2016年11月時点で累計120万部を突破した人気少女漫画『春待つ僕ら』。ぼっち少女がイケメンだらけの逆ハーレムな高校生活を送るというストーリーでファンを増やしました。 今回は本作の人気キャラをご紹介!最新9巻までのネタバレを含みますのでご注意ください。
本作の主人公・美月は冴えないコミュ障の女子高生。彼女は学校で友達ができず、孤立していました。そんな彼女の日々を変えたのが同じ学校のイケメン集団のバスケ部員。
モノクロだった美月の高校生活は個性豊かなバスケ部4人組に美月の幼馴染と、よりどりみどりで色々なタイプの美男子によってカラフルに彩られていきます。ひとりひとり全くキャラが異なり、ひとりひとりが乙女ゲーをやっているかのような錯覚に陥るほどの完成度の高さです。
ストーリーの本筋は美月がバスケ部の永久という少年と幼馴染のあやとの間で揺れ動くというもの。イケメンたちに囲まれた環境でさらに三角関係に悩まされるという何とも羨ましい展開にドキドキしてしまいます。
主人公の美月は高校入学後周囲にうまく溶け込めなく、3週間が経ってもいまだに友達がいないぼっち女子高生。寂しい学校生活ですが、カフェでのバイトが憩いの場となっていました。
そんなある日、イケメン揃いだとファンが多いバスケ部のひとり・竜二に呼び出され、告白されそうになるのですが、何とただの人違い。同じカフェの店員である美人のナナと間違えて呼ばれたのでした。
それをきっかけに美月は彼らと仲良くするようになり……。
本作の魅力のひとつは感情移入しやすい主人公、美月。友達がうまくつくれない、いじられキャラと少し残念な設定の彼女は、バスケ部4人との出会いもかわいそうな展開にさらされています。
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2016-12-13
カフェでのバイト中にバスケ部のイケメンのひとり・瑠衣に呼び出される美月。「大事な話」と聞いて行ったその場で、照れた顔で近づいてくる竜二に美月は告白だと感づきます。そしてうつむきながら竜二の言葉を待つのですが、なぜか何も言ってきません。そこでふと顔をあげると、そこにはキョトンとした竜二の顔が。
「こいつじゃねぇーーー
俺さんざん言ったよな!?『女神のようにキレイな店員さん』だって!
あれのどこが女神だよ瑠衣!!」
「店にはあんなのしかいなかった!
竜二の説明が悪い!!なぁ恭介?」
「いや普通は疑問に思うだろ
あのコじゃ情報より質素すぎる
…って永久でも気づくよな?」
「ああ あの程度ならうちの学校にだっている」
(『春待つ僕ら』1巻より引用)
「あれのどこが女神」、「あんなの」、「質素」、「あの程度」……。初対面の割に随分バシバシ言ってくるイケメン集団です。やいやい言う彼らにいつまで無視しつづけるのかと声をかけた美月に、彼らはこうトドメを刺します。
「もっと可愛い店員さんいるよね?
