イラストを担当しているという理由で本を手に取る読者が多数存在するなど、ライトノベル界で特に人気の高い絵師として有名なイラストレーター。今回はブリキがイラストを担当した中でも特に人気の高いライトノベルを4冊ご紹介しましょう。
ブリキはライトノベルの挿絵を主に担当しているイラストレーターです。性別、年齢などは非公表。「このライトノベルがすごい!2012」ではイラストレーター部門で1位を獲得しました。ショートコミックやR-18指定となるジュブナイルポルノの挿絵なども手掛けています。
ブリキの描く少女は大きな目とむっちりした体つきが特徴。カラーイラストに関しては、淡い色づかいが美しいと好評です。その作風は「野生のブリキ」と呼ばれる模倣イラストレーターを生み出すほど人気を博しています。
残念系青春ラブコメが描かれる本作は小説、アニメ、実写映画、コンピューターゲームなどさまざまな媒体で楽しまれています。なかでも小説のイラストはすべてブリキが手がけていることもあり、人気が高いです。
見た目の印象の悪さから、転校して1ヶ月経っても友達が出来ない主人公・羽瀬川小鷹。ある日、小鷹は普段愛想のない同級生の三日月夜空が1人で楽しそうに喋っているところを見てしまいました。そんな彼女はエア友達と会話をしていたのだと説明します。
友達がいないもの同士、悩みを相談しているうちに夜空は友達作りのための部を作ろうと言い出して……。
- 著者
- 平坂 読
- 出版日
- 2009-08-20
「このライトノベルがすごい!」2位を獲得したこともあるほど人気のシリーズです。2011年には最も売れたライトノベルとなっています。
ストーリーは少し冴えない主人公の少年・羽瀬川小鷹とその周りの魅力的な女子たちとの交流を描いた王道のラブコメディ。会話文を多く取り入れた読みやすい文章となっていますので、読書を苦手とする方やコミック感覚で気軽に小説を読みたい方にピッタリな作品となっています。
また登場する女性たちはみな魅力的でグラマラスです。ブリキは女性を少々肉付き良く描く傾向がありますので、健康的でかつちょっとセクシーな女性が好きな男性はおおいに楽しめるでしょう。
可愛い女性に囲まれて学園生活を送る主人公が羨ましくなってしまうようなラブコメラノベです。
電撃小説大賞金賞受賞作の「壊れたジョーロは使えない」を改題したラブコメディ小説。ジャンプコミックスから刊行されているコミック版ではブリキがキャラクターデザインを務めています。
主人公の如月雨露(通称ジョーロ君)は学校では恋愛に疎く、鈍感を装いながらも恋愛相手を漁る肉食男子。いつの日か、幼馴染で可愛い系女子の日向葵(通称ヒマワリ)や生徒会長でクールな美人系の秋野桜(通称コスモス)から告白されることを期待していたのですが……。
- 著者
- 駱駝
- 出版日
- 2016-02-10
無害で鈍感な男子を演じながらもモテたくて仕方のない主人公。そしてその主人公をさまざまなタイプの美少女が取り巻きます。美少女からモテたいのに、本当に好いてくれるのは自分好みでない女子で……という一見王道ともいえるストーリーです。
しかし後半に向かうにつれ、あれ?と思わせるシーンが多数登場します。したがって、読み進めるうちに良い意味で期待を大きく裏切られることとなるでしょう。また一方で王道のラブコメディを楽しみたい方は少し期待外れに感じるかもしれません。
本書ではブリキが得意とする愛らしい女性と淡い色彩が存分に発揮されており、ストーリーになくてはならないスパイスとなっています。本作で描かれるのは、可愛い系女子、クールビューティ系女子、そして眼鏡で美貌を隠す女子などさまざま。愛らしい女子を描くことに定評のあるブリキの女子イラストが思う存分堪能できますよ。
作品内容はもちろん、イラスト目当てで購入したくなる1冊です。
ブリキが初めて挿絵を描いたライトノベルです。全9巻刊行されている「電波女と青春男」シリーズすべてのイラストを手掛けています。
