愛する妻子がいながらも、出張先での美味しいご当地グルメと、人妻との情事がやめられない……そんな食欲と性欲に奔放なサラリーマンを描く『不倫食堂』。今回は主人公を誘惑する「ご当地人妻」とのエピソードを厳選してご紹介します。
『不倫食堂』は、山口譲司が描く「グルメ」と「エロ」を掛け合わせた新しい作品です。主人公が出張先で食べる名物料理と、そこで出会った人妻たちとの情事を重ねて描いています。
よく「食欲と性欲は関係する」と言いますが、まさにこの漫画はそれを表現しています。主人公は人妻の食べる姿にセックスの姿を重ねて欲情する、あるいは人妻の方が主人公の食べる姿に重ねることもあり、行為も含めて食事のひとつとして楽しんでいるのです。
シズル感たっぷりなご当地料理の描写や、トリビア的なうんちくもさることながら、登場する人妻たちが、主人公の性欲を刺激する魅惑的な存在として描かれているのが見どころです。
色っぽく艶っぽく料理を食する人妻の姿には、主人公ならずともドキリとしてしまうもの。ここでは、各巻で登場するご当地人妻を厳選してご紹介します。
- 著者
- 山口 譲司
- 出版日
- 2016-07-19
「趣味 食べ歩き 特技 旨いもの探し 好きなもの 旨い料理とーー人妻」(『不倫食堂』1巻より引用)
『不倫食堂』の主人公は、都内の企業に努めるごく普通のサラリーマン、山寺隆一、35歳。妻子には悪いと思いつつも、出張先で美味しい料理を探し、ひとり食べ歩くのが密かな趣味となっていました。
しかし、山寺の趣味はご当地グルメを食すことだけではありません。出張先で出会う人妻と、美味しいご飯を食べた後に体を重ねていたのです。
浜松のどうまん蟹と女将、広島のホルモン天ぷらと女性社員、長崎のカキと人妻……食欲も性欲も旺盛な山寺は、後悔と罪悪感を感じつつも、出張先でのご当地グルメとご当地人妻を楽しみます。
出張先の浜松で打ち合わせを終えた山寺は、幻の蟹と言われる「どうまん蟹」を探し求めて、店を転々とします。しかしなかなかありつけず、立ち寄った小料理屋で愚痴をこぼしながら飲んだくれる山寺。
店の客が引いてきたころ、そんな彼の姿を見かねた美人女将が差し出してきたのは……あの「どうまん蟹」⁉
聞くと、女将の主人が帰ってきたら食べさせるつもりだった蟹だと言います。遠慮しようとする山寺に微笑む女将。
「なんだか お客さん見てたら 食べさせてあげたくなっちゃって」(『不倫食堂』1巻より引用)
喜びと興奮で蟹にむしゃぶりつく山寺と、その横で美しく蟹を捌いて食す女将。遠洋漁業で今夜主人は帰ってこないと言う女将と山寺の距離は、次第に近づいていき……。
- 著者
- 山口 譲司
- 出版日
- 2016-11-18
出張で久留米市に来た山寺。市内を案内すると言う会社の受付嬢に、焼き鳥が食べたいとリクエストします。
見た目は童顔で夫にはクリオネに似ているといわれるも、「意外と肉食」だと自負する彼女は、おすすめのお店に連れて行ってくれるそう。
焼き鳥を前にすると、受付嬢の可愛い顔が一変、大きく口を開けてワイルドに肉にかぶりつく様子に、山寺はギャップを感じて思わずドキドキしてしまいます。
「山寺さんの食べよる姿 見とったら ムラムラ~っちきてくさ」(『不倫食堂』2巻より引用)
と恥ずかしがる彼女は、そっちも肉食系で……⁉
- 著者
- 山口 譲司
- 出版日
- 2017-03-17
広島での出張を終えた山寺に、緊急の案件が入りました。それは、広島支社の「産業スパイ」疑惑がかけられている女性社員の調査をしてほしいというもの。
若くて優秀で人妻の女性社員がライバル会社に情報をリークしている、というウワサの真相を確かめるべく帰宅中の彼女を尾行すると、着いた先は「ホルモン天ぷら」を出す定食屋でした。
調査という名目で、彼女と同じようにホルモン天ぷらを注文し、舌鼓を打つ山寺。ホルモンの旨さに任務を忘れてしまった彼は、調査対象だったはずの女性社員とすっかり意気投合してしまいます。
「だってホルモン食べた後って 私の内の女性ホルモンが 一気に活動し出すもの……」(『不倫食堂』3巻より引用)
と膝をすり寄せてくる彼女。いつの間にか山寺は女性社員のハニートラップにはまってしまったようですが、山寺の内の男性ホルモンも活性化され……⁉
- 著者
- 山口 譲司
- 出版日
- 2017-06-19
金沢へ日帰り出張のはずが、猛吹雪で東京へ帰る飛行機の便が欠航になってしまった山寺。ひと晩泊まる宿が見つからず、吹雪のなかを彷徨って、やっとのことで1軒の小料理屋にたどり着きました。
その店には、どことなく憂いを帯びた口元にほくろのある色っぽい女将が。今日はもう店じまいをするつもりで、おでんくらいしか出せませんが、ともてなしてくれました。
ふたりきりの店内、おでんをいただく山寺の横で、女将はとつとつと自分の夫について語りはじめます。
山寺は彼女の話を聞くうちに、旦那さんは職探しのため東京に行っていて、しかも失職した原因に自分が薄く関係していることに気がつきます。
いたたまれなくなり、店をあとにしようとする彼を引き留めるかのように、女将は香箱ガニや牛すじ、ばくだんに汁かけごはんなど、次々に美味しそうな料理を出しました。
いよいよ満腹になった山寺はお店を出ようとしますが、女将は着物の帯を崩しつつ、こう言います。
「どうか 最後まで召し上がっていって くださいな」(『不倫食堂』4巻より引用)
- 著者
- 山口 譲司
- 出版日
- 2017-09-19
山寺は急きょ、取引先への謝罪のため、長崎へ出張することになりました。
長崎といえば……竹崎カニだ!と息巻く山寺は、取引先への謝罪を無事にこなし、佐賀の太良町まで足をのばします。
その道中の太良駅で、福岡から「竹崎カキ」を食べに来たという人妻に出会いました。
実は山寺、急に出張が決まった関係でスケジュールが狂い、昨日の晩御飯で食べられるはずのカキフライを食べ損ねていたのです。
昨日のリベンジだ!と予定を変更し、彼女とカキを食べに行くことに。
焼きガキを食べるのは初めてだという彼女に、山寺はカキ小屋で焼き方をレクチャーしてあげます。濃厚でクリーミィなカキを食した人妻は、ご満悦顔でひと言。
「私……美味しいものを食べると 鼻の下が伸びちゃうんです」(『不倫食堂』5巻より引用)
そんな彼女に山寺も満足しますが、とあるきっかけでオトナのスイッチが入ってしまいます。やはり山寺にとって人妻の引力は不可避のようで……⁉
グルメと同じように不倫を楽しむ主人公を描いた作品ですが、不思議とドロドロとした印象を受けないのは、相手も人妻で、お互い一夜限りの関係と割り切っているからこそ。それは山寺の不倫に対するひとつの流儀のようにも見えます。わかっているけれどやめられない、人妻との食事と不倫。漫画のなかでその美味しい世界を存分に体験するのは、あり……かもしません。