無料漫画アプリ「マンガワン」で連載中の『送球ボーイズ』。マイナースポーツであるハンドボールを題材にした熱いスポーツ漫画の魅力をお伝えします!
『送球ボーイズ』は無料漫画アプリ「マンガワン」で連載中の作品です。
「ハンドボール」は、漫画界ではあまり根付いていないスポーツだと言えます。以前にもハンドボールを題材とした作品はいくつかありましたが、マイナーな種目のためか、なかなか周知されていませんでした。
そこで、今回ご紹介するのが『送球ボーイズ』。この漫画はハンドボールの経験者も未経験者も関係なく、競技のスピード感や熱いチームワークに興奮できる素晴らしいスポーツ漫画です。作者の持つ「ハンドボールを世の中に伝えたい」という気持ちが物語の根底にあるため、概要やルールもわかりやすく伝わって来ます。
この記事では、そんな『送球ボーイズ』の魅力・見どころと、最新巻の内容についてご紹介しましょう!
また、登録無料の「マンガワン」は、無料で作品を読める「ライフ・チケット」が毎日プラスされるので、ペースを気にしなければ最初から最後まで本当に無料で読むことができます!この機会に、「マンガワン」を通してさまざまな漫画作品を読んでみませんか?
- 著者
- 出版日
- 2016-05-18
佐倉凪(さくらなぎ)は、かつてのインターハイ予選の活躍を見て以来憧れを持っていた「火鼠高校ハンドボール部」に所属することにしました。しかし、入ったばかりの彼は試合に出場できず、使い走りをさせられる日々が続きます。そんななか、東京から転校してきた志熊栄都(しぐまえいと)と出会います。
凪と同じくハンドボールに魅せられた栄都は、低身長というハンデを持ちながらも、臨機応変な決断力と軽やかな体さばき、そして彼ならではの技を持ってハンドボール部に所属しました。
こうして出会った凪と栄都、そしてそのほかの部員たちが、互いに刺激しながらインターハイを目指していきます。
- 著者
- 出版日
- 2016-08-12
原作者であるフウワイは、中学時代から社会人までハンドボールをプレイしていた経験者です。
「もっとハンドボールを世に広めたい」という気持ちと、「ハンドボール漫画のヒット作が生まれない」という状況への挑戦心からこの漫画を描き始めました。
作者がハンドボールというスポーツを深く理解していることで、基本的なルールや概要は非常にわかりやすく、真の面白さや魅力は濃厚に伝わって来ます。作者がいかにハンドボールという競技を愛しているのかがよくわかるでしょう。
- 著者
- 出版日
- 2016-11-18
まずはじめに読者の視線を奪うのは、転校してきた主人公・志熊栄都というキャラクターです。
転校して早々にハンドボール部への入部を望んだ栄都でしたが、最初は身長の短さから断られてしまいます。しかし、ハンドボールへの情熱と抱えている経歴から、絶対に入部しようと固く決意しているのです。
キャプテンである大槻雪弥(おおつきゆきや)と所属を賭けた1対1の対決をし、見事な「ムササビシュート」を決めて1点を奪います。このシュートは身体を倒すようにして飛んだ状態から、キーパーの横を狙ったシュートを繰り出すもので、身長が低いプレイヤーにとっても武器となります。こうして彼は入部を認められました。
幼い見た目に反した強い反骨精神と、プレッシャーに対する強さが魅力のキャラクターです。
そしてもう1人の主人公・佐倉凪。栄都と違って特殊な技や強い精神を持ち合わせていない彼は、親近感を持ちやすいキャラクターだと言えます。実直な性格と、小学5年生からのハンドボール経験、今までの努力で培ってきたスタミナが武器という実に現実的な選手です。
栄都がハンドボールの魅力を伝える意味を持った登場人物だとすると、凪はハンドボールをより身近に感じさせてくれる人物といえるでしょう。
栄都と凪、彼らを囲む個性的な選手たちが、ハンドボールの魅力を教えてくれるのです。
