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切符がイラストを手掛けるおすすめラノベ5選!柔らかな質感が特徴

更新:2020.11.25 作成:2017.9.21

『のうりん』の挿絵で有名なイラストレーター・切符の描く挿絵は、愛らしい色づかいと肉質感たっぷりな人物画が特徴的で人目を惹きます。今回は切符の挿絵が思う存分堪能できるライトノベルを5冊ご紹介しましょう。

肉質感たっぷりの画が特徴的なイラストレーター・切符

切符は、3月31日生まれのイラストレーター兼漫画家。年齢や性別は非公表です。

主にライトノベルの挿絵を中心に活動するかたわら、「ticketchan」という同人サークルを主宰していることでも有名です。

好きなものは「うさぎ」と「猫」。子供のころから絵を描くことが好きで、中学時代に好きだったイラストレーターに影響され、自身も目指しました。「修道服を描くことが好きなので、仕事でシスターをたくさん描くことが夢」と集英社との対談で語ったこともあるそうです。

切符による絵がきわどい!?農業高校で巻き起こるラブコメディ

原作・白鳥士郎による農業系学園ラブコメディです。

舞台は岐阜県立田茂農林高等学校、通称「のうりん」。主人公の畑耕作(はたこうさく)は、生産科学科2年A組栽培専攻に所属する、筋金入りのアイドルオタクです。

ある日耕作は、大好きなアイドル・草壁ゆか(くさかべゆか)の電撃引退を耳にし、自室に閉じこもってしまうほどショックを受けます。何とか友人らに連れられて教室に行くと、なんとそこには草壁ゆかにそっくりな美少女が……!

著者
白鳥 士郎
出版日
2011-08-12
本作は小説だけでなく、漫画、ドラマCD、アニメなどのさまざまな媒体で楽しまれており、切符は小説のイラストと、漫画のキャラクター原案を担当しています。

「この作品を書くために一年間農業高校を取材しました」(『のうりん』著者紹介より引用)とあるとおり、ストーリーのなかでは農業高校の実情がしっかりと描かれています。農林高校に馴染みのない方も多いかと思いますので、その点に関してはかなり勉強になるでしょう。

ただしかなり下ネタがきつく、切符による挿絵もきわどいものがあります。下ネタ好きな方にとっては、農業に関する真摯なストーリーとのコラボレーションがたまらなく面白く、癖になるでしょう。さらに文章内には、某有名アニメ作品を彷彿とさせるセリフも散りばめられていますので、パロディ好きな方にとっても楽しい作品です。

肉厚でセクシーな女の子を描くことが得意な切符による挿絵は、持ち味が存分に発揮されたものになっています。衣装などは特に下ネタを強調するものも多く、かなり振り切っている印象で、肉厚女子を堪能できる一冊です。

人間とヴァンパイアの青春恋愛ストーリー

原作・石川博品によるヴァンパイアと人間のラブストーリーです。

物語の舞台は人間と吸血鬼が昼と夜を分かち合い、半々に暮らす世界。コンビニを経営する両親を持つ主人公・山森頼雅(やまもりよりまさ)は、毎日夕方になると、コンビニで同じ学校の制服を着た少女を見かけていました。ずっと気になってはいるものの、声をかけることもなく冷蔵庫の陰から見つめる毎日を送っています。

ある日、交差点で少女とすれ違った頼雅は、彼女から声をかけられて……。

著者
石川博品
出版日
2013-07-29

昼は人間、夜は吸血鬼が生きる世界。同じ学校でも昼の部と夜の部があり、人間も吸血鬼も平等に通う権利を持っています。芸能人のハーフタレントといえば、人間と吸血鬼のハーフであり、その鉄板ネタは昼と夜の生活あるあるです。

完全なファンタジーのはずなのに、すんなりと受け入れることのできるこの物語の設定。それは人間と吸血鬼の間に起こっている問題が、人種の違い、宗教の違い、国籍の違いなど現代の私たちの生活で起こっている恋愛問題と大差がないからかもしれません。

吸血鬼と人間の恋愛における大問題は、生活時間帯が違うということにあります。しかしこれは、仕事や住む地域によっては人間同士でも起こり得ますよね。この物語においては、さほど吸血鬼と人間特有の問題は発生しません。どこに妥協点を見つけて、どこを主張してお互いを思いやりながら恋を育てていくのか、等身大のごくありふれたピュアな高校生の恋愛物語が堪能できる作品です。

挿絵は、切符の絵としては珍しいスマートな印象の絵となっています。ただしヒロインである冴原綾萌(さえはらあやめ)は、大変スタイルよくグラマラスに描かれているため、すっきりした絵と比較されて妖艶に感じられるかもしれません。

ぜひ切符の挿絵とともに、真っすぐな高校生のラブストーリーを味わってください。

格差社会のツンデレコンビが勝負に挑む!ファンタジックアクション

原作・三河ごーすとによるファンタジックアクション。電撃小説大賞で銀賞を受賞した作品です。

格差制度が導入された世界。盗んだ「パス」を使い、地下貧民街から中流平民街へと足を踏み入れた皿次(ジェイファ)は、さっそく1軒の豪邸へ盗みに入ります。そこで出くわしたのは、入浴中の女子・陽月(はるつき)。

