長新太のおすすめ絵本5選!柔軟な発想で楽しめる物語

更新:2017.4.19

絵本の常識の枠を超えた奇想天外、斬新、予測不可能な長新太の絵本に大人も子どもも夢中になります。理屈抜きに大笑いできる作品ばかりです。

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長新太はナンセンスの神様

長新太は1927年生まれの漫画家であり、絵本作家です。2005年に亡くなるまで数多くの本を世に生み出しました。

「ナンセンス絵本の神様」との異名をもつほど、今までの絵本の概念を大きく打ち破る奇想天外、ユーモアに溢れる作品が多く、子どもはもちろん、大人もその世界にのめりこんでしまうでしょう。

イラストも特徴的で、子どもの落書きの延長のような絵だったり、空が青ではなく黄色やショッキングピンクだったりと独特の色使いで、不思議な世界観をより際立たせます。

絵本を読んであげるのではなく、童心にかえって子どもと一緒に長新太ワールドに飛び込んでみませんか。

今日はどんな風に読もうかな?長新太が描く冒険絵本

最初に紹介する絵本は『ごろごろにゃーん』です。

魚型の飛行機の乗客は猫。飛行機が飛び立つと、UFOに遭遇したり、クジラに食べられそうになったり、いろいろなトラブルに巻き込まれそうになります。

この絵本の驚きは、最初と最後のページ以外どの場面でも「ごろごろにゃーん ごろごろにゃーんと、ひこうきはとんでいきます」の一文なのです。繰り返しが大好きな子どもは「ごろごろにゃーん」と言いながら、すぐに絵本のとりこになるでしょう。対象年齢が2歳以上ですが、繰り返される「ごろごろにゃーん」という言葉に赤ちゃんでもにこっと反応します。

著者
長 新太
出版日
1984-02-15

この絵本、イラストに注目してみてください。緻密な線で描かれているイラストにも関わらず、飛行機に襲いかかる数々の試練に緊迫感すら感じられるかもしれません。

また、魚型飛行機と他の物の大きさを比べてみると、あれ?この飛行機どんな大きさなんだろう?と頭の中がこんがらがりそうな不思議な感覚に陥るでしょう。そして、飛行機の窓から覗かせる猫たちの表情にも注目してみてください。くすっと笑えること間違いなしです。

文章ではなくイラストからストーリーを読み解いていく、まさに絵本の中の絵本と言えるでしょう。

「ごろごろ にゃーん」と脱力したセリフとは裏腹に、飛行機にはありえないことが起こっているそのギャップがおもしろい冒険絵本です。日によって、違ったトーンで読んでみたり、抑揚をつけてみたりと、同じセリフでも異なる読み方をして楽しんでみてください。

会話のキャッチボールに大爆笑

次に紹介する絵本はシリーズ全5作ある人気の絵本『キャベツくん』です。

お腹をすかせたブタヤマさんに食べられそうになったキャベツくんは「ぼくをたべると、キャベツになるよ」と言って、鼻がキャベツになってしまったブタヤマさんを空に浮かべます。驚いたブタヤマさんは「じゃあ、へびが食べたら?」「たぬきが食べたら?」「ぞうが食べたら?」と次々と他の動物を連想していくのです。

著者
長 新太
出版日

黄色の空に青い森、緑のキャベツくんという独特な色使いのイラストから不思議な世界に引き込まれていきます。その中で繰り広げられるキャベツくんとブタヤマさんのリズミカルなかけあいやキャベツになった動物たちの滑稽な姿に子どもたちは大喜び。

そして、ブタヤマさんが驚くたびに出す「ブキャ!」という声にも大爆笑するでしょう。最後は優しいキャベツ君にほっとするお話です。「どんな動物になっちゃうのかな?」とページをめくって、その想像を超えた動物たちの姿に親子で大笑いしてください。読むというより空想を楽しむ絵本です。

読み終わってもお楽しみの時間は続く!長新太のファンタジー絵本

続いて紹介するのは『ぼくのくれよん』です。主人公の「ぼく」は象。猫ほどの大きなくれよんで、のびのびと大きな池やバナナを描いていきます。その池やバナナを本物と勘違いした動物たちが大慌て!読んだ後にお絵描き遊びをしたくなるカラフルでファンタジーな作品です。

著者
長 新太
出版日
1993-04-09

普通の絵本なら象が描いた池にカエルが飛び込んだり、水遊びしたり……となるところが、この絵本の中ではそうはいきません。あくまで絵なのです。象が絵を描くという空想とその象が描く絵の現実が見事に融合し、独特な世界に引き込まれていくでしょう。

そして、何と言っても1番のお楽しみは最後。象が持っているくれよんで絵本の中には使われていないくれよんが何個かあります。それをお子さんに「何色のくれよんが残っているかな?」「何描いてみたい?」と聞いて、読み終わってからも親子のオリジナルストーリーを作ってみてください。

絵本の続きを考えることで子どもの思考力が培えるとも言われています。楽しみながら、お子さんの無限の発想力を引き出してみてはいかがでしょうか?

恐い?面白い?これぞナンセンス絵本

続いての絵本は『なにをたべたかわかる?』です。黒と黄色のみで描かれているので、目立つ絵本ではないかもしれません。でもぜひ手に取ってみてください。驚きとホラーな世界が待っています。

ねこが大きな魚を釣って持って帰る途中、釣られた魚に近づいた動物はぺろりと食べられてしまうのです。魚が色んな動物を食べるたびにどんどん重くなってきて、ねこが持ち上げきれず、最後はねこ自身が魚の近くに近づいてしまい……。

著者
長 新太
出版日

小さな動物からゴリラまで魚にどんどん丸飲みにされてしまう衝撃の絵本ですが、子どもたちは「危ないー!」「えー!これも?」とハラハラしながら、夢中になっていくでしょう。そして、こうなるだろうなという大人の予想をやっぱり裏切ってくれる斬新で、少しブラックユーモアな物語です。

この絵本は1回読んで終わりではなく、必ず最初からじっくり読み返したくなる秘密があります。それは読んでからのお楽しみ。

すべてを忘れて心を無にして読みたい!

最後に紹介するのは長新太の『ゴムあたまポンたろう』です。タイトルのインパクトからどんな絵本?と思わず手に取ってしまう人も多いでしょう。頭がゴムでできた男の子が山にポンとぶつかって弾んだり、大男にバッドで打たれてポンと飛ばされたり、ボールみたいにいろんなところに飛んでいって世界一周するという奇想天外な物語です。

著者
長 新太
出版日
1998-03-25

大人の視点からはかなり突飛でシュールなお話なのですが、子どもたちはそんなことお構いなしに、次はどこに飛んでいくのだろうとワクワクしながら夢中になっていきます。ゴムあたまポンたろうが行く先々で飛ばされる様子に子どもたちは大笑い。

常識で凝り固まった大人には最初はこの世界観になかなか入れないかもしれません。とにかく難しいことを考えずに、ゴムあたまポンたろうがポンっと空を飛ぶように、頭を空っぽにして自由に楽しんでみてください。読んだあとに、流されるままにいればいいのか!と頭と心をスッキリさせてくれる長新太の傑作です。

以上、長新太の人気シリーズから斬新でブラックユーモアな絵本などをご紹介しました。仕事や家事に行き詰ったとき、不満や愚痴を笑いに変えてくれる。そんな長新太ワールドに皆さんも迷い込んでみませんか?