笹本祐一おすすめラノベランキングベスト5！現役最年長ラノベ作家のSF作品

ラノベの最先端にい続ける作家、笹本祐一とは

笹本祐一は、1963年の東京都生まれのSF小説作家です。1984年に『妖精作戦』にて朝日ソノラマ文庫からデビューし、さらにその後に「ARIEL」シリーズで一躍時の人となりました。ロケット好きの人物として有名であり、宇宙作家クラブの中心的メンバーとしても活動。その経験と知識を活かした航空宇宙の分野を舞台にしたSF作品を多数執筆しています。

今回は、デビュー作である『妖精作戦』と「ARIEL」シリーズを含めた、笹本祐一のおすすめを5作紹介していきます。興味が湧きましたら、この機会に手にとって楽しんでみてください。

5位：宇宙を舞台に繰り広げられる彗星争奪戦

美人女性社長が、彗星を巡る宇宙レースに挑戦する物語を描いた『彗星狩り』。笹本祐一による宇宙を舞台にしたSF小説「星のパイロット」シリーズの第2作に相当する作品です。

主人公のジェニファー・V・ブラウンは、宇宙航空会社「スペース・プランニング」の社長です。ある日、別れた元夫でライバル宇宙会社「カイロン物産」社長の劉建から挑戦状紛いに宇宙レースの話を持ちかけられます。その宇宙レースとは、宇宙を翔ける彗星を追い、最初にそれを捕獲した者が宇宙の資源開発権を得るというもの。まさに一攫千金の大チャンスですが、規模も難易度もとてつもないそのレースに、ジェニファーは周囲の反対を押し切り、参加することになります。

 

彗星狩り(上) 星のパイロット 2 (朝日ノベルズ)

著者

笹本祐一

出版日

2013-02-20

主人公のジェニファーが社長を務めるスペース・プランニングは、カイロン物産をはじめとした、この作品に登場する宇宙会社の中でも規模は小さいものです。レースに参加する人材に恵まれてもいなければ、彗星を追いかけられるほど優れた宇宙船も所有している訳でもありません。

そんな弱小の宇宙会社が、彗星を捕獲するというぶっ飛んだレースに参加するなど、無謀極まりないものでしょう。しかし、それでも別れた元夫へ負けたくないという意地と情熱で、ジェニファーは日本人の宇宙飛行士、羽山美紀や、若手女性研究員スウら仲間たちと共にレースへの参加を強く決意。そして、彗星へ向けて飛ぶ宇宙船の組み立てという準備から始め、彗星捕獲に向けて奔走していきます。そのスピード感をもって邁進する姿に、読者はますます目が離せなくなることでしょう。

果たして、ジェニファーたちはこの彗星捕獲レースに勝ち、宇宙の資源開発権を手にすることができるのでしょうか。皆さんも是非、宇宙を舞台にしたこの彗星争奪戦の行方を確かめてみてくださいね。

4位：小さな夏の出会いから、大きな戦いと冒険へ

超能力を持つ謎の少女を巡って、主人公たちが国家組織を相手に繰り広げる戦いと冒険を描いた、笹本祐一のデビュー作となった大長編SF小説「妖精作戦」シリーズ。

夏休みの最後の一日を利用して、オールナイト映画を楽しんだ主人公の高校生の榊裕。朝帰りの途中に新宿駅の改札で、機械が使えず切符が買えなくて困っているというひとりの少女、小牧ノブと出会います。

実は彼女は並外れた超能力の持ち主で、「SCF（太陽系宇宙軍）」と呼ばれる国家組織から狙われていました。事態を飲み込めないまま裕はノブと共にSCFに捕らえられてしまい、それを知った沖田玲朗、鳴海つばさ、真田佐助ら裕の友人たちは、ふたりを助ける為にSCFに戦いを挑むことを決意し……。

 

妖精作戦 (創元ＳＦ文庫)

著者

笹本 祐一

出版日

2011-08-30

朝の新宿駅の改札での、ごく普通の高校生の主人公と、超能力者だけど機械オンチの同級生の少女の出会い。その少女ひとりを捕らえるための、自衛隊と在日米軍の混成部隊に、戦闘機や戦闘ヘリなどあらゆる兵器を使っての大規模な作戦。そして、捕らえられた主人公と少女を助けるための、友人たちによる横須賀港に停泊中の巨大原潜への侵入作戦……。新宿での出会いから、まさかここまで大きな展開でスケールのストーリーになるとは、想像もできないでしょう。

しかし、それほどの力を持つSCFを前にしても、ノブを守るために、裕と沖田らその仲間たちは決して諦めることはありません。そんな主人公たちと国家組織のせめぎ合いからは目が離せなくなります。夏休みの改札での出会いから始まった、高校生たちの戦いと冒険を描く「妖精作戦」シリーズ。皆さんも気になりましたら、ぜひ手に取ってみてください。

3位：侵略者への切り札は女性型巨大ロボット!?

