魔界の王になるため、魔物の子ガッシュベルは、人間の子・清麿と戦いに挑む……! アニメ化もされ、魔物の子と人間の子の絆、それぞれの魔界の頂点への想いが描かれた大人気漫画『金色のガッシュ!!』。熱い戦いと泣けるストーリーがたくさんの読者を惹きつけました。今回はその泣けるストーリーと心に響く名言を紹介していきます。 スマホアプリで無料で読めるので、気になる方はそちらもどうぞ!
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
モチノキ第二中学校の中学2年生・高嶺清麿(たかみねきよまろ)、いわゆる天才の彼は学友と馴染めず、ろくに学校にも通わない生活をしていました。
そんなある日、清麿のもとにガッシュ・ベルと名乗る不思議な少年が現れます。彼は過去の記憶を失っており、唯一の所持品は謎の言葉が綴られた赤い本だけ。 まったく知らない文字に埋められた本を清麿はなぜか読むことができ、その綴りの一つを呟くと、彼の口から電撃が放たれました。
ガッシュの正体は、魔物の子ども。「魔界の王」を決めるために千年に一度行われる、100人の魔物の子同士の戦いに参加させられた1人だったのです。 清麿は彼とともにその戦いに挑み、成長していきます。
数々の仲間との出会いと別れが描かれたストーリーです。 どの仲間にも、どの敵にも譲れない想いがある、その想いは読者の心を大いに打ちます。 笑いあり、涙ありの物語の一端を、心に響く名言と共に紹介しましょう。
すでに、何人もの魔物との戦いを経験した清麿たち。次なる敵が現れたかと思えば、その子は心優しい女の子の魔物・コルルでした。
しかし、魔界の王を決める戦いはどの魔物にも戦いの運命を強いています。優しいコルルをは戦いのために呪文を唱えられると狂暴な心に支配されてしまいました。 それでも、コルルのパートナーはコルルを失いたくない一心で呪文を唱え、戦いに挑んでしまうのです。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
涙を流しながら戦うコルルとしおりに、ガッシュの心は大きく揺さぶられます。 そんな彼は勝つためではなく、コルルを救うために戦うのでしたが、やはり魔物は戦う運命から逃れられません。
そのことを悟った清麿は、コルルを救うために、彼女の本を燃やします。コルルは、そんな清麿に感謝を述べながら消えてゆきました。
その消え去る瞬間に告げたのが上記の名言。この言葉は彼の胸に深く刺さり、彼がこの戦いに向ける姿勢、目指すべき王の姿を決めた言葉です。
言うなればコルルとの出会いと別れがこの物語の根幹。 最後の最後まで「優しい王様」になるべく戦うガッシュの雄姿は目が離せません。
清麿と同じく魔物の本を有する少女・リィエンは、父の手によってパートナーである魔物・ウォンレイと離れ離れにされてしまいました。 彼女はウォンレイを助け出すために清麿たちに助けを求めます。 リィエンの真摯な想いが伝わった清麿は、リイェンの手助けをすることにしました。
清麿たちとリィエンは、ウォンレイが捕らえられている妖岩島へと向かいます。 父の部下によって警護されている島で、3人は協力しながらウォンレイの元へと辿り着きます。 しかし、そこには魔物・ザバスとそのパートナーが待ち受けていたのです。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2002-12-18
強力な呪文を放つザバスに、清麿たちは手も足もでません。 それでも、リィエンはウォンレイのために何度でも立ち上がります。
その姿を牢獄の中から見ていたウォンレイは心を揺さぶられながらも、リィエンを拒絶。 彼はリィエンを想い、危険な目に合わせたくないがゆえに、リィエンを戦いから遠ざけようとしていたのです。
そんなウォンレイを見かねた清麿が上記の名言でウォンレイを叱咤します。清麿の言葉を受けたウォンレイは、リィエンを守るために戦いに身を投じることを決意したのでした。
愛する女性を守りたいと願う男の葛藤。その姿がしっかりと描かれています。 彼は今後も清麿たちの仲間として登場し、最後までリィエンを守ることを貫きます。 男が決意し、信念を貫き通す姿は読者の心にも深く刻まれました。
千年前に王を決める戦いで石板に封印されてしまった、強力な魔物たちがいました。 その魔物がたちが「ゾフィス」という魔物の力によって復活します。
40人もの魔物を率いて、ゾフィスは現代の魔物を一掃しようと画策します。その魔物たちのパートナーはゾフィスの手で心を操られ、無理やり戦わされていました。清麿たちはその計画を防ぐために、ゾフィスの率いる魔物たちと衝突します。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2004-06-18
ゾフィスに従う好戦的な魔物たちの中に、自分たちの行いが間違っていることを理解している魔物が存在します。その魔物の名はレイラ、彼女は清麿たちに手助けをしてくれたのです。
彼女の力を借りて目的地まであと一歩というところ、レイラは今までの態度を一変し、清麿たちに攻撃をしかけました。このまま清麿たちに加担して、再び石へと戻されてしまうことを恐れたからです。
