無料漫画アプリで配信中の『たわら猫とまちがい人生』。ほっこり日常ストーリーに癒される人続出中です!今回は、作品の魅力をネタバレ含みながら紹介していきます。
- 著者
- 日高 トラ子
- 出版日
- 2014-08-08
突然あらわれた俵のように太った「たわら猫」とどこかで人生を間違えてしまったと感じている主人公ことりがおくる、ほのぼのした日常を描いた漫画です。また、たわら猫によって変化することりの成長物語でもあります。
ゴールのない日常漫画とは違い、しっかりと完結するのがこの作品の見どころのひとつです。
そんな今注目の漫画『たわら猫とまちがい人生』の魅力を作品の見どころとあわせてご紹介します。
主人公は、なんだか冴えない人生を送っている少女ことり。彼女は20歳の誕生日に、米俵のようにまるまると太った野良猫に出会います。親切心で捨てられていた猫を助けてしまったため、それ以降その猫につきまとわれ挙句の果てに家に住みつかれてしまうのでした。
たわら猫と出会ってから、ことりはたわら猫が原因でさまざまな事件に巻き込まれていきます。一見すると不運ばかりに見舞われていることりですが、実はたわら猫は古くから福を呼ぶといわれる伝説の猫だったのです。
ことりはただのデブ猫だと思っていますが、果たして彼女の前に現れたたわら猫は、ことりに福をはこんでくれるのでしょうか……?
米俵のようにまるまると太った猫「たわら猫」。作中では、ことりの食事を奪っていく食い意地のはった様子も描かれています。顔もなんだかあまり可愛くないのに、「たわら猫」にハマる人が続出中……。一体、「たわら猫」の魅力とは何なのでしょうか?
「何百年も生きて寂しい人に福と笑いを与えるという 太いネコの伝説をお祖母ちゃんから聞いたことがあったわ」(『たわら猫とまちがい人生』1巻より引用)
上記は、ことりの親友すみれのセリフです。作中では、たわら猫を見て同じように「伝説の猫」と語る登場人物が複数あらわれます。たしかに、たわら猫の異常に大きな体や太っているにもかかわらず回し車でつむじ風が起こるほど速く走る場面など、「不思議な力があるのではないか」と思わせるシーンが作中に何度も登場するのです。
「なんだろう公園の方 つむじ風? 桜 とってもキレイ」(『たわら猫とまちがい人生』2巻より引用)
こちらが問題の「つむじ風」のシーンですが、ことりのダイエットのためにやってきた公園で事件は起こります。公園には大きな回し車があり、ランニングをすることりをよそにたわら猫は尋常じゃない速さで回し車をまわすのでした。するとあまりの速さに、つむじ風が巻き起こったのです!
その日は桜が満開の春。桜の花びらはつむじ風にのり、空高くまで舞い上げられます。ピンク色の空への階段があらわれたとき、人々は笑顔になっていました。
そんな不思議な力をもった「たわら猫」が登場する先々では、事件を起こしながらも最終的に周囲の人々は笑顔になっています。ふてぶてしく自由奔放な姿からのギャップこそが「たわら猫」の魅力のひとつなのです。
たわら猫は本当に伝説の「たわら猫」なのでしょうか。実は最終巻までハッキリとは明かされません。たわら猫の正体はただのデブ猫なのか、伝説のたわら猫なのか、どちらなのでしょうか……?
「間違ってる私の人生 生まれた時から間違ってる」(『たわら猫とまちがい人生』1巻より引用)
人間として生まれたのに、「ことり」という名前をつけられてしまったと嘆く彼女のセリフです。自分で認めるほどの、「間違った人生」はたわら猫と出会って変わっていくのでしょうか?まずはそんな主人公ことりのプロフィールをご紹介します!
金なし、彼氏もなしの売れないインディーズミュージシャンで、作曲活動をしながらも生活のためアルバイトをしているスーパーマルフクで働きはじめて早2年。青春を謳歌していた高校時代から一転、バイトに明け暮れる日々で20歳の誕生日ですら、だれとも一言も交わさずにさびしく過ごしていました。そんな悲しい誕生日に出会ったのがたわら猫だったのです。
ゆったりした性格からか、パート仲間のおばちゃん達からの影響なのか、ことりはだんだんとおばちゃん化していきます。しまいには、音楽活動はおろそかになりいつのまにかさみしくてまちがった人生を送っていました。間違った人生をつきすすんでいた途中でたわら猫に出会うのです。
たわら猫のもつ福を呼ぶ力なのか、はたまた偶然なのか、ことりはさまざまな人と出会い、間違った人生はだんだんと変わっていくのでした。最後には幸せをつかむことりですが、その「幸せの形」は物語の重要なポイントになっています。
ことりに想いを寄せ、彼女の人生を変えるキーマンがCMOこと佐伯卓人です。ちなみに「CMO」とは、企業のマーケティング部門最高責任者を意味しています。CMOには莫大な財力があり、それを駆使したことりへのアピールは凄まじいものでした。一途で情熱的で、ことりのためなら何でもしてしまうCMOは、物語のなかでもひと際キャラが立っている魅力的な人物です。
そんなCMOとは反対に、ことりに長らく恋心を抱いているスーパーマルフクの魚場で働く冴えない青年の数本君。控え目で、影からことりを見守っているようなタイプですが、ここぞというときにはことりのために動く姿は読者の心をくすぐるでしょう。
一方ふたりの男性から想いを寄せられていることりは、意外とドライなようで物語の後半まであまり動きを見せません……。そのため、アピールにそれらしい反応をしていることりのシーンは三角関係の重要なポイントになっています。
「お礼に奢る 飲もうよ」(『たわら猫とまちがい人生』5巻より引用)
スーパーマルフクの慰安旅行にやって来たことりとたわら猫。またも事件をおこし雪山に逃げ込んだたわら猫を追いかけたことりは、風穴に落ちてしまいます。ことりが戻ってこないことにいち早く気づいた数本君によって助け出されたことりが、彼の優しくて頼れる一面に気がついたシーンです。ことりによるお礼の誘いで、絡みの少なかったふたりの距離がぐっと縮みました。
そして三角関係のラブストーリーの結末となる最終巻では、ついに3人のそれぞれの思いが語られるシーンがあり、物語のなかでも大きな見どころとなっています。対照的なふたりの男性……はたしてことりはどちらを選ぶのでしょうか?
- 著者
- 日高 トラ子
- 出版日
- 2014-08-08
ほのぼの日常コメディから、感動の物語、三角関係のラブストーリーなどさまざまな見どころがある漫画『たわら猫とまちがい人生』。おすすめなので、ぜひお試しください!