江戸腐女子漫画『咲くは江戸にもその素質』あらすじと腐の名シーンをご紹介!

更新:2021.12.17

漫画アプリ「comico」で人気を博した江戸腐女子漫画『咲くは江戸にもその素質』。BL好きに時代も年齢も関係ない!と再認識できる本作は、多くの腐女子の共感を呼びました。今回は、本作のあらすじと、あるある名シーンをご紹介!

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『咲くは江戸にもその素質』あらすじ

著者
沙嶋カタナ
出版日
2015-02-14

舞台は江戸の町。そこに『南総里見八犬伝』が大好きな少女サクがいました。夜遅くまで明かりの下で読書する彼女。文学少女でしょうか?

いいえ、腐女子です。

『南総里見八犬伝』を読んでいくうちに気づいてしまった「この」気持ち……。サクは親友のカメとフミに、衆道(BL)が好きだという気持ちを打ち明け、気持ちに素直になることの大切さを学びます。

しかし、その道は苦難のもの。友達にはどう打ちあけよう?そもそも趣味が違ったら?描かれていないふたりの恋の行方を見守れないかな?そんな様々な気持ちを抱えた少女たちが欲望に素直に生きていくストーリーに、時代を超えて共感します。悲哀と欲望に満ちた腐女子あるあるが江戸の町で繰り広げられていきます。

今回はそんな魅力が感じられる、腐の名シーンをご紹介します。

腐っちまった悲しみに<溢れる愛を語りすぎる>

それはまだサクがふたりに気持ちを打ち明けられていなかった時のこと。大好きな『八犬伝』が話題になります。最初はなんとか我を抑えて、「おもしろそうだったから(読んでみただけなの)」と簡単に説明しますが、推しキャラの信乃の名前をカメが出してしまい……。

出典:『咲くは江戸にもその素質』1巻

溢れてしまった愛が止められないストーリー説明。どこを見ているのかわからない光のない目で話し続けるサク。心はもう『八犬伝』の世界にフライアウェイ。尊すぎる名作に出会ったことのある人なら誰しもこの気持ちが分かるのではないでしょうか。

しかしかなり腐進度が進んだ方はこれを読んでまだまだ初級だなと思ったのではないでしょうか。名作は言葉では言い表せません。そもそもこの素晴らしい世界を自分の表現力で適切に伝えられるのだろうかその責任を負えるのだろうか、伝えるべきポイントはふたりのどのシーンだろうか馴れ初め?初めてのキス?いやいや日常のふとしたシーン?と考えて、「あ、うん、とりあえず面白いから読んでみない?」になりがち。……ではないですか?

とりあえずサクの様子は在りし日の腐女子初心者の甘酸っぱ……くはない、苦酸っぱい気持ちを思い出させてくれるでしょう。

腐っちまった悲しみに<欲望への目覚め>

サクは当初、衆道が好きなんてダメだよね、と弱気になります。しかし現実でもそんなことが起こりうると聞き……。 

出典:『咲くは江戸にもその素質』1巻

この時の喜びはいかほどのものだったのでしょう。ひとりじゃない幸せ。押さえつけていた欲望の枷が外れた瞬間。やっぱり目が怖いです。しかし時代は変われど、その公にできない気持ちを抱える者は仲間。サクが自分の欲望に素直になってしまった名シーンです。

腐っちまった悲しみに<カミングアウト>

カミングアウトとは——これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明すること(Wikipediaより参照)。それは腐女子にとって避けて通れぬ道。

サクはこの思いを止めることは無理なので、ならばふたりをBL沼に引きずりこもうと決心します。そしてついに『八犬伝』の荘助と信乃にBL展開を望むことをふたりに打ち明けます。

そして翌日。ふたりにどう思われてしまったのか不安で何も話せないでいるサクに、カメは優しくこう語りかけるのです。

「サクちゃんには悪いんだけど 荘助と信乃より現八と信乃のほうが良いと思うんだ」

出典:『咲くは江戸にもその素質』1巻

感動です。友情です。

まさにこれこそ親友との絆がBLによって強くなった名シーン。秘め事は人との関係を深くするんですね。大事なものはすべてBLから教われるのです。尊すぎるBLの存在。

それにしてもWikipediaの説明文は「『腐女子』カミングアウト」と言い換えてもおかしくないくらいぴったりだと思われた方もいるのでは。それもそのはず、「カミングアウト」はアメリカのゲイカルチャーから生まれた言葉なのです。深いです、BL道。

『咲くは江戸にもその素質』でBLの尊さを再認識しよう!

著者
沙嶋 カタナ
出版日
2015-12-12


あらすじだけで終わってしまうのはもったいない名シーンがこの他にも多数あります。『咲くは江戸にもその素質』。ぜひ作品で「あるある」な面白さを味わってみてください。

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