mebaeはアニメ『ブラック★ロックシューター』の原画を担当したり、また初音ミクや『エヴァンゲリオン』のヒロインアスカのイラストで人気のあるイラストレーターです。今回はmebaeがイラストを書いたおすすめのライトノベルを5冊ご紹介します。
mebaeは、ラノベの表紙やアニメの原画、キャラクターデザインまで幅広い分野で活躍しているイラストレーターです。アニメスタジオ「ポンコタン」では作画監督を務め、その代表作『SixHeartsPrincess』では有限会社カイカイキキの代表村上隆とタッグを組み、国外をも魅了する世界観を構築しています。
描き出されるキャラクターたちは、儚げな表情と視線が特徴的です。それぞれの魅力を適格にとらえて描ききっているイラストは、物語外のキャラクターの姿も読者に連想させるのです。そんなmebaeのイラストとタッグを組んだラノベをご紹介します。
『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』は、mebaeがイラストを担当したラノベの代表作といっていいでしょう。ラノベにはめずらしく、1巻完結なのですぐに読みきってしまいますが、もっと続けてほしいというファンの声も多い作品です。
タイトルから連想させる通り、妄想をテーマにくり広げられる学園生活。エンタメとファンタジー要素がかけあわさっていますが、単なる妄想で終わらせること無くキャラクター達を真摯に書き上げています。
- 著者
- 田中 ロミオ
- 出版日
- 2008-07-19
過去に中二病を患ったせいで辛い生活をおくった経験のある主人公の佐藤一郎。彼は高校への入学をきっかけに、真人間デビューをしようと決意します。ですが、いまだ中二病を患っているクラスメイトに振り回されてしまい、気づけば再びいじめられることに。
本作の魅力はクラスメイトたちを巻き込んだひと筋縄でいかない人間ドラマです。ただ良いだけの人はおらず、それが妙に現実的で、キャラクターと作品に命を吹き込んでいます。
クラス内の人間関係を予測し自分を演じて立ち回りながらも、真人間になる努力をしないクラスメイトに過去の自分を重ねて苛立つ主人公には、共感してしまう読者も多いのではないでしょうか。読み終わった後に表紙のイラストを見返すと、つい感傷に浸ってしまうラストになっています。
「安楽椅子探偵」とは、ミステリ作品でたびたび用いられる言葉で、事件の現場に行くことなく推理だけで解決してしまうことをいいます。本作で活躍するのは安楽椅子探偵ではなく、車椅子の探偵です。
主人公都築初のクラスにやって来たのは、車椅子に乗っている月見月理解。彼女はインターネット上の探偵殺人ゲームで名をはせている伝説的プレーヤーでした。
- 著者
- 明月 千里
- 出版日
- 2009-12-15
理解は俺様を自称するほど傍若無人で自分勝手。そんな彼女に初が振りまわされながら事件に関わっていきます。2人を惑わすのは犯人だけではありません。依頼主も、ときには被害者にさえ惑わされ、息つく暇も無い展開が続きます。
理解を含め、登場人物の何人かは他人の心を読んだり、触れるだけで相手が誰なのかわかったりする特殊な能力を持っています。そのうえで嘘をつき、騙しあうのです。
第1巻から最終巻である第5巻まで出版されており、密室、アリバイトリック、洋館などおなじみのシチュエーションにmebaeのイラストが添えられています。
新井円侍の『シュガーダーク 埋められた闇と少女』は2009年スニーカー大賞を受賞しています。冤罪と強制労働という、一見読者を選ぶと思われがちな内容ですが、ある種王道ともいえる展開も待ち構えているので安心してください。
主人公には理不尽なできごとが襲い掛かり、健気に少女を思い続ける姿はつい応援してしまいます。
- 著者
- 新井 円侍
- 出版日
- 2009-11-28
冤罪で逮捕された主人公は強制労働として墓穴を掘り続けます。ある時、墓守りと名乗る少女に出会い、何者なのか戸惑いながらもその魅力に惹かれてくのです。
mebaeのイラストは単に暗いだけでなく、儚げな印象も与えてくれます。表紙の少女に差している光は、この作品にまつわる希望が表されています。
小竹清彦の『アップルジャック』は、巨大組織、復讐、そしてワケありの殺し屋などが淡々と描かれたハードボイルドな作品です。
組織に両親を殺され、自身も追われる事になった少女が逃げた先で出会ったのは、殺人鬼でした。少女と殺人鬼はお互いのなかに、自分と似ている部分を感じとります。
- 著者
- 小竹 清彦
- 出版日
この2人の出会いが、復讐に心を燃やす美女や戦場帰りの殺し屋の運命も変え、大きなうねりとなって物語を動かす力になっていくのです。壮大な展開は映画的だと評価されることもしばしばあります。
また、少女とナイフという構図の表紙はライトノベルでは見慣れたものかもしれませんが、少女が視線の先に何を見据えているのか想像を巡らすと、それぞれのキャラクターの思いにどう決着がつくのか、最後まで追いたくなってしまいます。
『GENEZ-1 ジーンズ』は深見真が書き上げたアクションエンタメ作品。ジャンルで言うと学園物なのですが、民間軍事会社も登場するのでミリタリー要素もあって、さらに精霊が存在するファンタジーな世界となっています。
争いが絶えず起こり、そのために戦闘用外骨格が開発された世界。親に捨てられた主人公は、民間軍事会社に身を寄せ、戦闘用外骨格の操縦者になります。平和のために戦うということの矛盾を感じながら、それでも大切な人を守ろうとする主人公の姿には心揺さぶられるでしょう。
- 著者
- 深見 真
- 出版日
- 2009-05-20
特に魅力的なのは、なんといってもアクションシーン。深見は銃器や格闘技を用いた戦闘シーンに定評がありますが、本作も期待を裏切りません。ラノベだからと油断して読み進めると、時折あるバイオレンスな表現に驚かされることになるのですが、そのぶん物語に厚みが生まれ、キャラクターたちの生きざまを感じることができます。
mebaeがイラストを描く表紙は、第1巻から最終巻の第8巻に向けて、徐々に賑やかになっていくのも注目です。戦いが起こるたびに主人公の守りたいものが増えていく様子が表れています。
mebaeがイラストを描いたラノベ作品を5つ紹介しました。ジャンルは多岐にわたりますが、表紙はどれもひと目で作品のイメージが伝わってくるものばかりです。