人気少女漫画雑誌「なかよし」で長年に渡り連載を続け、人気少女漫画家の一陣を築く遠山えま。刺激的なラブストーリーが多く、多くの女子をドキドキさせています。最近ドキドキが足りない!という方にオススメの5作品をご紹介します。
遠山えまは東京都出身の漫画家・イラストレーター。『ハートキャッチいずみちゃん』などで一静を風靡した漫画家、遠山光を叔父に持つサラブレットです。
小学生の頃から漫画にハマり、現在でも『らんま1/2』や『うる星やつら』など、高橋留美子ファンであることを公言しています。これがきっかけで漫画を描くようになったそうです。
それからもずっと漫画は描き続けていましたが、特にプロになるという思考はなく、あくまでも趣味の範囲でした。それが高校を卒業して一念発起!
「1年間でプロになるか、そうでなければ諦める」と決意し何度かの投稿をすると、2003年「なかよし」の新人まんが賞で特選を受賞。この賞は7年ぶりの該当者となり、鮮烈なデビューとなりました。
それ以降は「なかよし」を中心に連載。2008年頃からは少年・青年向けの漫画も描き始め、「電撃マオウ」「ガンガンONLINE」「まんがタイムファミリー」などにも作品が掲載される、幅の広い漫画家となっています。
刺激的な展開で読者を惹きつけ、常にドキドキさせてくれる作品ばかり。さらに絵も綺麗かつ迫力があり、読んでいて飽きることはありません。特にカラー絵が綺麗なことで有名。思わず表紙買いしてしまいそうになる作品ばかりです。
そんな魅力がつまった遠山えま作品。今回はランキング形式で5作品をご紹介します。
ペットブームの世の中。主人公の朝比奈タマエは、とあるペットを飼いたいと切望しています。それはある日無人島で発見された新種の生き物、ベビー。
丸くて小さくて可愛らしいベビー。しかしタマエは、ベビーを飼いたいと頼んでも母親から許可がもらえません。
- 著者
- 遠山 えま
- 出版日
- 2006-02-06
ある日、タマエはクラスメイトの陽介と3匹のベビーを見つけます。こっそりと飼いはじめますが、母親にバレてしまいました。「飼ってもいいけど条件がある」と……。
その条件とは、「次のテストで100点を取ること」。もともと勉強が苦手なタマエでしたが、大好きなベビーのため奮闘します!
陽介と友達の協力もあって100点を取れたタマエ。ベビーを飼ってもいいと許され、3匹のベビーに「ミミ」「ムム」「メメ」と名づけます。しかし、この3匹は他のベビーにはない不思議な力があって……。
ベビーの可愛さに癒されるお話です。リボンをつけていたり、頭がよかったり、たこ焼きを30個も食べたりと個性がそれぞれ!表情もはっきりわかって、とにかく可愛いキャラクターです。
タマエの友人もたくさん出てきますが、この友達もみんな個性があって仲良し。タマエのため、かわいいベビーのために、仲間たちが一丸となる友情にも注目です。
主人公はましろという少女。16歳ですがもっと幼く見える彼女には、とある事情がありました。実は3歳のときから窓があるだけの無機質な部屋に幽閉されているのです。
幽閉されている間切ったこともない、ましろの長い髪。実はその中には神様が封印されていました。髪の中に神様を封印して休ませる「神々返し」という儀式のため……。
- 著者
- 遠山 えま
- 出版日
- 2011-06-06
孤独の幽閉の中でましろを勇気付けていたのは、食事運びと髪を梳きにやってくる幼馴染の男の子・はやてと、窓からの景色と、少しの本を通じて知る外の世界への憧れ。
実はましろは分家の人間であり、本来この役目を負うはずではありませんでした。しかしひょんなことから神様が彼女の髪へと入ってしまい、元々その役をやるはずだった本家筋から恨まれていたのです。
神様が出てきたら自由になれるといわれていましたが、そこにも本家筋の策略が……。
しかしある日突然、髪の中から飛び出してきた2匹の生き物によって、ましろは部屋を飛び出すことができるのです。追いかけてきたはやてと共に、彼女は神社に身を寄せるのでした。
遠山えま作品にしては珍しいファンタジー作品。憧れていた外の世界に飛び出したましろたちの冒険と戦いが描かれます。
幼女ともとれるましろを筆頭にしたかわいい絵柄が特徴的。外の世界に目を輝かせるましろが可愛く、かつはやてや神様たちがかっこいいという、なんとも眼福な世界です。
つくりこまれたストーリーで少年少女から大人まで楽しめるところがオススメポイント!全8巻で完結しているので、長くもなく短くもなく、手に取りやすい作品となっています。
大人しくて地味、声も小さい高校一年生、麻陽。なんとかまともにコミュニケーションをとりたいと始めたのが、麻陽の叔母が経営している「聞き屋」という場所でのアルバイトでした。
質問もしない、アドバイスもしない。その代わりにひたすら人の話を聞くという仕事で人と関わることで、自分も変えたいと思っています。
- 著者
- 遠山 えま
- 出版日
- 2016-05-13
そんなアルバイト初日、初めてのお客さんとして現れたのは青葉という男の子。なんと麻陽と同じ学校に通い、さらに麻陽が中学生の頃から憧れている相手だったのです!
