ヤスダスズヒトがイラストを描くおすすめ作品4選!表現の幅が広い絵師

更新:2021.11.9

ライトノベルの挿絵から漫画、アニメ、自身オリジナルのコミックまで多彩に手掛けるヤスダスズヒト。その表現豊かな画風は男性に好まれる描画として知られています。今回はイラストからコミックまでヤスダスズヒトを代表する作品を4作、色々な角度からご紹介しましょう。

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挿絵から長編コミックまで描くヤスダスズヒト

ヤスダスズヒトはゲームなどのキャラクターデザインも手掛けるイラストレーターです。三重県桑名市の出身で東京都に在住。本名は非公開ですが、漫画のあとがきでは自身の似顔絵としてカピパラを用いています。

同人作家として活動ののちイラストレーターとしてデビューを果たしたヤスダスズヒトは、2006年に自身初の長編漫画『夜桜四重奏 〜ヨザクラカルテット〜』を連載開始。単行本は20巻を超え、テレビアニメ化もされる大ヒット作となりました。

自身の情報をあまり口外しない為に謎も多いヤスダスズヒトですが、『夜桜四重奏〜ヨザクラカルテット〜』の表紙に必ず楽器を描いていることからファンの間では音楽好きとして知られています。

池袋が舞台のアクションサスペンス小説

成田良悟によるアクションサスペンス作品。小説だけでなく、コミック、テレビアニメ、Webラジオ、コンピューターゲームなど様々な方法で親しまれています。

昔から都会に憧れていた主人公・竜ヶ峰帝人は、小学生時代の友人・紀田正臣に誘われて池袋の高校に入学します。田舎にはない非現実に期待を膨らませていた上京初日、帝人は都市伝説と言われている漆黒のバイク「首なしライダー」を目撃。正臣曰く、池袋には敵にまわしてはいけない人々がいるようで……。

著者
成田良悟
出版日
2004-04-10

「デュラララ!! 」シリーズは全13巻と外伝、続編として「デュラララ!!SH」、スピンオフ小説と長期に渡り親しまれています。

本作品は池袋という若者に人気がある実在の街が舞台です。とても有名な場所ですので、普段利用している方はもちろん、実際に行ったことのない方でも情景が浮かびやすいでしょう。一方、物語には池袋を根城とするカラーギャングチームや極道、闇医者など普段お目にかかることのない人々が多数登場。「身近な場所でのハードボイルドな体験」が存分に楽しめます。

また挿絵はコミックも手掛けるヤスダスズヒトらしく、シンプルかつ躍動感のあるものとなっています。必要以上に華美すぎないので、ストーリーを妨げることなく登場人物のイメージを広げられるでしょう。男性コミック系の画風となりますが、表情も繊細かつ豊かで女性でもシンプルに楽しむことが出来る画です。

アニメから入る方も多い作品となりますが、アニメファンの方にもぜひ一読していただきたい作品です。

まるでRPGのような冒険物語

作・大森藤ノ、画・ヤスダスズヒトが贈るファンタジー小説。大森藤ノのデビュー作であり、第3回ラノベ好き書店員大賞第1位も獲得した大人気ライトノベルです。

舞台は「ダンジョン」と呼ばれる広大な地下迷宮がある巨大都市オラリオ。田舎で一緒に暮らしていた祖父がモンスターに襲われて死んだためオラリオにやってきた主人公・ベル・クラネルが路頭に迷っているとある女の子・ヘスティアに出会います。実は神様だというヘスティアに自分のチームに入るよう誘われたベルは……。

著者
["大森 藤ノ", "ヤスダ スズヒト"]
出版日

本作品は様々な媒体で親しまれている作品であり漫画化、テレビアニメ化、ゲーム化もされています。

ドラクエなど子供からプレイするようなRPGゲームではなかなか実現できないファミリア(チーム)内での可愛らしい恋模様も本作品の見どころとなっています。ヒロインとなる神・ヘスティアが周りの人々に「ロリ巨乳」と呼ばれていますが、そこまできわどいシーンも登場しませんので、タイトルの「出会い」から少し濃い関係を求めていた方には期待外れの結果となっているかもしれませんね。ヤスダスズヒトのイラストも他のライトノベルよりも控えめな巨乳で描いています。
 

