絵本/児童書

小学生におすすめ、読書感想文が書きやすい本5冊をご紹介!【学年別】

更新:2020.11.30 作成:2017.6.26

普段から本を読む子でも、自分の感じた事を文章にしようとすると難しいと感じてしまう事も多いでしょう。大事なのは楽しむ事ですが、それを後で形にできるか、というのはまた別の話になってきます。そこで、色々な感想を持たせてくれる本を集めてみました。

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【1~2年生向け】小学生にも伝わる、思いやりの心。

クマタの宝物は、何度も何度も読み返すほど大好きな絵本。そこに登場するキツネは、自分の1番の宝物を友達へプレゼントします。そのシーンはクマタにとって、尊敬できる、素晴らしいシーンでした。

自分にとって大切な絵本を手放すなんて、とても出来ないよ、と絵本の中のキツネに語り掛けるクマタ。しかしそんな彼にも、誰かに自分の大切なものを贈るということを真剣に考える時がやってきました。

そのきっかけは、隣の村が大雨のため浸水してしまい、クマタの友達が「僕たちの本をおくろう」と決意したこと。クマタが贈り物として出せる綺麗な本は、毎日読み返している、あの大切な絵本しかないのでした。
著者
["森山 京", "鴨下 潤"]
出版日
2012-11-30
絵本のキツネの行動が、クマタには「大事なものを自ら手放す」というように見えたから、キツネの事をすごい、と感じたのでしょう。特にクマタにとって、その絵本は毎日読み返すほど大切にしている宝物。読みながら、もしも自分の絵本がなくなったら……。と想像すると、寂しい思いになってしまうのです。

クマタは贈り物をするにあたって、それはもう真剣に考えます。受け取る相手がどんな状況にあるか、どんなものなら喜ばれるか、とても自然に相手の身になって考えています。クマタが相手思いの、優しい性格なのだということが表現されているのです。

とうとうクマタは、大事なものを誰かに贈るという選択をします。出来る事ならば、ずっと手元で大切にしておきたい程の宝物。考えて、考えて、その上で自分で贈ることを選んだのです。

同じように決断するかどうかは、きっと読者それぞれで異なる事でしょう。同じ本を一緒に読んで、楽しさを共有するのも良いでしょうし、クマタのように、心をこめてプレゼントするのも、非常に素敵なことです。

この本は、クマタの行いに感心するだけでなく、きっと自分の誰かとの関わり方を省みる良いきっかけとなるでしょう。

【2~3年生向け】読み継がれる名作だから、読書感想文向き

主人公は9歳の男の子エルマー。年寄りののら猫から、かわいそうなりゅうの子の話を聞きます。そのりゅうは、「どうぶつ島」に落ちてしまい、そこの動物たちから不当な扱いを受けているのでした。助けようと決心する彼は、リュックの中に身近なアイテムの数々を詰めこんで、猫と一緒にりゅうが捕らえられている、どうぶつ島へ向かう冒険に出発します。
著者
ルース・スタイルス・ガネット
出版日
1963-07-15
本にはしっかりと、エルマーたちの世界の地図が載っています。地図をチェックして、今エルマーはここにいるんだ、と楽しむ事ができるようになっているのです。未知の場所で、得体の知れない動物たちに遭遇する彼ら。本の風景を想像することももちろんできると思いますが、この地図を辿れば、臨場感をもって物語に触れる事ができるでしょう。

持ち込んだアイテムが一般的なものであることも、親近感を与えてくれます。ガムやキャンディ、輪ゴムなど、どの家庭にもありそうな物ばかり。こうした想像のしやすい物を使って、考えもしないような作戦を決行してしまいます。登場人物が自分に近くなることで、エルマーの行動に驚きと、親しみを感じられるようになっているのです。

馴染みのある道具などが多く扱われていますが、一方では現実世界で出会えないユニークな動物も登場します。島で待ち受ける動物たちはみんな特徴的で、色がストレートに表現されている事で、想像がしやすくなっているのです。

見た事も無いものや未知の状況へのワクワク感と、襲い来るアクシデントによるスリル。それに挑むアクションなど、めくるめく展開が読者を待っています。展開が気になり、一気に読み進めてしまうことでしょう。エルマーと共に経験した冒険を追うだけで色々な感想が沸いてくると思います。

【3~4年生向け】願い事を叶えるものは?

