小路幸也のおすすめ作品ランキングベスト5!心温まる作品の数々

更新:2017.2.16

「東京バンドワゴン」シリーズでお馴染みの小路幸也作品の持ち味は、人と人の心の動きを細やかに描いた暖かく深みのある文章。今回は小路幸也のおすすめ作品を5作ご紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

温かみのある文章で作品を描く小路幸也

小路幸也は1961年に北海道旭川で生まれました。学生時代は仲間とバンドを組みミュージシャンを目指しますが、24歳の時に広告会社に就職します。札幌の広告会社で働きつつ、30歳を機に作家を志し、新人賞への投稿を始めます。

38歳になった時、それまで働いていた会社を退社し、フリーでの活動を始めシナリオライターとして村上龍が原作を描いた『五分後の世界』に関わり、専門学校でゲームシナリオ講師として教壇にも立ちました。

そして、2002年には『空を見上げる古い歌を口ずさむ』でメフィスト賞を受賞し、小路幸也は作家デビューを果たします。その後、「東京バンドワゴン」シリーズで注目を浴び、このシリーズは大家族小説の定番とも言える作品とまでなりました。また2011年には、『東京公園』の映画化作品が国際映画賞を受賞しました。

友人、家族といった人との関わりや、子どもから若者の心の中を描く小路幸也の作品。青春小説、家族小説が主な作品ですがミステリーやSFまで手掛ける所は著者の多彩さが表れているといってもいいでしょう。

下町ドタバタストーリー「東京バンドワゴン」シリーズ

東京のとある下町、東京バンドワゴンと名付けられた古本屋を営む堀田家という大家族のストーリーです。おばあさんの語り口調から始まるそのお話は、まるで自分がそこにいて近で見ているような、そんな雰囲気を感じさせてくれる温かみのある小路幸也の作品です。

著者
小路 幸也
出版日
2008-04-18

キャラクターは様々、大家族の仲間は伝説的ロッカーの我南人やモテモテの美男子の青、シングルマザーの亜美といった様々な人々が織り成すストーリーです。

そんな堀田家は「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決(『東京バンドワゴン』より引用)」をモットーに、持ち込まれる数々の問題を力合わせて解決していく主人公たち。押しかけ嫁、振り込め詐欺事件、小学生の不可思議な行動など持ち込まれる問題は様々です。その中で描かれる大家族の営みは、大家族だからこその家族の暖かさを感じさせてくれます。

下町の人情味あふれるキャラクターたちが織り成すストーリーは慌ただしい日本の生活の中で、人と人との暖かさ、大事な触れ合いを思い返させてくれることでしょう。小路幸也のおすすめ作品ですので、ぜひ手にとってみてください。

そのひと時を一枚に『東京公園』

写真が趣味でカメラマンを目指す主人公ケイジ。一見普通のカメラマンを目指す青年のストーリーかと思いきや、その内容は人が抱える不安、疑心暗鬼といった心の動きが細かに描き出されます。

公園で写真を撮っているときに出会った男性に頼まれ、彼の奥さんの後をつけ彼女の行動の写真撮る主人公。それを分かっていてわざと写真を撮らせる奥さん。いったいなぜ黙って撮られるのでしょうか。またその依頼を受けてから変化した姉弟の関係、隠されていた友人の過去も暴かれていきます。
 

著者
小路 幸也
出版日
2009-07-28

カメラを通して表現される様々な記録、そこに隠される被写体の思い、私たちは特別な写真を撮るときどういった気持ちで撮っていたでしょうか? 小路幸也の本作を読んでいると、ふと自分のアルバムを見返して、どういう気持ちでこんな写真を撮ってくれたのだろうか?といった、撮られたその瞬間に思いを馳せてみたくなります。

ふとした瞬間にあなたが撮るその写真、あなたが心魅かれたものは何だったのでしょう。写真を通して紡がれるそのストーリーにあなたは何を感じるのでしょうか? 写真が織り成す記憶の欠片たちをあなたも見てみませんか?

