BLファンタジー小説おすすめ5選!ケモノも魔王もスライムも

更新:2017.9.25

日常とは異なる世界観で描かれ、ケモノや神、魔王などが登場するファンタジー。そこに男同士の切ない恋愛要素をプラスした、面白い作品は数多くあります。人気の高い作品から独特なものまで、読み応えのあるBLファンタジー小説5作品を紹介します。

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過保護な鬼と鬼使いの王道主従ファンタジーBL小説

異形の鬼を使役する能力を持った一族に生まれた鴇守は、幼い頃に大きな鬼につきまとわれたせいで、鬼が恐ろしくなってしまいます。仕方なくかわいらしい子鬼の夜刀を選び、小さい頃からずっと傍に置いていたおかげで怯えることなく仕事ができていました。

夜刀には、たまにキスをせがまれたり変態行為を強いられたりしますが、しかたなく許しています。しかし夜刀は本来強い力を持つ大鬼で、鴇守を怯えさせないように子鬼に化けていたのです。

ほんとうの姿を知りトラウマが蘇った鴇守は、夜刀のことを避けるようになってしまいます。そして契約解除を提案しますが、夜刀と離れたくないという自分の気持ちにようやく気づいて……。

著者
高尾 理一
出版日
2014-03-27

凶暴な鬼なのにまるで犬が主人に懐くように、鴇守にメロメロの夜刀。子鬼の姿で風呂を覗いたり寝込みを襲おうとしたりと必死なところがとても微笑ましいです。ですが本来の姿になった強い夜刀が鴇守を庇うシーンはかっこよくて、それまでとの大きなギャップがあります。

はじめはただ怯えていただけの鴇守が、夜刀の真実に気づき、必死で克服しようと努力し成長していくシーンも見どころです。子供の頃からの強い信頼関係と愛情があったからこそ、乗り越えられたのです。

鴇守の見ていないところで動く夜刀の健気さと、異常な執着心もダークな面として物語に絡んできます。鬼使いとして本格的に動きだす覚悟を決めた鴇守。今後の展開に期待させられるラストです。

鬼というファンタジー描写も、コミカルでわかりやすく表現されているので気楽に読むことができます。続編も発売されているので、シリーズで長く楽しめる作品です。

恋人を思うがゆえの葛藤が切ない日常ファンタジーBL小説

交通事故で死んでしまった冬至の前に死神が現れるという衝撃のシーンからはじまります。

最後に願いを叶えてくれるというので、一年前から人生をやり直すことを選択する冬至。

恋人の武彦を悲しませたくないと、未来を変えてふたりが出会わないように行動することを決めます。しかし不器用な冬至は、中途半端な優しさを見せてしまい失敗ばかりして思い通りにはいきません。

わざと冷たい態度を取って必死に遠ざけようとしますが、どんなに傷つけても武彦は冬至を諦めようとはしないのです。そしてとうとう不審な態度を見抜かれてしまい、どこかに行くつもりなら一緒に連れて行って欲しいと懇願されてしまいます。

著者
綾 ちはる
出版日
2013-08-10

はじめから終わりまで、切なくあたたかな物語です。

恋人を辛い目に合わせたくないからやり直したのに、うまくいかない冬至の不器用さがこの作品の大きな魅力です。たまに過去の仲睦まじい恋人同士だった日々を思い出し、優しくしたいと悩む姿は人間味にあふれています。

武彦の健気な姿に流された冬至はすべてを話し、最後の時まで寄り添うことを決意します。死神の正体も判明するラストまで目が離せません。

後半は武彦視点で書かれている話で、冬至が死んだ後の葛藤や心情が丁寧に描写されています。過去の出会いや、やり直す前の何気ない恋人同士の会話を思い出した武彦は、ようやく恋人を失った現実と向き合います。

繊細な恋愛ストーリーが中心なので、ファンタジー要素が苦手という人でも、すんなりと入り込める作品です。  

ゲスな勇者×乙女なツンデレ魔王の絶妙エロス

規格外の強さを誇る勇者に倒されて転生した魔王は、今度こそ復讐を果たそうと、生まれ変わった高校生の勇者に教師として近づきます。しかし再び敗れてしまい、殺さない代わりに性奴隷になることを強要されてしまう魔王。

どんな場面でも勇者は淫らなことをしてくるので、従っているうちに魔王は勇者のことが頭から離れなくなってしまいます。そんな時突然ぱったりと姿を現さなくなった勇者に、捨てられたのではないかと困惑してしまうのです。  

著者
鹿嶋 アクタ
出版日
2016-03-10

魔王の語り口調で書かれている独特な作品ですが、出てくるキャラクターが魅力的で、エッチなことしか考えていない勇者と、乙女のような思考回路を持つ魔王の掛け合いがとにかく強烈で笑えます。