しかし、実はゾフィスに石へと戻す力などなく、石へと戻される幻影を見ただけでした。その幻影に打ち勝つために、レイラは一歩踏み出します。身体が石に戻る錯覚からレイラを救ったのが、心を失ったはずのパートナー・アルベールの涙。その雫を浴びたレイラは、幻影に打ち勝つことができたのでした。
パートナーの心が無理やり従わされたものだとしても、2人の間には絆が芽生えていました。 互いを想う気持ちがひしひしと感じられるシーンです。たとえ本物のパートナーでなくとも、心を通わせることができる、2人の強い想いが奇跡を起こしたのでした。
ゾフィスに解き放たれた魔物との戦いの佳境、最強の魔物・デモルトが清麿たちの前に立ちはだかります。あらゆる力と戦略、仲間との連携を駆使してもデモルトには敵いません。
絶体絶命のピンチの時、そこに、特徴的なツインテールのパティ、カエルのような姿をしたパートナーのビョンコが駆けつけます。この2人はもとはゾフィスに付き従った敵でした。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2004-06-18
しかし、清麿たちの雄姿を目にし、償いのためにゾフィスを裏切りデモルトへと立ち向かいます。それでもなお、デモルトのほうが何枚も上手です。
必死に戦う2人でしたが、窮地に追い込まれます。デモルトの攻撃がパティに直撃してしまうというところ、ビョンコがその身を犠牲に守ったのでした。その衝撃で本が燃えてしまい、ビョンコは魔界へと送られてしまいます。
風前の灯のビョンコは、これでガッシュたちの友達になれるかとパティに問いかけました。その問いに頷くパティを見て、ビョンコは笑顔でこの願いを残して消えるのでした。そして、ガッシュはその願いを当たり前のように受け入れて、再びデモルトに立ち向かうのです。
嫌なことからずっと逃げ続けてきたビョンコ。最後の最後に、友達を守るために勇気を振り絞ります。その勇敢な姿は涙なしには見られません。ビョンコとパティと魔界にて遊ぶ仲間たち、幸せな光景が現実になることを祈ります。
魔界にいるはずの最大の魔物ファウードが、なぜか人間界に顕現します。そして、そのファウードのコントロール権を持っているのはガッシュの兄であり、彼の記憶を奪った張本人である魔物・ゼオン。
清麿たちはファウードを魔界に還すために奮闘します。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2005-11-18
ファウードの体内にて、ウンコティンティンと名乗る強力な魔物が清麿たちを追いかけていました。そいつの阻止を無言で買って出たのはウォンレイです。
しかしウォンレイは、パートナーのリィエンに危険が及ぶことを避けるため、分厚い壁の向こうに彼女を逃がして1人で立ち向かうのです。本当の力を発揮できないウォンレイは、見るも無残にやられてしまいます。それでも、仲間のために何度でも立ち上がりました。
そんなウォンレイを包み込むように呪文が唱えられます。先に進ませたはずのリィエンが、1枚の扉を隔てて一緒に戦っていたのでした。彼女はいつでもウォンレイと共にあるのです。
こうして、ウォンレイとウンコティンティンの死闘が繰り広げられました。死闘の末にウンコティンティンを打ち破ったかと思われたウォンレイでしたが、ウンコティンティンは死ぬ間際に自爆スイッチをオン。その威力は壁の向こうにいるリィエンをも吹き飛ばすほどのもの。
ウォンレイはリィエンを守るために、瀕死の身体で扉の前に立ちふさがるのでした。頑丈な扉のすべてが吹き飛びましたが、ウォンレイが両手を広げて立ちふさがった、リィエンの目の前の扉だけが、砕けずに彼女を爆発から守ったのです。
ウォンレイは自身の目指した「守る王」を貫いたのです。この言葉はウォンレイがリィエンに残した最後のメッセージ。リィエンはこのメッセージをしっかりと受け取り、前を向きます。リィエンの心にはウォンレイの想いが刻まれました。
彼女は1人ではない、ずっと彼女の心に寄り添う男の姿があります。その姿は読者の心にも温かな何かを残していきました。
かつて清麿たちと戦い、初めての黒星をつけた魔物・バリー。 彼が助っ人としてファウードとの戦いに乗り込んできます。初めて会ったときはチンピラのようだったバリーは、雰囲気をすっかり変え、芯の通った男の顔つきになっていました。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2006-06-16
あっさりと目の前のキースを倒し、ゼオンの元へと向かおうとしますが、ファウードの罠が発動。触れた者を押しつぶすバリアーで清麿たちを追い詰めます。
ガッシュは自分の身を犠牲に仲間を守ることを選択しました。そして、打倒ゼオンをバリーに託したのですが……バリーは彼を覆うようにそのバリアーをその身に受けるのです。
その行動に戸惑い、バリーを見捨てることができないガッシュをバリーは拳で叱咤します。王になるためにどんな死線も潜り抜けてきたバリーでしたが、目の前の小さな命を捨てるなと心が叫び、体が動いたのです。その拳からバリーの想いが伝わったガッシュは、ゼオンを倒すことを誓うのでした。
これは消え去るバリーに向けてパートナーのグスタフが最後に贈った言葉。作中で屈指の名言です。
