ゆき林檎のBL漫画おすすめ4選!柔らかいイラストが魅力

更新:2021.11.8

ゆき林檎の漫画は柔らかいタッチで描かれていて、読むとほっこりした気持ちになって癒されます。今回はそんな彼女の魅力的なBL作品を4つ紹介していきます。

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BL作品を多く手掛ける漫画家、ゆき林檎

BL漫画家として知られるゆき林檎ですが、アニメーターを志し奮闘する女子の姿を描いた『西萩窪ランスルー』を連載するなど、幅広く活躍しています。

彼女の描くキャラクターは老若男女の描き分けが素晴らしく、そのどれをとっても魅力的です。キャラクターの心情をうかがい知ることのできる表情や、感情移入できるモノローグで話が分かりやすく、ストーリーについつい引きこまれていきます。

またカラーで描かれる表紙にもご注目。彼女のイラストは、どれも柔らかな線、温かな色で塗られています。『グッドバイライラック』では、寒色系のスーツと学生服を着ている2人とともにピンク色のモチーフが散りばめられ、お互いが調和するように全体が淡く着色されていて、1つの世界観を浮かび上がらせているのです。

今回はセンスと技術を持ち合わせたゆき林檎の作品をご紹介していきます。

大正ロマンが好きな人におすすめのゆき林檎BL漫画

舞台は大正時代。主人公の道忠は華族です。しかし彼には異国の血が流れており、灰色の髪と青色の目を持っていたため、幼いころは周りの人から良く思われていませんでした。

人なんて信じられないと傷つく道忠に、唯一優しく接してくれたのが立花です。2人は幼馴染として仲良く過ごしました。しかし、あるでき事がきっかけで道忠は立花から距離を取り、それから全く会わなくなってしまいます。

4年の時は流れて、道忠は高校へ入学。そこで偶然にも立花との再会を果たします。なんと学科や部屋まで一緒の2人。以前と変わらない態度で話しかける立花とは裏腹に、道忠は驚きのあまり呆気にとられてしまうのでした。

著者
ゆき 林檎
出版日
2014-05-31

大正時代ということもあり服装は和洋折衷。再会するシーンでは、学ランを着ている道忠と袴姿の立花という対照的な2人を見ることができます。

道忠、立花ともに重大な選択をしなければならないシーンがるのですが、お互いを大切に思う気持ちで乗り越えていき、その姿は胸に迫るものがあるでしょう。

また、本編の他に番外編も収録されており、そこでは2人の幸せな様子を垣間見ることができます。読み終わった後にタイトルを見ると、その秀逸さに思わず拍手したくなりますよ。

好きな人を追って教師になった元教え子の健気さが可愛いBL

高校生の加藤は、部活でのあるでき事がきっかけで、1人で辛い思いを抱えていました。そんな時に声をかけてくれたのが、教師の笠井。加藤はこれをきっかけに、笠井を好きになってしまうのです。
 

加藤の様子は傍から見ていても懐いているのが分かるほどで、そんな彼はある日笠井に想いを伝えますが、教師と生徒という関係性を理由に断られてしまいます。その日から距離を置く2人。笠井も自分のことを慕ってくれていた加藤のことを気にかけてはいましたが、そのまま卒業の日を迎えてしまうのです。

それから数年が経ち、笠井の背中を追って教師になった加藤が、なんと彼がいる高校へと赴任してきます。

著者
ゆき林檎
出版日
2016-05-31

当時加藤には同棲している恋人がいました。しかし、笠井に再会し、自分の気持ちは彼にあると再認識。恋人と別れ、笠井に好きだと告げるのですが……。

笠井は料理を作ってくれたり甘えてくれたりする加藤が可愛いと思う反面、教師と元教え子がそんな関係になってはいけないと考える異性愛者でもあり、その気持ちの間で悩み続けます。同性を愛することへの苦悩がリアルに描かれていて、見ていて胸が痛くなると同時に、2人を応援したい気持ちに駆られます。

一途に笠井を想う加藤の、尽くそうとする健気な姿はとても可愛らしいです。先生×教え子、年の差BLが好きな方におすすめです。

真逆の性格の2人が紡ぐラブストーリー

ネガティブで劣等感の強い宮下。そんな宮下が高校1年生の時に声をかけられてから親しくしているのは、イケているグループに属している西村でした。

はじめは話しかけられたことに驚いていた宮下でしたが、西村に描いていた絵を褒められて自分に自信が持てるようになります。気付けば西村を目で追い、彼をモデルにした絵を描くようになっていくのです。しかし宮下は、自分の感情に対して罪悪感を抱くようになって……。

著者
ゆき 林檎
出版日
2013-02-09

自分は冴えないと自負している美術部の宮下と、イケているグループにいる陸上部の西村。正反対だからこそ仲が良い2人の姿がとても微笑ましいです。

相手はどう思っているんだろうか、嫌われていないのだろうか、と悩みどうしたらいいのか分からなくなる様子は、まさに青春そのものです。

本作は短編集なので、他にもいろんなカップルのお話が楽しめます。ゆき林檎の描くBLで、たくさんの組み合わせを堪能したい!という人におすすめの一冊です。

切ない過去を乗り越える少年をゆき林檎が描く

野球部のケンゴは、ある日練習中に肩を壊してしまいます。投球を禁止されて落ち込んでいる彼が音楽室に行くと、そこには見覚えのない生徒がいました。

次の日ケンゴは、その生徒が自分と同じクラスだけど全く教室に顔を出さない吉岡だということを思い出します。彼は学校には来ているものの、足を運ぶのは音楽室だけでした。

そして部活をできないケンゴは、音楽室に通うようになります。
 

著者
ゆき林檎
出版日
2014-10-14

ケンゴは、吉岡がピアノが上手いこと、同じクラスだけど歳が1つであることなど、様々なことを知っていきます。教室に来れないどこか物憂げな吉岡に、惹かれていきます。

その一方で、心に傷を持つ吉岡にとっても彼のまっすぐさが必要なものだったのでしょう。2人はお互いにとって無くてはならない存在になっていくのです。

吉岡の過去が描かれる中盤からは、かなりシリアスな展開となります。しかしそれをケンゴが受け止め、スローペースながらも徐々に歩み寄っていく2人に、思わず幸せになってほしいと願わずにはいられません。

いかがでしたか?大正ロマン、教師×生徒、短編集、高校生同士の恋愛……ほかにもゆき林檎の作品にはいろんなBLがあります。是非お気に入りの1冊を見つけてくださいね。

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