青春漫画『青のフラッグ』の魅力をネタバレ紹介! 発売前から口コミで話題になり、2017年4月に1巻が発売されてから更に人気が出てきた『青のフラッグ』。王道の展開で読者を引き込んでくる昨今では珍しい作品です。 一度読めば絶対好きになるこの作品。アニメ化を望む声多数『青のフラッグ』の魅力をご紹介!ネタバレを含むのでご注意を。
KAITOによって、ウェブ漫画配信サイト『少年ジャンプ+』にて配信されていた漫画『青のフラッグ』は、第3回「次にくるマンガ大賞Webマンガ部門」で3位を獲得。
完結してもなおアニメ化を希望する声が多く、人気を呼んでいます。しかし、2021年8月現在アニメ化の情報はありません。
完結後もたゆまぬ人気の本作、ぜひアニメ化してほしいですね!
- 著者
- KAITO
- 出版日
- 2017-04-04
そんな人気の本作ですが、高校生の惚れたはれた四角関係の青春漫画。ストーリーだけを追うとただそれだけの本作。登場人物たちも特にこれと言って変わった設定はありません。普通です。
なのにとても好きになる。
この作品を表すのはこの言葉しかありません。とにかく読んでいると説明できないハマり感はあります。
四角関係ものにも関わらず清流のように清らかで、普通なのに目が離せない。一度やると飽きられてしまう王道というジャンルで燦然と輝くこの力は何なのでしょうか。今回はその魅力を考察してみようと思います。
- 著者
- KAITO
- 出版日
- 2017-08-04
切なすぎる四角関係。
本作を一言で表すとこう言えるかもしれません。青春特有の甘酸っぱい雰囲気の中で、切ない関係性がからまりあいます。
物語の主人公は平凡な少年・太一。モテモテだったり、スポーツに長けていたり、頭がよかったり…ということはなく、これと言って特徴はありません。
しかも友達も少なく、スペックも高いわ、好感度も高いわの幼馴染・トーマとも妙な距離が開くようになってしまいました。
しかしある日、クラスメイトの双葉からトーマのことを聞かれたのをきっかけに、彼女の恋愛相談にのることになり……。
本作は純粋な恋愛模様にキュンキュンしてしまう作品なのですが、その要をなすのがヒロイン・双葉です。彼女はとにかくまっすぐで、太一のアドバイスの通り素直に行動します。一生懸命頑張る姿には萌え萌えです。
彼女は作品の真髄である清らかさ、甘すっぱさを体現したキャラクター。何といってもあざとくないのがいいところです。あざと可愛いヒロインもいますが、すぐにお腹いっぱい感が出てきてしまいます。
その点、双葉は本当に自然。そして表情が秀逸です。ここからは彼女の秀逸なシーンを少しご紹介。
この表情を見て太一は自分の気持ちに気づかされます。そりゃぁこんなに臆面なく満面の笑みをする子がいたら惚れてしまいます。そして彼女は変顔もなかなか。
泣きそうになって堪えるというのは萌えポイントにもなりえますが、双葉は頑張りすぎて顔面センターになってしまいます。それもまた可愛いのですが。
しかし双葉の最大の魅力はハムスターっぽいところ。いつもおどおどしてちょこまか動く様子はキャラっぽく描かれることが多いのですが、たまにその「ハムっぽさ」が普通にヒットする時があります。
絶対柔らかいです、このほっぺ。女子高生のほっぺ……。細かい説明が不要の可愛さです。
百面相で喜び、悩み、不器用ながらもまっすぐに生きる双葉。彼女のこの純粋な性格こそがこの作品を表すものなのではないでしょうか。
本作で唯一ちょっと邪道とも言えるのが四角関係という設定。主人公の太一は双葉を、双葉はトーマを好きなのですが、トーマと双葉の親友・真澄の好きな人だけが明らかになっていません。
そしてそれこそがこの作品のキモ。ファンの間ではトーマは太一を、真澄は双葉を好きなのではないかというBL、GL展開を期待する声が上がっています。その理由は1巻のラストシーンが理由です。
トーマが太一に言った好みのタイプが黒髪であるということしか合っていないでしょうと彼に聞く真澄。
「だってあんたの本当に好きな人って
…ま」
それを聞いて真澄に壁ドンならぬ金網ガシャアするトーマ。荒いです。焦ってます。
「まさかそれ太一に言ったのか?
