人外BLおすすめ漫画5選!人間じゃないから切ない恋愛

更新:2021.11.8

種族間を飛び越えた恋愛だからこそ、叙情的に感じる、それが人外の魅力です。人間同士では計り知れない、真の愛情を楽しむことができる5作品をご紹介します。

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優しい気持ちが染み渡る人外BL漫画

村に女性がいないため、男性の性欲処理を強いられている少年・マウリは、ある日生贄として神に捧げられます。神とは竜のことで、マウリを一飲みにしてしまえそうなほど大きな体をしていました。しかし神はマウリを食べたりせず、「話し相手が欲しかった」と、ただ側にいるようになります。

村で再び襲われそうになるマウリを見ると、神は暴走を止めることができなくなるほど怒り狂います。それほどに、神にとってマウリは大切な存在になっていったのです。そんな二人の間に生まれたのは、紛れもなく愛という感情でした。

暖かくて優しい関係を描いた、陽だまりのようなストーリーです。

著者
元 ハルヒラ
出版日
2013-05-10

作中には、甘く柔らかい時間が流れており、二人の溢れる笑顔にほんわかとします。マウリが村人にされていたような、触れる触れないは関係なく、お互いがそばにいることが大切なのです。

マウリのために人間の姿になることができる神は、マウリに惜しみなく愛情を注ぎます。誰かを守りたい、ずっと傍にいたいという感情は、まぎれもなく愛情です。

人間と神という領域を超えた二人が過ごす優しい時間は、読者を和ませ、楽しませてくれます。ファンタジー要素を存分に感じることの作品で、その世界観にも読者は引き込まれることでしょう。優しい気持ちを味わいたい人におすすめです。

普通とは違う形の恋、ありのままのセックス

ケンタウロスとは、上半身が人間、下半身が馬の体でできた生物。本作に描かれているのは、ケンタウロスが大学に通い、人間と愛を育んでいるという、現実とファンタジーが交わったような世界です。

種族が違うだけで非難されるケンタウロスの苦悩と、その障壁を乗り越えて、誰かと愛し合うことの喜びについて描かれています。

人間とケンタウロスの性愛、それに加えて純朴な愛情が詰まった今作では、6人のケンタウロスの切ない恋模様が綴られています。果たして、人間とケンタウロスの恋愛は成立するのでしょうか。

著者
えすとえむ
出版日
2011-04-25

本作は装丁が美しいため、紙媒体での購入がおすすめです。表紙や手触から神聖さを感じられるでしょう。

単純にケンタウロスと人間の恋というよりかは、種族を超越した愛の営みと言えます。本来の愛とはどのようなものか、セックスとはどのような行為なのか、それをもう一度深く考えることができる作品です。

独特の世界観をもつ物語には、たくさんの愛情や、美しい触れ合いが惜しみなく詰まっており、読み終えた後、うっとりするような恍惚感があなたを待っています。

全てを知ることは正義と呼べるのか?

高校の卒業式の日、幼馴染の斎月にされたキスが忘れられない礼(れい)は、いまだ独身でした。そんな、心のどこかで斎月を忘れられないでいた礼の前に、7年ぶりに斎月が現れます。「泊めてくれ」と言って家に訪れた斎月の腕には、幼い男の子が抱かれていました。

礼は斎月に、あの時のキスの理由も、なぜ突然姿を消したのかも問いただすことができません。おまけに斎も、息子・千代太も満月になると狼の耳や尻尾が生えてしまう狼男でした。 全ての理由が明らかになった時、二人は結ばれることができるでしょうか。

著者
あじみね 朔生
出版日
2010-10-30

嘘とは、時に相手を思いやるためにつくこともあります。相手が自分よりも大切に感じたとき、自分の身を挺してでも相手を守りたくなるものです。

お互いを想いすぎたゆえに距離の開いた二人の溝を、小さくて可愛い狼が取り持ってくれます。斎月がなぜ狼なのか、どうしてあの時キスをしたのか、今はどんな関係なのか、知りたいけど、礼は聞くことを怖がります。

大切すぎるお互いのことをすべて受け入れることができたとき、種族を超えた愛に巡り合えるのかもしれません。

好きになるほど切なくなる。狼と人間の人外BL漫画

α(アルファ)狼のルアードは、子孫繁栄のため、魂の番、つまりは人間のΩ(オメガ)を探し求めています。魂の番は自分で選ぶことはできず、たとえ憎しみ合っていようとも離れることができません。そして獣人の子は、人間のΩしか産むことできないのです。

人間のΩであるカイは、ルアードにしか抱かれたくないほど、ルアードを求めています。しかし、番になれたとしても、そこに幸せが待っているわけではありませんでした。

ルアードはより多くの子孫を残すため、カイは発情期を乗り越えるために、お互い以外と体を重ねることを強制されます。思い合っているはずの二人を引き裂く種族という壁。二人が結ばれる日は訪れるのでしょうか。

著者
羽純 ハナ
出版日
2016-05-21

繊細なタッチで描かれる登場人物たちから、今にも壊れてしまいそうな不安定さを感じられます。獣人とΩ(オメガ)という特殊な設定ですが、シンプルなストーリー展開になっているので、つまずくことなくスムーズに読むことができるでしょう。

また、オメガバースの醍醐味である「優秀な血族」と「劣性の血族」という設定が生かされています。種族、血種、身分といういくつもの壁に阻まれる二人ですが、血の種類などにとらわれることなく、お互いだけを見つめていることが作品から読み取れます。障害があるからこそ、より切なく美しい作品に仕上がりになっているのです。

読んだ後に、もっと読みたいと思ってしまうくらい、濃密な物語です。

西洋映画のラブシーンのように美しい人外BL漫画

バーで働く人狼・コヨーテは、ひたすらに正体を隠そうとしています。常連のピアニスト・マレーネは、コヨーテを「リリー」というあだ名で呼び、会っては挨拶のように口説いていましたが、人狼であることがバレてしまうのを恐れてコヨーテは、誘いを断り続けていました。

ある日、発情期を迎えてしまい、路上で蹲っているコヨーテを見かけたマレーネが、コヨーテが人狼だと理解し、処理を手伝おうとします。それすら断り、手を出させなかったコヨーテでしたが、寛容なマレーネに次第に心を開いていきます。

国を超え、「人間」と「人狼」という枠組みも超え、さらには性別まで超越した今作で、甘く蕩けるような切なさに浸ってください。

著者
座裏屋 蘭丸
出版日
2016-12-22

座裏屋蘭丸特有の世界観が見られる本作は、人物はもちろん、背景も細く繊細なタッチで美しく描かれています。表紙も寒色がメインで、どことなく切なさを感じることができる色合いです。

性欲を押さえつけ、相手を思いやることができるマレーネは実に紳士であり、コヨーテが絆されていくのも理解できます。通常のセックスとは程遠い、異常なプレイの連続です。

切ないけれど、優しさに埋もれるようなセックスは、愛の染み渡った純粋な行為と言えます。そうして二人が本当にお互いを理解できた時、二人にとって一番幸せな感情を得ることができるのでしょう。

人間と、人間ではない生き物。だからこそ成り立つ恋愛をぜひご覧になってください。

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