猫耳、犬耳……拾った動物が次の日には人間に!?など、ケモノが登場するBL漫画はマニア向けではありながらも、人気を博しているジャンルです。今回は、そんなケモノが登場するBL漫画のおすすめ作品をご紹介いたします。
「ケモノ」ジャンルとは、元々はマニア向けのジャンルとして一部の方に支持されてきたジャンルでしたが、最近ではBLの中の一つの大きなジャンルとして人気を博しています。
ただし、一言に「ケモノ」と言っても、元々は動物だったのが急に人間に変化するものや、人と動物の両方の特性を持つ新しい種族が題材のものなど、形式は様々です。
そこで、今回はそんな「ケモノ」を題材としたBL漫画で、ぜひ読んで頂きたいおすすめの作品をご紹介します。
最初にご紹介するのは、左京亜也の『クロネコ彼氏のアソビ方』です。
人間と、猫の姿にもなれる猫科人間とが共存する世界が舞台となっており、そんな世界に住む主人公の猫科人間の真悟が、人気NO.1俳優の賀神に身も心もトロトロにされてしまうという、アダルトシーンが多めな大人向けの作品となっております。
顔と身体さえ良ければ、本能のままに相手を抱いてきたバリバリの攻であった真悟が、賀神の放つ雄オーラには敵わず、トロトロの受にされてしまう描写は大変エッチで見応えがあります。
- 著者
- 左京 亜也
- 出版日
- 2012-09-29
また、この作品における「猫科人間」という設定ですが、言葉通り「猫科」の特徴を上手く使用した描写が多々登場します。
猫舌はもちろん、「猫科」動物の性行為時の特徴などが本当にリアルに描かれているので、濃厚なエロティックさを求めている方には特におすすめな作品です。
次にご紹介するのは、鬼才・SHOOWAが描く、様々な種族が集う不思議な森を舞台に、その森の住人達の切なくも美しい恋模様を描いた『ニィーニの森』です。
SHOOWAの描く世界観は、どの作品もとても独創的で芸術性に特化しており、この『ニーニィの森』もその一つと言えます。
ニーニィの森は不思議な森。満月に願えば湖の妖精が願いを叶えてくれる、夢のような世界。人間は動物に、動物は人間に、種族を変えて愛おしい生を共に送っています。
人間とブタの恋や、カブトムシの恋、猫科のハーフを育てる狼の話など、一冊に様々なお話の入った短編集的な内容となっていますが、全てにおいて言えるのは「たまたま恋した相手が男だった」ということ。
- 著者
- SHOOWA
- 出版日
- 2014-01-25
最近では、こうした一見BLらしくない世界観で描かれるBL漫画というのは増えてきていますが、それでも、この作品は特にBL漫画の中では異色中の異色と言える作品です。
ケモノ耳や飼っていたペットが人間になるなど、ケモノBLの王道展開を好まれる方には苦手な要素が多いかもしれません。ですが、ストーリー性に優れた泣けるBL漫画を求めている方にはうってつけの作品と言えるでしょう。
次にご紹介するのは、三尾じゅん太の『森ボーイ』です。
獣と人間の両方の特性を持つ「ネオヒューマン」と呼ばれる種族と人間が共存する世界を舞台に、ケモノ×人間の可愛らしい恋愛が描かれた作品です。
この作品に登場する「ネオヒューマン」という種族は、人口のおよそ3%という非常に少数派な種族であるため、偏見や差別をを受けやすく、普段は獣の耳を隠すなどして人の姿で生活を送っています。
そんな世界の中で、そうした障害を乗り越えて様々な恋愛模様を見せていくキャラクター達が大変魅力です。
- 著者
- 三尾 じゅん太
- 出版日
- 2016-12-24
キュートでラブラブな話から切ない話まで、キャラクターごとにしっかりと描かれているので、「色んな話が読みたい!」などのちょっと欲張りたい気持ちの時におすすめな作品です。
次にご紹介するのは、九重シャムの『MOMO』です。
ドジっ子属性のあるどう見てもショタなレストランオーナーの流星と、興奮するとライオンに姿を変えてしまう「獣種」と呼ばれる人間のイケメンフランス人モモが、ラブラブの恋人模様を見せながら共にレストランを営んでいく話となっています。
この作品の魅力は「興奮するとライオンに姿を変えてしまう」モモが、ライオンの姿になっても流星へ向ける愛情に変わりはなく、愛し合うことを止められないというところです。
- 著者
- 九重 シャム
- 出版日
- 2014-03-29
九重シャムと言えば、「獣本来の姿」を取り扱うBL漫画好きの方にはお馴染みの作家かと思われますが、「ケモノ」ジャンルBLというのは、本当に幅が広く、様々な表現がならされます。
そんな中で、こうした「完全な獣の姿」を取り扱った作品は珍しいので、興味のある方はぜひ手に取って読んでみて下さい。
最後にご紹介するのは、フジマコの『しっぽふってついておいで』です。
吸血鬼と人狼が人間と共存する世界で、主人公の黒江は愛犬のシロを亡くし、失意のどん底にいたところ、路上に座り込んだ薄汚い青年と出会い、住む家も名前もないという彼を拾います。
しかし、青年は実は人間ではなく「人狼」であり、黒江は愛犬を失ったばかりの傷心を癒すように、彼にシロという名前を付けて愛犬の代わりとして共同生活をすることに。
この作品の魅力は、「吸血鬼と人狼が人間と共存する世界」というファンタジーな世界観ではあるものの、内容は比較的現実味を帯びているという点です。
主人公の黒江は、吸血鬼の社長が営むゲーム会社で普通の人間として働いており、他の吸血鬼や人狼達も人間と変わりなく社会生活を送っています。
- 著者
- フジマコ
- 出版日
- 2015-02-24
半ファンタジーな内容の面白さに加え、絵柄も美しく、何といってもシロのもふもふの耳と尻尾が可愛くて大変癒されるでしょう。
また、黒江とシロの甘々ラブラブな話に加え、後半は社長を主人公とした黒狼✕社長のちょっと大人向けな話なども収録されていますので、読み応えもありおすすめです。
「ケモノ」ジャンルは題材によっては、向き不向きがありますが、全体的に癒し系なものが多いので、癒されたい時に率先して読んでみると良いかもしれません。きっと自分に合った「ケモノ」ジャンルが開拓できるでしょう。