施川ユウキおすすめ漫画ランキングベスト5!『バーナード嬢曰く。』の作者

更新:2017.3.24

『バーナード嬢曰く。』で一般的にも有名となった施川ユウキ。日常の中のシュールを掬いだす事に長ける彼のおすすめ作品をランキング形式でご紹介いたしましょう!

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そのシンプルな絵柄に、気が付けば心奪われたり、笑ったり……それが施川ユウキの世界

1977年生まれの漫画家施川ユウキは、1999年に『がんばれ酢めし疑獄!!』でデビューを果たしました。この作品は2003年まで連載が続きます。その後『サナギさん』、『森のテグー』、『え!?絵が下手なのに漫画家に?』などオリジナル漫画やエッセイ漫画を数々発表しています。2014年に『オンノジ』『鬱ごはん』『バーナード嬢曰く。』の3作品で、手塚治虫文化賞短編賞を受賞しました。

施川ユウキの味は、日常にひそむシュールを掴みだし、自虐でありながら冷めた目線で無慈悲なツッコミを入れるギャグ作品や、ほのぼのでハートフルな時折恋愛も混ぜる心に残る作品と、多様な作風で魅了してくれます。シンプルな絵柄ですが、それがアクのある内容を中和してくれているのです。

5位:施川ユウキは漫画家なのです。『え!?絵が下手なのに漫画家に?』

施川ユウキに対する評価の大半に、まず前置きとして「絵は下手ではあるが」的な言葉が付随します。この本はまずそこから始まったのです。

下手でも漫画家になれた彼が、いかに漫画家になったのかを綴ったエッセイ漫画を描いてみよう……というところからこの本は生まれました。これから漫画家になる人に、下手でもなれる希望の星……になるとはいえませんが、ここまで自虐的に生きてきた人が漫画家になれたんだものね……と捉える事が出来るかもしれませんね。

いつものギャグほど切れ味はないかもしれないですが、施川ユウキを知るに十分な秀作になっております。

著者
施川 ユウキ
出版日
2009-11-20

馬鹿げていてもクールで、そこはかとなくケレン味のあるエッジの利いた作品。そんなカッコいい作品は、若い頃漫画家を目指していれば、誰もが目指す境地ではないでしょうか。施川ユウキもありがちに、小難しい、難解とされる映画をたくさん見て、それを自分の作品の小粋な会話に混ぜたりしながら悦に入っていました。けれどペンは入れていません。なぜなら絵が下手だからです。

そうやって漫画家を目指しながら、自堕落に生きてきた彼が、どういった経緯で漫画家を目指してデビューに至ったのかが描かれています。自虐的で鬱な内容も見受けられますが、施川ユウキらしいドライさもあって、読後に暗さは感じさせません。

施川漫画にハマった方には是非読んでおいてほしい1冊です。

4位:2人の行く先はきっと大きな……『ヨルとネル』

研究所から逃げ出した体長11センチのヨルとネルの物語です。研究所の追っ手から逃げて、海を目指します。

終始小さな2人が、人間社会の隙間を縫って逃げてる最中の会話劇です。とてもテンポがよく、施川ユウキのお得意のやりとりにニヤリとすることでしょう。

しかしそれだけではないのです。ええ、それだけではないのがこの作品の魅力です。これ以上説明出来ません。

著者
施川ユウキ
出版日
2016-10-20

何処までもシュールにやりとりしていくヨルとネルに、研究所から追われている切羽詰まった感も無く、ある意味淡々とボケツッコミで話が進んでいきます。ある種、子どもの頃に楽しんだ冒険ごっこみたいなノリなのがまた「あるある」感や妙な懐かしさを思い出させてくれます。

2人の会話は、一見、意味がないように思えますが、読み終わった後、もう1度読み返してください。意図しての伏線ではないかもしれませんが、「あれ?このやりとりって…」と思わせてくれるのです。

『え!?絵が下手なのに漫画家に?』内で述べていたように、さすが何本も映画を観ていただけあって、ラストの余韻が実に映画的です。小気味よく話が進んでいくのではなく、じわじわと心に沁みる作品ではないでしょうか。