太一に オレが…」
そんなトーマを見て真澄は寂しそうに笑うのです。
「言ってない でもやっぱりね あんた
私と一緒だね」
意味深……!!確かにこの展開は腐っている方々でなくとも期待してしまいます。王道に挟み込まれるこの謎がいいスパイスになっており、また物語の核ともなっているのです。
- 著者
- KAITO
- 出版日
- 2017-12-04
ほとんどエロ要素がない本作で燦然と輝くのがケツシーン。
おっぱいの見せ場がほとんどないのに比べ、サービスシーンはなぜかケツが多いのです。おそらく作者はケツ派なのではないでしょうか。それはケツとおっぱいの扱いのこの差にも現れています。
トーマの好きなタイプを述べるシーンにも関わらず、情報が全く頭に入ってきません。素晴らしいケツ。美しいです。
それに対して巨乳のコマの小ささ。おっぱい派なら逆の表現方法でもいけたでしょうし、やっぱり作者はケツ派で確定ではないでしょうか。
双葉が貧乳だからということもあるかもしれませんが、巨乳キャラが出てきてもズームはしてくれません。サービスシーンの需要はケツで取ってくるタイプの作品です。
そのケツの美しさに、おっぱい派でありながらもケツもいいなと思う人も出てくるのではないでしょうか。
そしてこれ以降は2巻の見所シーンをご紹介させていただきます。この巻も青春のきゅんきゅんがたくさんありますが、シリアス展開が増えてきた見応えのある内容となってきています。
最新2巻でも様々な青春シーンで読者をきゅんきゅんさせる本作ですが、今回はもう太一がすっごい弄ばれちゃいます。
まずは何だかんだで仲良くなった4人が下校途中にアイスを食べて帰るシーン。この設定だけで十分萌えてしまうのですが、それだけでは終わりません。
みんなでアイスを買ったのですが、太一は食べるのが早い分、雑な食べ方で口の周りにコーンのカスがついてしまいます。なかなかどこか分からない太一に、双葉が、こう。
もちろん、周囲はこう。
気づくのが遅い双葉、可愛すぎます。
今にも太一の首を取りそうな勢いの表情を見せる真澄、それを横目で見つめるトーマ、無表情ながらも「くっそ くっそ」と心中で悶える太一。様々な思惑が交錯しています。
そして太一はまだまだ弄ばれちゃいます。それは2巻からセクシー担当になった様子の真澄さんから。彼女はアイスの食べ方も、恋について語りながら動かす手の仕草も、誘っているのだろうかと勘ぐりたくなるようなエロさ。
そして極め付けは……。
照れないわけがありません。「すり…」って……。
しかもこのやりとりの前に下の名前で呼んでよと言ってくるのです。こりゃぁ真澄フラグも立ていただきたいと思うようなシーンですが、彼をからかった後、真澄はどこか切なげな顔で「それが普通 …よね」とつぶやきます。
実はこの太一をからかうシーンで、彼女はある重要な発言をするのです。太一はすぐに日常に忙殺されて忘れてしまうのですが、真澄の本心が気になる見所のシーンです。
真澄がある大事な会話をしてるのですが、話し相手の太一はどこか上の空。それもそのはず、高い遊具で危なっかしく遊んでいる子供の親が見当たらないのです。
案の定そこから落ちてしまう子供。太一は心配そうに見ていながらも、結局落ちるまで何もできず、落ちた後もすぐに親が駆けつけたので表面上は何もしていないのと同じようになってしまいました。そんな彼を見て、真澄はこう言います。
「あんたって優柔不断でグッズグズなくせに 案外お節介よね
そんなことばっかりしてると本当に大事なところで選択謝るわよ」
真澄は自分の管理できる範囲の大切な人、そして自分自身で手いっぱいだから他の人まで見ていられないと言います。自分の器が小さいことは自覚しているけれど、そもそもちゃんと管理できなければ意味がないと語るのです。
真澄の言ってることは論理的に正しく、おそらくその方が確実な成果を出すことが出来るでしょう。しかし太一はこう言うのです。
「オレは逆だ…
その時のための 練習」
実は太一は過去に大きな後悔を抱えていました。それは小学校6年生の時。学校からの帰り道に彼は猫が轢かれる瞬間に立ち会わせてしまいます。まだ猫の息はあり、車が来ていないので助けることができました。
しかし幼かった太一は怖くてその場を走り去ってしまうのです。そして家で布団をかぶりながら、弱くて最低な自分に心底幻滅したと言います。
「だから次そういうことがあった時に迷わず飛び出せるように…」
こう言いながらもその姿はどこか頼りないもので、「全然成長できてねーけど…」と肩を落とす太一。しかし真澄は「きっと今なら大丈夫よ」と、無表情ながらも優しい言葉をかけます。
しかしこの太一の過去の後悔、正義感こそが、トーマの未来を壊す原因となってしまいます……。このあと波乱の展開が起こる最新2巻。その様子はぜひ作品でご確認ください!
道路に飛び出た猫を助けようとしてとっさに飛び出した太一をかばい、大怪我を負ったトーマ。甲子園を目前にして、骨折してしまいます。
トーマの夢であり、周囲の夢でもあった甲子園への道を断ち切ってしまったのだ、とさまざまなことを考える太一。どうしようもない気持ちでトーマに謝罪しますが、彼に逆にBL的、もとい男の友情を感じさせる言葉を投げかけられ、何かを小さくつぶやくと病室を飛び出していってしまいます。
- 著者
- KAITO
- 出版日
- 2017-12-04
太一に対して感情的に叫んだ後、「親友……だろ?」という後付けのようなトーマの言葉が意味深です。やはり四角関係にしか見えませんね。
そこにちょうどやってきた双葉は、トーマに頼まれ、太一のあとを追いかけるのですが……。
3巻では、四角関係の矢印(想いの方向)に変化が訪れます。全員片思いという切ない状況が動きますが、ことはそう簡単に運びません。
それにしても、太一と双葉の気持ちも切なくありますが、モノローグが描かれないトーマと真澄の気持ちの方が切ないような気もします。
もし本当にマイノリティな考えの持ち主だとしたら、「普通」に生きてきた太一と双葉よりも理解されづらい気持ちを抱えていることでしょう。4巻あたりから、もしかするとふたりの気持ちが明かされるシーンもあるのではないでしょうか?続きが気になります!