれていっている気配があります。美少女でスタイル抜群なため、お色気要員になることも……。
冒険者となったレッドとイドラの仲間になるのが、テルティナとロウジーの2人。
テルティナは正式にはテルティナ・リズ・ワーグレイ・アヴァルロストという名前で、イドラらが住むアヴァルロスト皇国の第3王女です。王族とは思えないほど活発な少女で、正義感の強さはレッドに次ぐほど。民と国のために旅をしており、本人の戦闘力はあまりない代わりに、物語の重要アイテム「魔力の種」を安全に取り扱う特殊な力があります。
ロゥジー・ミストは今代の勇者であり、テルティナの従者。レッドと同様に魔力はありませんが、いにしえの勇者が魔王を倒した時に使った神器「王家の聖剣」をふるう強力な剣士で、7つの必殺技を自在に扱えます。テルティナの忠実な家臣ですが、彼女をある種崇拝するがゆえに、余計なトラブルを起こすことも……。
そして5人目の仲間がラーニヤ。エルフの里ルグシムの次期村長であると同時に、勇者とともに魔王を倒した「アメン」の7代目継承者です。キズナファイブとは違う理論の変身ヒーローで、アメンバッグルを用いて様々な形態に変身します。本来は弱気でおどおどした性格なため、幼いころ(登場時点でも)は仮面を付けることで自身を鼓舞していました。
「戦隊レッド」の特徴を一言で言うと、戦隊ヒーローと異世界モノのパロディです。ただし、単に一発ネタの思いつきで2つを組み合わせたというレベルではなく、それぞれの要素を絶妙な配分でストーリーに落とし込んでいるのがポイント。
特撮番組としての戦隊ヒーローと異世界モノ、どちらにもお約束があって単体だとある種マンネリ感を覚えるところが、両者を組み合わせることで科学反応を起こして本作独自の面白さに昇華されているのです。
戦隊ヒーローは30分程度の放送時間内に話を解決する都合上、どれだけピンチに追い込まれても、友情や必殺技でご都合主義的に必ず勝ちます。片や異世界モノは、死んでファンタジー世界に転生して、現地にはない知識やチート能力で無双するのがお決まり。
一見類似点のなさそうな戦隊ヒーローと異世界モノですが、戦闘において問答無用で勝つという点に着目すると、お約束の展開の親和性がめちゃくちゃ高いことに気付かされます。冒険者が束になってもかなわないゴーレムやドラゴンに対して、戦隊ヒーロー特有の必殺技や巨大ロボであっさり決着するという、お約束にお約束をぶつけて個性のカオスみたいな話を成立させているのが面白すぎます。
戦隊ヒーロー要素へのこだわりも凄まじくて、作者の特撮愛――いっそ偏愛と言って良い情熱が圧巻です。
ブレスレット型のガジェット「絆装甲」と変身音声「ペッTURN(ぺったーん)」、変身解除時の「ベリーGood」。名前からして絆創膏モチーフなのは丸わかりですし、ガジェットの電子音声が絆創膏を「ぺたん」と貼る擬音や「べりっ」と剥がす擬音から来ているのは想像に難くありません。
パーツごとのデザインはそれなりに洗練されているのに、全体を見ると絶妙にダサい……。幼児向けに馴染みやすいダジャレじみたネーミングセンスと合わせて、どの要素をどう見ても絆創戦隊キズナファイブおよびキズナレッドの設定は本家の戦隊ヒーローさながら。この解像度の高さは本気で好きじゃないと出せません。
あまりにも戦隊ヒーロー設定が良く出来ているため、東映の「スーパー戦隊シリーズ」で見た記憶があるように錯覚してしまうほど。読者の間では冗談めかして、キズナファイブが実際に放送されたものとして語ることも珍しくありません。
ちなみに「戦隊レッド」アニメ公式アカウントもそのノリに乗っかって、存在しない記憶と称して関連した投稿をいくつかしているので、ぜひ一度ご覧ください。よく見ると縦読みまで仕込んでる芸の細かさ。