宇宙からやってくる侵略者に、3人の少女が女性型巨大ロボットに乗って立ち向かうスーパーロボットSF小説「ARIEL（エリアル）」。2005年に星雲賞日本長編部門賞を受賞した人気シリーズです。

「銀河帝国」と呼ばれる宇宙の国家から、惑星侵略の依頼を請け負う宇宙人の傭兵組織ゲドー社。その依頼を請け負った宇宙人ハウザー率いる侵略軍が地球へ襲来してきます。それに対し、国立科学研究所「SCEBAI（スケベイ）」の所長で日本の誇るマッドサイエンティスト岸田博士は、女性型巨大ロボットのエリアルを開発。そしてなんとそのパイロットとして、姪の美亜、孫の絢と和美の3人を任命するのです。かくして侵略軍への迎撃が開始されます。

 

ARIEL 1 (ソノラマノベルス)

著者

笹本 祐一

出版日

2007-12-07

この作品の見所は、題名にも登場している女性型ロボットのエリアルにあります。エリアルは、岸田博士が亡き妻あゆみの姿を取り入れたことによる、人間の女性に酷似したデザインを持っています。武装は20mを超える刀身を超えた格闘戦用の剣と盾、バルカン砲やロングレンジライフル。はては荷電粒子砲や水爆まで扱えることから、その戦闘能力は折り紙付きで、決して外見だけの酔狂ではないことがわかります。

そんな人間の女性そっくりな外見の巨大ロボットが、侵略者たちが操る恐竜や怪獣を彷彿とさせる「降下兵」と呼ばれる機動兵器と激しいバトルを繰り広げる……。従来の巨大ロボットものとは異なるイメージ満載の展開は、私たちの目を釘付けにさせてくれるでしょう。そんな「ARIEL」シリーズの物語と世界観を、皆さんも一度、第1巻から確かめてみませんか。

2位：女子高生、ある日突然宇宙海賊になる

女子高生が、ひょんなことからある日宇宙海賊のリーダーとなる物語「ミニスカ宇宙海賊（ミニスカパイレーツ）」シリーズ。この作品は2011年から2012年6月にかけてテレビアニメ化され、2014年2月に映画化されています。

主人公の加藤茉莉香は、白鳳女学院に通う成績優秀の女子高生。部活やアルバイトで忙しい毎日を送っていましたが、持ち前の元気と努力家としての性分で乗り切っていました。そんなある日、父親の部下を名乗るふたりの男女から父親が死んだことを聞かされ、さらに父親が船長を務めていた宇宙海賊船「弁天丸」の船長になってほしいと頼まれます。一度は戸惑って返事を先延ばしにする茉莉香ですが、ある一件を機に「弁天丸」の船長に新任し、学業と海賊行の両立を始めていくことになるのです。

 

ミニスカ宇宙海賊1 (朝日ノベルズ)

著者

笹本 祐一

出版日

2008-10-21

成績優秀と元気さが取り柄な、どこにでもいそうな女子高生の主人公。そんな彼女が目の前に現れた、父親の部下を名乗る男女から宇宙海賊船の船長になってほしいと頼まれる。そこから始まる、数々の海賊稼業と冒険……。先に紹介した「妖精作戦」シリーズと同じく、ひとつの小さな出会いから宇宙を舞台にした大きなストーリーとなるとは想像もできませんよね。

そして海賊稼業を始めた茉莉香を、当然のようにして待ち受ける数々の困難と危険。しかし彼女は学業での成績だけでなく操船技術にも優れており、さらに思いついたら迷わず動く行動力の高さで、部活の仲間や弁天丸のクルーたちをどんどん引っ張っていきます。そうした気概と素質で困難と危険を乗り越えていく茉莉香の姿には、読者は彼女と行動を共にする仲間たちと同じように、夢中になること間違いなしです。

ひょんなことから父親の船と部下を受け継いで、宇宙海賊のリーダーとなった少女の冒険を描いた「ミニスカ宇宙海賊」シリーズ。興味が湧きましたら、第1巻から始まる彼女の海賊稼業にご一緒してみませんか?

1位：転校生の少女が導き出す田舎町の秘密

とある田舎町の高校に転校してきた少女と、主人公とその天文部の仲間たちが、隠された秘密に迫る物語を描いた『放課後地球防衛軍(1)なぞの転校生』。

太平洋岸沿いに存在する田舎町、岩江。その町にある唯一の高校で、主人公の祥兵は、同級生の雅樹やマリアと共に杏先生が顧問を勤める天文部に入っていました。そんなある日、凄まじい流星雨を観測することになります。

その翌日、入部希望として転校生の少女、悠美が天文部を訪ねてくるのです。「岩江の大人達が隠す地球の秘密を知りたい」。そんな意味深な一言と共に悠美に導かれ、祥兵たちは田舎町のとある場所に隠された地下大空洞を発見してしまい……。

 

放課後地球防衛軍(1)なぞの転校生 (ハヤカワ文庫JA)

著者

笹本祐一

出版日

2016-11-22

本作の見所は、パズルのピースを嵌めていくように、少しずつ明らかになっていく田舎町の秘密と、それを追う主人公たちの姿です。ページを捲るたびに、皆さんもだんだんドキドキワクワクして、最後まで一気に読み進めたくなること間違いありません。そしてラストで祥兵たちを待っているのは、次回作へと続くかのようなさらなる謎を呼ぶ結末。

辺鄙など田舎から別世界を望む『放課後地球防衛軍(1)なぞの転校生』。祥兵たちが辿り着いた結末が気になりましたら、是非とも手に取って確かめてみてくださいね。

いかがでしたでしょうか。笹本祐一が生み出すSF小説は、多くの人々に読み親しまれています。皆さんも是非、現役最古のラノベ作家の世界に足を踏み入れてはみませんか。