よしだもろへのおすすめ漫画5選!人気作『いなり、こんこん、恋いろは。』他

更新:2021.12.3

繊細なタッチの絵柄と、多彩なストーリーで指示を集めるよしだもろへ。ハートフルな中にも人の心の闇を切り出したちょっぴり切ない物語を多数生み出しています。そんなよしだもろへのおすすめ漫画を5作品ご紹介します。

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可愛いて芯のあるキャラクターを生み出す漫画家・よしだもろへ

繊細なタッチと可愛らしい絵柄が特長的なよしだもろへは、京都市伏見区の出身の漫画家です。

代表作『いなり、こんこん、恋いろは。』では、出身地の京都を舞台にし、主人公が友情と恋愛を経て成長していく姿を描いています。

2004年のデビュー以来、『色は匂へど』や『ロボットのモモちゃん』『天誅×新曲』など心が温まるファンタジーから人間の心を抉るラブストーリーまで幅広く活動しています。

よしだもろへの代表作『いなり、こんこん、恋いろは。』

よしだもろへの代表作である本作は、京都を舞台に繰り広げられる神様と人間とのハートフルストーリーです。

クラスメイトの丹波橋くんに恋する主人公・伏見いなりが、ある日遅刻を避けるために近道として通った神社で、ケガをした子狐のコンを助けたことから、物語は動き出していきます。

いなり、こんこん、恋いろは。

2011年08月25日
よしだもろへ
角川書店

いなりが助けた子狐は、神の使いでした。それをきっかけに神社の主祭神である「宇迦之御魂神」(通称・うか)と出会い、様々な人に変身することができる神通力を授かります。

その「万人に変身する力」を使って、あるときは友人を、あるときには神様を助けながら、いなりとうかとのちょっと変わった友情を軸に物語は進行します。

自身の力を人間に分け与えたことで体調不良を感じるうかですが、心を許せる友人として接するいなりに心配をかけまいと黙っている姿や、乙女ゲームが好きなところ、人間に恋をしてしまうところなど、優しさや人間味があふれる彼女の姿も、物語を彩る魅力の1つです。

また、登場人物たちも個性豊かで、特に、いなりの兄・燈日は、霊感が強く、うかの姿を見ることができる唯一の人間です。その燈日が、徐々にうかと親交を深め、やがて互いに恋をしていく様子は、つい応援したくなってしまいます。

神々といなりの交流、丹波橋くんとの恋模様、神通力を持ってしまったいなりの行く末など、気になる内容が盛りだくさんで、ページを捲る手が止まりませんよ。

人間らしい最強兵器『ロボットのモモちゃん』

本作は、正体不明の宇宙船が地球に不時着するところから始まるSF漫画です。

宇宙戦争を終わらせるほどの力を持った「宇宙最強のロボット兵器・モモ」が織りなす、地球人との心の交流をメインに描き出しています。

著者
よしだ もろへ
出版日
2015-11-19

不時着したモモちゃんは、開発者の博士とともに田舎で暮らすことになります。

見るもの、聞くもの、触るもの。様々な物事が「初めて」なモモが、人間達との交流を経て知識を吸収し、「あたたかいこと」「さびしいこと」などを知って徐々に人間らしくなっていく様子が微笑ましいです。

持ち前の戦闘能力と、純真な心、あくなき好奇心から様々なトラブルに巻き込まれますが、少しずつ人間の気持ちを学んでいくモモの成長を、一緒に見守ってください。
 

よしだもろへが贈る、傷を抱えたラブストーリー『色は匂へど』

教師と生徒の間に生まれた淡い恋心を中心に、彼らを取り巻く人間模様が複雑に絡み合う、ちょっぴりダークなラブストーリーです。

中学校時代にいじめにあっていた高校生の主人公・清澄純は、同じ轍を踏まないようにと、目立たず「透明」になろうとする日々を過ごしています。

友人の顔色を窺ったり、いじめを傍観したりと「何もないように」日々を過ごしていましたが、ある日京都から赴任してきた教師・天ケ瀬いろはと出会ってしまったことが、純の運命を変えていくのです。

著者
よしだ もろへ
出版日
2015-11-06

「透明」になり、自分を消していた純ですが、いろはに「そのままでいい」と認めてもらえたことで、彼の世界がどんどん色付いていきました。

純に自然なやさしさを向けるいろはも、心と体に見えない傷を抱えています。教師と生徒の関係でありながら、不器用に互いを支え合う純といろはの淡い恋の行方から目が離せません。

しかし、そんな2人を取り巻く人間関係に、人の心の暗い部分が絡みつきます。

嫉妬や独占欲、侮蔑など、様々な感情が複雑にうごめきあう様子はリアルで、一見清純そうに見える人物が裏では学校を仕切っていたり、良き教師が生徒と性的関係を持っていたりと、影のある登場人物が2人を飲み込もうとしてゆくのです。

純といろはの恋は実り、2人はトラウマから救われるのでしょうか?怒涛の展開に括目してください。

笑うということは、魔法と同じ。『えがおのまほう』

本作は、心に傷を抱え、「笑う」ということを忘れてしまった主人公・マーヤを中心に繰り広げられる、心がほんわかあたたまるファンタジーです。

両親を亡くし、叔父さんの家に引き取られていたマーヤが、叔父さんにも見放され家を出るところからストーリーは展開していきます。

著者
吉田 もろへ
出版日
2006-11-01

家を出たマーヤが出会ったのは、大道芸で身を立てている一団でした。

その一団の団長には呪いの魔法がかかっていて、薬を飲まないと人間の心を持たないライオンになってしまいます。薬を飲んでいる時には、人間の感情を持ち合わせたライオンに変化するという変わった呪いです。

ある日、その薬をマーヤがなくしてしまったことで、物語は急展開していきます。人間に戻れずに、ただのライオンになってしまった団長の運命は?笑い方を忘れたマーヤは、笑顔を取り戻すことができるのでしょうか?

みんなから見放された世界で、マーヤが何を見つけるのか、一緒に探してみるのもいいのではないでしょうか。読了後に心が温かくなる珠玉のファンタジー、おすすめです。

よしだもろへが描く、神と人間の戦いとは『天誅×神曲』

幼い頃に出会い、袂を分かつことになった少年たちが、人の世界と神の世界に分かれて織りなすファンタジーです。

困っている人や、怪我した人を放っておけない、正義感あふれる男の子・藪ノ内豪将を主人公に、豪将の友人たちと「癒しの力」を持った女の子が出会うところから物語は始まります。

著者
よしだもろへ
出版日
2016-10-22

弱い者いじめを許せず、泣いている人を「笑顔にしたい」と願う豪将は、医者である父親のことを尊敬し、父親のように困っている人を助けたいと思っていました。

そんな折、友人たちとともに神社で出会った神と人とのハーフ・ゆらぎと友達になります。

ゆらぎには、泣くことで傷や病気を治す不思議な力があることがわかり、その力がやがて豪将たちの行く末をバラバラにし、またつなぎ合わせる鍵となっていくのです。

冒頭の幼少期を経て、高校生となった豪将たちが、神と人との間の戦いを繰り広げていきます。人間の業と、神の奇跡とが交わるときに紡がれる、切ない物語に注目してください。

いかがでしたか? 人間の心の裏側を描く、よしだもへろのおすすめ作品5選。読み終えた後に、いつまでも余韻がのこる、よしだもろへが紡ぎ出す珠玉の物語を、ぜひ手に取ってみてください。

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