かつての敵が仲間になるシーン、それだけでも熱い展開であるのに、こうも泣かせる展開にまで繋げるとは恐れ入ります。バリーを表すのはまさに「漢」という文字がぴったり。そんな漢の生き様は、読者の目に焼き付きました。
清麿たちとの死闘を終えたゼオンのパートナー・デュフオーは、ゼオンを失った後、世界の各地を彷徨っていました。幼い頃に様々な人体実験によって心を壊されてしまっていたデュフオーでしたが、ゼオンは彼の心に確実な何かを残します。
その何かを探すためにデュフオーは旅をしていたのです。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2007-06-18
ある日に訪れた村で、デュフオーは村人の子どもの命を救います。それは彼にとっては取るに足らない行動。意味のないことのはずでした。
それでも、村人たちはデュフオーに大きな感謝を示します。我らの村に愛を与えてくれたと伝えられたデュフオー。そこで彼は自分の心に残ったものが何なのか知ることができました。
魔物たちに愛を受けていた……。この感情に気付いたデュフオーは涙を流すのでした。
この戦いを通じて成長するのは魔物だけではありません。人間もまた、魔物から何かを受け取り成長するのです。凄惨な幼少期を過ごしたデュフオーでしたが、この愛を胸に、さらなる成長をゼオンたちに見せることでしょう。
王となり、魔界にいるすべてを消し去ろうと目論む最後の敵・クリアとの決戦に向かうガッシュ、ティオ、ウマゴンとそのパートナーたち。
クリアの元へガッシュを無傷で辿り着かせるため、これまで彼と共に戦い続けてきた魔物の少女・ティオは、懸命に彼を守ります。強力な呪文で進行を邪魔するクリアの砲撃を、ティオは一発も漏らさずに受け止めました。 そして、最後の特大の砲撃が……。
ティオは全身全霊でガッシュを守り切ることができたのです。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2008-03-18
しかし、無情にもティオの本は燃えてしまいます。
涙を流しながらティオを見送るガッシュでしたが、消え去るティオには不安はありません。最後まで彼を信じ、いつもの別れのあいさつでティオは魔界へと還っていきました。
消えてしまうティオの笑顔が印象的です。この笑顔に悲しみは微塵もなく、ガッシュが王となるのを確信していました。ずっと一緒に戦い続けてきたこの2人には。言葉では言い表せないほどの強い繋がりがあります。ぜひその絆を心で感じてみてください。
最悪の敵・完全体クリアとの戦いは一方的なものでした。清麿たち力を使い果たし、その身もボロボロ、もう成す術がありません。
それでも、諦めない2人の心に呼応するように、清麿の持つ本が金色に光りました。そこには本来あるはずのない呪文が書かれており、清麿はその呪文を唱えます。
「ジオルク」、かつて助け合った魔物・ダニーが使用した回復の呪文。ダニーの姿は、清麿たちには、はっきりと見えていました。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2008-06-18
すべての魔物のために必死に戦うガッシュの姿を見たものたちが、彼の本へと乗り移ったのです。ダニーの他にもウォンレイやキッド、アースやコルルといった多くの仲間の力を借り、クリア打倒を果たしたのでした。
数々の仲間が全員集合のオールスター。皆、彼らのためにとその力を惜しげなく奮います。それは2人が今までに積み上げてきたものであり、彼らの目指す「優しい王」が間違いでなかったことを示めすものです。
数多の出会いと別れを経験したガッシュは、落ちこぼれだった過去を乗り越え、皆に認められる王へと成長したのです。ここまでずっと見守り続けてきた読者は、きっとその姿に涙することでしょう。
最大最悪の敵・クリアを倒した清麿たちでしたが、あと一つだけ戦いが残っていました。その最後の戦いを迎える敵の名は、最強のライバルであるブラゴとそのパートナー・シェリー。
互いに王座をかけて、正々堂々と真っ向勝負を挑みます。
- 著者
- 雷句 誠
- 出版日
- 2008-06-18
最後の決戦は熾烈を極めましたが、わずかの差で清麿たちに軍配があがります。
ブラゴはずっとシェリーに対して厳しく接し、時にはすれ違ったりもしました。それでも、ブラゴはシェリーのことを自分のパートナーだと認めていたのです。消え去る時に、シェリーに向けた感謝の言葉。その言葉を受けたシェリーは、あらゆる思い出が心の中に渦巻き、涙するのでした。
たくさんの魔物とパートナーが、それぞれにしかない絆を紡いできました。この2人も、互いに口にせずともその絆を感じ取っていたはずです。
しかし、ブラゴは最後にその気持ちを言葉に表します。その言葉に籠められた想いは愛情や友情を超えたもののように感じました。その感情が何なのかは、この作品を読んだ人たちも、出会いと別れを繰り返すことで感じることができるはずです。
ここでは10個の紹介でとどめましたが、まだまだ感動するシーンはてんこ盛りです。もちろん、熱いバトルシーンも山ほどあります。燃えて泣ける漫画にはなかなか出会えません。ぜひとも本作を手に取ってみてください。きっと、熱中しているあなたがいるはずです。