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">ある日"集団絶交事件"に巻き込まれた浅垣灯悟。<br>ゼツエンダーから人々の絆を取り戻す為、生身で怪人に挑む。<br>彼に"大いなる絆を宿せし魂"を見出したペタゴラス博士は、"ある物"を託す―――<br><br>新番組 <a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%B5%86%E5%89%B5%E6%88%A6%E9%9A%8A%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%83%8A%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%96?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#絆創戦隊キズナファイブ</a>??<br>第1話「友情に燃える男!キズナレッド!」<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E8%A8%98%E6%86%B6?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#存在しない記憶</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%95%B0%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#異世界レッド</a> <a href="https://t.co/NBzzSklnji">pic.twitter.com/NBzzSklnji</a></p>— TVアニメ『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』公式 (@KizunaFive) <a href="https://twitter.com/KizunaFive/status/1822429725186494491?ref_src=twsrc%5Etfw">August 11, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>
本作はパロディ一辺倒ではありません。戦隊ヒーローや特撮、異世界モノのお約束を押さえながらも、バトル漫画としてしっかり面白い構成となっています。
と言ってもごく序盤はインパクト重視で、茶化すようなシーンが多めでした。すでに言及したドラゴンを巨大ロボで瞬殺したことをはじめとして、同様のノリで洞窟内の強敵を一掃しようとしたところ、ロボが大きすぎて身動き取れなくなるシーンなどはかなりギャグ調です。
そんな戦闘シーンが、ストーリーの進行とともに変化するのが見所(読者の見方が変わるということもありそうですが)。序盤は瞬殺&お笑い要素でしかない必殺技ですが、レッドが執着する絆の通り、仲間の絆が強くなるとお笑いより感動のウェイトが大きくなっていきます。
戦隊ヒーローの定番である必殺武器ビクトリー・キズナバスターや巨大ロボ・マキシマム・キズナカイザーも、最初は仲間(や近くにいた冒険者)が強引に巻き込まれて操作するだけだったのが、ちゃんと連携して高威力を発揮するのが胸熱。
さらに絆創膏も意外と重要なモチーフです。レッドが度々口にする絆と引っかけているだけと思いきや「傷をふさぐもの」の象徴にもなっており、想像以上に奥が深く、闇落ちやパワーアップにも関係してきます。
このように、絆や絆創膏を単なる戦隊っぽい設定や熱血ギャグに留めず、ストーリーに据えることで熱い展開を演出するのが心憎いです。
他には性格や言動はさておいて、ロゥジーの戦い方はかなり王道ファンタジー。7つの大罪をモチーフとした聖剣の7つの形態と属性を駆使し、あまたの難敵に打ちかかる姿はかなり見栄えがします。肩書きも勇者ですし、本来なら彼が主役でもおかしくない格好良さ。……なのですが、いかんせん変身ヒーローの印象が強くて、どうしても影に隠れがち。
途中参加するアメンも特撮要素がかなり濃く、特撮ファンでもそうでなくとも唸らされるバトルが本当に魅力です。
序盤からさりげなく伏線が張られており、気になる部分がちらほらあるのも見所。キャラクターの生い立ちが世界観に関わっているなんてこともあるので、そういったところに着目して読んでも楽しめます。
キズナレッド
へんしんしゃ:あさがきとうご
●パンチりょく:20トン
●キックりょく:50トン
ひっさつバーニング・キズナパンチで ゼツエンダーのかいじんを やっつけるぞ!