ここ連れて来てくんない?」
(『春待つ僕ら』1巻より引用)
やめて!美月のHPはもう0よ!!かわいそうすぎます。
しかしこの垢抜けなさが感情移入できるポイント。そして彼女がこれから永久への恋心を守り続け、不器用に努力する姿より応援したくなるものになるのです。普通で冴えないけれどやっぱり重要なヒロイン、それが美月なのです。
美月と同じクラスでありながらも彼女の存在を知らず、基本的に無表情で何を考えているのか読みづらい永久。身長170cmでバスケ部でのポジションはシューティングガードです。
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2014-07-11
永久は天然女心キラーなところがあるキャラです。ある日、帰り道が途中まで同じだということで一緒に帰ることになった美月と永久。その途中でバスケのことを嬉しそうに話す永久を見て、美月がこう言います。
「…いいなぁそういうの(中略)
これがあれば強くいられる みたいなの 私もほしいよ」
(『春待つ僕ら』1巻より引用)
その会話の途中でちょうど電車がきます。車内は人でいっぱいの帰宅ラッシュ。電車の中で抱きしめるような形になる永久。しかしそのことはあまり気にせず、彼は先ほどの話の続きを始めます。美月の人の良さが回り回って、その人を大事にしようという気持ちが彼女を強くするのではないかと言うのです。そういう大事な人こそが、彼女の強さをつくるきっかけになるのではないかと。
「気づいた時にはもう ちゃんといたりするよ」
(『春待つ僕ら』1巻より引用)
美月が永久を意識し、大事にしたいと思うような存在にゆくゆくはなっていくという伏線とも捉えられる言葉です。密着した状態で近くでこんなことを言われたらノックアウトしてしまいます。それにしてもこんな状況でもあまり表情を変えないのが永久らしいです。
美月が小学生の頃、悩んでいた時期に救ってくれた大事な友達、あや。彼はその名前と整った顔立ちから美月に女の子だと思われていました。
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2016-07-13
ある日、バスケ部の応援に来た美月はみんなのために焼いてきたクッキーの中で、永久に渡そうと思っていたものだけ無いことに気づきます。探しに行った美月とそれを追いかけて来た永久は何だかいい感じ。そこで美月は永久への思いを自覚するのですが、その途中でひとりの少年に声をかけられます。
「…彼氏?
久しぶり美月 まさか男ができてるとは 成長したんだね
俺だよ『あや』…覚えてないの?」
(『春待つ僕ら』1巻より引用)
そこにいたのは美月の想像していた「あや」とは異なる長髪イケメンでした。
この言葉の端々から感じられるように、少し強引なところのある彼。そして一見美月に興味のなさそうな言葉をここではかけてくるのですが、実はこの後美月にぐいぐい迫ってくるようになるのです……。
文化祭前日になって倒れてしまった美月はあやに助けてもらい、彼の家で目を覚まします。先ほどまでいたという彼の母親もおらず、家の中はふたりきりのようです。それを聞いて焦る美月を見て、あやはこう言います。
「一応警戒心とかあるんだ えらいえらい」
(『春待つ僕ら』7巻より引用)
余裕の言葉です。それに対して少しムッとしながらもそういうところが確かにあると反省した彼女は気をつけると言います。そしてここまで運んでくれたことについてあやにありがとうと言いました。
あやは「いいよそんなの」と言ったあと美月にくっつき、肩にもたれかかります。焦りながらも仕方なしに「じゃぁ10秒だけ」と美月は言うのですが、彼はそれをやめるどころか更に彼女に近づいてくるのです。
あやちゃーーーん!!かっこよすぎて鼻血が出てきます。
しかしちょうどその場に居合わせてしまった母親によってカットイン。あやは小声で母親に助かったと言います。
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2017-05-12
そんなことがあった彼の家からの帰り道、美月は「これからはちゃんと男として見てほしい」というあやの言葉を思い出し、彼のことをちゃんと見ようと決意するのです。あやはそんな彼女を見送りながら「好きだよ 今も昔も」とつぶやきます。
文化祭1日目はあやが乱入して永久と火花を散らせる場面があったり、四天王たちのギャグシーンがあったりしながら過ぎていきました。あやとバチバチになった永久はもともと美月に告白しようと思っていましたが、更に決意を固くします。
そして文化祭2日目。文化祭が終わったあと、永久に呼び出されていた美月ですが、友達とのカラオケに誘われます。彼は彼女に「行ってきなよ 〜〜〜し」と聞き取れないほどの声で言い、去っていきますが気になった美月は彼を追いかけ、何と言ったのか聞きます。
「いつでも帰れるし」と言ったと伝え、またしても去ろうとする永久をつかまえ、美月は一緒に写メを撮ろうと誘います。彼女が撮った写真を彼の携帯に送っている時、彼はまっすぐにその目を見てこう言うのです。
「俺 美月のこと好きなんだ」
(『春待つ僕ら』7巻より引用)
ゴーーーーーール!!!!!ついに永久が美月に告白しました。
6巻でキスをされたとはいえ、「たいしたことない」と言われてしまった美月は衝撃を受けてついへたり込んでしまいます。そしてこう考えるのです。
「今までで一番ドキドキして朝倉くんの顔が見れなかった」
(『春待つ僕ら』7巻より引用)
ついに永久とあや、どちらからも告白された美月。この後3人の関係はどう動いていくのでしょうか?
