Pixivをご存知でしょうか?様々なジャンルの作品が投稿されているオンライン・コミュニティです。投稿作品は絵から漫画、小説などなど多岐にわたります。今回はPixiv内で人気を誇り、コミック化した作品をランキングで紹介します。
自分のイラストや漫画、小説などの作品を投稿し、他者の作品も閲覧できるオンライン・コミュニティです。他ユーザーの気に入った作品をブックマークすることで、ユーザー同士の交流も楽しめます。
人気のある作品は出版社から書籍化されるなど、Pixivから活動の幅が広がり、作家デビューするユーザーも増えてきています。簡単にネット投稿できるので、従来のようなわずらわしさもなく、作品つくりに集中できるのも利点です。
もちろん、作品を投稿しなくても閲覧のみでも大丈夫!好きな時に好きなジャンルを検索して、自分のお気に入り作品を見つけたり、新しいジャンルを開拓したりと楽しみ方は色々です。
手が触れると静電気が起こるなど、少女漫画でもよくある設定だと思います。しかし、この『イナズマクリティカル』では、触れると稲妻のような衝撃が起こります。かなり激しめです。しかも攻めの三珠にだけで、受けの渡やほかのクラスメイトには何も起こりません。なぜか三珠と渡が触れたとき、三珠にだけ稲妻が走ります。特に仲良くもなかった二人が、稲妻をきっかけに仲良くなり、恋に発展するストーリーです。
- 著者
- 楢山 とおる
- 出版日
- 2014-09-16
よく人を観察し分析をしている三珠は、見た目は今どきの男子高校生です。ある日、普段は気にもしないクラスメイト・渡に触れたとたん、なぜか電流が体中に流れるようになります。しかも、困ったことに文化祭でやる社交ダンスのペアになってしまい、二人は何とかしようとしますが……。
始まりはコメディタッチで笑えるのですが、徐々にシリアスな展開になっていきます。お互いのことを知り、恋愛感情をそれぞれが抱くのですが、面白いほどにスムーズにいきません。また、お互いが自分の気持ちを押し殺して、友人関係を続けようとする描写では、じれったくて胸が締め付けられます。2巻に渡り、二人の恋愛模様がここまでかというほど丁寧に描かれています。ようやく二人が通じ合えたシーンでは、思わず感動すること間違いありません。
大学生の春野がハマっているものはオンラインゲーム。そこで出会った「まおちゃん」と仲良くなり、二人でオフ会をすることになります。ゲーム上で会うたびに、「まおちゃん」の優しさや可愛らしさに好感を抱いていた春野でしたが、友人の「ネカマじゃないか」の一言に少し不安になってしまいます。結局「まおちゃん」会いたさに待ち合わせ場所に向かいましたが、現れたのはなんと同じ大学のイケメン・鈴木でした。前々から無口な鈴木に対して、苦手意識があった春野ですが、彼の意外な面を知り、少しずつ気になっていきます。
- 著者
- ゆうぎ
- 出版日
- 2017-04-10
この作品の魅力は「ギャップ萌え」です。王道なこの設定をどう物語に繋げていくかで、作品の良し悪しが分かれますが、作者は設定を上手く物語に組み込んで描いており、特に鈴木の見た目と性格、鈴木のイメージと「まおちゃん」の二つのギャップで、鈴木の魅力をふんだんに表現しています。
ストーリーだけではなく、絵のクオリティがとにかく高い作家です。細部にわたって綺麗に描いているのがすごいところ。評価が高いのもうなずける作品。二人のじれったい恋模様と、恋を自覚する二人の表情に注目です!