恋から始まるミステリー『HEARTBEAT』

不良女子と優等生男子の淡い恋。この始まりを聞いて、どうせ王道な青春恋愛ものでしょうと思っている方、読んでみると全く違うのです。少女と少年は十年後に会おうという約束をしました。その為に留学していたNYから戻ってくる主人公の少年。

しかしその少年は、十年の間に闇を抱え込みます。その反面、少女は約束の日までにまともな生活に戻ろうと奮闘していましたが約束の日の前に失踪してしまいます。しかしそれだけでは終わりません。少女の失踪は彼らだけではなく別の家族も巻き込み事件へと繋がっていきます。

著者
小路 幸也
出版日
2012-08-25

失踪にまつわるミステリーは他を巻き込み話がどんどん大きくなっていきます。複雑な話ながら、少年少女の淡い恋心を描きつつ青年女性への移り変わりを描くストーリーは、さすが心の動きを描くことに長けている小路幸也。最後のオチには、そうくるか!と思わされ、最後までじっくりと読み込むことのできるお話です。

中年男たちは一体どこへいく?「ダイ」シリーズ

始まりは友人の葬儀、そこに友人たちがあつまります。その中で一人が自殺をすると宣言し始めます。それを止めようとする主人公「ダイ」とほかの友人たち、そこから始まる過去を巡る回想ストーリーです。自殺を止めるため一生懸命に昔を思い出そうとする友人たちは過去を懐かしみ、過去に思いを馳せます。

著者
小路 幸也
出版日
2010-12-04

今を生き急いでいる人が多いように感じる現代社会。その中で、過去に思いを馳せる人はどれぐらいいるでしょうか? もしかしたら少しの時間ほんのちょっとでもふと懐かしむことはあるかもしれません。しかし、常に働きアリのように動き続けている大人たちにとって一日中過去に思いを馳せることは中々ないかと思います。忙しい今を送っている人に特におすすめできる小路幸也の作品です。大人になった今だからこそ、自分を少し見つめ直す時間が必要なのかもしれません。

不老不死の秘密とは?『蜂蜜秘密』

小路幸也がおくる、ポロウ村のハチミツを巡る人と妖精のファンタジー。少年少女向けのとても読みやすい文章と主人公「レオ」と村の名家の子のおませなサリーと元気なジャックといった魅力的なキャラクターにより紡がれるストーリーで、とても可愛らしくほっこりします。ハッピーエンドなファンタジー好きにおすすめの小路幸也作品です。

みんなが自動車を走らせることが普通の時代、馬車でしか行くことのできないポロウ村。ハチミツが特産品のポロウ村に突如現れた転校生「レオ」。彼が来た途端に村では不思議な出来事が次々と起こり始めます。彼は何のために村にやってきたのか。その正体は?

著者
小路 幸也
出版日
2015-09-02

実はこの小路幸也の作品の中にでてくるハチミツは、どんな病気も治してしまう不思議なハチミツ。もちろんそんなハチミツを作れるハチも特殊です。主人公のレオはこのハチたちを守るためにやってきたのです。ハチミツを食べることによって健康でいたポロウ村の人々、もしハチミツがなければ村の人たちの健康は損なわれてしまっていたでしょう。

これは現代の私たちにも通じるものがあるのではないでしょうか? 例えば地球温暖化などは人間の行動により引き起こされてしまった災害といえるでしょう。そしてそれを守ろうと頑張っている人たちがいます。児童向けながらとても深い内容を含んだ小路幸也の作品です。子供のみならず大人にも読んでほしい一作です。

一つ一つの作品がとても読みやすく、一気にその世界観に引き込まれる、小路幸也の描くハートフルストーリーの数々。家族小説、ミステリーにファンタジー、そして80年代をさかのぼるロマンストーリー。あなたの好みのものを是非探してみてくださいね。

もっと見る もっと見る