ねこ田米蔵のおすすめBL漫画ランキングベスト5!

更新:2021.12.18

この作者をきっかけに、BLにハマった方もいらっしゃるのではないでしょうか。きれいで愛嬌のある絵柄と、青少年の絶妙な心理描写に定評のある漫画家です。今回はそんななかから、おすすめ漫画をランキング形式で紹介します。

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ねこ田米蔵とは?繊細な心理描写を作品で描く漫画家!

 

2001年に『やさしい唇』(『JUNK!BOYなつやすみ号』掲載)でデビューした漫画家。10代の頃から同人誌で活躍していました。初コミックは、今回のランキングでもご紹介する『つよがり』です。ほとんどの作品がドラマCD化されるなど人気があり、またBL小説の挿絵家としても有名です。

作風は青少年たちの青春ラブストーリーが多く、大人になり切れない彼らの、未熟ながらもまっすぐな感情が、表情豊かに表現されています。同時に恋を知り、少しずつ大人になっていく過程が丁寧に描かれています。まるで青春時代を思い出させるような、甘酸っぱくも切ない描写に、ぜひ注目していただきたいです。

 

5位:大人の魅力満載!でもオネェ『魅惑仕掛け 甘い罠』

 

すべてにおいて完璧な男・蜂鳥と、そんな彼に目を付けられた小生意気な新社会人・雨深。そんなサラリーマン2人の恋愛模様を描いています。可愛らしい絵柄ですが、さり気なく描かれた蜂鳥の執念がちょっとすごい作品です。

アプリ開発の会社に就職した雨深には、常に目の敵にしている男がいます。自分の彼女を寝取り、出した企画をすべて没にし、自分を見下している上司・蜂鳥です。蜂鳥は見た目だけではなく、仕事もできる有能な男なので、余計に面白くありません。

けれど、偶然に蜂鳥がオネェだという事実を知ってしまう雨深。ゲイが苦手な雨深と、前々から彼を狙っていた蜂鳥の攻防戦が始まります。

 

著者
ねこ田 米蔵
出版日
2017-02-10

 

「甘い罠」というタイトルだけあって、蜂鳥の罠が用意周到すぎです。しかも迫ったと思ったら、思いっきりつれなくし、逃げようとしたら逃げ道を塞いでしまいます。手に入れるまでの過程を、蜂鳥が存分に楽しんでいる描写が怖いです。

ですが、そんな執着心だらけの描写もさらっと描いているので、重い話にならず、かえって楽しく読める作風となっています。思ったことをバンバン言う単純の申し子・雨深による、常に斜め上な言動・行動も見応えがあります。

またオネェという設定ですが、女装するわけでもなく(女装男性は少し出ますが)女言葉もあまり出ませんので、設定が苦手な方でも、この作品は読みやすい内容となっているでしょう。

 

4位:ねこ田米蔵初期作品『つよがり』

 

作者初のコミックです。高校生たちの甘酸っぱくもキュンとする恋愛模様が描かれた短編集で、4つの話が収録されています。表題作の「つよがり」は、遊び人の戌尾と、彼に恋している夏田のお話です。

女の子大好きな戌尾が手を出してしまった同じクラスの夏田は、男でした。

コンパで酔っていたとしても男をお持ち帰りしたことは初めてで、もう忘れてしまいたかったのですが、夏田から友達になってほしいと言われます。押し切られての友人関係だったのにも関わらず、夏田と一緒にいると常に楽しく、戌尾は無意識に彼に惹かれていきます。

ですが、そんな自分の気持ちに気づかず、夏田を最悪な形で傷つけてしまうのです。

 

著者
ねこ田 米蔵
出版日
2008-04-01

 

友人として、それとも恋愛として好きなのか。自分でもわからず苦悩する戌尾の表情がいいです。また、友人でもいいから一緒にいたいという夏田の健気な描写もあり、2人の気持ちのすれ違いに胸が締め付けられます。この2人のその後も収録されており、そちらでも戌尾を思う夏田の健気さは健在です。

戌尾の大親友・司馬と学校の先生・小野坂との年の差カップルや、司馬の弟・圭輔とその幼馴染・亜樹の中学生カップルなどの話も収録されています。どのお話も、初々しくて可愛らしい内容です。

 

3位:閉鎖された世界での少年たちの恋『神様の腕の中』

 

舞台はカトリック系の寄宿学校。良家の子供たちばかりが集められた名門中の名門です。そんな限られた世界と時間のなかで恋と友情を深めていく、彼らの切なくも甘い話が集まった作品となっています。

