独自の世界観を持つライトノベル作家として、多数の作品を送り出している時雨沢恵一。アニメ化や映画化を果たした作品も多く、世界中に数多くのファンを獲得している人気の書き手です。
時雨沢恵一(しぐさわ けいいち)は数々のヒット作で知られる小説家です。代表作の『キノの旅』は、短編作品をいくつか執筆し、長編にまとめて投稿したものでした。それが編集者の目に留まって、デビューに至ったという経緯があります。その後、作品は人気を博したため、シリーズ化を達成しました。
バイクや拳銃、ミリタリー関係への造詣が深く、マニアックな興味関心は、著作にも大きく反映されています。アメリカ留学の経験もあり、異国情緒漂う雰囲気の世界観を構築する上でも、高い評価を得ていると言えるでしょう。一方で、本来の読者層のために、文体は非常に分かりやすくなるように心がけているため、幅広い層のファンを獲得しています。
今回は、そんな時雨沢恵一作品の中から、特にチェックしておきたい代表作をランキング形式で紹介していきましょう。
主人公は、現役高校生ながら、電撃文庫でライトノベル作家としてデビューを果たしています。作品執筆のために一年休学し、転入した学校で、似鳥絵里というクラスメイトに出会います。彼女は、主人公の作品のアニメに出演していた新人声優でした。
クラスでひとりぼっちの主人公と、人気者の絵里。2人が会話をするのは、毎週木曜日、アフレコに向かう特急列車のみ。良い演技や、作家業への質問に答えるという、不思議な関係が生まれます。学校と仕事、2つの世界を舞台にしたストーリーです。
- 著者
- 時雨沢 恵一
- 出版日
- 2014-01-10
人気作品を多数手掛ける時雨沢恵一の、12年ぶりにスタートした、ファン待望のシリーズ作品です。主人公はライトノベル作家ということもあり、作中では、デビューしてからの作家が、どのように働いていくのかが、非常に細かく描写されています。電撃文庫の編集部や、ライトノベル作家の知られざる一面をのぞくのにも、ぴったりの作品だと言えるでしょう。
何気ない会話や、誰もが知っている学園生活の中に、作家や声優という職業が入り込むことで、絶妙な関係性が生まれています。ラブコメディとしても職業ものとしても、様々な角度から楽しむことが出来るでしょう。
アニメ化や映画化で話題となった、川原礫の『ソードアート・オンライン』に登場するゲーム「ガンゲイル・オンライン」を舞台にした、公式スピンオフ作品です。
主人公は女子大生の香蓮。183cmという長身コンプレックスを抱いており、現実世界では人付き合いを苦手としていました。ゲーム世界では150cmにも満たないチビアバターを手に入れ、レンというプレイヤーネームで戦闘を楽しむ日々。意気投合した女性ユーザーから、チームバトルロイヤルに誘われたことから、その運命を大きく変えていくことになります。
- 著者
- 時雨沢 恵一
- 出版日
- 2014-12-10
本作は、ガンマニアである時雨沢恵一が、『ソードアート・オンライン』の世界設定を気に入り、二次創作の許可をもらったことからスタートしました。『ソードアート・オンライン』のテレビアニメシリーズでは、時雨沢は実際に銃器アドバイザーとしてスタッフ参加をしており、作品と作者の深い縁から実現した作品となっています。
元々の『ソードアート・オンライン』のファンはもちろん、本作だけを手にとっても、十分楽しめる仕様になっています。こちらを読んで気になったら、原作に戻って見るのも読み方のひとつでしょう。ゲーム内世界のファンタジックな雰囲気と、銃器をフル活用したアクション満載の迫力あるストーリー展開がポイントです。
タイトルの通り、カフェで腰かけ、オーダーしたお茶が運ばれてくるまでに読むことが出来る、小説風の絵本です。18作の掌編が収録されており、どれも心動かす魅力的なストーリーとなっています。
自分を操るのは自分だけということを教えてくれる「まほうつかい」。家族や恋人を亡くしてしまったときに、どうすれば良いのかを語ってくれる「りゆう」。「やりたいこと」「さくせす」「ぶき」「くすりはひとつ」「ばけもの」「しんあいなるあなたへ」「けいけん」「かべ」など、あなたの心に響く作品が、きっとあるはずです。
- 著者
- 時雨沢 恵一
- 出版日
- 2010-01-25
本作の見どころは、収録されている18作のどれもが、違ったテイストの魅力を持っているということです。胸に迫る感動の作品や、思わず涙が零れそうになる切ない物語もありますし、好きな人に会いたくなるような愛に満ちたストーリーもあります。ひとつひとつがとても短く、まさにお茶が運ばれてくるまでのわずかな時間で読み切れる仕様になっているため、ちょっとした時間に手に取るのにもぴったりでしょう。
主人公の旅人キノは、ひとつの国に、3日しか滞在しないというルールを決め、相棒で、言葉を話す二輪車・エルメスと共に、様々な国をめぐっています。本作は、ひとつの国を1話とした、キノとエルメスのロードノベルです。
- 著者
- 時雨沢恵一
- 出版日
- 2000-07-10
主人公のキノは、感情の起伏が少なく、淡々とした口調のキャラクターです。一方で、相棒の二輪車のエルメスは、どこか人間じみた愉快な性格をしており、それぞれの国を去ったあと、2人が交わすユーモラスな会話は、本作の魅力のひとつとも言えるでしょう。
キノが旅をする国々は、どこも少しずつ不思議な世界となっています。変わった制度や、隠された歴史など、国ごとの伝統や特徴は、特に冷酷さやダークな一面を見せてくるのです。異国情緒を感じながらも、ほのぼのとした旅物語以外の雰囲気が楽しみたい人は、ぜひチェックしてみてください。
物語の舞台は、巨大な大陸がひとつあるだけの世界です。大陸は、2つの連邦に分裂されており、長きに渡って戦争を繰り返して来ました。
主人公は、東側の連邦に暮らす学生のヴィルと、軍人のアリソン。17歳のふたりが、町はずれでホラ吹き老人と会い、戦争を終わらせることが出来る宝物の話を聞いたことから、物語が始まります。すると突然その老人は目の前で誘拐されてしまいました。
2人がその犯人を追いかけながら展開される、手に汗握る冒険ストーリーです。
- 著者
- 時雨沢 恵一
- 出版日
真面目で一見地味な学生のヴィルと、破天荒で愛らしい軍人のアリソン。老人をさらった犯人を追いかけながら、2人は様々な戦いに身を投じていくことになります。空中戦や銃撃戦の繊細かつ迫力ある筆致は、軍事ものを得意とする時雨沢恵一ならではと言えるでしょう。
ちょっとした出来事も、物語が終盤に向かっていくうちに、巧妙な伏線があったことが判明します。キャラクター同士のにぎやかな掛け合いや、戦闘のダイナミックスさはもちろん、驚きの展開をあちこちに散らばらせたストーリーなど、見どころがたっぷり含まれており、シリーズ読破を目指したくなってしまうかもしれません。感動の冒険ものに仕上がっています。
いかがでしたか?時雨沢恵一の作品は、どれも魅力的な作品ばかりです。気になるタイトルがあれば、あなたもぜひ手にとってみてください。