仲良しの兄弟ケイゴとマコト、そしてケイゴの幼馴染のアコは3人でマスコットの祭典に遊びにいきます。しかし、突如マスコットが狂暴化し人々を襲う事件に巻き込まれてしまい……。はたして事件の真相は?
『PYGMALION-ピグマリオン-』はジャンルとしてはパニックホラーに当てはまる漫画です。
仲のよい家族や人間関係を描いた物語かと思いきや……1話から見事に裏切られる展開に。このマスコットキャラを集めたイベントが一転、惨劇の舞台となっていくのです。
- 著者
- 渡辺千紘
- 出版日
- 2016-04-14
物語の主役となる兄弟、綾原ケイゴとマコト、そしてケイゴの幼馴染のアコはご当地マスコットキャラの祭典に来ていました。
突如、不気味なアナウンスが流れ、マスコットたちが狂暴化し、人々を次々に殺していきます。イベント会場は大パニックに陥ります。可愛げのあるキャラとして描かれていたマスコットが人を次々と殺していく姿はかなり不気味で衝撃をうけるでしょう。グロ耐性のない方はお気をつけください。
この事件には、テロが関係しており、そのテロ計画にはなぜかケイゴとマコトの兄弟にも関わっている様子……はたして、「ピグマリオン計画」の全貌とは?ケイゴとマコトの運命はどうなるのでしょうか。
グロい描写と数々の伏線が印象的な作品です。最後の最後までハラハラドキドキの展開が続きます!
綾原ケイゴとマコトの兄弟、幼馴染のアコの3人はマスコットの祭典に遊びにきていました。平和で穏やかな時間を過ごす彼らでしたが、突如不気味なアナウンスが流れ、次の瞬間、マスコットたちが狂暴化し人々を次々に殺していきます。
小さなマスコットに興味を持ち、追っていったマコトはケイゴや一緒にきていた幼馴染のアコと離れ離れになってしまいます。人気のないところにたどり着いたマスコットはマコトに襲いかかり……。マコトは恐ろしい怪物から逃れ、生き残ることができるのでしょうか?
さらにはこの一連のパニックを「ピグマリオン計画」と命名し操る首謀者も登場します。そして、実は綾原兄弟もこの計画に関わっていることが判明するのです。
はたしてケイゴはマコトを救えるのでしょうか?そして綾原兄弟が関わっているピグマリオン計画の全貌とは一体……。スリルとサスペンスが満載のパニックホラー漫画です。
『PYGMALION-ピグマリオン-』では、凶暴化したマスコットキャラクターたちが人を残酷に殺していく描写が多くあります。まず本来であれば、愛されるはずのキャラクターが人を殺していくという描写には、かなりの衝撃を受けるでしょう。
マスコットキャラクターたちの顔は可愛らしいままですが、人を殺すときに体型がかなり筋肉質に変化して、そのギャップもあり、なかなかグロテスクなのです。
しかもその中身は正体不明の怪物。マスコットが本来持つ可愛らしさを逆手にとって、不気味な存在にしてしまうあたりがより緊張感を高めています。人形の中身が何かわからず、幼少期に気持ち悪く感じた人も少なからずいるのではないでしょうか。そんな感覚を甦らせてくれます。
- 著者
- 渡辺千紘
- 出版日
- 2016-04-14
作中で人間が怪物と化したマスコットキャラたちに抵抗を試みて、銃で撃つものの、傷口はあっという間に塞がってしまいます。その際、マスコットの内側から肉が出てきて、自己修復していくその塞がり方も結構グロいです。
さらには彼らの人間の殺し方もかなり残虐で、首をもいだり、頭をふっとばしたり、胴を真っ二つにしたり、内臓を吸い出したりとショッキングなシーンが多く描かれています。人間を淡々と殺していくマスコットたちが恐ろしいながらも、その画力の高さには、思わず目が釘付けになってしまうでしょう。
この作品は日常に刺激を欲しいと感じている方や、平凡な毎日に飽き飽きしている方にぜひ読んでいただきたいです。というのも、作品の冒頭は本当にどこにでもいるような一家族が描かれているからです。
平凡な家庭に生まれ、平和な日々を過ごしていた兄弟が突如、パニックに巻き込まれていく様子を自分自身におきかえてみると、かなりの緊張感を味わうことができます。
- 著者
- 渡辺千紘
- 出版日
- 2016-10-14
グロいシーンが多々あるので、パニックホラーが好きな方は視覚的に引き込まれていくでしょう。しかしそれだけではなく、どんどん追い詰められていく主人公たちに自分自身を重ね、平穏な日常の崩壊や、死を目前に迫られる数々の選択肢など、スリルのある体験ができる作品になっているのです。
一度読みだすとハマってしまうほどの中毒性があるためご注意を。最終話まで、続きを読むことが止められなくなってしまうでしょう。
全3巻と比較的短いストーリーの漫画ですが、そのなかに多くの伏線が隠されています。本作は、この伏線が明らかになっていく様子や、回収の仕方も非常に優れているのです。
作中、突如暴れだしたマスコットたちですが、彼らはテロリストたちの「ピグマリオン計画」によって生み出されたもので、「ガラテア」と呼ばれていました。
物語が進むにつれ、裏で操っているテロの首謀者が登場します。彼はマコトをガラテアに仕立てあげ、攫います。その後、マコトを目の前に「マコトであれば器足り得る」と謎の言葉を発するのです。
一方のケイゴも警官と協力し、テロの首謀者を追いますが、警察により自分の父親であるユウゴが今回の騒動に関わっている可能性があることを知らされて……。
過去に失踪したはずの父が一体どのように関わってるのか、ケイゴには見当もつきません。首謀者が潜伏する研究所に到着した一行でしたが、どうも過去にケイゴはこの研究室に来たことがあるようなのです。
さらに到着したケイゴたちの前に首謀者自らが姿を現します。なんとその姿はケイゴと瓜二つの姿で……。
はたして首謀者の正体とは一体?そしてピグマリオン計画の全貌とは?スピード感のある展開から、目が離せません。
ケイゴそっくりの男が登場したことで、急速に物語が進んできます。
実は、その男はケイゴの父・ユウゴによって開発された人物だったのです。彼はシンゴと名付けられていました。どうやら、ピグマリオン計画には、彼が大きく絡んでいるのです。
3巻では、ユウゴとの回想シーンが描かれ、シンゴ誕生の謎に迫ります。
- 著者
- 渡辺千紘
- 出版日
- 2017-08-12
マスコットが次々と暴れだし、ケイゴたちは命の危機にさらされてしまいます。はたして、ケイゴは連れ去られたマコトを救出することができるのでしょうか?また、暴走するマスコットたちとの戦いに決着をつけることができるのでしょうか……。
続きは、ぜひ本作でお楽しみください!
『PYGMALION-ピグマリオン-』は一度希望を抱いたと思っても、すぐさまそれが絶望に変わる様子がとても印象的な作品です。平和な日常生活が突如壊れて、理不尽さや絶望に打ちのめされる作品です。
かなりグロい描写が絶望感に拍車をかけています。全3巻と短いながら、数多くの伏線が仕込まれており、ストーリ―もしっかり作りこまれています。全部読んだあとは、家族愛や人間の本性についても深く考えさせられる作品になっているのです。