異世界モノでお馴染みのステータス表示も、「戦隊レッド」にかかれば上記のような幼児誌特集風に早変わりします。子供向け番組にありがちなトンデモスペックですが、異世界でも有効なためとんでもなく強いです。
浅垣灯悟が「絆装チェンジ!」と叫んで絆装甲を手首のブレスにセット(した後にキレキレの変身ポーズを挟む)すると、「ペッTURN」の電子音声とともに絆エネルギーで戦うキズナレッドに変身します。変身時には背後で爆発する演出があるのですが、イメージではなく実際に爆発しているらしく、脈絡のない爆発や余波の熱に周囲が驚くこともしばしば(つまりレッドが誰かをかばった状態で変身すると……)。
近距離武器は柄の両端に刃がついた握手(アクシュ)カリバー。2本の剣の柄(手の形)同士を合体させて使用可能になる武器で、手を取り合って絆を結ぶというイメージでしょう。電子音声は「シェイク・ハンドッキーング」」。
遠距離武器は縁結(エンムス)ビームガン。これ自体はいわゆる光線銃ですが、技名が「マチビトスナーイプ」や「エンダンショット」など、縁結びから連想しているのはわかるもののハート(物理)を撃ち抜く感じが少し物騒です。
そして何かと便利なターボ円陣(エンジン)。キズナファイブに似たマッチョな人物(?)が腕を組んだ形状をしている謎のガジェットです。円盤状にして空を高速移動したり、手や足に装着してパンチ・キックを強化できます。人が輪になって組む円陣が由来。
これらに加えて必殺技用のビクトリー・キズナバスターや、どこからともなく現れる無数のキズナビーストを合体させることで巨大ロボ・マキシマム・キズナカイザーを使いこなします。
レッド=灯悟は戦隊ヒーローで言うところの1年の放送期間を戦い抜いた後の戦士であるため、精神的にも肉体的にも強靱です。しかし、そんな彼も使うのを躊躇する強化手段が……。
ちなみにラーニヤが変身するアメンは、仮面ライダーをイメージしたヒーロー。大仰な武器や巨大ロボがない代わりに、変身ガジェットの肩掛け鞄にはめるバッジを交換することで、フォームチェンジを行って戦います。デザイン的に元ネタの要素は少ないものの、マスクに昔のライダーによく見られた「涙ライン」を入れているのが細かいです。また、特に変身に資格などはないため、一部の仮面ライダーのように変身者が交代することも……。
このように本作には戦隊ヒーローはもちろん、特撮への非常に深い愛を感じられる設定が多数あります。
近頃、貴族の間で密かに流通しているという「魔力の種」。魔力の種は使用者に絶大な魔力と、願望を叶える強力な「特権魔法」を与えますが、限界を超えると自我を失って魔獣へと変化してしまう危険物です。国民の平穏のためにそれを回収しているというテルティナとロゥジーの話を聞き、イドラ(とレッド)は協力することに。
パーティ結成までに一悶着ありましたが、まず向かったのは領主に種使用疑惑のある喧騒の街アカリナ。案の定アカリナは特権魔法の支配下にあり、住民たちは抑圧されていました。
領主ルルグアットが特権魔法で生み出した使い魔たちは非常に強く、レッドとレッドに匹敵するロゥジーの力でも捌ききれません。打ち破るには2人の息を合わせなければいけないのですが……ロゥジーがテルティナを敬愛するあまり、ある誤解からレッドが変身不能になる事態に陥ります。
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絶体絶命のピンチの中、試されるテルティナとロゥジーの絆。そこでレッドはこんなことを言います。
「絆は剣に似ている
あれば頼りになるけれど
人を傷つけたり手放すのが怖くなるとかんとか
だけど互いの剣の強さを確かめ合えば
より強く決して折れない剣にすることだってできるんだ!」(『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』第1巻より引用)
これはレッド自身がかつて仲間に言われ、レッドが成長したからこその名言です。この名言によって仲間を奮起させ、逆転とお約束展開に繋げる流れがたまりません。想像の斜め上を行くバトルは、ぜひ実際にご覧ください。
ルルグアットの一件で、魔力の種の危険性が皇帝ゴーティスの耳にも届きました。王族の立場を使ってテルティナは回収破棄を進言しますが、第一王子ダリエルの横槍で種の接収と軍事転用の命令が下されます。皇帝の勅命には従うしかありません。現「王家の杖」シャウハの助言で、太古のエルフ族が住まう地「太陽の森」へ向かうことになる一行。
かつて太陽の森にあるエルフの里ルグシムと、近隣の人間の街ククジャは友好関係を築いていました。ところがククジャの領主が暴動の犠牲になったことを境に、両者の関係は悪化。現在は衝突を繰り返しており、そのさなかで種の関与を疑われる奇怪な力が目撃されたのです。
結論から言うと、奇怪な力とは次期族長ラーニヤが受け継いだ、伝説の仮面戦士アメンでした。魔力の種の持ち主はククジャの若き指導者アジールとその部下たちで、彼はエルフだけでなく人間も支配しようと目論んでいました。
そんなアジールを止めようとするラーニヤ。ラーニヤとアジールはもともと幼馴染みに近く、親密な関係でした。2人は純粋に種族の共存を願っていたのですが、密かに暗躍していた何者かの介入で、アジールの意思は歪められてしまったのです。
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真の共存は平和や平等ではなく、絶対的な力による支配でしか成し遂げられない。平和を望んだはずの青年の悲しい暴走。真意を知ったはレッドは戦いの最中、アジールの気持ちを肯定しつつも、欠けた視点を指摘します。
「お前の理想のためなら
ラーニヤは力を貸してくれるだろう!!(中略)
お前が手を伸ばすべきだったのは
そんなちっぽけな力なんかじゃねぇ!!