望みを書き込むと、きっと叶えてくれる。そう言って光平は、亡くなる前おばあちゃんに日記を貰いました。確かにそこに書くと、色んな願いが不思議なことに叶っていきます。その日記に、光平はまたいくつかの願い事を書きました。自分がなりたい姿と、誰かの切実な願い。そして、どうしても叶えたいある一つの願い。
著者
本田 有明
出版日
2012-08-07
書いたものが何でも本当に叶えてくれるなら、それは本当に魔法のような日記帳。誰でも、そんな日記があるのなら書いてみたい、と思いますよね。そんな誰にでもあるような願望が、この本を読んでみたい、という入口になってくれることでしょう。

光平はあまりしっかりした子供ではありません。片付けはしないし、おばあちゃんにもらった日記も最初は全然使わないでしまい込んでいました。もちろん願いが叶うなんて話も信じていないから、おばあちゃんが死んでしまってからその事を思い出した程です。しかし、日記に書いたいくつかの願い事が叶うと、だんだん日記の効力を信じるようになっていきます。

光平にはできない事がたくさんありました。泳げないし、勉強も苦手。これまでずっとできなかったから、できるようになるなんて思っていませんでした。しかし光平は、今年こそはと願い、日記にも書いて練習を頑張るようになります。さすがに、すぐに結果は出ませんでした。それでも結果的には、これまでよりずっと泳げるようになったのです。

魔法のしかけは、願いを意識する、ということでした。頭の中でぼんやりと抱く曖昧なものではなく、はっきりとどうなりたいかを考えることが、実現のためには大事だと教えてくれるのです。夢のような話ではありません。自分がどうなりたいか。この作品を読めば、一歩先の自分の理想を考える、良いきっかけになるかもしれません。

【4~5年生向け】読書感想文が書きやすい、盲導犬のノンフィクション

盲導犬を見たことがない人もきっと多いでしょう。見たことがあっても、どのようにして子犬が盲導犬になるのか知っている人は少ないと思います。

この本はそんな盲導犬クイールの一生を、それこそ子犬の頃から亡くなるまでをとらえたノンフィクションです。
著者
["石黒 謙吾", "秋元 良平"]
出版日
2015-06-10
読み始める前に、ここに書かれている事は本当にあったことなんだと意識された方が、今もこうして生きている犬がいる、と真剣に盲導犬について考え、読み進める事ができるでしょう。

一歩先も見えない目の不自由な方を導く盲導犬は、その重大な使命をこなすために多くの人の手に触れ、厳しい訓練を受けています。人から人へ渡るたびに、彼ら盲導犬は辛い別れに直面することでしょう。本作に登場する3人の親は、どなたも親としての愛情を犬に注いでいるからこそ、本当の親のように表現されているのです。ペットのいない家庭でも、家族とのお別れと考えれば、その寂しさは遠いものにはならないはずです。

盲導犬クイールは、親やクイールを必要とするパートナーに恵まれました。犬の12歳は人間で例えると60~80歳程。長い間人と一緒に暮らし、人のために働いてこられたのだと分かります。その生涯で育んだ絆の深さがどれだけのものかは、実際に読んで感じた方が良いでしょう。

ノンフィクションですが、時間の流れで変わった部分もあるかもしれません。もし盲導犬の今の環境に興味を覚えたなら調べてみると面白いでしょう。そうでなくとも、確かに当時、この通りの事実があったと知ることができます。種族を超えたパートナーの存在に思いを馳せる。その思いこそが、感想文を書くために一番大切なものでしょう。

【5~6年生向け】才能のもたらす孤独、才能が見せる未来

小学生ながら天才ピッチャーとして知られる巧。その才能ゆえにチームから孤立してしまっていた巧に、キャッチャーとしての体格に恵まれた豪は、2人で「最高のバッテリー」を目指そうと声をかけます。それから、2人の夢への挑戦が始まっていくのです。
著者
あさの あつこ
出版日
2010-06-22
主人公の巧はもうすぐ中学生。ピッチャーとして活躍し、自分の才能に強いプライドを持っています。しかしそのプライドの強さから我が強く表れ、周囲にも辛く当たってしまうのです。そんな巧を受け止めてくれる存在として豪が登場します。投げた球を、しっかりと受けてもらえる。2人の出会いは、まさしく歯車がかみ合ったような瞬間だったことでしょう。

しかし、2人とも中学生。家族や人間関係に悩みを抱え始める年頃です。誰だって頑張っている姿を、身近な人に認めてほしい。そんな当たり前の願望が、環境によってとても難しくなってしまっているのです。親にも、兄弟にも考えがあります。完全に望みに応えるのは、困難なのかもしれません。

巧ほどのプライドを持てる才能は、誰しもが持っているものではありません。だからといってその悩みは、理解しがたいものではないでしょう。完全に理解はできなくても、その境遇が辛い事だけは分かるはずです。だからこそ、野球で2人の息が合う瞬間、心に描き出されるものはとても清々しいものとなるでしょう。

感想文を書くには、その本に対していろいろ考える事が何より大切です。その事に対してどう思ったか、どう感じたか。その自分の感覚を大切に育てれば、きっと形になることでしょう。