ずっと大好きだった人と、ずっと大切にしてきた幼馴染に告白された美月。心が揺れ動くものの、それはあやを男として見ているからというよりは、今まで大切にしてきた相手を無下にできないからという理由からでした。やっぱり永久に一途ですね〜。
そのまま美月は返事ができずにいたのですが、いつものメンバーとあっている時に、永久は、まだこのままでもいいと言うのです。「部活もあるし」と。いやいやいや、それとこれとは違うだろ、というツッコミどころもありますが……。
そのあとは、なぜかそこにいるメンバーで美月を褒め倒すという謎の展開。イケメン4人にここまで愛されて、羨ましさしか感じられないです。
しかもそのあと、ストーリーは永久の家にお邪魔するという、ドキドキの展開で……。
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2017-10-13
8巻では、美月が誰もいない永久の家にお邪魔し、ドキドキ!かつ、そこで彼の家庭環境や過去を知るというシリアスな内容が描かれます。
2人っきりで永久の部屋で……という流れも見所ですが、やはり永久の知られざる事実が明かされる内容が本巻最大の見所でしょう。
彼のおじいちゃんも登場し、永久と家族との絆、それを受けて彼と美月の仲が深まっていく様子に胸がジーンとしてしまいます。
しかし、あやの美月へのアプローチも止まりません。本作は当て馬キャラである彼の人気が高いであろう作品ですが、8巻は彼のファンにはたまらない、キュンキュンさせる名シーンも多数収録されています。美月にはそのつもりはほとんどないようですが、やっぱり、あやちゃん、かっこいいです。
あやのことが友人として大切だと思うからこそ、無下にできずに告白の返事ができずにいた美月。しかし、彼から衝撃の言葉を言われ、ますますどうしていいか困ってしまいます。
そして、彼から気持ちを伝えられたことを永久に言わないのはよくないと感じた彼女は、そのことを明します。付き合ってと言われた訳ではないので、伝えようか迷っていたと話す美月の言葉を聞き、永久は手強いな、とつぶやきます。
しかし同時に、それも込みで好きになったから、とつぶやくのです。イケメンすぎィィ……。さらに、あやからの告白も含め、何があってもまっすぐいようと思ったからこの話をしたと言った美月に、それは俺に向けて「まっすぐ」ってことだよね、と確認し……。
萌え禿げさせるつもりか。
- 著者
- あなしん
- 出版日
- 2018-03-13
それを受けた美月は、今すぐに答えは出なくても、今できるまっすぐな対応をしようと決意を新たにします。そしてあやに連絡をとるのでした。
以前、あやにどっちつかずの態度はどちらも傷つけるよ、と冗談交じりに言われ、本当にその通りだと考え込んだことも思い出す美月。もちろん気遣い上手のあやのことですから、俺は気にしないけどね、というフォロー付きですが。ほんっと、どこまでいい男なんだ……。
しかし、やはりこのままで良いという訳ではないでしょう。美月は彼とちゃんと話をつけようと考えるのですが……。
ここからが、まさかの展開です。なかなかこの三角関係に白黒つく日まではまだありそうな本作。あやちゃん推しも多いことでしょうし、それもありなのかもしれませんが、やきもきもしてしまいます。
また、その他にも9巻は竜二とナナの恋物語にも決着がつくエピソードも収録。これまた男前な対応をする彼の最後の強がりに注目です!
3人の三角関係はどんどんヒートアップしてきた、最新7巻。だめ押しの永久の告白まで展開され、ついに物語が動き始めました。果たして8巻では彼らはどうなってしまうのでしょうか?