もっと大きなたくさんの人との絆だったんだ!!」(『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』第3巻より引用)
いかがわしい力に手を出して、1人でやったのが間違いだった。たとえ1人の力は小さくても、2人なら、3人なら……あるいはもっと多くの人が集めることが出来れば、共存の願いはきっと叶うはずだと。熱意のこもったレッドの言葉に胸を打たれます。
もはや自身の意思ですら制御出来なくなったアジールを止めるため、ラーニヤも加わった5人フル搭乗によるマキシマム・キズナカイザーが出撃します。果たしてラーニヤのアジールを想う心は届くのか……。物語の転換点となるエピソードの結末は、実際に読んで確かめてください。
『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』は第7巻の発売日の2024年8月9日に、テレビアニメ化が発表されました。放送期間は2025年1月12日から3月30日まで、全12話でした。
浅垣灯悟/キズナレッド役は井藤智哉(いとうともや)。他の主要人物はイドラ役を稲垣好(いながきこのみ)、テルティナ役を田中美海(田中みな実)、ロゥジー役を大野智敬(おおのともひろ)が演じます。井藤智哉は本作が初の主役作となりますが、熱血レッドに通じるフレッシュな井藤の脇を新進気鋭の実力派声優で固めた形と言えそうです。
制作スタジオは「マクロスシリーズ」や「アクエリオンシリーズ」で知られる株式会社サテライト。スタッフもそうそうたる顔ぶれで、特に多数参加している特撮関係者が目を引きます。
シリーズ構成は『爆上戦隊ブンブンジャー』の脚本家・冨岡淳広、変身モーションディレクターには多数の「スーパー戦隊シリーズ」や「平成仮面ライダー」の監督を務めた鈴木展弘が抜擢され、変身モーション監修として『忍者戦隊カクレンジャー』のサスケ/ニンジャレッド役だった小川輝晃が参加しています。音楽面でも『激走戦隊カーレンジャー』以降の多くのシリーズに楽曲を提供してきた亀山耕一郎が担当。
作品の性質と読者の需要を完全に理解しているスタッフの人選に驚かされます。
ここまでこだわり抜かれているとアニメの出来にもすでに安心感がありますが、やはり戦隊ヒーロー要素や特撮的な演出には注目したいですね。ティザーPVでも少し出ていますが、チープな電子音声を効果的に使って欲しいですし、なんなら監修付きで確実にキレキレなキズナレッドの変身シーンはあえて変身バンクでもいいくらいです。
1クール全12話という枠に収まったため、映像化されたのは原作序盤にあたる範囲です。アメンの加入や強化フラグを押さえつつ、話の区切りがいいところで最終話を迎えました。第2期の制作は、2026年4月時点で発表されていません。
あとはアニメそのものとは関係ありませんが、アニメのスポンサーにバンダイやタカラトミーがつくことを期待したいですね。いずれも有名なおもちゃメーカーなので、上手く行けば「DXキズナレッド変身アイテム」なんてものが出るかもしれません。もしバンダイなら、プレミアムバンダイで受注生産も出来るのでかなり希望が持てます。
ちなみにアニメ放送前の2024年10月の段階で、巨大ロボ「マキシマム・キズナカイザー」のプラモデル化が決定しています。発売元はコトブキヤです。
2025年1月スタートのアニメ『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』は、原作の熱さをそのまま映像に持ち込んだ仕上がりでした。
漫画『戦隊レッド 異世界で冒険者になる』は現在も連載中です。想像以上に深い作り込みで、一度読み始めると目が離せなくなります。
本作はスクウェア・エニックス公式の漫画アプリ「ガンガンONLINEアプリ」や「マンガUP!」なら、基本無料で読むことが出来ます。未読の方はまずそちらから読んでみるのがおすすめです。すでに読んでいる方も、アニメで描かれなかった続きをぜひ原作で追いかけてみてください!