強制的に過酷なゲームに参加することになってしまった高校生が、生き残りを賭け強敵たちとスリリングな戦いをくり広げる『ダーウィンズゲーム』。参加者にはそれぞれにい能力が与えられ、自分の能力を活かしながら戦う、いわゆる頭脳戦です。そして熾烈なバトルの裏で、徐々に明かされるゲームの目的……。このバトルは、何を意味しているのでしょうか? この記事では、最新巻までの内容にも触れながら、本作の魅力を紹介していきます。
本作の魅力は、作り込まれた世界観で行われる過酷な異能力バトル。異能力の種類も多く、予測不可能なバトルがくり広げられます。説明のないままゲームが進んでいくため、読者もプレイヤーたちと共に少しずつルールや目的を理解していかなければなりませんが、そこもまた本作にハマってしまう魅力のひとつ!
異能力バトルとダークサスペンスの両方の側面を持つため、読み応えのある作品です。
普通の高校生だったカナメは、ある日友人のキョウダからソーシャルゲームアプリ「ダーウィンズゲーム」に招待され、何も知らないままゲームに参加することになります。
その日の下校途中、アプリを起動すると、いきなり「バンダ君」という人物とバトルをすることに。突然刃物を持ったバンダ君に襲われるカナメ。訳がわからず逃げ惑う最中、「シュカ」と名乗る人物からメッセージが。彼女からの助言を活かし、カナメはほぼ運と機転でバトルに勝利するのでした……。
そしてゲームに負けたバンダ君の正体は……なんとカナメの高校の教員。自分を殺そうとした理由やゲームのことを聞こうとするも、「死にたくない」という言葉を残し、彼の目の前から消えていくのでした。そして教員は、行方不明の扱いに。
突然の出来事に驚きを隠せないカナメは、後日シュカと直接対面することに。ゲームをやめる方法を尋ねますが、「その方法はない」と言われ……ゲームで勝ち抜いていくことを決めます。
本作の肝となる異能「シギル」。カナメは触れたことのある物をコピーするシギル・火神槌(ヒノカグツチ)でゲームを進めていくことになります。そして鎖使いのシギルをもつシュカと協力関係を結び、プレイヤーによって作られる組織「クラン」を作り上げながら、このゲームから脱出する方法を探します。
本作が気になった方は、ぜひこちらの動画もご覧ください。突如始まる殺人バトルの様子にご注目ください。
殺人が前提のバトル、シギルによる頭脳戦、徐々に複雑になっていく展開……どハマりすること間違いなしの作品です。
「ダーウィンズゲーム」は、ゲームを始めたタイミングが早ければ早いほど有利になる過酷なゲーム。先に始めた者は当然、武器などを手に入れるための「ポイント」をたくさん所有していたり、クランを形成したりしています。
一方、後から参加するプレイヤーにはそれがありません。チュートリアルもなく、ルールすら把握できないまま殺し合いのなかに放り込まれることになるのです。
バトルは基本的に何でもあり。ひとりを集団で襲おうが人質をとろうが、ペナルティを受けるなどどいったことはありません。そのため初心者は、古参プレイヤーの格好の餌食になる場合がほとんどです。
しかし、そんな過酷なゲームを、カナメは生き残っていきます。どうしてそんなことができるのでしょうか?