勇者を倒そうと挑戦する魔王が毎回返り討ちに遭い、手下達を守る為に体を張る姿は健気でかわいいと思えてしまうのです。魔王とは名ばかりで、スライムや猫と戯れる様子は癒されること間違いなしです。

ツンデレ魔王を狙うストーカーのような側近悪魔も現れますが、圧倒的な強さで勇者が倒す姿は爽快。日常シーンにはファンタジー好きがクスッとするようなネタがいくつもあり、隅々まで楽しむことができます。

ファンタジー設定を活かした、人外エロスもあり盛りだくさんの内容です。コミカルでとても読みやすく、濃厚エロスも大満足な作品です。

人と狐が織りなす切ない純愛

壮志に会いたい一心で人間の姿になった子ぎつねの佐登は、正体を隠して近づき涙の別れを繰り返します。人になった代償で徐々に命が削られてしまいますが、壮志と一緒にいられるのなら佐登は命を失うことなど怖くないのです。

もう二度と会わないと佐登は決心して最後に顔を見に行きますが、酔った勢いで抱かれて恋人同士になったことに戸惑ってしまいます。壮志からの愛の言葉があまりにも嬉しくて、そのうち関係が壊れてしまうことがわかっていながら、一時の幸福に身を委ねてしまう佐登。

そしてとうとう壮志に老いを悟られてしまい、綺麗なままで記憶に残っていたいと手紙を残し去ります。故郷の神社に帰りひとりで静かに寿命を終えようとしていた佐登の前に、偶然にも壮志が現れてしまうのです。

著者
名倉 和希
出版日
2014-01-09

壮志を愛するあまり健気な行動を取る佐登の姿が、この作品の魅力を表現しています。冒頭の子供時代の壮志と子ぎつね佐登のかわいさに癒されてからは、本格的にストーリーが動きだすのです。

両親が離婚し荒れた10代の壮志の前にはサトルとして現れ恋を教え、大学生の壮志とは恋人になります。寿命が減って年老いていく佐登と、成長して大人の男になっていく壮志とのすれ違いは非常にうまく作りこまれているのです。

ようやく恋人同士になったのに佐登にはもう時間がなく、静かに去ってしまうシーンは物悲しく胸を打つものがあります。姿を変えて何度も現れる佐登を無意識に好きになり、必ず失恋してしまう壮志も可哀想なのですが、愛しているからこそ些細なことに気づき佐登を見つけてしまうのです。

互いが思い合うからこそ成立する物語で、これこそが真実の愛と言えるでしょう。

人間とケモノの種族を超えた一途な愛で感動したい方には、ぜひ読んで欲しい作品です。

ヘタレ宇宙人スライムが斬新な触手ファンタジーBL小説

大好きな西ヶ谷と旅行に行く予定だったのに、謎の箱が届いて現れたのはスライムの形をした喋れる生物。話を聞くとそのスライムは西ヶ谷で、放っておけないので未知也は夏休みの間ずっと一緒に過ごすことになります。

そんな時に同級生の瑞野がやたらと絡んでくるようになって、未知也の胸はざわつきはじめます。スライム姿にも愛着がわくようになったある日、男に襲われているところを助けられて勢いで抱かれてしまいます。

抱かれたことでスライムの正体に疑問を感じはじめ、瑞野が関係しているのではないかと気づく未知也。真相を問い詰めている最中に運悪く車に轢かれそうになってしまい瑞野が庇ってくれたのですが、意外なことが起きてしまうのです。

著者
砂原 糖子
出版日
2012-06-08

触手?宇宙人?と聞くと奇想天外なストーリーと誤解しがちですが、初々しい王道恋愛の話です。

スライムが未知也を好きなあまり正体を偽っているのですが、そのせいですれ違ってしまいなかなかくっつきません。ヘタレで臆病なスライムが気持ちを伝えられないのがじれったく、思わず応援してしまいたくなります。

ふと我に返るとスライムなのに……と思うことがあるかもしれませんが、そこも個性的な魅力のひとつです。攻めがスライムなので触手シーンが気になるかもしれませんが、嫌味がなく読みやすいように描かれているのです。

ラストは人間姿でのシーンもあり、ちょっとしたシリアス展開にもハラハラします。バラエティーに富んでいて、最後まで飽きずに楽しめます。

ドラマCDも発売されているので、スライムがどうしても気になる方は、そちらを聞かれるのもオススメです。 

独特な物語をじっくりと読みこめるのが、BLファンタジー小説の醍醐味です。コミカルで笑えるものから、切なく泣けるものまで、様々な恋愛模様をお楽しみ下さい。

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