商業誌でも実力を発揮している作家・おげれつたなかが描くドタバタ学園ストーリー。作家個人が、Pixiv内にて連載していた作品をコミック化してものです。商業デビュー時から、作画やストーリー展開まで評価が高い作家だけあって、Pixiv投稿作品もクオリティはお墨付き!ぶっ飛んだ題名と内容に驚きつつも、一度読むと手が止まらなくなります。
- 著者
- おげれつ たなか
- 出版日
- 2016-03-24
全寮制の男子校に入学した遠野は、運動も苦手、勉強も苦手な普通の高校生です。同じクラスの矢口に恋をしながらも、運動音痴なため一緒の部活は無理だと諦め、そんな自分が入れる部活だと「写真部」を選びますが、ここから遠野の不幸が始まります。何も知らない遠野が部室を開けると、そこには異様な光景が広がっていました。そうここは、写真部とは名ばかりの通称「ヤリチン・ビッチ部」だったのです。強制的に入部させられた遠野と、同じく入部させられた加島の二人は、キャラの濃い5人の先輩たち囲まれて、波乱万丈な高校生活を送ることになります。
頭のねじが3つも4つもぶっ飛んだ先輩たちが魅力的です。先輩みんなが性に開放的なので、下品な描写はとにかく多いですが、絵がきれいなのと、全体を面白おかしく描いているので、意外に抵抗なく楽しく読めます。部内での恋愛や、好きな子の前だと暴言を吐いてしまう先輩など、高校生らしい恋愛模様も描かれており、笑いの中にもシリアス要素が盛り込まれるなど、ストーリーとしても大変読みごたえのある作品です。
主人公・中原は、金髪にピアス、常に単独行動で一匹狼を気取っています。ですが、本当の姿は真面目で要領が悪く、正義感の強いアイドルオタクです。要領よく手を抜きながら、得をしているクラスメイトたちを「クズ」だと内心で罵倒する日々。特に一番嫌いなのは、同じ中学出身の五十嵐でした。
- 著者
- イサム
- 出版日
- 2015-12-29
五十嵐は、中原とは正反対のタイプで、不真面目でセフレまでおり、学校もサボりがちです。そんな五十嵐と二人きりになった時、高校デビューだと指摘され、怒りが沸き上がり思わず「お前の方がクズ」だと言ってしまいます。ですが、五十嵐は意外な反応をして……。
根暗だった中原は五十嵐をきっかけに、いろんな人と出会い、少しずつ成長していきます。そして、嫌な過去からも目を背けず向き合う姿がまぶしいです。そんな中原を見て、五十嵐にも変化が現れます。正反対の二人が交流することで、自分の弱さを受け入れ成長していく過程が見どころです。また、中原への気持ちに気づいた五十嵐の苦悩も丁寧に描かれています。友情と恋愛で揺れ動く、二人の日常に目が離せません。
1位に選んだのは、他の漫画とは少し趣向の違う『凪子の話』です。男同士の純愛を、女性の視点から描いた作品で、BL漫画で描かれることの多い、際どいシーンは一切ありません。触れ合いもほぼなく、両片思いの描写のみです。過激な内容や、コメディものに慣れてしまった方には、かえって新鮮に読んでいただけると思います。
- 著者
- 後藤
- 出版日
- 2016-12-23
主人公・凪子が出会ったのは、学校の有名人・和也とその幼馴染の浩平。真面目で優秀な和也と、軟派で明るい浩平、そして控えめで大人しい凪子の3人は、ちょっとしたきっかけから、どんどん仲良くなっていきます。優しくて穏やかな和也のことを、凪子が好きになるのに時間はかかりませんでした。けれど、凪子は気づきます。彼の特別な人が誰なのか。そして、その時から彼女の苦しい片思いが始まります。それぞれ秘めた思いを隠しつつ、3人の関係は社会人になっても続きます。それはこのまま変わらないはずでした。凪子が病気になるまでは……。
このお話は、女の子の凪子が主人公。BL漫画ではあまりない設定で、微妙に思われるかもしれませんが、それがこの作品には不思議とぴったり合っているのです。控えめで優しい凪子の視点から見る、男同士のもどかしくて切ない純愛に胸が詰まります。
切ない気分にじんわりと浸りたい方、『凪子の話』おすすめします。
今回ご紹介した作品は、どれもPixivで人気があり実力を評価されて、コミック化したものばかりです。作者の描きたかった内容100%で構成された内容にこだわりが感じられます。また、Pixiv内には面白い作品がまだまだありますので、ぜひこの機会に覗いてみてください。