貴族の息子・エミリオのお世話係として学園に入学していた東洋人・黄は、エミリオの放蕩ぶりに苦労しつつも、不自由もなく過ごしていました。

ある日、夜中に寮をうろついていたシオと偶然出会い、規則違反だと注意したところから、シオに懐かれ始めるようになります。シオが寮をうろついていたのは1人で眠るのが怖かったからだと知り、黄は軽い気持ちで、自分が添い寝してやろうかと持ち掛けます。

 

著者
ねこ田 米蔵
出版日
2007-08-01

 

隔離された学園で、少年たちは恋をします。限られた世界での生活は長いようで、一瞬で終わってしまいます。そんな刹那な青春が、丁寧に描かれています。社会へと飛び立つまでのタイムリミットを感じさせながらも恋する気持ちを止められない、彼らの一生懸命さが伝わる作品です。

ちょっとした笑いやおふざけ、そして涙もあり、短い青春をキラキラと過ごす彼らのまぶしさに、少し切なさを感じる内容となっています。

カトリック系の学園らしい独特の世界観で、ファンタジー好きの方にもおすすめしたい作品。制服や背景にもこだわっているので、とても見応えがあります。全4巻発売されており、他にスピンオフ作品も出ている人気シリーズです。

 

2位:ねこ田米蔵のドタバタラブコメ!ムッツリ幼馴染と単純男『妄想エレキテル』

 

モテないけれど女の子が大好きな春平には、見た目も頭もいい幼馴染の文博がいます。気心知れた幼馴染に、春平はお互いのことをなんでも知っている仲だと思っていました。

けれどある日、「ゲイかもしれない」とカミングアウトされます。春平は驚くと同時に、全部知っているつもりになっていただけで、文博のことを何も知らなかったのだとショックを隠せません。恋人もいると告げられさらに衝撃を受けますが、文博の恋を応援しようと決心します。

 

著者
ねこ田 米蔵
出版日

 

ちょっと乙女でムッツリな文博と、おバカで単純な春平のラブコメディストーリーです。

春平は、文博のことを理解するために妹のBL漫画を読み漁るなど、彼なりに努力します。しかし理解しようとすればするほど、いつもそばにいたのは自分なのに、と彼氏に嫉妬し始めます。とうとう春平は勢いのままに文博に対し、相手は自分でもいいじゃないかと言い出してしまうのです。

コメディタッチの作風で、バランスもテンポもよく楽しく読める漫画です。もちろん、2人が付き合い出してからの葛藤もしっかりと描かれており、特に文博がゲイと自覚した当時の悩みを話すシーンは、とても切実で、読み手もドキリとさせられます。

とにかく2人のバランスがいいので、じっくり考えされられつつも、面白いところは思い切り笑える作品です。

 

1位:ねこ田米蔵の人気シリーズ!正反対すぎる2人のラブストーリー『酷くしないで』

 

シリーズものといえば、『酷くしないで』も有名です。連載が長く続いており、他にスピンオフとして、真矢の家庭教師・小鳥遊彰のコミックも出ています。

奨学生である眠傘は、学業を第一優先し、毎日勉強づけの日々です。付けられたあだ名は「メガネ君」。奨学金のため、次のテストで順位を落とすわけにはいかない眠傘は、自分自身を追い込んでしまった挙句、カンニングに手を出してしまいます。しかも最悪なことに、遊び人の真矢に見られてしまい脅されることに…。

秘密を守る代わりに関係を強要され、ずるずると真矢との関係を続けてしまいます。

 

著者
ねこ田 米蔵
出版日
2016-10-08

 

初めは真矢に脅されて関係がスタートします。ですが真矢はなんだかんで眠傘を大切にしており、自分のせいでテストに遅刻しそうになり、眠傘に責められた時などは自ら身を引いたりします。脅している真矢の方がなんだか気の毒になってくるような展開が多く、BL漫画でもこの設定はかなり新鮮です。

当の眠傘はとにかく鈍い。第一優先がいつも「勉強」で、真矢がなかなか報われません。そのため2人はいつもすれ違いばかりです。真矢の一途な思いが報わるまでやきもきしますが、眠傘も少しずつ2人の関係性を考えだすなど進展があります。

2人の気持ちが噛み合い、ゆっくりと愛を育んでいく過程が描かれた、大変読み応えのある作品です。

 

いかがでしたでしょうか。今回紹介した作品以外にも、『オトナ経験値』など面白い作品はまだまだございます。ねこ田米蔵の作品には単純で鈍い子が多く登場しますが、そんなキャラクターたちの成長も見事に描かれており、ストーリーとしても十分読みごたえあります。ぜひこの機会にねこ田漫画を読んでいただきたいです。

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