- 著者
- 出版日
- 2017-03-17
身近にプレイヤーがいないし、試合を見たことも無ければもちろんルールも知らない。そういったスポーツ漫画には、はじめはなかなか手が伸びないかもしれません。しかし『送球ボーイズ』は、そういった気持ちを完全に払拭してくれます。
主人公の栄都がまったくの素人ということもあり、周囲の部員たちが試合のルール、選手がするべき動き、合間合間に挟まれるテクニックについてなどを、物語の流れにそって丁寧に解説してくれるため、読者も無理なくハンドボールについての知識を得ることができるのです。
また、選手たちの間で使われる専門用語や略語などにも解説が入るため、小さなルールも取りこぼすことなく、試合展開を楽しむことができるでしょう。
そして、物語一番の見どころとなるのが、白熱した試合風景です。コートの端から端までボールが飛び、それに合わせて選手たちが走り、声を掛け合いながらゴールを目指す様子はスピード感が満載で、実際に会場で試合を観戦しているかのような感覚を味わえます。
ゴール際で行われる一瞬の攻防も圧巻です。コマや効果音の描写を効果的に使って、軽快な動きやダイナミックなシュートを見事に演出し、鳥肌ものの得点シーンを見事に描きだしています。
手に汗握る展開の連続を目の当たりにした読者は、きっとハンドボールの虜になっていることでしょう。
まずは6巻までの大まかな流れをご説明いたします。
火鼠高校ハンドボール部に所属した栄都と凪。彼らは1年対2年の対抗戦で実力を見せたことで、チーム内でも注目されることになりました。そして、追い越したい相手でもあり、尊敬の対象でもある先輩や同級生と互いに競い合い、「秋の新人戦」にてようやくオフィシャルな試合での出場を果たします。
特技であるムササビシュートと、対象の動きをなぞることのできるミラーリング、そして精神的な重圧にも負けない強さを武器に点を取る栄都。一方で、今までの経験から選手を良く分析し、相手の動きや弱点を突いて試合を優位に運ぶ凪。2人はそれぞれの力でチームに貢献していきます。
そして公式戦準決勝、夏の大会で2位という戦績を残した強豪「子安高校」とぶつかりますが、火鼠高校にとっては厳しい戦いとなり、なかなか得点が取れません。それでも、シュートではなくパスで点に繋げるという発想の転換で相手に食らいついていきます。
そして、試合終了まであと少しという場面で、凪がやってくるのです。そして彼は今までの積み重ねを活かした実直なプレイスタイルで活躍します。
火鼠高校ハンドボール部は、この試合を制することができるのでしょうか?
またこの大会の後、顧問の軍司寛明(ぐんじひろあき)先生は、ハンドボール部の力をさらに上げるために、新たなコーチを探し始めます。そして現れたのが、火鼠高校ハンドボール部のOB・宮口竜哉(みやぐちたつや)です。
インターハイ経験者でもある宮口ですが、彼は非常に口下手で、練習内容の説明すらあまりしません。部員は、そんな新コーチに戸惑うのでした。
- 著者
- 出版日
- 2017-09-12
6巻では、宮口が来てから初めての練習試合も行われます。
その練習試合で栄都と凪、そして同じく1年生で、パワーを活かしたプレーが特長の福田大芽(ふくだたいが)が選抜メンバー入りしました。そしてなぜか代表枠には入れなかった、2年生の実力者・長谷川宙(はせがわそら)や、センターの広川恵太(ひろかわけいた)は理解できない様子を表し、全体に良くない空気となっていきます。
しかし試合が展開されるにつれ、宮口コーチの真の行動の意味が明かされます。それを理解した部員たちは、コーチも含め、あらためてチームとしての結束を固めていくのでした。
この巻の注目ポイントは、チームの戦略の変更です。今までは個人のプレーが目立っていましたが、チームワークの重要性を前面に出したことで、「火鼠高校ハンドボール部」全体のレベルを高めることができます。