カナメは平凡な高校生でしたが、「ダーウィンズゲーム」に参加したことで、しだいにある能力を開花させていきます。それは「知能」です。
作中では、カナメは実に頭脳的な戦い方で、敵との戦力差を埋めていきます。周囲にあるものをとっさに利用したり、他者の何気ない発言からヒントを得て作戦を立てたりと、非常に頭の回転がとにかく速い。
バトルの最中にショップで武器を購入するといった、誰も試そうとしなかったようなことをやってみるという柔軟さもみせました。
バトルやイベントをとおして、彼の知能はどんどん磨かれていきます。「宝探しゲーム」の最終局面で強豪クランの「エイス」と戦った際にも、彼は巧みな話術で、狡猾な王を見事に騙す場面も。
こうした知能とともに、異能の質や戦闘能力も向上していくカナメ。彼の成長もこの作品の大きな魅力のひとつです。
カナメ以外にも、本作の登場人物は魅力的なキャラクターばかり。特に女性陣は可愛い子が多く、「ダーウィンズゲーム」なんかに参加していて大丈夫なのかと心配になってしまうほどです。ここでは、カナメがつくったクラン、「サンセットレーベンズ」の女性メンバー3人を紹介していきます。
まずは、カナメの最初のバトルを助けたシュカ。ロリータファッションと「にゃ」という語尾が特徴の女子高生です。カナメに敗れるまでは49戦無敗という驚異的な戦績を残しており、「無敗の女王」と呼ばれていました。
鎖や縄などを思いどおりに操る「荊棘の女王(クイーンオブソーン)」という異能を持っています。
性格は大胆で、カナメと同じベッドで全裸で寝るなど突拍子もない行動をとることも。バトルで制圧されたことがきっかけでカナメに好意を持ち、その後も彼に従順になっていることから、若干のマゾ体質だと考えられます。
カナメとの関係を徐々に深めており、「宝探しゲーム」ではキスもしました。ところが、ランキング1位のプレイヤー劉雪蘭が、突如カナメに求婚。シュカの恋路はこれまでよりも厳しくなりそうです。
続いてレインは、ボブカットと左目の下のホクロが特徴の中学生。情報の収集と解析を得意としており、「解析屋」の異名を持っています。
人や物の動きを予測する異能「世界関数(ラプラス)」の使い手で、バトルでは回避と狙撃に応用しています。基本的には戦わずに逃げることが多く、自身を「逃げ専」と称しているほどです。「宝探しゲーム」では、弱腰と誹謗されて落ち込むカナメに、逃げ回ることは悪いことではないという話をして元気づけました。
クールで理知的な性格をしており、客観的な視点でカナメたちに意見を述べることが多いです。一方で、うまい棒を好んで食べるなど、齢相応な一面も持ちあわせています。
最後はスイ、前髪で片目が隠れているのが特徴の女の子です。「ダーウィンズゲーム」を始めたことで、死んだはずの兄ソータの魂が体に宿っています。
兄妹そろって異能を持っており、スイは液体を操る「枯れずの水瓶(ポルクスライト)」、ソータは液体を凍らせる「開かずの氷室(カストルライト)」を使います。戦闘時には、入れ替わることでそれぞれの異能を使用することができ、「宝探しゲーム」ではシュカを絶体絶命のピンチに追い込みました。濡れた服の水分を取り除いて乾かしやすくする、という使い方も可能です。
気の強い兄のソータとは対照的に、スイは気が弱くておどおどしていることが多いです。人を殺すことを嫌がっており、そうまでして生き残りたくはないと考えています。まだまだ謎の多いキャラクターなので、彼女たち兄妹の過去がいつ語られるのかも見どころです。
この3人以外にも可愛い女の子や美人のキャラクターがいます。推しキャラを探しながら読むという楽しみ方もできますよ。
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2013-06-07
2020年1月3日から、テレビアニメの放送が始まります。主人公のカナメ役を小林裕介、ヒロインのシュカ役を上田麗奈が演じることが発表されました。
そしてなんと、アニメの脚本を務めるのは、漫画の原作家・深山秀。これには漫画ファンの期待も高まっています。PVも公開されているので、ぜひご覧になってください。
アニメならではの躍動感あふれるシーンが……!放送開始が楽しみになります。さらに詳しい内容を知りたい方は、TVアニメ「ダーウィンズゲーム」公式サイトをご覧になってください。
次のページから、12巻から最新刊までの各巻の見所を紹介しています。一部ネタバレも含まれますので、苦手な方はご注意ください。