主人公の丹羽真(にわ まこと)は高校2年生で、両親の仕事の都合から叔母の家で暮らすことになりました。一人暮らしの叔母は普段仕事で家にいないと聞き、条件付き一人暮らしのようだと新生活に胸躍らせます。しかし初めて叔母の家にやってきた真を待っていたものは、ちくわみたいな変な物体で……。
その正体は、上半身のほとんどを羽毛布団で簀巻きにしている女の子でした。
- 著者
- 入間 人間
- 出版日
- 2009-01-07
小説だけでなく漫画、Webラジオ、テレビアニメ、モバイルコンテンツ、カードゲームなど幅広くメディアミックス展開されている作品です。
ストーリーの中には「〇〇ポイント」と言う独特の言い回しが多数登場します。例えば主人公の真が自らの高校生時代を満喫する指標として用いる「青春ポイント」。夜の公園で女子と会話したら2点、恋焦がれる相手とデートしたら3点。彼独自の青春の捉え方ですが、読み進めるうちに自分も学生時代に似たようなことを考えていたな……と思う方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。
そしてどこにでもいそうな男子高校生、真の周りにはかなり個性が強く魅力的な女性が多数存在しています。常に布団に包まっているけれども実は美少女のエリオや、少し不思議だけどスレンダー美人の前川さんなど、登場する女性たちは実にさまざま。なかでも、年齢よりもかなり若い美魔女である叔母の女々(めめ)はジュブナイルポルノの挿絵も手掛けるブリキだからこそ出せるエロチックな雰囲気をまとっています。
魅力的な女性たちが数々描かれる本作は、ブリキの初めての挿絵仕事でした。本作品では女性の色気が際立つイラストが魅力ですが、少し初々しさの残るものがあったり、女性のむっちりとした体つきがブリキのイラストの特徴であるものの、足がむっちりとし過ぎていたり……と今の画風と見比べて楽しむこともできるでしょう。
可愛らしいイラストとともに青春を謳歌したい方におすすめのライトノベルです。
「魔界探偵冥王星O」シリーズは越前魔太郎のペンネームを用いて複数のライトノベル作家が1冊ずつ執筆した電撃文庫と講談社ノベルスとの共同企画です。ブリキがイラストを手がける本作は、『ヴァイオリンのV』に続くシリーズ2作目となっています。
主人公はごく普通の人間である御家聡明。ある日、聡明はクラスメイトのワル、体が弱く車椅子で生活をする不登校の椎野と3人で隣町に落ちた隕石を見に夜のピクニックに向かいます。森の大木で見つけた不思議な白い文字の落書き「O」が気になり触ってみると……。
- 著者
- 越前 魔太郎
- 出版日
- 2010-04-10
「魔界探偵冥王星O」シリーズの中でイラストを担当しているのは本作のみです。そして本作品には挿絵がほぼ存在せず、ブリキのイラストが堪能できるのは表紙、巻頭カラー、各章の扉絵のみとなります。
このような画の少なさから、イラストレーター目当ての方は少し寂しい思いをしてしまうかもしれません。しかし、ブリキのライトノベル作品はラブコメディで愛らしい少女を描くことが多いので、小学生の少年を主人公とした少々硬派な作品となる『ウォーキングのW』はとても珍しく、興味を惹かれる見逃せない作品ともいえるでしょう。
ストーリーは主人公・聡明の世界と冥王星Oの世界が交互に描かれています。2つの視点の物語が後半にどんどん交わる様子は圧巻です。挿絵が少ないことにも納得がいくでしょう。
他の作品ではあまり見かけない世界観が堪能できますよ。
淡い色彩と色気のある女の子の挿絵で人気の高いブリキがイラストを担当している作品を4冊ご紹介しました。気軽に読めることで人気のライトノベルをさらに身近に、そしてワクワクするものにグレードアップさせる、愛らしくもセクシーな挿絵はラブコメラノベになくてはならないものとなっています。ライトノベル、そしてラブコメを堪能したい方はぜひ、ブリキのイラストも楽しみながら本を選んでみてくださいね。