また、第6巻では合同合宿もはじまります。今後、チームがどう成長していくのか、期待が高まる巻となるでしょう。
宮内が蓬莱大附属に勝利したい理由が、かつての恩師である黒澤との約束があったことが明かされました。7巻の1話目では、火花バチバチのふたりのやりとりが描かれます。
ちなみにこの飲み会での宮内はかなり可愛い。酒に弱い彼が酔っ払った姿はギャップ萌えしてしまいます。
そんなほっこりする夜かと思いきや、それと時を同じくして栄都が置き手紙を残して突然いなくなります。彼は朝までには戻るからと書き残し、実家に帰るのでした。
彼の実家の特殊な事情を知っている凪は、約束の時刻までに戻らず、連絡もつかない栄都を心配して彼を探しに行こうとします。しかし明日は合宿最後の試合がある日。キャプテンである雪弥は凪の言い分が分かるものの、メンバーに選ばれている彼を止めます。
- 著者
- サカズキ九 フウワイ
- 出版日
- 2017-11-15
そこにやってきたのが他の控えの1年生たち。試合に出ない自分達ならあまり影響も少ないので大丈夫だろうと言う彼ら。そんな言い方しなくても、と言う凪ですが、彼らはこう返すのです。
「我慢してんだよ! 控えが悔しくないわけねェだろ!
おんなじ練習してるのに、お前とタイガと…エイトにも置いてかれて、
悔しいけど今はそれが現実だ。
だけど、このまま実力を出せず負けるのも、役に立てないのももう嫌なんだ」
彼らの言葉を聞いた雪弥は、仕方なく先生とコーチには自分から言うと告げます。しかし栄都を探しに行く彼らにこうも言うのです。
「お前たちもチームの一員だ。
試合開始までに必ず戻ってこい!」
そしてレギュラーのメンバーたちは、彼らの分まで最後の戦いに臨もうと決意するのですが……。
いよいよ合宿最後の試合が展開される7巻。その緊迫した試合運びはぜひ作品でご覧ください。チーム競技ならではの気持ちの乗ったプレイに胸が熱くなること間違いなしです。
7巻で急にいなくなり、約束の試合の時間になっても戻ってこなかった志熊。彼は自分のコピー能力の高さゆえに、オリジナルのものがないことを悩んでしました。そしてその能力を育んだ原点でもある実家に帰って自分を見つめなおします。
- 著者
- 出版日
- 2018-02-19
都内のスタジオでひたすらに自分だけのシュート技を考える志熊。そこで自分が過去にダンスをしてきた記録が残されていることを知ります。
そして何やら決意した面持ちで、今まで踊ってきた曲をすべて踊るから付き合ってくれと姉に頼むのでした。そして踊りながら、なぜ自分が部員たちに怒られたのかを理解するのです。
「変わろうとせず コピーでその場しのぎをしてたから
形だけマネしてもダメなんだ」
そして今まで自分の体に蓄積されてきたダンスとハンドボールの動きを組み合わせることで、自分だけの技を編み出すことに成功するのでした。
しかし帰ろうとした志熊が父に挨拶をしようとすると、自室で彼が倒れていて……。
前半は志熊の実家でのエピソード、後半からは志熊が試合会場に戻ってからの展開が描かれます。どちらもかなり見ごたえのあるもの。
特に今回ご紹介しきれなかった試合展開は、火鼠高校が少し遅れをとっているものの、強豪校に負けず劣らずの活躍を見せる展開に胸が熱くなります。
それに加え、すべてがうまくいっていたはずの流れから描かれる長谷川の秘密が切なく、ますます勝利してほしいという気持ちが高まるのです。そして彼の代わりに入った志熊が試合を大きく動かし……。
志熊の成長、火鼠高校と強豪・蓬莱大付属高校の白熱の戦いをお見逃しなく!
マイナースポーツであるハンドボールを題材にした『送球ボーイズ』。とても熱くスピーディーな試合とストーリー展開で、見るとハンドボールに興味が沸く楽しい漫画です。ぜひ読んでみてください。