凪良がイラストを描くラノベおすすめ4選!陰影の入れ方が上手な絵師

更新:2017.8.29

ゲームデザインなどを多く手掛けるイラストレーターの凪良。凪良がイラストを手掛けたライトノベルはストーリーに迫力と躍動感を与えるととても人気があります。今回はその中から特に人気の高い作品を4冊ご紹介しましょう。

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ゲームキャラクターデザインで有名な凪良

凪良(なぎりょう)は以前「凪良(nagi)」という名で活躍していたイラストレーターです。

バンダイナムコゲームスが手掛けるゲーム「アルトネリコ」シリーズや、コナミデジタルエンタテインメントが手掛けるゲーム「スティールクロニクル」シリーズのキャラクターデザインを手掛けています。

また、ライトノベルの挿絵イラストレーターとしても欠かせない存在であり、主に電撃文庫で活躍。代表作は『シャープ・エッジ』『アプラクサスの夢』『ヴァルトラウテさんの婚活事情』などで、ゲーム同様、作品の多くは主に男性からの支持を得ています。

混在する要素を、凪良の画が融合させる中世ヨーロッパ風ファンタジー

北欧神話をモチーフにした中世ヨーロッパ風ファンタジー&ラブコメディーです。

人間界ミズガルズに住むごく普通の少年・ジャックは、戦にまつわる親族の一員「ワルキュリエ」の四女・ヴァルトラウテに一目ぼれし、すぐにその場で求婚をします。驚いたヴァルトラウテが出した条件は、人間なら確実に無理であろう「世界樹ユグドラシルを自力で登れ」というものでした。

しかしヴァルトラウテと結婚するこしか頭に無いジャックは、無謀にも登り始めて……。

著者
鎌池 和馬
出版日
2012-09-07

本作はラブコメディに該当するライトノベルです。しかし主人公・ジャックとヒロイン・ヴァルトラウテが直接交流を持つことはほとんどありません。

本作における凪良のイラストはかなりグラマラスな画風となっていますので、画の印象でストーリーに強いラブ要素を求めている方には、少し物足りないかもしれません。一方で北欧神話をベースとしたコメディタッチなストーリーとなっていますので、画風の割に女性でも手に取りやすい作品と言えるでしょう。

天然すぎるジャックと奥手すぎるヴァルトラウテ、そして2人を必要以上に茶化す他の登場人物たちの構図はとてもテンポが良く読みやすいと言えますが、ギャグの要素が強すぎると感じる方も少なからず居るでしょう。また逆に神話ベースであることを強く想像して読み進めると違和感を感じてしまいます。

その点、凪良のイラストは「神話」「ギャク」「ラブ」の要素をうまく融合させることに成功。読みやすさに一役買っており、無くてはならないものとなっています。
 

凪良のイラストがとても効いている一冊です。

凪良が描くSFメカを堪能できるSFシリーズ

高橋 弥七郎作のSFアクションストーリー「A/Bエクストリーム」シリーズの3巻です。

「ディビジョン駆除商会」の一員で、広大な異空間に存在するバケモノ退治を行う主人公のアンディとボギー(A/B)。薄笑いを浮べ、音もなく去るバケモノ「ファントム」を追ううちに二人が出会ったのは、赤いパラソルを持つ不思議な少女でした。

著者
高橋 弥七郎
出版日

「電撃ゲーム小説大賞」の選考員奨励賞を受賞した『エクスターミネーターA/B』の続編となる本作品。1、2巻にあたる『CASE-314[エンペラー]』と『ニコラウスの仮面』では、金田榮路がイラストを手掛けています。凪良は本作品からの参加です。

本シリーズの独特で濃い世界観を堪能するためには『CASE-314[エンペラー]』から読み始める必要がありますが、『アプラクサスの夢』は単巻で読んでも十分に楽しめます。なぜなら、凪良が描くメカの描写は格段にわかりやすく、その抜群の画力を活かし、用語集にもイラストを添えるなどの工夫がなされているからです。

先に凪良のメカ描写で「A/Bエクストリーム」シリーズの世界観を堪能した後に前作を読むのも面白いでしょう。ぜひ実物を手にとってみたくなるようなイラストを堪能してください。

世界観も登場人物も、とにかくカッコいい作品

「電撃ゲーム小説大賞」の選考委員奨励賞を受賞したハイパーアクション小説です。本作品の作者・坂入慎一の単行本は、すべて凪良がイラストを手掛けています。

スイーパー(始末屋)であるハインツに拾われ、殺すための刃物を用いた技術を叩き込まれる主人公・カナメ。鍛錬を積み、カナメの才能が開花したその一方で、ハインツは別のスイーパー・シルビアに殺されてしまいます。

復讐を誓ったカナメを待ち受ける未来とは……。

著者
坂入 慎一
出版日

スタイリッシュな文体と淡々としたストーリー展開で人気を博している本作。そのスマートな世界観にピッタリと寄り添うように、今作品での凪良の画は様々な挿絵の中でも一番スマートでカッコいい描写で描かれています。

近年ライトノベルでよく見られる萌え系の女性でなく、ひたすらカッコいい女性と、カッコいい世界観が描かれている本作品は、男性はもちろん、女性でも受け入れやすい作品と言えるでしょう。

ぜひ、純粋なアクション好きの方に手に取っていただきたい一冊です。

凪良の画力が光る近未来アクション!

小説だけでなく漫画、アニメ、インターネットラジオ化もされた、鎌池和馬原作のSFアクションシリーズ。小説の挿絵、漫画のキャラクター・オブジェクトデザインを凪良が手掛けています。

物語の舞台は、国際連合が崩壊した近未来です。主人公・クウェンサーは超大型兵器「オブジェクト」の設計士を目指し、正統王国軍として戦場に派遣留学中。ある日、クウェンサーは整備基地で「エリート」と呼ばれている不思議な少女と出会います。

彼女は正統王国軍のオブジェクト「ベイビーマグナム」に搭乗するパイロットでした。

著者
鎌池 和馬
出版日
2009-10-10

本作の舞台は近未来。また、SFアクションの中でも戦闘シーンを主としているため、多数の武器や超兵器が登場します。そして最も大切なのが、既存の兵器では歯が立たない超大型兵器「オブジェクト」。本作の世界観そのものとも言えるこれらの要素を表すためには、細かいビジュアルの設定が必須です。

「イラスト的にものすごーく負担のかかる作品だったと思います。」とわざわざ作者が述べているほどオブジェクトのデザインは重要で、物語の面白さ、臨場感をも左右するのです。

その点、凪良の描くオブジェクトは、程よくリアル、程よくベールに包まれています。本文途中にはオブジェクトの詳細説明が幾度となくイラスト付きで登場。そのシルエットにも似たビジュアルの魅せかたは、文字データと相まって想像を大きく掻き立てるでしょう。

凪良の画は、読者に自由に世界観を想像させてくれますので、想像力豊かな方には特におすすめできる作品です。

グラマラスな少女をイメージする作品からカッコ良いスマートな女性が登場する作品まで凪良がイラストを手掛ける人気作品を4冊ご紹介しました。凪良の描くイラストが小説の読者に強烈な印象を与えることはありません。しかし陰影を巧みに操ることにより、アクションシーンの想像力を掻き立て、物語を盛り立てています。ぜひ凪良のイラストに着目して普段と違った目線から読書を堪能してみてくださいね。

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