新たなるイベント「ハンティングゲーム」に参加しているカナメ。ゲームのルールは、命の重さのポイント、iPが、10000に達するとクリアというものです。人間を殺せば100iPがもらえますが、ゲームの参加者を殺すと仲間を殺したペナルティとして100iPが引かれ、相殺されてしまいます。
カナメは、このイベントの舞台になっている島の原住民が住む「日本邑(ニホンクニ)」を守るため、最大勢力「カネヒラ保険組合」と戦います。組合の運営者カネヒラは、原住民を殺せば100iPが手に入ることに気づき、集落を丸ごと襲って10000iPを入手しようと目論んでいたのです。
戦いに備えるなか、カナメは、カネヒラの戦力が100人を超えそうだという情報を入手します。さらにカネヒラが、もうひとつの巨大勢力「くちなわ会」の拠点を訪れていたと同時に、原住民リクの前にも現れていたことが発覚。カナメはすぐに異能によるものだと考えますが、どういう能力なのか見当がつきません。
カネヒラの能力については何もわからないまま、カナメは100人超の軍勢に対抗すべく、集落の人々にショップで購入した銃を持たせようと考えます。しかし、数的優位と地の利を活かしたこの作戦を、カネヒラが想定しないはずはないと考え、作戦を変更するのでした。
そしてついに、カネヒラの軍が集落に乗り込み、決戦の火蓋が切られます。
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2017-05-08
乱戦に持ち込み、集落の住人を100人殺してゲームをクリアする、というのがカネヒラの狙いでした。しかしそれを先読みしていたカナメは全員を避難させていて、狙いは崩れてしまいます。
代わりに邑に残っていたのは、カナメと、ここまで協力してきた仲間、オージ、サイゴウ兄妹、オボロのたった5人でした。数では劣るものの彼らは実力を発揮し、次々とカネヒラの手下たちを殺していきます。
やがてカナメとカネヒラの対決に。しかし、実体を持ったカネヒラの幻影3体があらわれ、カナメはその正体を暴こうとしますがなかなかうまくいきません。
戦いながらカナメは、ある仮説を立てました。それは、カネヒラの異能が自分のものと同じなのではないか、というものです。
そしてオージと連絡を取り、彼の千里眼の異能「企鵝眼(サードアイ)」で、遠くにいるはずのカネヒラの本体を捜すよう指示します。
「企鵝眼」は当初、有効範囲が半径50mの円でしたが、それはオージ自身が決めつけていたものでした。仲間の言葉をきっかけにして彼は視点を空中に飛ばし、範囲を半径2kmにまで拡大することに成功します。その甲斐あって、カナメの仮説どおりにカネヒラの本体を見つけ出しました。
カネヒラがもっている異能は、半径2km以内に実体のある自分の分身を複数作り出すことのできる「摩利支天(ハレーションゴースト)」だということがわかりました。
あとはカネヒラの本体を、「摩利支天」の有効範囲外からライフルで狙撃するだけ。しかしカネヒラも幻影をひとつに減らすことで有効範囲を広げ、カナメの背後に出現させます。しかしその攻撃は加勢に入ったリクが阻止し、カナメは引き金を引いたのでした。
カネヒラ軍を破り、ハンティングゲームの勝者となったカナメ。日本邑の住人300人以上に加え、シュカの持ちかけた賭けによってトリニティも傘下に入り、サンセットレーベンズの勢力は一気に拡大。カナメ自身もランキングが3位になります。
これを受け、他のトップランカーがカナメを潰そうと、動きを見せるのでした……。
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2017-10-06
13巻では、カナメがGMにたどり着くための手がかりを得ます。
ハンティングゲームの終了前、アラバキと名乗る男に出会ったカナメ。その正体は、ゲームの舞台となった島があった「異世界(未来の可能性もある)」における「ダーウィンズゲームでいうところのGM」に相当する存在だというのです。実は、カナメたちが異世界に転移したのではなく、異世界にあった島がカナメたちのいる世界に転移してきたのでした。
GMと似た能力を持つ彼との出会いにより、GMの正体がカナメたちと同じ人間であることとを知り、さらにはGMを探す上で重要かつ予想外の手がかりを得ます。さらに、カナメたちの知らないところで「GMと思しき人物」も登場しますので、お見逃しなく!