バスケが上手く、周りにも優しく人気者とまさにリア充の青葉。「聞き屋」は悩みを持つ人が多く来るため、麻陽はなぜ青葉がここにいるのかと疑問に思います。
青葉の話を聞いていると、普段のキラキラした姿からは想像もできない内容。衝撃を受けた麻陽は、思わず青葉に声をかけてしまい……。
まず「聞き屋」という設定が面白いです。確かに、悩みって人に聞いてもらうだけでもすっきりしますよね。更にそれで、聞いてくれた相手との絆が深まることもあります。
昔から青葉を見てきた麻陽が彼の悩みを聞き、なんとかしてあげたいとがんばる姿が健気です。引っ込み思案だった麻陽とひっそりと悩みを抱える青葉。そんな2人の成長ストーリーが見どころの作品です。
学内の才女であり生徒会長も務めるスーパー女子高生、四月一日(わたぬき)レイラ。彼女には2つの秘密があります。
まず1つは、実家がなんと「ラブホテル」だということ。登下校時にはわざわざ公衆トイレで着替えて変装するほど、周りには絶対内緒!
- 著者
- 遠山 えま
- 出版日
- 2015-02-13
そんなある日、レイラは食べ物を届けにホテルの一室に行くことに。そこで偶然はちあわせてしまったのは、同じ学校に通うゆるふわ系男子、三月終(さんがつおわる)でした。
ラブホに住んでいることがバレてしまってレイラは焦ります。秘密にしてほしいと頼むレイラに、終は1つ条件を出しました。それは「ここに住まわせてくれ」とのこと。
ゆるふわ系に見えた終ですが、実は超腹黒なのでした。レイラは仕方なくこれを承諾します。始まる2人の秘密の生活はどうなっていくのか?そしてレイラのもう1つの超ヤバい秘密とは?!
ラブホテルが主要舞台の1つなんて、斬新な設定ですよね。そんな舞台なだけあって、ハプニングから子ネタ、セリフにまで、下ネタがふんだんに……!しかし下品な感じなどはなく、ニヤっと笑えるものばかりです。
話は基本的に明るく、テンポよく進みます。でもそこはやっぱり遠山えま作品。2人の距離が縮まるシーンなどは思いっきりセクシーに描かれていて、ドキドキが止まりません!「秘密」がテーマの2人の駆け引きに注目です。
「絶対零度の雪女」と称される雪菜。目つきが悪く、メガネも頑なに外しません。滅多に表情も変えない、超クールな女子高生です。
そんな雪菜の裏の顔。それは、家に帰れば「ケータイ小説家」であることです。ユピナというハンドルネームで作品を書き、しかもそれが超人気!しかしある日届いたファンからのメールには……。
- 著者
- 遠山 えま
- 出版日
- 2009-10-06
「恋愛要素が足りない」と届いたメール。それもそのはず、雪菜は恋愛なんてしたことがありません。納得のいくものを書くには、実際恋愛をしてみないとわからない……そう考えている雪菜にある日チャンスが!
彼女は廊下で生徒手帳を拾います。それは好青年で超人気、女子にモテモテの時雨というクラスメイトのもの。しかし、実は性格が超サイアク!女の子をその気にさせ、モテればモテるほど快感。「女なんてチョロいぜ!」というスタンスだったのです。
生徒手帳を見てそんな秘密を知った雪菜。時雨に脅しをかけ、恋愛を知るために恋愛ごっこに付き合えといいます。こうして、お互いに好きでもない、偽物の恋愛ごっこが始まったのでした。
感情自体が少なくいつも冷静な雪菜と、裏表が激しすぎる時雨。この2人のかけあいが面白い作品。さらっと命令する雪菜になんとか報復してやりたい時雨、2人の関係性と会話は巧妙です。そして縮まっていく2人の距離にも注目ですよ。
しかしなんと言っても見所は恋人ごっこのシーン。手をつなぐこと、抱きしめること、そしてキスすることなど、恋愛を知るためにそんなミッションを時雨に課すのですが、実際は冷静に観察などできず……。色っぽく描かれる密着感、2人の緊張や心臓の鼓動までもが伝わるようで、胸と顔が熱くなること間違いなしです。
いかがでしたか?表紙絵の華やかさに目を奪われる遠山えま作品。手に取り読んでみれば、内容ももちろん面白い!一味ちがった舞台設定をつくることが上手く、今までに見たことのない展開のストーリーを見せてくれます。ハズレがないので、まずは好みの表紙から選んでみるのもいいですね!