彼女と豪邸の持ち主・一郎に捉えられた皿次は、盗みを帳消しにするためのある条件を出されました。それは、「ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー」の選手になることで……。

著者
三河 ごーすと
出版日
2012-02-10

物語の舞台は、完全に格差制度が導入された世界です。下流のものは下流のなかで生活をし、上から下への物事の流れはありますが、下から上はありません。つまり、基本的にどんなに成功しても、下流の人間は下流でしか生きられないということです。

当初こそ、近い境遇の人間を同じ空間に住まわせることにより、不当な優越感や劣等感に悩まされない社会をつくるための制度でしたが、現実は下流社会のなかでさらに上下関係ができあがり、理想とはかけ離れてます。現代の日本も格差が広がっているので、未来の日本を揶揄している設定といえるかもしれません。

そんな社会に抗うように、不当な方法で下流から中流へとやってきた皿次。少しつれない部分はあり時々は法に触れる行動もしますが、優しい心の持ち主で、案外読者が共感しやすい主人公です。

一方、皿次とコンビを組むこととなるヒロインの陽月。はじめは冷静・ツンデレなキャラクターでしたが、実は愛らしい部分がたくさんある魅力的なヒロインということが明らかになります。

「ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー」という、カードゲームのような競技で伸しあがるストーリーというだけでなく、ツンデレコンビの可愛い恋模様も堪能できる作品です。

切符の挿絵は、ヒロイン・陽月に関してはスマートに愛らしく描かれています。得意とするグラマラスな雰囲気はさほど感じられません。しかし、驚くほど巨乳な魔術師も登場しますよ。

スマートでピュアなイラストが楽しめる一冊です。

切符が描くスマート紳士と「ひのきの棒」がすごい!

著書・弘松涼による成長系ファンタジー。元々Web小説として発表されていたものを書籍化した、著者のデビュー作です。

物語の舞台となるのは武器屋。その店では「ひのきの棒」という武器しか売っていません。最低最弱な武器と言われている棒をこよなく愛し、史上最強の武器であると豪語するのはこの武器屋の主人・伊藤(いとう)。

伊藤と武器屋にやってくるさまざまな冒険者たちの物語です。

著者
弘松 涼
出版日
2017-05-31

本作のタイトルは『スタイリッシュ武器屋』。では何が「スタイリッシュ」なのか……それは紛れもなく武器屋の主人・伊藤の身なりです。どこぞの一流ビジネスマンか大富豪の家に仕える執事かという、まさにスタイリッシュな恰好は、一般的なRPGから想像する武器屋の主人とは180度違うものでしょう。

そんな伊藤のイチ押し商品は「ひのきの棒」。一般的なRPGではレベル1で最初に与えられる最低最弱な武器です。しかし彼は「ひのきの棒」しか売りません。

ほんの些細な仕草から相手の本質を見抜く彼の目。そのスタイリッシュな洞察力によって「ひのきの棒」が究極の武器へと変化するのです。武器に頼るのではなく、それぞれの登場人物が心身ともに、本当の意味で成長する姿が描かれています。

物語は章ごとに冒険者が変わる短編となっているため、隙間の時間などで気軽に読むこともできますよ。

切符によるスタイリッシュな作画にほれぼれする一冊です。

切符の多彩な絵が見られる!無気力な少年の成長物語

志田用太朗のファンタジー小説です。

主人公は高校生の壬道駆流(みどうかける)。面倒くさいことや目立つことが大嫌いな彼は、文化祭でおこなう劇「三銃士」の準備中、召喚士・ネルによって、クラスメイト8人とともに異世界へと飛ばされてしまいます。ネルによると異世界に呼ばれた理由は「ブロンズドラゴンを倒すため」。倒さないと、元の世界に帰れないとのことでした。

異世界を司る精霊たちによって、次々と特殊能力を身につけていくクラスメイトたち。そんななか、目立ちたくないし、精霊術も使いたくない駆流の元にやってきたのは、「テアケイル」という本にも載っていない精霊で……。

著者
志田用太朗
出版日
2016-11-30

タイトルがとても個性的なこの作品。「モブ」「無双」などの単語をあまり聞きなれていない方は気遅れしてしまう方もいるのではないでしょうか。しかし、物語はとても読みやすく、専門用語が乱立している文章でもありません。

主人公の駆流は目立ちたくないし、面倒なこともやりたくないという少し冷めた少年です。その彼が異世界で仲間や精霊とともに冒険することにより、精神的に成長していくファンタジー作品となります。

表紙画は、タイトル同様、人目を惹く切符らしさ満載の萌え系となります。一方、ストーリー内の挿絵は美しく、すっきりとした絵も楽しむことができますよ。愛らしさも美しさも堪能できる一冊です。

『のうりん』に代表されるような、柔らかく肉厚で萌え系女子のイラストが大人気の作品を5作ご紹介しました。下ネタ満載の画から社会を風刺するようなスタイリッシュな画まで、同じ人物の作品とは思えないくらい違う魅力を持った人物画が描ける切符は、とても引き出しの多いイラストレーターですね。ぜひ、さまざまな作品を読み比べてお気に入りの画を見つけてみてください。