シュカとともに久々の登校をしたカナメ。ところが学校は以前とは見違えるほど荒れています。担任教師によると、オオサコという生徒が立ち上げた「最凶進化同好会」が原因だというのです。
一方、日本邑の民の受け入れ先である「圏外村」を視察しにきたリュージたち。その最中、ダーウィンズゲームアプリの解析のために同行していたレインの手によって、新たな事実が明らかになるのでした。
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2018-03-08
14巻では、カナメが学校に潜み、生徒たちを使って「養殖」を行っているプレイヤーを探します。
養殖とは、ダーウィンズゲームをしていない人を騙したり脅したりして参加させ、その人たちにポイントを稼がせるという悪質な行為です。さしあたって「最凶進化同好会」を調べることにしたカナメは、養殖の被害者である生徒・シゲオに協力してもらい、入部希望を装って近づいていきます。
途中でバトルになりますが、これまで数多の死線を潜ってきたカナメの敵ではありません。逃げ続けるオオサコを捕まえ、尋問します。すると、養殖を行っている真犯人が明らかに……。
カナメたちの努力を嘲笑うかのように拡大する、ダーウィンズゲームの脅威が感じられることでしょう。
15巻の前半は、「圏外村」で調査を続けていたレインたちのエピソードから。リュージを撃った謎の男は、リュージと面識のあるエイスの下っ端の男ですが、すでに死んでいるはずの人物。その後、実はそれが土人形だということに気づいた一行ですが、それらを操っている主人が分からず苦戦します……。
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2018-08-08
スイのシギル、推理力でどうにか土人形の攻撃の背後にあるクロスカズヤの存在に気づき、ことなきを得ますが、その戦いの背後では、様々な思惑がうごめいていました。
このゲームを公にしようとしている運営の動き、「ダーウィンズゲーム」本番が始まるという展開、学校での事件の黒幕であったイリヤあらためシロガネ教授が蒔いた「種」の存在など、どんどん物語の重要な設定が明かされていきます。
そんななか、モクレンとトワが次のゲームでカナメとシュカが死んでしまう夢を見て……。
ストーリーがさらにスピード感を増して核心部に近づいてきました!その夢の暗示を受けて、カナメがとった予想外の行動とは?また、それに対して動きを見せたある人物とは?16巻が待ちきれません!
次イベントのリークを手にしたカナメたち。そこから招待選手を公募し、そこにランキング2位のギョクトサジ、7位のイノリから接触がありました。実は彼らにはある秘密がありました。
そしてついに「海賊王との決闘ゲーム」がスタートし……。
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2018-11-08
ついに新たなゲームが幕を開けました。立ち上がりということもあり、まだ大きな動きはありません。しかしそれゆえに張られた伏線やそれぞれの思惑が気になる展開です。
新しいゲームでは詳細なルールが明かされているものの、どこまで信用できるのか、相手チームはどういう人物たちなのか、敗北側の生存者は勝利側の捕虜となるということ、能力不明でカナメを殺そうとする龍の存在などが今後重要な鍵を握ってきそうです。
また、さらに大枠でみると「ダーウィンズ」自体に関する設定も続々明かされ、世界線Nのゲームマスターと世界線Oのゲームマスターの接触があったこと、彼らもそれぞれ同じ目的のもとダーウィンズゲームで勝敗を決めていることなどが描かれます。
遂に動き出した新イベント「海賊王との決闘」。サンセットレーベンズからは、カナメ・シュカ・イヌカイ・雪蘭が参戦!敵の襲撃に備えていたカナメたちだが、相手は予想よりも遙かに強力だった…!?
強力な敵を相手に、カナメ達はどのようにこのイベントを攻略するのでしょうか……!
- 著者
- FLIPFLOPs
- 出版日
- 2019-03-08
「海賊王との決闘」イベントが本格始動する第17巻!
なんと、今イベントの敵である「海賊」は空飛ぶ海賊船に乗って、遙か上空から気配なく襲撃してきました……!!完全な不意打ちで立ち上がりこそリードを許してしまったカナメ達でしたが、黙ってやられるわけにはいきません。海賊達との死闘が始まります!
その一方、「海賊王との決闘」イベントに参加していないレインとリュージのスマホに、突然のDアラートが!スマホ画面に映し出されたのは、「シブヤハンティングゲーム」なる新イベント。「混沌の鼠」というモンスターがシブヤに現れ、一般人を襲っているとのことです。レインとリュージは、シブヤへと急行します。
同時並行で進むダーウィンズゲーム。それぞれの結末はどこにあるのでしょうか?ますますスピード感増す展開です!
17巻までの内容を紹介してきました。より詳しい内容や続きが気になる方は、ぜひ単行本を読んでみてください!