ヤスダスズヒトが描く挿絵は漫画の一コマを切り取ったように躍動感のあるストーリーに入り込みやすいものです。PRGのようにイラストが動いて冒険する姿が想像できるしょう。

ゲーム好きな方はぜひ読んでみて下さいね。

すべてに絡む針山さん!繋がり合った4つの物語

作・成田良悟、イラスト・ ヤスダスズヒト&エナミカツミというイラストレーターがコラボした作品。各短編はライトノベル中心の小説誌『電撃hp』に寄稿されたものです。

都市伝説、魔法少女、勇者など様々な一見関係がないように思われる奇怪な物語。しかしそれはすべて埼玉県の所沢市に住む1人のごくごく普通の凡人・針山真吉の周りで起こっているのです。なぜ針山さんなのか、世界の中心は針山さんなのでしょうか……。

著者
成田 良悟
出版日
2005-10-01

「作家と絵師と編集がそれぞれ暴走した結果の本」という言葉通り、ヤスダスズヒトがエナミカツミとのコラボを楽しんでいる作品です。ただし、普段のヤスダスズヒトが描く挿絵とものすごくかけ離れている訳ではありませんので、ぱっと見ではどちらの絵師がどこを描いたのかわからないかもしれません。「魔法少女893号」に関してはヤスダスズヒトが描いており、 成田良悟が大絶賛するほどの萌える魔法少女となっています。

ストーリーはそれぞれ短編になっていますので、どこからでもお読みいただけます。そして、4編すべてを読まなくても楽しむことが可能です。しかし、まったく関係のない分野から集まった4作の各ストーリーが針山さんを介して、すべてしっかりと繋がる様は言いようもない気持ち良さに襲われますよ。

ぜひそのロジックを堪能してみて下さいね。

ヤスダスズヒトが描く!人間と妖怪が共存する新感覚ハートフル・アクション

ヤスダスズヒト初のオリジナル長編漫画。『月刊少年シリウス』に2006年から連載しており、単行本は20巻以上も刊行されている人気作品です。コミックのほかにテレビアニメ化、Webラジオ化もされています。

舞台はあの世とこの世の間に存在し、人間と妖怪が共存する桜新町。この町に日々起こる奇妙な事件。「比泉生活相談事務所」の4人・ヒメ、秋名、ことは、アオが各自の能力を武器に様々な事件を解決へと導きます。

著者
ヤスダ スズヒト
出版日
2006-09-22

本作品の最大の魅力はキャラクターデザインです。ヒメ、秋名、ことは、アオの4人には年齢、身長から誕生日までかなり細かい設定があります。それを具現化した本作品のキャラクターはプロフィールと合わせて眺めているだけでも楽しくなるでしょう。ヤスダスズヒトは イラストレーターとして名を馳せていますのでコミックでありながらイラスト集のように絵を堪能することも可能です。

一方、画が美しい分、戦闘シーンなどがあっさりとほのぼのとしていますので、男性コミックとして激しいアクションシーンなどを期待している方には肩透かしかもしれません。またタイトルが「四重奏」であり、表紙には楽器が必ず描かれていることから音楽に関するストーリーかと連想する方もいらっしゃるかと思いますが、音楽はほぼ出てきませんのでご注意下さい。

コマ割りがとても見やすい為、男性漫画が苦手な方にも読みやすいでしょう。テレビアニメから本作品に入った方はぜひこの原作を読んでみて下さいね。

ライトノベルの挿絵からコミックまで手掛けるヤスダスズヒトの人気作品を4作ご紹介しました。シンプルで丁寧に描かれた絵は、男性にも女性にも好まれます。長期連載されているものやアニメ化など本以外の媒体で楽しまれている作品が多いことも特徴です。ぜひアニメからファンになった方もオリジナルとなる本を手に取ってみて下さいね。

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