施川ユウキファンには、こちらの作品が1番好きという方も多いようです。

3位:彼にも好きな食べ物あるんです。『鬱ごはん』

就職浪人生の鬱野たけしがえんえん食と向き合う話です。おいしそうにご飯を食べる漫画ではありません。

生きる上で必要に駆られて取るだけ。人と食べるのも苦痛としか、鬱野には感じる事が出来ません。ただただ目の前の食に大して、物思いにふける日々を描いています。

著者
施川ユウキ
出版日
2013-04-19

正直共感の得にくい作品かもしれません。世の中、食を楽しみに生きようぜ的な漫画が溢れかえっている中で、アンチテーゼを投げつけてくるのですから、いたしかたないようにも思えます。

ただ鬱々と食を取るだけの鬱野と、彼にだけ見えるらしい妄想の産物の黒猫とのシュールなやりとりしかありません。

たまには、もくもくと食べるだけ、旨いとも何とも思わず、生きていくことの窮屈さと死について考え耽る漫画を読んでみてもいいのではないでしょうか。

2位:もーいーよぉぉぉぉ あ、今の忘れて?『オンノジ』

少女ミヤコは、ある日突然、世界からたった1人にされてしまいます。だだっぴろい現代社会にたった1人なのです。どんなに読んでも誰も返事しないし、テレビもラジオも電波は繋がりますが、人の気配は感じません。大きな道路のど真ん中で寝ていても、車1台通りはしないのです。

そんな中、ミヤコは「何か」の存在に気付き、それを「オンノジ」と名づけます。

非日常的世界で少女とオンノジの日常という非日常が織りなす、ほんわかシュール4コマをご覧ください。

著者
施川ユウキ
出版日
2013-04-19

誰もいない世界で、誰かを探すミヤコは、エッジの利いた1人ツッコミ入れながらの人(ひいては動物とか生き物)捜しが続きます。そこにクスッときて、オンノジが現れます。読者は2人のやり取りに笑い、 施川ユウキの世界にどんどん引きずり込まれていくのです。

シュールな世界で妙なやりとりを延々交わす2人ですが、ポロリと零ぼされる心の機微にしてやられます。 施川ユウキが何を意識してこの作品を作ったのかは、ここであえて触れませんが、「あの日」が思い出される作品です。

私たちは、あとがきに記した施川の問いかけに応えられるでしょうか。是非一緒に考えましょう。未来のために……。

1位:読書に正解求めちゃいけないよね~ 施川ユウキの真骨頂『バーナード嬢曰く。』

本好きは本当ただただ頷くことしかできない漫画。それが『バーナード嬢曰く。』です。

自称「バーナード嬢」こと町田さわ子が、学校の図書室の常連たちを巻き込んで行くのが基本の筋のお話となります。日々素人にはちょっとハードルの高い作品たちを引っ張って来て、本を読まずに読んだ気になりたいがために、延々ウンチクっぽいことをかますのです。それを常連たちは時にはツッコミ、時には呆れ、気が付けば町田さわ子と一緒になって本への愛を語ってしまう。そんな青春読書ギャグ漫画なのです。

著者
施川 ユウキ
出版日
2013-04-19

本が好きで、図書館(室)に通って、本のウンチクを語り合った人にはとても耳に痛かったり、そういう人居たな~と懐かしい思いにさせられたりする作品ではないでしょうか。とにかくいろんな本が読んでみたい読書欲と、チャレンジした作品が余りに難解で、途中ギブアップした苦い思い出がどんどん出てきます(読み手の)。

総じてそれを黒歴史にしてなかったことにしたいのに、主人公町田さわ子は胸を張って言うんです。「この作家を読んだ態で語りたいから、簡単なあらすじと名言教えて?」と……。あああああっそれはダメなパンドラの箱なのに……。そこに希望はないですよ。

長々と聞かれたら答えたいです、読んで感じたことを。面白かったよの向こうにある、どう面白く、何が素晴らしかったのかを、本好きはいつだって語りたいんです。語ったら周りに引かれるの請け合いですので、是非町田さわ子とその仲間たちに代弁していただきませんか?

施川ユウキの作品を読んでいると彼の頭の中を覗きたくなるのですが、ちょっと怖くもあります。静かで陰鬱として、なのに笑えてしまう事が怖いのです。しかし気が付けば中毒性を帯び、このおすすめ以外にもその毒を食べたくなって、きっと読んでしまう事でしょう。

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